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どるとるの部屋  〜 投稿順表示 〜


[391] 雪だるま
詩人:どるとる [投票][編集]


お庭に昨日つくった 雪だるま
朝になって溶けてしまう
それでもつくる雪だるま
手が真っ赤になるのも気にしなく
大切なのは消えてしまっても心に残す思い出で
それはひりひりした痛みと溶けかかった雪だるま
それが大切なんだ

すべては雪だるまと同じです
命も時間も消えるからこそ美しい
そのぶん心に残るものは多大だから
限りあるものは永遠だから
跡形なくなっても雪だるまは雪だるまのまま僕の心に溶けず在ります
あのへんてこな笑顔のままの思い出が心のお庭に降り積もっているのです。

2009/10/28 (Wed)

[392] まもり火
詩人:どるとる [投票][編集]


誰かが今日も約束を交わす 指切りで
叶うのか叶わないのかはべつとして
約束は交わされる
叶わなくても約束は約束で約束でしかなくて

静かな夜の端っこで人知れず生まれた誰か
その誰かにも約束をとりつけるよ
あなたを一生守り続けると

規則的に並んだ
街灯が揺れる
そんな夜に

僕も約束したよ
君に 愛する君に
それは世界には他愛ない約束
でも僕らには何よりも掛け替えない約束
温かい火を灯そう
心に 心に
静かに灯そうか

それはきっと僕らのこれからを守ってくれる まもり火になるから

ゆらゆら
ガラスの中で
揺れる電球のように
僕らは何か特別でありふれた愛に守られて
明日も今日と何ら変わりなく幸せが続く幸せ かみしめながら生きるのです

さあ 夢の終わりの扉を開いてふたたびはじまる朝に瞼をそっとひらこう
そこにはきっとまばゆいばかりの朝がある
何か特別にただ当たり前に僕らを包み込むよ

目を閉じれば今も
揺らめき燃えてる
まもり火が
ほら 僕らの悲しみやさびしさそっと包んでくれる

これ以上に心強い味方はいないさ。

2009/10/29 (Thu)

[393] 中秋の風景画
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カフェオ・レのような
淡くほろ苦い季節です
繊細な甘さが香り立ち匂い立つ日々の中
僕はただ眺めてる
空に並んだ秋の景色
まるで美しい風景画のようだから

寄るつもりは無かった
だけれどなんとなく
寄った喫茶店
頼むのはカフェオ・レ
スプーンでかき混ぜて啜ればほろ苦い甘さが口の中で踊る
まるで秋の味

だんだん寒くなる
コートが目立つようになる
冬になる前の少し肌寒い季節
夏と冬のあいだ
そこに僕は立ってる

中秋の風景画の通りすがりの誰か
誰かが描いた風景にたまたま居合わせた人
されど描かれるに値する人
みんな同じだろう

そしてまたカフェオ・レの季節は風のように過ぎて嘘みたいな寒い冬がその猛威を震わし
この暑がりの僕でさえその寒風と気まぐれな雪で重ね着させる

僕は今 カフェオ・レの最後の数滴を飲み下し
また気まぐれな散歩へ行きます
冬の寒さと凛とした秋の切なさが混ざり合ったカフェオ・レみたいな甘さと苦さを併せ持った風に吹かれて僕は今オソマツな詩人になる

この風景よ果てしなく永遠なものであれ
美しいものは永遠でなくては
たとえ消えてしまっても生きているうちは何度でもその風景の中にとけ込めるから
誰かが描く風景画の通りすがりになるために僕は生きてる
中秋の真ん中に
陰影みたいに在るようで無いようなそんな存在感揺らしながらここにいるのさ

いつか風になる日まで
僕はただの通りすがりになるため秋に描かれたい

なんとなくぼやけていたっていい
なんとなくかすれてたっていい
なんとなく消えそうでもいいんだ

僕はただここにいるだけでこの風景画のひとつの景色になるから

演じるは通りすがりのひと雨みたいな役でも
いなくちゃさびしい
そんな人になれたら
枯れていく運命さえくしゃりとしなって色あせても幸せな事だときっと笑えるから…

2009/10/29 (Thu)

[394] おはよう おやすみ
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今日もおはようと言ったと思ったら
早送りされたみたいに気づくとおやすみと言っている自分がいる

こんなふうに日々は風のように過ぎ去り
悲しみも切なさもまるで無かったみたいに笑えてしまえる

三日月が光る夜
雲はなだらかに夜空をただよう
そんな夜や
憂うつな朝を
繰り返すだけの日々
そんな日々も愛せるふしぎ
抱いたまま
たった一杯のカフェオレ飲み干すまで僕は生きるのです

そしてまた繰り返す
バカみたいに繰り返す
同じように
おはよう そして
おやすみなさい
繰り返し繰り返す
そんな日常会話も
なんだか
優しく響く

言ったり言われたり
そんな繰り返しがなんでかな
とても幸せさ

君の声やあなたの声やおまえの声が僕を満たしてゆく
僕ははたして君らの心を満たせてるかな
たったふたつのこの言霊で

もしも満たせてるなら幸せだな 僕は。

2009/10/29 (Thu)

[395] マイ枕
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幼いころは小さなアニメの柄の枕
でも今は大きな無地の枕

それだけでなんか自分ってずい分大きくなってしまったことに気づいた

脳みそは多分そのままだけれど頭だけ大きくなったんだ
そんな事を笑って言う夜

今夜も重い頭と安らかな夢をたくすよ
よろしくね マイ枕
頼みましたよ マイ枕。

2009/10/29 (Thu)

[396] ナサレルベキコトハナサレズニ
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大事なのはなんだろう
大好きなのはなんだろう
やりたいことはなんだろう
行きたい場所はどこだろう
今向かうべき場所はどこだ
今やるべきことは
なすべきことはなんだろう

だれと一緒にいれば甘い蜜を吸えますか?
何を今やれば未来は明るくなりますか?
僕の今に 僕の今に
間違いはいくつありますか?

だれかおしえろ…

ナスベキコトはいつも見えないまんま僕はいつも途方に暮れるばっかでもの悲しい
どこに隠れているのかな 恥ずかしがり屋の奇跡 はたまた偶然
僕をあたためてくれよ
こんなに寒いんだよ
心も立場も躰も

日々、知らず知らずのうちに失ってゆくもの
日々、知らず知らずのうちに手にしている何か
僕はそれさえわからないままで今日も何かを失い何かを手にしてるのかなぁ

うまく言葉にならないや
ため息だけがあふれてしまう
余計な不安まで吸い込んで余計な喜びを忘れてしまうのさ

ナサレルベキコトハナサレズニ終わり
ナシタイコトハナサレナイママで
ナサレテイナイのに新しい1日がはじまる

そんな悪循環が危うく危うく続く毎日

そんな危機にさえ笑ってしまえる僕はなんだろう
そして今 ほほを伝う冷たいこの水はなんだろう

だれかおしえて…
ぼくにおしえて…
何もわからないから
いつも太陽は陰るばかりであと一歩のところでうまくいかない。

2009/10/29 (Thu)

[397] 涙の日
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どうしちゃったんだろうおかしいね
いつものぼくじゃないみたいだ
涙の雨がやまない
いつもならすぐに降り止むのに今日はどうしちゃったんだろう
いつもとは違うよ

裏と表を使い分けられずに素直すぎる心はだれかの正しい一言に打ちのめされて
おまけみたいに付き添ってきた嫌みや卑屈に傷跡はひらかれて
ほらこんなに悲しい
あふれる致死量の涙

ぼくを容赦なく
なぶるように
濡らすよ

必要以上の悲しみで
どん底まで落とすよ
気分はおかげでブルーです

励ましのおたよりもなんの助けにもならなくて
ただ真っ青な気持ちでいたんだ
ただ真っ青な涙を流したんだぜ

もうぼくの力だけじゃ
止められないんだ

だから君に頼ったんだ
この見えない涙を
やませてほしくて
涙の雨から救ってほしくてただ必死だった

今日もまた一日中涙が降ってたね
涙のち涙さ
どこまでいっても
濡れないでは生きれない
たったひとつの出来事で心まで土砂降りさ

ほらそしてまた
僕は穴のあいた
見え透いた
言い訳の傘で自分を守ろうとする
形だけとばかりに
意味のない言い訳で逃げようとする

だから今日も
涙のち涙

わかってるけれど
なぜだろう
おかしいね
止まらないんだ
涙のような
雨が

毎日、涙流さずにはいられない
生きてるだけで涙の日は続きます

この笑顔の裏には悲しい泣き顔が隠れてる
能面のような強がりで隠してもそれはもう。

2009/10/29 (Thu)

[398] やさしい人
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優しい人と一緒に歩くだけ
それだけで僕の角張った心はいつのまにか削れて丸くなった
あなたみたいな
角のない優しい形に仕上がった

作り物でも作り物じゃない

ああ 優しさをありがとう
感謝します
優しい人よ
優しさを教えてくれた人よ
ありがとう
優しい人よ

もうぼくは優しくならないことはない。

2009/10/29 (Thu)

[399] 遠い光
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あるのかないのかさえわからない出口を探す日々
小さな確率 それでも諦めたくはなかった
見え透いた言い訳と小賢しい嘘で埋め尽くされたこの部屋に
あふれるため息の霧
少しずつ晴れてゆくことを今はただ願う

迷路みたいなジグザクに入り組んだ場所に迷い込んだ時から僕は探してるんだ

今はまだ遠い遠い光
指先さえ届かない光
それでもいつか掴む
僕のこの両手で掴む
今はまだ遠い遠い光
やがてこの手の中光る光

僕は探してる
いつまでも
いつまででも きっと
旅人の名をかりて
時間が尽きるまで
時間がゆるす限りまで

探してるんだ
いつか見た光
いつの日にか我が手に輝くだろう遠い光を今でも
僕は探してるんだ
他愛ない今日の隙間に目を凝らしながら。

2009/10/30 (Fri)

[400] 桃源郷
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なんとはなく開いてみた退屈紛れの本のような一日の中で僕は今生きてる
変わらない営みの上に繰り返す日常の波
その連鎖から時々抜け出したくなるけど無謀なことはお止めなさいといつも嗜まれている

僕が行きたい場所はどこにあるのか
夢に描いた楽園はきっと夢のまた夢に
僕の目指す桃源郷はきっと心の中さ

だけれど信じてるんだ
大人になった今も
有り余るほど悲しみはあれど愛想笑いをし続ける気力は尽きそうで

きっと失うものよりも得るもののほうが悲しいんだろう
それを得ることで生まれる別れの悲しみ
出逢いをうらむその邪悪さがおそろしい
でも喜びはそこにあるから僕は桃源郷を夢見るよ
他愛ない明日に
絶え間ない日々に

波にうまいこと乗れなくても次の列車を待つさ
そのくらいの気力ならあるよ
ほらまた僕は時間を持て余してしまった
気がつけばまた退屈紛れのように一日を蔑ろにしてしまうよ
何ひとつ本気で生きれずにただぼんやりと眺めていた
真昼の月みたいな存在感が希薄な人だった

それでも確かに桃源郷へ今日も少し近づいた
そんな気がする夜

明日はお休み
なんて素晴らしい
それだけで明るい未来 晴れ渡るロンリーハート
後々の悲しみさえ無いかのように思えてしまうよ。

2009/10/30 (Fri)
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