詩人:どるとる | [投票][編集] |
夕暮れ帰り道
一人 黄昏て
黙ったままで
空を ただ見てる
理由のない
気持ちが
こみ上げてくる
明日の明日の明日もきっと変わらない
ただこんなふうに流れる街並みの中僕も滞りなく 廃れてく
なんとなく道草遠回り
坂の上 沈む夕日を眺めてる 今もいつかは
通り過ぎてく幾つもの今日が やがて振り返れば思い出に変わる
すれ違う朝と夜 忘れ得ぬあの日の笑顔が涙が後ろ姿が優しくあの夕日に彩られていく、もういっそ忘れてしまおうか
通り過ぎてく 大事な場面 大事な一瞬 全てを覚えてはいないけど それでも なんとなく楽しかったことだけはわかる
あの夕日の赤さは昔とちっとも変わらないな
僕の顔まで赤く染めている 何もかもが変わってゆく 何もかもが遠ざかってゆく
それでもわずかに変わらない何かが僕にはある
それはまるで僕や君だけの胸に光る宝石
輝いてる 煌めいてる。
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君が笑うこと
君が泣くこと
例えばそれは
幸せの形
例えばそれは
心の言いたいこと
君が生きること
たまに死を考えること
例えばそれが
どんなにありふれていても
例えばそれが
君の全て
僕は認めもしなければ否定もしないさ
例えばそれが
君の正解ならば
例えば
血を流して
痛みをもって
味わうことが
確かめるすべならば
僕には何ひとつ
例えばそれを
止めることさえ
かなわない
だけど少しだけ
わかってほしいな
痛みに代わる確かな何かがあるのなら
真綿のような優しさで僕は深くうなずくだろう
例えばそれが
支えになれば
例えば明日が
雨でも心に
そっと日が差すよ。
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どうして君が笑うとこんなに自分のことのようにうれしいんだろう
どうして君が泣いてるとこんなに胸が痛んで僕まで悲しくなるのかな
大切なものはきっと思うより人の近くにあって 気づかないだけで僕らはそれを見逃しているものなのかもしれない
どんなものよりかけがえのないものがここにある
二度とは来ない時間の中で誰かと二人で築き上げてく幸せの形 僕の傍揺れてる そっとへやに差し込む陽射しのようななんでもないことだけれど生まれる幸せ
当たり前なことがなぜか特別なことのように思えるよ
それは不思議な魔法みたいだ
今日も僕は気づかされるよ君のその笑顔や涙に
何気ない景色の中
君がいる僕がいる
そんな人生なら
何も文句はないよ
僕は幸せだ。
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当たり前なこと
ありふれてること
それは僕らが思ってるほど決めつけられたルールじゃない
空はただ青く果てしなく君の頭の上広がり
たくさんの概念をはねのけて君は今ここにいるじゃないか
ドアの外
部屋の中
あふれる
様々なもの
何ひとつ
どれひとつ
当たり前に当てはまるようなものはないよ
君の笑顔君の涙
君のその気持ち
君の思い出君の仕草
君の背負う夢
その全ては
当たり前という言葉なんかじゃ片づけられない
だけど特別でもない
だから僕らはそれを当たり前とは呼ばない
だけど僕らはそれを特別だとも思わない
ただ抱きしめる
曖昧で不確かなものを
空を空だと
海を海だと
いわしめる
何かを僕らは
持っていない
ならば全てを
そのままで
この世の不思議
この世の矛盾
ありとあらゆる
見えないものを
僕らは名前もつけず
命の影に目を凝らす。
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不思議だな 心が静かに語り出すよ
あの日の僕らが浮かべてた笑顔や涙を
包み込むように風は穏やかに吹いていた
確かなものなんてなくても愛しい気持ちそれだけで僕らは何も疑わず 歩いてた
不思議な不思議なその何かを 例えば
ゼロだとするならば
僕の持ちうる概念じゃ解き明かせない
だからあるだけで言葉で補うしかないんだよ
ああ 振り返れば思い出が 頭の中を 埋め尽くして 過去の輝きばかりが眩しく 煌めいて今の僕の惨めさを嘘偽りなく伝える
消え去れ まっすぐな正義よ 穢れなき純粋よ
振り返ればもう人生は夕暮れだった
そんなことにならないように 僕らは今を刻まなくちゃ 踏みしめなくちゃ
それでも何かが
もう壊れてしまった
取り戻せない
夢も希望も確かに
散らかってる。
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生きているのも
死んでいるのも
わからないくらい
曖昧な僕の日々
夕暮れがほらね
気づけば町の空を
真っ赤に染めてる
そのうちチャイムが
鳴るだろう
なぜかわけもなく
死にたくなるんだ
君にはわかるかな
こんな気持ちが
黙ったままでいると
まるでいないみたい
だけど確かに僕は
ここにいて
息もしていれば
心臓も動いてる
確かなものなんて
本当にあるのかな
例えば僕が今日
死んだとしても
気づかないんじゃないかな
道端に落ちてる空き缶や吸い殻がそうであるように無関心に殺される 僕だ
消え去りたいな
このまま人知れず
独りがたまに
ずしりと胸に重く
のしかかるんだ
おかしいだろう
慣れてるはずなのに
心が寒がるよ
僕はうそつきだ
すぐに強がるから
僕は弱虫だ
強くなんてない
僕だって独りは嫌だ
苦しいよ 辛いよ
僕だって誰かと…
笑いあいたいよ
なんとなく見つめる
灯りの先 揺れてる僕の影 涙がぽつりこぼれ落ちた
僕を殺してください
もう、いっそこのまま
僕を消してください
誤字をかき消すように
いなかったことにしてほしいよ。
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僕は名画みたいな
人生は送りたくない
ささやかでも幸せな
そんな人生がいい
例えばさ 街の壁
例えばさ 塀の隅
例えばさ トンネルの中にある誰かが描いた落書きみたいな
そんな人生でいい
気づかれなくても
気づいてくれてもいい
僕はやがて消える運命にあるから
それまではうだうださせて ああだこうだ言わせて
ちょっと楽しくて
ほんの少し悲しくて
どこかしらおもしろくて
端々に涙ちらついて
そんな人生がいい
子供が悪戯心で描いたような 下手でもどこか味のある そんな落書きみたいな人生がいい
明日も続く 道の上
雨は降り日が降り注がれる
街は変わらない
人が流れ ダイヤは進む 相変わらず僕は欠伸ばかりしている
それでもこんな毎日でも捨てがたくて死ぬのは嫌だ
だから描くんだと思う
落書きみたいな絵でもいい
ちょっと爪痕残すような
あがいた跡を残すような
そんな抵抗見せたいな
僕が僕であった証に
僕が僕である証に
少し 頑張る
ちょっと苦労する
そして描いた
人生が
例えば今日の
一筆で何かが 変わるなら 僕は塗り残しのないように一枚の絵を仕上げるよ
だけど名画にはならないししないよ
どこにでもあるようでここにしかない
そんなありふれてるけどどこかに光るものがある
そんな絵のような
人生がいいな
才能のない誰かが戯れに描いた落書きみたいな人生でいい。
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あたたかい
君のまなざし
それはまるで
灯火のよう
ゆれている
見返りを求めない
僕も君も無欲だ
ただ君だけ
あなただけ
互いが思うのは
それくらい
傷ついた心
見えない傷が
開いたら
血じゃなく涙が出た
その時、僕は
なにができるだろう
考えるまでもなく
傍にいた これでいいのかな
君が笑う だから嬉しい
君が泣く だから悲しい
そんな事がということが ただそれだけで嬉しくて
そんな事でということが ただそれだけで悲しくて
僕らは見えない心の奥にいる互いの闇を見つめたまま
何も言わずに寄り添うんだ
答えは多分
見つからないし
見つけもしない
陽射しのように
誰にでも降り注ぐ
贔屓もしなければ
等しく隔たりのない
愛だけど 好きという気持ちがあるだけで
それは特別に変わるんだ
魔法みたいだ
だんだんあなたが
だんだん君が
近くなっていく
長生きしよう
老いさらばえても
変わらない気持ちで
好きと言い合おう
色あせてもなお
座る誰かを待つ
公園のベンチのように小さな役目を果たすように
君は僕を 僕は君を
愛すため 守るため
君は僕に 僕は君に
愛されるために
ゆれていよう
ゆれていよう
灯火のように
命の火が消えるまで
歩いていこう
笑っていよう
あたたかい
君のまなざし
それはまるで
灯火のよう
ゆれている
当たり前のようでもあり特別なような気もするその揺れにまかせて 脈絡もなく生きていく
それがいい
それでいい。
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言葉は何も要らない
思い出さなくていい
通り過ぎてくものを
引き止めるつもりもない
帰る場所を探して
人は歩き続ける
朝へと帰る夜は
また街にやって来た
流れる人の波に乗り
僕は終電に揺られる
窓は鏡に変わって
僕の冴えない顔を映した
こんなふうに
明日も僕は
生きるのかな
そうやって
何年後も何十年後も
変われずにいるのかな
改札を出て 見上げた空に輝く月に話しかけてみるのさ
遠ざかるように
心なしか離れてく
夢も理想も若さも
乗り過ごしたんじゃない降り損ねたんだ
長い長い夢を見ていたよ
気づけば もう僕はいろんなものをなくしていた。
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誰からも認められなくてもいいよ
誰からもわかってもらおうなんて考えてないよ
僕は僕の描きたいことを描くただそれだけ
わがままでもいい
腐りかけでもいい
詩人じゃなくてもいい
人間じゃなくてもいい
風のように
形のない気持ちを
形のない言葉で
描くなら
僕は何も言わず
詩人にならず
ただ立ち尽くして
無音と無意識の中を
漂っていたい
僕は屑だ 屑だ 屑だ
屑だ 屑だ 屑だ 屑だ
君も屑だ 屑だ 屑だ 屑だろう 違うか?
屑は屑だ 屑でしかないんだ
誰がなんて言おうと僕は僕は屑でそして世界は僕のものにはならない
だからさみしさはいつまでもこの胸を悩ませるんだ。