詩人:どるとる | [投票][編集] |
涙があふれてくる
なぜかあふれてくる
誰かの優しさにふれたとき
誰かのぬくもりにふれたとき
涙があふれてくる
しぜんとあふれてくる
誰かに思われてると気づいたとき
誰かに支えられてるとわかったとき
いつの間にかこの頬に涙が伝う
そして胸にあたたかいものがこみ上げる
少し優しくなれる
少し丸くなれる
誰かを愛することが出来る
素直になれる
穏やかになれる
誰かを思いやることが出来る
涙があふれてくる
雨が降るみたいに
誰かに優しくしたくなる
誰かに優しくされたとき
涙があふれてくる
どっからかあふれる
僕にも血が流れてるってわかる
僕は生きてるんだって思う
いつの間にか 誰かのハンカチになって
誰かの涙を 拭いたいと思ってた
少し人らしくなる
人間くさくなれる
誰かの支えになれる
天才よりも凡才でも優しい人をめざす
ありふれた人でいい
涙を流せる人がいい
誰かのために涙を流せる人がいい
誰かの涙を拭える人になりたいと思う
いつの間にか 誰かの痛みがわかる
見えないはずの人の傷跡が見える
少し優しくなれる
少し丸くなれる
誰かを愛することが出来る
素直になれる
穏やかになれる
誰かを思いやることが出来る
涙があふれたら。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
僕は嘘の塊 偽りだらけの集合体
本当を装った 紛い物さ
悲しい気持ちも うれしい気持ちも
うまく偽れる
泣きそうなときも笑い出しそうなときも
腐らず 生き生きと景色の中に咲ける
あらゆる願望の中に
あらゆる欲望の中に
僕は沈み込む 僕は潜り込む
本物の顔をした偽物の愛や 優しさをちらつかせながら
この世界にだまされてそしてだまして だましだまし生きてる擬き
僕は嘘という盾をかまえる
降り注ぐたくさんのまなざしを避ける
憎たらしい人も嫌いな人も
さも愛してるように
やりたくないこともいたくない場所でも
さも居心地がいいように
自分を騙している
他人を騙すように
僕は舌を二枚に増やす 僕は目を泳がせる
天使の顔をした悪魔が 舌なめずりして笑ってる
この世界を憎んで そして抱きしめて のらりくらり 生きてる擬き
あらゆる愛情の傍ら
あらゆる感情の傍ら
心情が忍び込む 慈悲が荷担する
本物の顔をした偽物の愛や 優しさをちらつかせながら
この世界にだまされてそしてだまして だましだまし生きてる擬き。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
ねえ 大人になったらきっと 楽しいことが待っているんだ
だけどお父さんはなぜかいつも 働きづめで疲れたような顔をしてる
お母さんはよく家計簿とにらめっこして 電卓打ってはため息をついてる
そんな僕もいつしか大人になって
お父さんやお母さんの気持ちがわかったんだ
大人になればきっと 楽しいことばかりあると思っていたのに
どうして 素直に喜べないんだろう
夢ばかり見ていたあの頃の僕には わからなかったことがあまりに多すぎた
大人になって はじめて生きることの大変さに気づいたんだ
あの頃の僕に 教えてあげたいよ
大人になることなんていいことなんか何もないって
ねえ 大人になったらたくさんのお金がもらえるんだ
あれもしたいし これもしたい やりたいことがたくさんある
いつも喧嘩していたお母さんとお父さんの姿を見て育ちました
そんな大人が嫌いだった 誰かを傷つけたり罵倒したり
そんな大人になりたくなかったのに
気づけば僕も同じような大人になってた
なんでも笑って許されていた あの頃はもう過ぎて今じゃ
ノルマを果たす為に毎日身を粉にしている
大人になってはじめて 生きることの難しさに 気づいたんだ
あの頃の僕が見ていた夢さえ いつの間にかどうでも良くなっていた
よれよれのシャツと使い古されたネクタイ
たまには ビールを飲んで 愚痴を吐いて 「バカやろう」って言いながら夜を明かしたよ
きっと幸せなんだろう そんな毎日でも
そう思うことにしよう
大人になって はじめて生きることの大変さに気づいたんだ
あの頃の僕に 教えてあげたいよ
大人になることなんていいことなんか何もないって。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
1日十回くらい死にたいなんて呟いてる
痛みも苦しみもなく死ぬことが出来るなら
例えば押しただけで死ねるスイッチがあったなら
僕は迷いもなくスイッチを押すだろう
心は雨模様 どんなに空が晴れていたって関係ないのさ
僕なんか いなくても誰も困らないし
僕がもし死んでも誰も悲しまない
そう言ったけど 心のどっかでは もっと生きたいと思ってる
見上げた空はこんなにも青くて果てしない
ずっと昔自殺した人の遺した遺書の中に 書かれていたんだ
「ホントは生きたかった」って
おかしいよね でも今の僕にはそれが痛いほどわかってしまうんだ 希望なんて見えないから
誰だって 出来るなら生きていたいよ
そう思うのが当たり前さ
でもそんな気持ちの片隅で涙に濡れてる僕から目を反らせなくて
例えば僕が遺言を遺すなら
昔自殺した人のように「ホントは生きたかった」と書くんだろう
だけど僕には死ぬ勇気なんてない
そうさそんなものは勇気じゃないよ
生きる勇気こそが勇気だ 言い聞かせながら今を生きよう
泣きながらだっていいさ 転んだっていいさ
這いずりながら惨めに生きていこう
僕なんか いなくても誰も困らないし
僕がもし死んでも誰も悲しまない
そう言ったけど 心のどっかでは もっと生きたいと思ってる
だから心の中に 書いた遺言は跡形もなく燃やしてしまおう
また生き直す為に。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
死にたいと言う人がいました
でもその隣で
生きたいと言う人がいる
同じ世界で生きているのにすれ違う気持ち
見えるものが同じでも 見え方や考え方が違うだけで
世界は醜くも美しくも見えるんだね
生きたいと思えば思うほど 遠ざかる光
希望のない世界ではきれいごとなど むなしいだけだろう
だから今、終わろうとしている命に
歌いかけるべきは生きることを 押し付けない
ただおまえの存在を認めてくれるやさしいうたなんだろう
死にたいと言う人よ聞いてくれ
その隣で笑う
生きたいと言う人よ席を外すな
私には関係ないとほざくその口を 閉じて耳をとがらせて
僕の歌を聞いてほしい 当たり前なことを真面目に言うぞ
「生きる勇気こそが本当の勇気だ」と
この世界は美しい でも同時に汚い
そこに生きる人の心が荒めば 世界も荒んでしまうんだ
だから、今 投げ出されようとしてる命に語るべきは もっともらしい理屈じゃなくて
おまえのことを心から愛していると
抱きしめてくれる そんなやさしい人なんだ
「生きていれば必ずいいことがある」
保証のない 身勝手で空っぽな歌ばかり
あふれたこの世界を壊すような
「ない希望はない」と真実を語る歌はないものか
願わくば歌わせておくれよ 血を流すような 体温のある歌を
だから今、終わろうとしている命に
歌いかけるべきは生きることを 押し付けない
ただおまえの存在を認めてくれるやさしいうたなんだろう
ただおまえが生きてることを望んでくれる そんなやさしい人なんだ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
生きていれば必ずいいことがあるよ
そう言う人の言葉に真実はあるか
あるはずのない希望を抱かせる罪深さに 気づかないまま 下手な慰めをばらまく
僕らはいつも寂しくて
僕らはいつも切なくて
ああ 僕らはひとりぼっちで
泣いたり笑ったりしているうちに
いつの間にか 終わりが来て
死んでしまうのかな 今日も窓の外 日が沈みます
努力をしないから 結果に残せない
そう言う人の言葉に耳を傾けたくない
努力をしたかしないかはその人だけにわかること
だから他人がその人の努力にケチをつけることは出来ない
僕らはいつも 泣いてばっかで
僕らはいつも 作り笑いばっかで
ああ 僕らは朝も夜もなくいつも
見事なまでにひとりぼっちで
気づきゃ 死にたいなんて簡単に思う
帰り道 見上げた空に星が光っている
僕のなにがわかるというんだろう
他人は適当な慰めをするだけして
肝心なときは何もしちゃくれないさ
僕らはいつも寂しくて
僕らはいつも切なくて
ああ 僕らはひとりぼっちで
泣いたり笑ったりしているうちに
いつの間にか 終わりが来て
死んでしまうのかな 今日も窓の外 日が沈みます。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
海月が空の海を泳いでる
鳥は海の空を飛んでいる
誰かが誰かを呼ぶ声がする
当たり前を積み重ねて暮らしてく
時計は回り続ける
夜も朝も昼もなく
それこそ世界の終わりまで
光の中へ身を投げて
僕は泥のように眠った
いつか抱いた恋しさに焦がれた胸が目を開き
愛しいあの人の笑顔がちらついた
水面はさながら
空と同じさ
雲は深海魚
暗闇の中でも光を放つ
誰かが誰かを抱きしめる
夜の中にぬくもりが灯ったら
暗闇の中から あなたはそっとあらわれて
僕の唇をふさぐでしょう
光の中へ 吸い込まれ やがてすべての悲しみとさよならをして
海月の見たあの空に朝陽が昇って
おまえもこの地球(ほし)のひとつだと
声を合わせて大地が歌うのでしょう。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
どうせ、邪魔者扱いされるだけだろう
早く引き抜かなきゃと邪険にされて
人も草も似たようなもんさ 人混みの中では息が詰まる
だからなるべく他者との関係を 良好にしたいために
誰か弱い人を犠牲にするんだろう
さながらその弱い人は雑草に似て不憫
雄々しく咲いて
花はなくとも
太陽にその手を伸ばして
命を 空に近づけて
小さなその身に
明日(みらい)を
抱かせている
何でもなく過ぎる日々の中にある
いくつもの退屈や卑屈を歌にしたんだ
何を糧に今を生きたって ばかばかしい
生きるってことにすべてかけてるけど
雑草はなにをやっても雑草のままさ
だから、精一杯下手な歌声で叫ぶ
その生き様は滑稽 でも逞しくもある
気高く咲いて 街からあぶれて
旅から旅へ 流れ流れて
心を熱く燃やして
学名さえチンケな
雑草よ 今日も
生きている
雄々しく咲いて
花はなくとも
太陽にその手を伸ばして
命を 空に近づけて
小さなその身に
明日(みらい)を
抱かせている
小さなその身に
希望(ゆめ)を
背負っている。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
今日もまた一日が終わって帰り路を歩いてる
悲しかったこともたくさんあったよ
うれしかったこともたくさんあったよ
なぜだろう涙があふれてくるんだ
遠くに浮かぶ月よ
恥ずかしいから泣くところを見ないでおくれ
どうか、明日も
今日と同じように
特別なことなんて
何もなくていいからただ穏やかでありますように
晴れた青空と白い雲があって みんなの笑顔が咲いている
そんな日ならば きっといい日になるね
隠した涙がちらほら見え隠れする 帰り道を歩いてる
たくさん泣いたりもしたけれど
そういや笑ったりもしたんだよ
なぜだろう 最後には笑えるんだ
だってきれいな夕日が見えるから
明日も頑張ろうと思えるから
どうか明日も今日と同じように ばかばかしいことに笑って
たまに誰かに慰められたりする そんな日でありますように
僕がいてあなたがいて 誰かにとって大切な人がいる
そんな世界で今日も今日を生きている
とりあえず、さよならをしなくちゃ
ほら今日も夕日が沈んでく沈んでく
間に合うかな歩道橋へと走るよ
手を振ろう ありがとう今日もいい日だったよ
どうか、明日も
今日と同じように
特別なことなんて
何もなくていいからただ穏やかでありますように
晴れた青空と白い雲があって みんなの笑顔が咲いている
そんな日ならば きっといい日になるね。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
日が暮れるのは 誰のせいなんだろう
それは命に終わりがあるのと同じように
なんのせいでもないのだろう
目を閉じたままで
耳もふさいだままで
何が見えるだろう
何が聴こえるだろう
それは今まで聴いたこともない音色
それは今まで見たこともない景色
そこにあるものじゃなくて
見えているものや聴こえているものの
さらに向こう側にあるものだよ
大切なものはいつでもそこにあるよ
喩えば世界と命が
声を合わせて
血まみれで奏であう命懸けのハーモニー
「僕は生きてるよ」
そう歌っているよ
それが絶対だって決めつけるのは
その根拠は一体どこにあるのだろう
そして誰がそれを決めたのか
意識のずっと外側や
思考の最果てには
何があるだろう
誰にもわからない
それは誰にもわからない世界
だけど誰もが行きたがる世界
そこにある気持ちや感情をただ
感じ取るだけじゃなくて 感情なら感情の中にあるものに目を凝らし 耳をすませば
本当に大切なものが見えてくるよ
喩えば世界と心が
せめぎ合って
火花散らして闘う 大真面目なハーモニー
「僕はここにいるよ」
そう歌い続けてる
そこにあるものじゃなくて
見えているものや聴こえているものの
さらに向こう側にあるものだよ
大切なものはいつでもそこにあるよ
喩えば世界と命が
声を合わせて
血まみれで奏であう命懸けのハーモニー
悲しみと喜びが
混ざり合って ひとつに重なった時に生まれる 奇跡のハーモニー。