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どるとるの部屋  〜 投稿順表示 〜


[5318] 色彩
詩人:どるとる [投票][編集]


心を染めるのはなんだろう
全くの無から生まれる色彩

それは色と呼ぶにはあまりに透明で
不確かなものだからきっと誰も気づかない

僕らの周りにあふれているたくさんの色の中に
僕らの心の色はそっと紛れるように
ほんのり景色を色づけている

季節の中に そっと咲いている
小さな花の花弁を染める紅色
風を 染めるのは僕らの心
ほらどんなふうにだって見える

たとえば幸せなんてものは 見えないだけでさ
目を閉じ耳をすませばそこにあるんだよ

彩り豊かな 実りの季節は
田畑に 黄金の稲穂を繁らせる

そんな ありふれた当たり前の中に
ささやかな 香味料を添えるだろう
引き立て役は そんな些細なもの

ああ足りないものが多すぎる
わからないことが多すぎる
それでも僕は歩いていくのさ
いくつもの夜と朝を乗り越えて

たとえば正しさなんて概念は
はっきりとした形を持たないもの
そんなことに左右されなくていい

季節の果てにそっと波打ってる
新しい夜明けは世界の果てまで
朝を届けて 僕らが立ち止まる時
見たこともない色彩で世界を染める

たとえばそんな色に僕も染まれたら
きっといつか 忘れてしまった
涙を思い出して
海が出来るほど 泣くのだろう。

2014/05/10 (Sat)

[5319] セピア
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忙しなく流れる街並み
夕暮れは空をあかね色に染めて
僕は少し冷たい風に包まれて家路を歩く

なんにも恐れることなど無いはずなのに
どうしてだろう
心は見えない不安にふるえてしまうよ

人混みの中にいても拭えぬ孤独

寂しさを紛らわすなら 誰でもいいわけじゃない
だから、僕はずっと寂しいまま
たまには泣いたりもする
本当の孤独は 人の心の影に棲み着くもの

身を守るために見えない鎧を着て
とりあえずの打開策として 誰かの優しさに甘えてみるのも
悪くはないかなと

揺られてみるのさ月明かり夜明け前の誰もいない遊歩道

答えはいつも風の中に 消えてしまう

悲しみはどんな幸せの中にだってあるものなんだよ
誰ひとり 生きる悲しみから逃れるすべはない
だからせめて誰かの優しさに 寄りかかって
愛なんてきれいごとで 傷ついた心を慰める

僕もいつか 会えるかな

寂しさを紛らわすなら 誰でもいいわけじゃない
だから、僕はずっと寂しいまま
たまには泣いたりもする
本当の孤独は 人の心の影に棲み着くもの

悲しみはどんな幸せの中にだってあるものなんだよ
誰ひとり 生きる悲しみから逃れるすべはない
だからせめて誰かの優しさに 寄りかかって
愛なんてきれいごとで 傷ついた心を慰める。

2014/05/10 (Sat)

[5320] 
詩人:どるとる [投票][編集]


ねえ 愛ってどんなものを言うんですか
ねえ 愛されているってどんな気持ちですか?

たとえば 愛されたことのない人には
愛なんて無縁なんだろうか

たくさんの人の中に どれだけの愛があって そのすべての人が おなじ心を持ってはいない
だから愛の形も人それぞれ
見事なまでにすれ違ってしまうよ

誰かと ただ 笑って
泣いたりして
たまには喧嘩して
でもまた仲直り
そんなことをきりもなく繰り返して
なんとなくわかっていくんだ

愛されているって
抱きしめられてるって
きっとそれだけでいいんだよ
見えないはずの愛が見えたような気がするから

本を読み進めていくように生きていく
読み飛ばすようにいい加減に生きても

読み終わった前のページには戻れない
それがどんなに素敵な昨日だとしても

たくさんの人の たくさんの物語が おなじ世界の中に
ありとあらゆる あらすじを伴って
今日も様々な場所で続いているんだ
規則性のない複雑なストーリー

書き手もいない 読み手もいない
ただそこに生きるあなたがいて
他人の僕は 人の生き様を眺めている
そんな僕の今日 そんな君の今日
おなじ世界の中 当たり前のように

雨に降られたり
陽射しに 焼かれたり
絶え間なく続く二人のストーリー
けして交わることはない でも愛というなら間違いじゃない

目をそらしているだけで 見えていないものばかりさ
耳を塞いでいるだけで 聞こえてないものばかりさ
この世界は

誰かと ただ 笑って
泣いたりして
たまには喧嘩して
でもまた仲直り
そんなことをきりもなく繰り返して
なんとなくわかっていくんだ

愛されているって
抱きしめられてるって
きっとそれだけでいいんだよ
見えないはずの愛が見えたような気がするから。

2014/05/10 (Sat)

[5321] さざ波
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裏路地 夕景 ひとり風に包まれていた
誰かの影が見えるよ
手を振る影が だんだん遠ざかる

今日の痛みを 残したままで
消えてゆく 今日という一日
寂しいのは嘘じゃないから
どうかずっと側にいて

押し寄せるのは さよならのさざ波
引いていくその時 命のかけらをさらってく
ちっぽけな貝殻のような白い思い出

あとにはただ 何事もなかったように
静かな砂浜のような 夜がそこに広がっているだけ

やがて屋根を飛び越えて
訪れる夜明け。

2014/05/10 (Sat)

[5322] くらし
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何にもない暮らしの中にある光
それは僕の毎日を照らすささやかな光

サテライトのよう
海を見渡す 灯台のよう
誰にでもあたたかい光を届ける

君と一緒に笑って
君と一緒に泣いて
君と一緒に生きている
ただそれだけでいい

ごく当たり前な 暮らしの隅々に行き渡る愛
また今日が 積み上がってゆく 絶え間ない積み木遊び

ラララ 口笛吹き鳴らし 歩いていこう
ラララ 歌は流れる 悲しみの側に

いくつもの言葉の中に またひとつ ふたつ 思い出が増える

愛してる ただそれだけ。

2014/05/10 (Sat)

[5323] 皐月
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夢幻の如しなり
僕は影になる
見えないままの道しるべ 時代の先を行く 舟は何処へ?

何ひとつ わからないならば ただ心ゆくまま

晴天より降る雨は
数千の雨粒の
子を伴って
この世界を濡らす

肩越しに聞く雨音
寂しさならもう
言葉のガーゼで
隠したよ 傷跡も

皐月の頃に
覚めやらぬ夢の中
見たよ 聞いたよ
あの人の下駄の音
カラコロと
石畳を踏み鳴らす

それはまるで
幸せを音にしたような。

2014/05/10 (Sat)

[5324] やがて来る夜を待っている
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もう言葉にならないから 黙ったままでいるよ

いつまでも続く戦争に
いつまでも終わらない気怠い授業に
追われ 追われ また追われ

そんな僕らの暮らしを呆れたような顔で
眺める猫の瞳で観る世界はさぞかしくだらないだろう

あくびをひとつ そのか細い前足で 何処へ行くというのか
ただ僕は窓越し

おまえの白い毛並みを見ていることしか出来なかった

夕暮れ あかね雲
誰かの帰り道
手を振る二つの影

遠ざかるさよならの声…

あとにはただ 恐いくらいの静けさが
やがて来る夜を待っている。

2014/05/10 (Sat)

[5325] 静寂という音色
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静寂の中にも音は存在する

見えないものにも 色はある

形を持たない小さな命がふるえる

今、世界は 君を認めている

笑う 泣く 怒る
少しふてくされる
出し抜けに
ほらこんな顔

静寂という音色が
遠くて近い夏を
連れてくるんだ。

2014/05/10 (Sat)

[5326] 指差す世界
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大きく振りかぶった
その手で未来を
指差して

真実なんて闇の中さと 笑う君に会いたい

テレビの中に 飛び交う情報それは鳥のよう 羽を広げ瞳の中へ飛び込む

鮮やかに 染めるよ心の空白を
ほらね魔法みたい
世界が広がってく

しめやかに始まる 五月雨のように
傘さえもすり抜けて僕を濡らす
そして誰もが気づく
いつか僕も気づく

あれが我々が目指すべき山の頂
僕らが指差す世界
ほら 意外と近い未来

鮮やかに 染めるよ心の空白を
ほらね魔法みたい
世界が広がってく

しめやかに始まる 五月雨のように
傘さえもすり抜けて僕を濡らす
そして誰もが気づく
いつか僕も気づく

あれが我々が目指すべき山の頂
僕らが指差す世界
ほら 意外と近い未来。

2014/05/10 (Sat)

[5327] 五月雨
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言葉に出来ずに ただ黙ったまま
五月雨に濡れていた 屋根の下に隠れた

かたつむり 紫陽花
ほんの少しの汗と涙の入り混じった
こんな昼下がり

陽射しは アスファルトに二度と消えない
夏のあとを 焼き付けるのさ ほら

情け容赦ない暑さがもうすぐ来るけれど

五月雨は 優しく 僕らの思い出を 濡らすだろう

火傷のような あの夏を そっと包み込むように。

2014/05/11 (Sun)
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