詩人:どるとる | [投票][編集] |
ねえ 同じ世界で 同じ空の下で
殺戮と平和は同居しているんだ
ねえ 同じ世界で 同じ土の上で
人を殺める人と人を慈しむ人がいる
同じようですれ違う何かとべつの何か
そこには道理などなくただあるべきものがあるべくして
そこにあるというだけ
たったひとつの世界の中で
いろんな今を生きる人がいる
今日も頁は用意周到にめくられて
似て非なる 世界が眼前に横たわる
どんな悲しみも どんな歓びも
「ただそれだけのこと」が
とてつもなく 悲しくて嬉しくて
当たり前なんて いう概念さえも
どうだっていいくらいに僕らは
いつも どんなときも 今が一番幸せだと思って生きていたいんだ
ねえ 同じ人なのになぜこうも違うかな
僕とあなたじゃ 根本的にそぐわない
ねえ 喩えば 僕の今とあなたの今を
計りに乗せたらどちらに傾くだろう
重厚で濃密な今を生きているのは
どちらだろう なんてね いつも誰かと
比べっこしたがるのは 生きている今に自信が持てないから
僕らは 僕らの今を計りに乗せて
互いに無駄な争いを続けている
平穏の中にも些細ないざこざはあって
けして完全な平穏はどこにも無い
どんな悲しみも どんな歓びも
「ただそれだけのこと」が
とてつもなく 悲しくて嬉しくて
当たり前なんて いう概念さえも
どうだっていいくらいに僕らは
いつも どんなときも 今が一番幸せだと思って生きていたいんだ
どんな 憎しみも どんな愛しさも
ただ「それまで」と思ってしまえば
それ以上伸びしろはないんだから
いつだってまだまだだって思って
生きているかぎり僕らは どこまでだって駆け上がることが出来る。
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黄昏 いつものあかね空 誰かの帰りをそわそわしながら
今か今かと 待っている
大切なものなら いつでも胸の中
そばにいるよ ばかみたいに
それこそ当たり前のように
笑っているよ たまには泣くよ
お互いの至らないところを補い合って
仲良く生きていこう
夜は嫌いさ なんだか 涙が出そうになるから
今日も途中まで読んだ物語に栞をはさんだ
明日からは、また少し違う場面へ
愛はいつも 置物のように
ただそこにあるけれど ねえ
話しかけても 語り明かしても
たまに思いがすれ違っても
多分それでいいんだよ
言葉だけじゃわからないことは
ふれて、寄り添って 傷つけあうことで
だんだん何かが見えてくるものなんだと思うんだ
だから、そこにあるだけの愛に命を吹き込む
そばにいるよ ばかみたいに
それこそ当たり前のように
笑っているよ たまには泣くよ
お互いの至らないところを補い合って
仲良く生きていこう
そしてまた栞をはさんだところから
はじまる今日と 僕は向き合っている
とりあえずおはよう。
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語り尽くしてしまったよ
しゃべり尽くしてしまったよ
言葉は もう 干上がった川の姿形
ああ 終わりが 景色を塗りつぶしていく
さよならというどうしようもないものに
僕は逆らうすべを持たないんだ
回る 時計の中 片隅に聴く鼓動
上がり下がりのはげしい命のリズム
終わらないものなんてない世界で
いつまでも終わらないものを願うなら
せめて 限りあるこのひとときだけでも
変わらない気持ちを共有していよう
物語の終わりに流れるエンドロールが
すべてを洗い流してしまっても
きっと、そこに二人がいた 足跡が残るから
今はただ あやふやな足取りで 残された日々を生きよう
愛しすぎてしまったのかなあ
或いは愛されすぎてしまったのかな
暮れゆく空の色 瞼に飛び込む光
ああ どんなに 大切な人の今日さえも
つなぎ止めることは出来ないよ だから
せめて僕は つないだ手を離さない
巡る季節の果て 思い出すあの記憶
消えない傷跡が呼び覚ます痛み
すべての人に同じ終わりが用意されてて
どんな人の今日も必ず終わってゆくんだ
たとえばそれが仕方ないことだとしても
僕らは、けしてそれを喜んだりしない
雨粒が 降り注ぐように 流れるエンドロール
終わってゆくものとまたはじまるもの
行き違うようにすれ違いながら
誰かの物語の終わりを そっと 見送ってくれる
終わらないものなんてない世界で
いつまでも終わらないものを願うなら
せめて 限りあるこのひとときだけでも
変わらない気持ちを共有していよう
物語の終わりに流れるエンドロールが
すべてを洗い流してしまっても
きっと、そこに二人がいた 足跡が残るから
今はただ あやふやな足取りで 残された日々を生きよう。
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そばにいるだけじゃなんだか物足りなくて
器用な君を見ると なんだか不器用な自分がちっぽけに見えるんだ
途方もない 時間を重ねてゆく
それはまるで一冊の長編小説を 書くような
一大ストーリー
特別なことなんか
出来るはずもなくて
だからせめて僕なりに君を愛したいと思う
たとえば些細なこと たとえばささやかなこと
君が笑ってくれるように 君が好きな僕であることが最優先事項
つまりは 君が僕のいちばんであるように
僕は君のいちばんになりたいのです
ただそこにいるだけなら誰にでも出来るしその役目は僕じゃなくてもいい
だけど僕じゃいけない理由は多分 単純に君が僕を好きだから
いくつもの文字を連ねてくように
日々悲しいことやうれしいこと
繰り返してゆく
二人のストーリー
魔法なんか使えるはずもなくって
だから、僕らは手持ちの小さな荷物の中から なけなしのとっておきを引っ張り出す
たとえばありふれたばかばかしいこと
そのひとつひとつがかけがえのない大切
ほら、色鮮やかに思い出を埋め尽くす
結局、僕が君を大好きであるように
君も僕を大好きになってほしいんだ
特別なことなんか
出来るはずもなくて
だからせめて僕なりに君を愛したいと思う
たとえば些細なこと たとえばささやかなこと
君が笑ってくれるように 君が好きな僕であることが最優先事項
つまりは 君が僕のいちばんであるように
僕は君のいちばんになりたいのです。
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僕とあなたの前に引かれた境界線は
きっと 僕にしか見えてないんだろう
他人より自分のほうが勝っていたくて
他人の良さより 落ち度をまず先に探す
揚げ足をとるのに今日も忙しい
人は誰も 弱さの塊
だけどその弱さに打ち勝てるだけの強さも持っている
たとえば僕が 何もしなくたって
君は 簡単にその境界線を越えてくるんだ
そしてそれはもう図々しいほどに
君は 僕の前に手を差し伸べるんだろう
その手を とったとき僕にはもう
境界線なんて 必要なくなっていたんだ
だって心の距離は隙間を空ける余裕もないほどに縮まってたから
いつの間にかあるはずもない壁を
僕は 人との間につくっていたんだろう
なるべくなら面倒は避けたくって
輪の中に 入るのが好きじゃなかった
そのくせ孤独に気づくとすぐ寂しがる
人は誰も 孤独の塊
誰も他人とは分かち合えない部分を隠し持っている
たとえば僕が 愛というものがこの世界にあるなら
それは 君がくれる優しさだったりするんだろう
うまく言葉に出来ないけれど
それはあつかましいほどに 君は僕を抱きしめるんだろう
そのぬくもりに包まれたときに
僕は大事な何かを知った気がしたんだ
だって、疑う余地など無いほどに君は僕のすべてを好きだと言ってくれるから
たとえば僕が 何もしなくたって
君は 簡単にその境界線を越えてくるんだ
そしてそれはもう図々しいほどに
君は 僕の前に手を差し伸べるんだろう
その手を とったとき僕にはもう
境界線なんて 必要なくなっていたんだ。
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辛いこともたまにはありますが
どうにかこうにか日々をつないでいます
どうしようもない何かにいつも
生きることを押しつけられているようさ
歩道橋の上から見えるいつもの街並み
ずっと向こうの空で沈んでく夕日
涙に滲んでぼかし絵のようだ
あなたの声に耳をすますと まるでこの世界には悲しいことなんてないように思えるんだ
あなたの 肌に触れると まるでこの世界には幸せしかないように つかの間の夢にひたれるんだ
今日も悲しいことがあったよ
傷もつくったよ
慰めておくれよ その魔法の声で
包み込んでおくれよ そのぬくもりで
消えてしまいたいと思った今日の僕を全部嘘にしてしまっておくれよ
目を閉じても 耳をふさいでも
消えないものをいつも抱きしめていたい
終わりあるこの世界で永遠を 願うなら せめて終わりまでのひとときを変わらない気持ちで
大好きだと何度でもささやいて たったひとつの思いを守り抜いて行くのさ
ほらここにひとつ小さな箱をイメージして
その中に ありったけの思いをつめこんで君に贈り届けよう
あなたの声に耳をすますと まるでこの世界には悲しいことなんてないように思えるんだ
あなたの 肌に触れると まるでこの世界には幸せしかないように つかの間の夢にひたれるんだ。
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生まれたその瞬間から
落ち続けている 砂時計
一分一秒たりとも無駄には出来ない
待ってくれないさ 時の流れは
厳かなまでに 終わりへと僕らを導いてく
どんな悲しみも どんな幸せさえも
時は 分け隔てなくはこんでゆく
それは、聞こえはいいけれど 理不尽に奪われる命もある
それを思えば 涙に濡れる 昨日もある
景色の中に そっと
あなたは佇んだまま
どこまでだって
行ける そう思ってた
このままどこまで歩いてゆくんだろう
ただ、道は先が見えないくらい果てまでも続く
目を閉じたまま 耳をふさいだままでも
消えないぬくもりが道しるべ
どんな闇に紛れても僕を照らしてくれる
その光はひどく恥ずかしがり屋で
積み重ねてくいくつもの記憶たち
引いてはまた押し寄せる波の形
きれいごととささやかれて
本当に見なきゃいけない「現実」から
目をそらしたまま小狡く生きてた
晴れ渡る空の下
浮かない顔を浮かべて 君は言ったよ
優しさをください
僕の 腕の中 すっぽり包み込める君の小さな体 僕は全身で愛を叫んでた
景色の中に そっと
あなたは佇んだまま
どこまでだって
行ける そう思ってた
このままどこまで歩いてゆくんだろう
ただ、道は先が見えないくらい果てまでも続く。
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浮かんでは消えていく記憶の中に
ふと紛れ込むのは無数の場面
それはまるで いつか見た夢の続きのような景色
燃えるように赤く染まってる空見上げながら僕は 何かを想い出すように目を閉じた
美しい想像は やがて静かに幕を降ろして
何事も無かったように片づいてしまう
瞳のスクリーンが映し出すのは あの日抱いた小さな恋心
悲しみと喜びが一同に集まった 魔法のシアター
明けては暮れてゆく時のメリーゴーランド
回り続ける時計は 誰の味方もしない
ああ 何ひとつ出来ないけど 僕はけして後悔はしない
一人、自転車漕ぎ出して 瞼の裏の原風景の中を 旅する旅人になってなくし物探しにゆくんだ
瑠璃色の想像 僕の胸の中広がって
あの日のさよならを優しく包み込む
手を振った夕暮れ 僕はあなたを好きになって良かったよ
その先へ僕を連れて行く 勇気くれる
魔法のシアター
君の背中が遠ざかって見えなくなったあとも
いつまでも手を振っていた僕がそこにいた
僕はあの日の僕と 今ひとつになれた
美しい想像は やがて静かに幕を降ろして
何事も無かったように片づいてしまう
瞳のスクリーンが映し出すのは あの日抱いた小さな恋心
悲しみと喜びが一同に集まった 魔法のシアター。
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流れる川のように ほら時はせせらぎ移ろっていく
そこには なんのためらいも 迷いも無いのにね
僕らは情けなくっていつも ためらい迷ってる
弱さに勝てずに 欲に まみれて
今日も大切な何かに背中向けたよ
あの澄みきった川を流れる水のように
僕も汚れのない心で生きてみたいよ
なんとなく なんとなく 河川敷から
沈む夕日を見ていた
こぼれ落ちたのは
涙だけじゃないはずさ
田畑に敷きつめられた 土は寡黙に 歴史を抱き
いくつもの時代を見てきたんだろう 僕らには想像もつかない悲しみや喜びが
目の前を通り過ぎていったんでしょう
ふだんは開けない窓を開けて
風に 包まれたとき僕は何かに気づいた
あの雲ひとつない青い空のように
嘘偽りなく ありのまま生きたい
いつの間にか いつの間にか 僕の瞳から
あふれ出したしょっぱい涙が 頑張れよと言ってる気がしたんだ
なんとなく なんとなく 河川敷から
沈む夕日を見ていた
こぼれ落ちたのは
涙だけじゃないはずさ
これで終わりなんてことあるわけないはずだ
ボロボロの羽だってまだまだ 飛べるはずさ。
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僕は見ていたよ 君の泣いているところを
僕は知っているよ 君の抱えてる痛みを
どんな幸せな景色の中にも 悲しみは紛れ込むものと知るがいい
目を閉じたまま 暗闇の中に 潜り込み
聴こえない音色に耳をすます
夕暮れ 歩道橋 土手沿いの道
あのタバコ屋さんの曲がり角
路地裏 田中さんの家 白と黒のブチ猫
僕のほっぺた流れる涙と迫る夕闇
下手くそな情景描写
口ずさむメロディ
遠ざかる今日のすべてのさよならにさよなら
僕は見ていたよ 風に揺れるブランコ
同じリズムで揺れる君の胸のふるえ具合
いくつでもこれから悩むし 迷うだろう
どんな場所にいても変わらないだろう
意識の中にも無意識の中にも生まれる
見えない刃が誰かの心に傷跡を負わす
夕方から降り出した雨 走る人波
混み合う駅と さっきから黙った君
名前も知らない花 香り立つ君の匂い
話しかけようとしてやっぱりやめて
そっと手を握って 微笑んだあの日の君
押し寄せる 感情の波 すべてのさよならにさよなら
遠ざかる今日のすべてのさよならにさよなら。