詩人:どるとる | [投票][編集] |
僕はここにいるよ
そして絶えず何かを見つめている
そして絶えず何かに耳をすましてる
君はそこにいるよ
そして絶えず刻まれる時の音や
誰かの心に心を重ね合わせている
生まれる朝の果てには夜があって
消えてく光の果てには闇があって
そのあいだに 夕暮れはきれいに広がってる
寂しさを 染めていく
切なさを 染めていく
意味の意味を問いただすような
つまらない僕らの詮索を無視して
ただ何も言わず 佇む僕の影、大きな林檎のような夕陽が今沈んでく
すべての人に同じまなざしでこたえるように
僕はどこにもいない
だけどどこにでもいるとも言えるんだ
そして僕の存在について考えてしまうと
忽ち、意味を無くしたようになって
僕は自分の足元に伸びる影さえまともに信じられなくなる
生まれる命の果てには同じ命があって
消えてく命の果てには免れぬ死がある
無に向かってく 僕らの足取りは けして軽くない
街並みを 染めていく
シャツを 染めていく
そこにあるものもそこにはないものも
あると思えばほらね心も見えてくる
時を刻みながら脈打つ僕の心
言葉無くしても「また会おう」と呟いて
地平に落ちていく 夕陽に背を向け 帰って行く
この物語の先には
また同じような今日が続いてて見えざる何者かが頁を捲る
その頁の終わりに 夕暮れはきれいに広がってる
寂しさを 染めていく
切なさを 染めていく
意味の意味を問いただすような
つまらない僕らの詮索を無視して
ただ何も言わず 佇む僕の影、大きな林檎のような夕陽が今沈んでく
すべての人に同じまなざしでこたえるように
どうしょうもないさだめを背負った僕らを照らすように。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
宇宙から見える僕らはひどくちっぽけに
見えるんだろうな
僕らが見ている宇宙はあんなにも壮大なのに不思議だね
瞳に映るものは ささやかなものだけど
きっと瞼の裏に広がる世界は 見えているもの以上の何かを秘めている
何かをはらんでいる
何ひとつ肝心なことはわからない
だから、僕らは 宇宙のような闇から目を伏せて さもわかってるかのように笑える強さを持たなきゃいけない
どんなに遠くからでも輝き放つ光
それは彼方より届く誰かへのメッセージ
まるで海に浮かぶ船から見えるモールス信号
ここにいるよって教えてる
ふいに巻き起こるやわらかな風の中に立ち止まると
形のないものや 肉眼ではとらえきれないものまで 見えるようで 聴こえるようで
でも僕らはそれをまやかしや嘘なんかで語りたくないんだ
瞳に映るものは ささやかなものだけど
きっと瞼の裏に広がる世界は 見えているもの以上の何かを秘めている
何かをはらんでいる
どんなに遠くからでも輝き放つ光
それは彼方より届く誰かへのメッセージ
まるで海に浮かぶ船から見えるモールス信号
ここにいるよって教えてる
それは生きているというたしかな光
闇の中でも けして希望を見失わない。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
両手でつくった望遠鏡で
両手でつくった望遠鏡で
未来を 見つめると何が見える
未来を 見つめると何が見える
両手でつくった 潜望鏡で
両手でつくった 潜望鏡で
見た水の中には 何が映る
わからないすべてをわからないままで
残したままで
隠したままで
未来が見えるかい?
未来に着けるかい?
詩人:どるとる | [投票][編集] |
人の涙を笑うのは自分を笑ってるのと同じことだよ
だって他人は自分を映すのにいちばん丁度いい鏡だからね
悪意も善意も見えない心さえ映ってしまうんだ
それを否定するのは自分を否定しているのと同じなんだよ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
僕は悲しみの中
笑えないでいるんだ
さめざめと降る涙が
明日さえ濡らしてく
どこまでもただいつまでも
続いてる道の向こうでまた夕日が沈む
言葉なくしても ため息ばかりでも
忘れないで 君は生きている
いいことなんてそうは続かないよ
泣くのもいいけどひとしきり泣いたら
笑顔に帰ろう
僕はせつなさの中
何を黄昏ているのか
ゆらゆらと揺れる葉を千切っては捨てる
どこまでもただいつまでも
子供のような人さ 心だけは育たない
何を無くしても 立ち止まっても
紛れもなく 君は生きている
生きていくのに決まりなんか無いよ
焦りは禁物 慌てずマイペースで
涙にさよなら
言葉なくしても ため息ばかりでも
忘れないで 君は生きている
いいことなんてそうは続かないよ
泣くのもいいけどひとしきり泣いたら
笑顔に帰ろう。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
引き出しの中には
七色の夢がつまっているのさ
ポケットの中には
未来があふれているのさ
青い空を見ると 思い出すよ
君がいたあの頃を
部屋の押し入れの中にそっと隠してた
自分だけの世界地図
少年は誰の心の中にもいるさ
漕ぎ出そう大海原へ
夢という船を出して
七つの海を渡ろう
少年はまだ夢見ることをあきらめてない
今からでも遅くない
夢を迎えに行こう
未来を迎えに行こう。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
そうして新しい物語を連れてくる
時が動き出せばまた朝は夜になり夜は朝になるだろう
それぞれ別の場所で違う今を生きていても
結局ばらばらの心はひとつに重なり合ってる
まるで星座のように離れていたって
ちゃんとつながっているよ
暗闇の中でも まぶしく輝く光
誰かを照らすように
何かを守るように
命あるすべてのものに等しく宿る光
今日も君の涙や笑顔を照らし出している
それはほんのささやかな奇跡
何も見えないのに確かにそこにあるとわかる
空想プラネタリウム
はじまりの扉はいつでも突然に開く
君の瞳に映る世界と僕の瞳に映る世界は紛れもなく同じ
それでも重ならない僕と君の生きている今日がある
夜空の星を見てごらんよ 一つ一つの形や色は違っても
つながりあうことでまた新しい星になる
いつでも 僕が君のそばにいるように
どんな闇に紛れても必ず探し出すから
見上げた夜空に輝く君という一番星を
存在するすべての人のもとに届く光
今日も君の寂しさや切なさを照らしてる
迷いそうな時ほどそばにいてよ
つまずく時の恥ずかしさも隠さないで さらけ出して
僕らだけのプラネタリウム
作り物じゃないんだ
嘘でも幻でもないよ
「見えない」だけで
「聴こえない」だけで無いと決めつけるのはあまりに浅はか
暗闇の中でも まぶしく輝く光
誰かを照らすように
何かを守るように
命あるすべてのものに等しく宿る光
今日も君の涙や笑顔を照らし出している
それはほんのささやかな奇跡
何も見えないのに確かにそこにあるとわかる
空想プラネタリウム
僕らだけのプラネタリウム。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
容易いと思ってたよ
軽々しく思ってたんだよ
生きるってことや
生きていくってことを
人生と向かい合った途端僕の頬に
流れる涙を見たよ
鏡の中の僕は泣いていた
あんなに生きたかったのに前向きになれないのは
想像していた明るいイメージを裏切られたからだけど
多分、それだけじゃないよ
生きること それしか僕には出来ない
それさえ否定するなら僕はたちまち
すべての意味を無くしてしまうよ
心はかぎりなく透明な深い悲しみを抱いて むなしく脈打ってる
ばかにしていたんだ
鼻で笑っていたんだよ
人の頑張りや 汗流し努力している姿を
すべてと向かい合った途端に僕は自分の弱さや脆さを知って
如何に自分が
ちっぽけか知った
あんなに晴れている空が どしゃ降りに変わるように
いいことなんて長続きしなくてすぐに涙に変わるけど
多分、誰もみんな同じ雨にうたれてる
喜びに笑ったり悲しみに泣いたりすること
そんな当たり前を繰り返しながら 生きてく
僕らは自分の行き先さえ知らずどこを歩いてるかも知らない
とりあえず新しい季節のおとずれを肌で感じている
生きること ただそれだけ出来ればいい
あとは何も出来なくてもいいよ
泣きたいときはめいっぱい泣いて
笑いたいときはめいっぱい笑って
ひとつしかない命を何処までも明日につなぎなさい
生きること それしか僕には出来ない
それさえ否定するなら僕はたちまち
すべての意味を無くしてしまうよ
心はかぎりなく透明な深い悲しみを抱いて むなしく脈打ってる
それでも生きていくんだろう僕らは
生きる悲しみと同時に生きる喜びを痛いくらいに知っているから。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
本当のことなんて
何ひとつ無いこの世界で
僕は絶えず何かに騙されている
惑わされている 拐かされている
嘘ばかりの この世界で何かを信じるのは
ひどく難解で ひどく恐怖で
僕らは 疑うことなら得意だけれど
信じることは下手くそなんだよ
人に愛されることも人を愛することも
闇の中で 滑稽なダンスをしているのは
ピエロの顔をした素顔を隠した僕らだ
夜の帳が降りて 朝が舞台を照らしたら
もう何も不思議なことなど無くなって
ただつまらない常識が世界を牛耳る
唯一の真実を指し示す神様が投げた賽子の目が選ぶ未来の行く末
春画の中にある 淫靡さよ 狂おしい愛は叫ぶ
両手を皿にして 命の泉からすくうのは
新しい産声
もう夜は明けたよ
出ておいで
とびきりの笑顔で
抱きしめてあげるから
もう 嘘は必要ないね
絶対なんてない
でも確かに 伝わるぬくもりが
心にまで施した化粧を落として
今、僕は誰よりも本当の心で
君を愛すんだ
世界を愛すんだ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
続いていくものへ物語は流れていく
続いていくものに物語は引き寄せられる
何ひとつないけれど
始まりは始まりへと
終わりは終わりへと
繋がっている
何かを照らすように
何かを守るように
果ては誰かを愛するように
誰かに愛されるように 世界はただ
当たり前を繰り返し繰り返しながら
本当は悲しいことを「ドレミファソラシド」とごまかすように歌うのさ
子供が見つめているのはその中に潜む果てしない闇
純粋無垢な心は嘘さえ暴いて 悪意に満ちた世界を睨む。