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どるとるの部屋  〜 投稿順表示 〜


[5649] 終わらないうた
詩人:どるとる [投票][編集]


死が近くにある
僕はいつか知る終わりを抱いてる

変わらないと思うのは
変わらないと思いこんでいるだけだ
本当はあらゆるものが変わってゆく
変わり続けてゆく

窓ガラス雨が絶え間なく滑り落ちていく
何を洗い流すための雨だろう

言葉はいつも都合がよくて
思考の奥深くふさぎ込んでいる

終わらないものなんて何ひとつない世界だ
僕は それでも
終わりある花の一生こそ美しいと叫ぶ

終わりがあっても
終わらないものなら
いくつでもある
僕も君も例外じゃない。

2014/08/04 (Mon)

[5650] ドロ
詩人:どるとる [投票][編集]


夜が来ると寂しくなるのは
気のせいなんかじゃないんです

歩き疲れるまで歩いたけれど
いつの間にか夕闇も引きずってきた

日が落ちると すぐに夜が来る
わけもなく切なさがこみ上げる

僕の中に 夜があるよ
明日は まだ今日の中 眠る たまごの中

君の中に 朝はあるよ
悲しみは もう見当たらない 影さえない

今はただあざやかに夢の中をただよって

ふたたび 嘆き悲しむその時を待ちながら

死んだように眠る
泥のように眠る。

2014/08/04 (Mon)

[5651] 遠いようで近い未来
詩人:どるとる [投票][編集]


繰り返す 時の行き来の中
すれ違うのはすべて同じだよ

誰の明日も同じように明日だけど
朝を迎えることなく終わる命もある

そこにあるのに見えないものを
僕らはこれからいくつ手にするかなあ

遠いようで 近い未来を僕らは 空を見上げるみたいに眺めてる

花が散る そんな景色によく似ている
人の命の終わり あとはただ静寂の闇

窓にあたたかい朝陽が差し込むと
カーテンを開けて 青い空に白い雲

当たり前なものがいつもそばにあると
思い込むけど 昨日とはまるで違う今日だ

同じようで 違う今日を人は何度でも何度でも繰り返すだろう

ここにある夜と
明日の夜は同じ夜でも違うように
朝も同じで
だから僕も同じだ
日々新しく生まれ変わる
夢から覚めた僕はさながらひよ子
生まれたばかりだから目が開かない
さあ殻を脱ぎ捨てよう ふたたび僕へとなるために

そこにあるのに見えないものを
僕らはこれからいくつ手にするかなあ

遠いようで 近い未来を僕らは 空を見上げるみたいに眺めてる

当たり前なものがいつもそばにあると
思い込むけど 昨日とはまるで違う今日だ

同じようで 違う今日を人は何度でも何度でも繰り返すだろう。

2014/08/05 (Tue)

[5652] 死という名の世界の終わり
詩人:どるとる [投票][編集]


たとえばこの世界が
ひとつの毛糸玉だとして
そこから 綻んだ 一本の毛糸が僕だとしたら
終わりがあるのもしかたないなあ

いつかたぐり寄せてしまうだろう
いつか引き寄せてしまうだろう
死という名の世界の終わりを

個人の死は その人の中の世界の終わりにも値する
誰が死んだって その人に深く関係しなければ
世界はまだその人の中で生き続けて 変わらず回り続ける
冷酷という言葉が似合う だけど世界は終わらないんだ
おまえ自身の死が現実にならなければ
誰が死んだって 変わらず今日も夜が明ける

たとえば死が選べるものだとしたら どうだろう
いつ死ぬのにも 苦しみを伴わず 楽に死ねるとしたら
自殺したい人には好都合だろう

街は死体であふれるだろう
街に腐敗臭がただようだろう
それこそ世界の終わりより悲しい

僕がいなくなっても誰ひとり悲しまない
そう思うのはおまえが誰かの眼差しに
気づいてないでひとりで生きている気になっているから
冷酷という言葉が似合う おまえにも僕にも言えることだ
おまえが生まれた日世界にまたひとつ新しい産声が上がった
それを誰より喜んだ人の笑顔を奪うな

汚いものをつまむように命をつかむおまえが
いつしか忘れてしまったもの それは生きる本当の喜び その意味

世界の終わりは死が告げるのではなく
本当の終わりはその人の命の有り様ひとつ

だから死は世界を終わらせられない
たとえ死を迎えても朝は変わらず
僕がいなくなった世界にも誰かの部屋の窓辺に朝日を差す。

2014/08/05 (Tue)

[5653] 道化師
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涙はどこから やって来て
どこへ帰って行くんだろう

いつの間にか うれしいことや
悲しいことがあったとき
このほほを流れてすぐに乾いてく

嘘じゃないよ なのに笑うしかない
そんな 世界で素直になることは難しい

誰かの愛想笑いが
ふと目線を横切ってく
その時その人の顔は涙より悲しく見えたのは何故なんだろう

まるで世の中はサーカスだね
人の笑顔なんてだいたい嘘だ

本当は 泣きたいときもあるだろうに
本当に 悲しいときほど笑顔を強要され 泣くことは悪と蔑む

子供の笑顔は 天使のように愛らしい
大人の笑顔は 悪魔のように狡猾で嘘臭い

道化師の顔した とってつけた笑顔で
生きることを もし幸福などと嘯けば
化粧に隠れた素顔に忽ち雨が降る

人混み 宛もなくさまよってみれば
ほら誰も同じような顔 生きることに疲れていませんか?
何かを我慢しすぎていませんか?
あなたの顔は あなたをごまかしている
その笑顔だって 本当は嘘なんでしょう?
醜くてもいいから本音を見せてよ

誰かの愛想笑いが
ふと目線を横切ってく
その時その人の顔は涙より悲しく見えたのは何故なんだろう

道化師の顔した とってつけた笑顔で
生きることを もし幸福などと嘯けば
化粧に隠れた素顔に忽ち雨が降る

そして 余計な化粧が落ちた顔に
本当のあなたの気持ちが浮き出る

とても素直な顔だ
多分一番好きな顔だ。

2014/08/06 (Wed)

[5654] 万華鏡
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万華鏡のぞき込んでいるみたいだな
見えているものが全部きらめいてるから

すれ違うように絶え間なくめくられていくカレンダー

少年だった僕らには捨てても捨てても
捨てきれないほどの時間があった

その中で 見つけたものは宝石みたいに
今も僕の中で そうたとえば水しぶきのように数えきれないくらいの思い出になって輝いているんだ

あぜ道を汗だくで駆け抜けていく
あの頃誰もがそんな少年だった

瞼閉じれば ほら記憶の中にまだ枯れずに残ってる

線香花火 君としゃがみ込んでどっちが長持ちするか競った

どうして言えなかったんだろう
君のことあんなにも好きだったはずなのに 目を奪われてたよ あまりの君の眩しさに何も言えなかった

それは多分、万華鏡みたいに
キラキラと輝いて
思い出すその時
僕の心に 思い出という素敵なものをくれるんだ だから
今も君が好きだよ
その気持ちさえ変わらなければそれでいい。

2014/08/06 (Wed)

[5655] 七色の夢
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空の色をした
鳥が羽を休める
場所を探して

海に潜れば
魚になる
人混みに紛れれば
素敵な歌になる

何もかも 変わる
変わらないもの以外は色あせては
新しい色に染まってく

未来という色をした
色鮮やかな羽根で
君は自由に空を飛ぶ

夢を信じることさえ
忘れたような世界で
僕は七色の夢を見る。

2014/08/06 (Wed)

[5656] 痛みのうた
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積み重ねていく時間の中に
一分一秒が重くのしかかる

砂時計のような世界の中で
僕らは鋼みたいな意思で生きることを強く望む

この一歩が明日につま先だけでも引っかかればって想ってる

何度でも手にしては何度でも失う
今日という昨日という一度きりの時間

昨日によく似た今日を生きているけれど
紛れもなく今日は昨日とは違う今日だ

僕は少しずつその意味を 痛いくらいに知っていくんだろう

日々目にするものの中に
ひとつでも確かなものはあるかな

ほころんでゆくように時が消えてく
世界の終わりがあるなら鼓動が止まったその時だろう

当たり前だけど呼吸を繰り返して 僕は生きている

何度でも捨てては拾う命がある
重荷になったり助けになったり

昨日とはまるで違う気持ちを抱くことで
きっと僕は歩き出すことが出来るんだ

悲しみから生まれる痛みより生きることで生まれる痛み

何よりその痛みがおまえは生きてるっておしえている

何度でも手にしては何度でも失う
今日という昨日という一度きりの時間

昨日によく似た今日を生きているけれど
紛れもなく今日は昨日とは違う今日だ

僕は少しずつその意味を 痛いくらいに知っていくんだろう。

2014/08/06 (Wed)

[5657] ひとつとすべて
詩人:どるとる [投票][編集]


巻き戻せない時を僕らは生きている
そんな事は知っていると思っていたよ

だけど大切なひとつをなくしたらすべてをなくしたような
気がして世界が途端に闇に包まれた

この世は ひとつなのにいくつもの
物語を内にはらみながら
今日も一人一人がそれぞれの今を描いているんだろう

ばかばかしい言い訳はそれくらいにして
たったひとつの命の終わりを悼みながら
今日の僕を見送るのさ もう出会うことのない景色とさよなら

道はひとつにつながっているのさ
足跡も見えないだけで刻まれてる

人は大切なひとつを抱きしめられれば
それだけで幸せになれる 単純なのは変わらない 君も僕もばかがつくほど単純で

ページをめくる君の手が すこし震えてる
怖いのは僕も同じだ だから僕は震える君の手にそっと手を重ねて 一緒にページをめくるよ

ばらばらだった二人の鼓動が重なって
ほらだんだん足並みもそろってきたよ
不器用なステップで歩み始めた足取り
たったひとつのものが僕のすべてになる

それを単に愛と呼んでしまえば簡単だ
でも、僕は愛とは呼ばないんだ
だってそんな事言葉にするまでもないから

この世は ひとつなのにいくつもの
物語を内にはらみながら
今日も一人一人がそれぞれの今を描いているんだろう

ばかばかしい言い訳はそれくらいにして
たったひとつの命の終わりを悼みながら
今日の僕を見送るのさ もう出会うことのない景色とさよなら

そして再会する今日にはじめまして
お辞儀する僕の横には笑顔の君がいる。

2014/08/06 (Wed)

[5658] 悲しみの名前
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夜は 流れるものです
夜は 漂うものです

夜は 夜は 形あるものじゃないのに
僕の中で 闇は次第に形になって固まる

重たいドアを こじ開けて孤独を解き放つ
僕は冷たいノブを回して 部屋を開け放つ

そこには 誰も知らない痛みがあり
誰も知らない悲しみの名前を 誰かがしきりに呼んでいる

「大丈夫」という言葉は 案外 身勝手な言葉です
慰められた人は置いてけぼり 悲しみだけが残されたまま

闇の中には どんな声も届かないのに
気安い 手だけ伸ばしても意味はない。

2014/08/06 (Wed)
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