詩人:どるとる | [投票][編集] |
高気圧が天気図いっぱいに広がる
太陽は日ごとにギラギラと街に落ちてくる
なけなしの勇気で踏み出した一歩は
いつも まるで最後のお願いみたいに
何度でも 振り出しから
どこへ行こうか?
青い空は地図になる
雲の羅針盤が指し示すのはいつだって明日
運び届けよう この夜明けを君の明日へ
黄金色の光の絨毯を海の果てまで広げる
それはまるで魔法のよう ほんの一瞬の出来事
西高東低の気圧配置 概ね晴れ
開けた窓から よく晴れた青空が見える
ありったけの 声で叫んだ大義名分は
いつも きれいごとみたいに 耳障り
僕も流行りに埋もれた
どこへ 行くのか
淀みない流れに乗りながら
旅は続く 果ての果てまでも 捲るページ
あがいてもがいて たどり着く場所には
咲いているだろうきれいな未来が
それは地図にすら載らないキオクの旅
今日が明日に はるかな未来に ひとつのレールでつながってゆくよ
運び届けよう この夜明けを君の明日へ
黄金色の光の絨毯を海の果てまで広げる
それはまるで魔法のよう ほんの一瞬の出来事。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
そら言は 曇り空に消えて
降りしきる雨音を 僕は聞いていた
通りに紛れる足音の中に
隠れるように 潜むあなたの鼓動
大事なことは 何も言葉にしないで
そう たとえば 夢のように
微睡みの中に沈んで
何度も何度もノートに書いた空想のストーリー
そこにあった世界はきれいごとのように
悲しいことなんて ひとつもなくて
誰かが机上の空論だと 笑わなければ
いつまでも僕は あまい夢の中で
終わらない余韻に浸ってられたのに
待ちわびてる 朝は遠くで
こっちの様子をうかがうように見てる
ひたすら嘘をつくだけのゲームを今から始めようか
死ぬまでの退屈な時間を埋める
暇つぶしのような 愛だから
口づけさえ よそよそしい
消してはまた書いて繰り返し広げた自分だけの箱庭
もっと深くまで 鋭利なナイフのように
心をかき乱して 悲しみさえ忘れるほどに
誰かが いつか上げた小さな産声の中に
かすかに見えていた光は今ありますか?
いくつかの答えといくつかの問題を
残したこの世界は 断崖の様相を呈して
瞼に突き刺さる光のかたち
ありとあらゆるひとつに ねじ込められた飽くなき願い
全部 愛ならば 僕も君みたいに
あっけらかんと笑ってられるのになあ
何度も何度もノートに書いた空想のストーリー
そこにあった世界はきれいごとのように
悲しいことなんて ひとつもなくて
誰かが机上の空論だと 笑わなければ
いつまでも僕は あまい夢の中で
終わらない余韻に浸ってられたのに
誰が それを 否定したんだろう
君自身が 一番先に
否定したんだろう
否定したんだろう
否定したんだろう
否定したんだろう。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
僕の手を引いて歩いていく 果てしない彼方まで
連れて行くように連れて行かれるように
それはやったりやられたりを繰り返す
子供の戯れのように寄せては返すかたち
「生きていればいいことがあるよ」とか そんなわけはないのに
みんな 言うんだよ
「降り止まない雨はない」とか「明けない夜はない」とか
きれいごとで 守られてる世界には
血の通ったあたたかい涙どころか 心の影さえ見えなかったよ
僕の生まれたこの世界には 夜明けなんて あるようでないような ものだからね
ごまかしながら 欺きながら繰り返す
だまされてるとわかっていて付き合ってる
「生きていくことだけが正しいことだよ」とかそんな不確かな言葉で
なんでも片付ける
「生きていても苦しいことばかりだ」とか「悲しみのほうが多いくらい」だとか言ってくれたならまだ 信じられたのに
嘘つきの世界には薄汚れた優しさが 僕らの命を一番 嘲ってる
脈打つ心臓が 一番最初に 発した第一声は
生まれたことをただ声にしただけで 生きていることを喜んだわけじゃないのに
まだ何も知らない僕たちの産声を
誰が 勝手に都合のいい解釈でねじ曲げたのか
「生きていればいいことがあるよ」とか そんなわけはないのに
みんな 言うんだよ
「降り止まない雨はない」とか「明けない夜はない」とか
きれいごとで 守られてる世界には
血の通ったあたたかい涙どころか 心の影さえ見えなかったよ
この世界には 幸せなんて最初から ひとつもない
ただ、悲しみをごまかすための 精神安定剤の代わりならある。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
さあ 始めようか はじめてのはじまりを
明けては暮れていく空を 見下ろすように見上げては
聞いてるような 聞いてないような
見ているような見てないような
わからないすべてのものに わからないそのわけを
教えて 伝えて ささやきかけて
今、僕は未来に手を引かれていく
今よりもっとずっと先の未来へ
はしゃぐ心がはずむ鼓動を連れて浮き足立って手の鳴るほうへ
ああ 歌い出したら 止まらないが止まらない
雨が降っては晴れ渡る空は 色あせるほどに色づいていく
笑ってるような 笑ってないような
泣いてるような 泣いてないような
形のないすべてのものに 形を与えているイメージを
手繰り寄せてよ 招き寄せてよ
今、世界は明日の未来に向かいながら
道を 引き返すようにまた暮れていくよ
鳴らしてみせてよ あなたの心を 少し格好つけて 手の鳴るように
見渡す世界は 見渡すかぎりに そこにあるものの輪郭しか映さない
映せない ここにあるものはもう 何ひとつ
本当じゃない
今、僕は未来に手を引かれていく
今よりもっとずっと先の未来へ
はしゃぐ心がはずむ鼓動を連れて浮き足立って手の鳴るほうへ
もっと世界の そばへ
その先へページの向こうへ
心が心を 連れて行って
連れて行って。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
天気予報なんか この際、観ないでもいい
明日が晴れでも雨でも
隠し玉みたいに 傘をひとつ持って行けば
笑われても 指さされても
心があればそれでいい
空っぽの世界を 満たすのはなんだ
目を 閉じたり 開いたり
曖昧な まばたきの瞬間にかすかに見える光
耳を ふさいでも 聞こえるよ
あやふやな 温度で うまいこと重なる世界
そこに生まれる世界
耳慣れたメロディを思い出したのかい?
世界が誰かが見てる夢でも
空想のシナリオでも 神様の暇つぶしでも
笑わないし 指も差さないよ
心を持って生きてくよ
満たされないのは君が空っぽだからだ
目を 閉じたり 開いたり
曖昧な まばたきの瞬間にかすかに見える光
耳を ふさいでも 聞こえるよ
あやふやな 温度で うまいこと重なる世界
そこに生まれる世界
ハロー ハロー ハロー
今日も 雨でも 晴れでも
誰かの死後も 挨拶は交わされて
明日に続く世界
先を急ぐ世界。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
誰の為に 照らすのかあの明かりは
与えられた小さな窓から見える世界は
瞼を開いて 睨みつけても 目を凝らしても
何も変わらず醜いものは醜いまま
きれいなものはきれいなまま
僕が見つけたありのままの世界は
なんて なんて 残酷なんだ
こんなにも あたたかな幸せのそばにも
誰かの悪意があって
簡単に 奪われる 命がある
雨が降っては 降り止むように ただ なっていくように
ひとつの万華鏡から 覗いてる 世界
角度を変えれば 変わり果てる世界
信号をひとつ 追い越して行く先は
指定された場所へ続く 案内付きの
耳をすまして 聞こえるものは たかが知れてる
余計なものばかりがあふれている世界は
聞きたくないものもたくさん聞こえる
昨日 愛した あの世界は
笑顔に満ちてて 素敵なのに
今日の世界は 嘘のように 悲しくて
同じ世界とは思えないほど
汚い言葉が 否が応でも聞こえてくる
流されていくように流れていく 明日の向こう その先へ
ひとりにひとつ与えられた同じ世界を覗く万華鏡
そこにあるものは 共有して同情して
傷を舐めあうだけの
むなしさならいらない
僕が見つけたありのままの世界は
なんて なんて 残酷なんだ
こんなにも あたたかな幸せのそばにも
誰かの悪意があって
簡単に 奪われる 命がある
雨が降っては 降り止むように ただ なっていくように
ひとつの万華鏡から 覗いてる 世界
角度を変えれば 変わり果てる世界
でもその世界を君は愛したんだよ
醜いのはおまえも同じだろう。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
夕暮れを 追い越して
夕闇が 迫る頃
歩道橋から 眺めてる今にも沈みそうな夕日
今日あったことを 思い出していたよ
笑ったことも 泣いちゃったことも
思えば あっという間だったけど
今日だけでもたくさんのことがあった
すべてはいっぺんに思い出せないくらいに
そうやって僕はまた明日ねって 誰かに手を振るから
花が咲いては 散るように すべてのものに等しく課せられた
時間の魔法で またひとつ 僕は僕に さよならをする
大きな闇を背負って
小さな明かりの中
ただぼんやりと眺めてる 夜の向こうの街
今日あったことは 忘れたいことばかりなら
きっと 思い出なんていらないんだろう
だけど笑ってる僕も確かにいたから
忘れないよ 痛みごと 背負っていく
けして楽な道じゃないけど それでもいい
そうやってまた僕はほかの誰かに手を振るけどほんとうはね
もう出会えない今日という日を生きた自分に手を振ってる
もう時間だね さよならをしなくちゃ ドアを閉めなくちゃ
涙は下に流れるものだから
なるべく上を見上げていよう
涙が流れないように
ちょっと意地を張ってみる
ちょっと悪あがきしてみる
そうやって僕はまた明日ねって 誰かに手を振るから
花が咲いては 散るように すべてのものに等しく課せられた
時間の魔法で またひとつ 僕は僕に さよならをする
今日のすべてにさよならをする。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
不器用でごめんね 謝ってばかりでごめんね
そう言いながらまた謝っている
いちいち 謝らなくていいんだって
君は笑っていた でもほかに何も思いつかなくて
もらってばかりの感謝は どうしたものかなあ
ありがとうって言葉なんか なんのお返しにもなりゃしない
わかってるのに
めがねをかけててもすぐにぼんやりと ぼやけてしまう
泣き虫な僕は 君の優しさに つい甘えてしまうよ
かける言葉が見つからず
気づけば疲れて 眠ってる
頼りないのは 昔からだよ 知ってるだろ?
時に開き直ってしまうのは僕のわるいくせ
弱いくせに意地ばっかり張って 強がるのも
昔からちっとも変わらないね でもそこがあなたのいいところ
ちゃんとわかってるから 数えられない
あなたの素敵なところ
私だけは 知ってるよ そんな言葉をずっと待ってたよ
めがねなんてなくたって 大切なものは見える
目には見えない確かなぬくもりでその愛に応えよう
「僕にしか出来ないこと」
ひとつひとつ探して行くから どうか長い目で見守ってて
「誰かが いなくちゃ 何も出来ない」
そんなことはないはずだ 僕ももういい歳だし
だから とりあえず間違うかもしれないけど
やってみるよ少しずつ
転ばない努力をするより うまいほうに転べるように
なあ そのほうが僕らしいだろ?
めがねをかけててもすぐにぼんやりと ぼやけてしまう
泣き虫な僕は 君の優しさに つい甘えてしまうよ
かける言葉が見つからず
気づけば疲れて 眠ってる
思い直してめがねをかければ そこには
いつもみたいに笑う君がいた
優しい君を見つけたよ
やっと言えそうさ
「愛してる」
詩人:どるとる | [投票][編集] |
大切なものは 目を閉じて 見つめなさい
あなたの言葉はすんなりと心に沈んで
ゆっくりとしみていく やがて僕の一部になる
急ぎ足の 時間の中で 置き去りにされたように時を刻むことを忘れた時計抱いたまま
思い出のひとかけらを その花びらの一枚でも
忘れたくはないから
手放したくはないから
うたかたのこの世界で 永遠を願うなら
せめて この命 果てるまでは 終わらない 愛を 信じよう
聞き逃したくない声だけ耳をすまして
見逃せない場面を瞼に焼きつけて
傷跡から流れる血
目を離さないでね
生きているよ それを確かめようとするなら そこにあるすべての痛みと向き合わなきゃ見えないよ
通り過ぎた雨の音や 記憶にある花の名を
胸の奥で心が ページをめくって探してる
ほころんでいく途中に生まれた世界で
積み重ねる日々の中で 覚えているすべてが僕の欠片
気づいたんだよこの世界は僕が気づく
ずっと前からここにあって僕を 君を待っていたこと
だから今 涙のように降る雨に 陽射しに
思いきり 抱かれてみる
思い出のひとかけらを その花びらの一枚でも
忘れたくはないから
手放したくはないから
うたかたのこの世界で 永遠を願うなら
せめて この命 果てるまでは 終わらない 愛を 信じよう
もう少し 素直に笑ってそして泣いて生きてみよう。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
真っ白な地図を 大地に広げて
見えない 宝物 探しに旅に出る
自転車の ペダル 踏み込むほどに
スピードは加速して 心は風になる
行ったこともない 名前も知らない街まで
今、君を連れて行こう
青空の彼方に 風の向こうに 夏の欠片を探しに行こう
いつか なくした探し物が きっと 君を待ってる
回る風見鶏 風向きは南南西
天気予報は全国的に晴れ
まるで描かれた絵のようなイメージ
ギアを変えればほら 坂道も楽々
この道の先に何があるのかな 宛もなく旅は続く
あらすじにないストーリー
まぶたの裏の 胸の奥の まぶしい夏に 会いに行こう
いつか 忘れてしまった 気持ちをもう一度思い出して
ひらり キオクの中を舞うように
たゆたう花びらに映る 懐かしい日々
青空の彼方に 風の向こうに 夏の欠片を探しに行こう
いつか なくした探し物が きっと 君を待ってる
まぶたの裏の 胸の奥の まぶしい夏に 会いに行こう
いつか 忘れてしまった 気持ちをもう一度思い出して
ああ流れる汗の ひと粒まで 夏を 焼きつけたあの場所で
咲いた 恋のように
しぶきを上げて押し寄せる波のように。