詩人:どるとる | [投票][編集] |
うだつの上がらない若者には
幸せなんて もったいないぜ
さよならの数だけ 数えてしまう悲しさに
いつも辟易してるのは僕のほうだろう
彼女の笑顔がだんだん見えなくなって
この頃はなんだかつまらないようで
どうしたらいいかわからない 策もない宛もない
何もない若者がただはしゃいで 悪あがきしてるだけ
じたばたするけど 変わらない 何も変わらない
答えなんて どうして見えるだろう
先の見えない不安にどうして勝てるだろう
簡単に 死にたいだなんて 言えてしまうのに
空はなんて遠いんだろう
今日もまたむなしく生きてる。
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愛は 泥んこにまみれたようにくすんで
そこにある ちっぽけなプライドのせいで
安っぽい映画のようになった
いくつもの 思い出が瞼に浮かんだ
哀れな影が 道端にたたずんでる
咲いたそばから 疎まれるようじゃ花にも なれない
だから 僕は 汚れたよ
何かから 逃れるように。
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僕だけにしかできない何かをやりたい
僕だけにしかできない何かがあるはず
血潮の雨に 濡れながら 待ちわびていたよ
いつか聴いたあの産声 世界を染めた
勢いあまって飛び出した世界は
喜びで満ち溢れていた
そうさ 今から
始めればいいさ。
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変われない自分がここにいる
恥ずかしくてたまらないのに
強がってしまうのはなぜだろう
変わりたい 変われない
そのせめぎあいにいつか終わりは来るのかなあ
「完全」や「絶対」なんかない世界の中で 届かない空に手を伸ばしてる
見上げるばかりの山のいただき 今日も空は果てしなく高くて
僕を遠くから 見下ろしている
なんとなく死にたくなって でもまだ死にたくなくてだから生きてる
そんなふうに 笑ってると やがて見えるものも見えなくなってゆく
面影みたいな 花の香りが
残ってる部屋の中
君の匂いで満たして空白を埋める
でも所詮 イメージだからすぐ消える
雨上がりの空は 何かが昨日とは違う
ささいな違いに 気づいたら何か変わるかな
誰かの幸せを願えるほど僕は満たされてはいないから 君の涙にはかまってやれない
少しずつ 枯れていく花は 色褪せてゆくほど美しく 醜さも霞んでしまうほどなのに
どこか 影を ぬぐえない
ページをめくる手を止めて 雨音や 誰かのささやくような声に耳をすます
そうして見えるもの あるいは聞こえるもの 大切なものはこんなにそばにある。
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変わりたいのに 変われない自分がいる
変わろうとさえしない自分がいる
笑っても 笑ってる気がしなくて
泣いても泣いた気がしなくて
生きてる そんな感覚が すっかり なくなったよ
僕の中で 時を刻む
時計が いつか
終わりを報せても
きっと僕は泣いたりはしないだろう
いくつもの後悔を積み上げる毎日
やがて 崩れてしまう無意味な行為だ
どこかに いるかな 自分を犠牲にしても助けたい そんな優しい 花のような
ぬくもりを 無償の愛をくれる人は いるだろうか
見渡せるほど世界は広くはない そこにあるものだけで事足りる僕にとって世界は狭すぎるほどだ
ああ ため息で1日がはじまり 1日が終わる
夕暮れ 寂しさに気づかないように ひたすら眠る ただ眠る
僕の中で 時を刻む
時計が いつか
終わりを報せても
きっと僕は泣いたりはしないだろう。
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瞳の中に沈んでる 夜の街が
闇の中に浮かんでるように見える
誰が知るだろう こんなに広い世界で
ちっぽけなたった一人の誰かの死を
人知れず流れる涙を
気づいてほしいと願う声はあまりに小さく
ささやかだから聞こえない
叫んだとたんに 闇の中に吸い込まれてく
あっという間の出来事に 言葉にならない
それは 命がたどる道筋に似ている
形も色も持ち合わせないけれど
確かな輪郭でこの心に落ちてくる
切なさともまた違う淡く蒼い悲壮。
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喋ることを忘れた人形になりたい
ただ黙って 人様の暮らしを眺めていたい
映画の中のワンシーンに過ぎない
この ひとときを 雨が 濡らす
さよならの数だけ 朝は訪れて
昨日とはまるで違う今日だ
昨日会ったあの人に明日も会えるかな
ありふれた毎日が何より大事だと
気付けない僕を否定しておくれ。
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雨が 止みそうな気配はない
明日も引き続き 降り続くらしい
東京の街は ひどく冷めていた
誰かのぬくもりさえ探すのも難しい
差し出しされた手がもしも愛なら
償いなんて求めないで欲しい
愛は いつだって無償だと知ってる
僕も君も 傷つく人を見捨てられない
だから、見返りなんか気にせずに
ただ 誰かの涙のそばに寄り添って
弱い人たちの居場所になりたい
にわか雨のようにすぐに変わる天気
予報にない雨が傘を忘れた人を濡らす
流行りの歌が流れてるコンビニの中
聞きあきたような台詞がうざったい
履き違えたような愛ばかりが
愛と名乗り 蔓延ってる
愛はそれほどきれいな物じゃないから
傷ついて醜く歪んだ物こそ愛らしい
言葉なんかなくても心はここにあるよ
愛してるもアイラブユーもいらない
ただ雨降るように静かに在るべきと
目を閉じたら まるでスクリーンのよう
映るのは暗闇ばかりで寂しいけれど
思い出があれば あざやかに見えるだろう
愛は いつだって無償だと知ってる
僕も君も 傷つく人を見捨てられない
だから、見返りなんか気にせずに
ただ 誰かの涙のそばに寄り添って
弱い人たちの居場所になりたい
気休めでも傘の代わりになりたい。
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居場所が欲しいなら
草臥れた椅子で事足りる
だけどあなたの膝の上なら
どんな居場所より心地いい
あなたにふれたい
飽きるくらいに 何度でも何度でも
あなたに愛されたい
好きだよとささやいて 数えきれないくらい
チェアー それは心を座らせる場所
チェアー それは宛のない夢の終着点
チェアー それは見果てぬ夢のせめてもの
慰めにも似た それは僕の帰る場所
「ただいま おかえり」
言い交わしたら今日もやっと 終わる。
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高架下から見上げる
星空は今日もあるよ
終電過ぎの街並み
すべてが光輝いて
嘘みたいに心が落ち着きはらってる
月が出てる 誰に言うでもなく
月が出てる ささやけばなんとなく
寂しさも少しだけ紛れるんだ
それだけ。