詩人:どるとる | [投票][編集] |
旅の果て 僕が見てた
ひどく 荒れた土地に
吹く風のかたち
雨に歌えば 悲しみもまたロマンス
気持ちを 変えれば
嵐もまたあまがみ
行こう この残酷な世界の果てへ
つまらない常識よりもはこぼれした夢を手に。
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引いていく波のかたちを 思い出せない
まぶたの裏に沈んでく夕日もまた同じ
誰かの優しさに寄りかかったまま
足りなすぎる言葉を空に ばらまいて
散らばる 砂の中にひときわ輝く あの
名前のない感情が またひとつ 生まれた
新しい色に染められていく心が
真っ白いページの前で立ち止まる。
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空想を広げて世界の果てまで
地図にない街へ 旅に出かけよう
昨日見た夢の続きを探しに
きれいな音や涙ににじむ景色に
会いに行こう 行き先も知らないバスに
飛び乗った そこから始まる気ままな旅
空想を広げて世界の果てまで
地図にない街へ 旅に出かけよう
空の終わりを まだ見ぬ発見を
猫の まだら模様に秘めた思いを
涼やかな風にのせて運ぶ綿毛の宅配便。
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少しばかりの微睡み
部屋のすみに転がる
思い残しの影
水彩の絵の向こう
広がる 道を行こう
変わらない街並みの
変わらない表情に
移り行く季節さえ
僕には優しく見える
水と光の 住む街を
行き交う 悲しみが
やがて窓の夕日に
染まったほほを火照らせた
その時流れた涙は
明日の僕に届くから
心配しないで
手の届かないものなら
迎えに行けばいい。
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通り過ぎていく遠くの街を光があとにすれば
夜が結んだ結び目がするりとほどけた
はれて自由の身になった僕は 君を探しに旅に出る
最終列車の 微睡みに寄りかかりながら
いつか 胸に咲いてた花を思い出してた
行かないでそばにいて 押し寄せる感情の波
思い出の二の腕に 抱かれたまま 泣いていたいのさ
ここからは少し急な上り坂になるから。
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水槽みたいな ガラスの中に
映っては揺れる涙
言葉にすることも恥ずかしい
まだ 定まらないあやふやな気持ち
答えなんて 見つかるのかな
誰も知らない明日へ
閉じこもっても 魚になっても時間からは逃げられず僕は袋のねずみ。
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通り過ぎてく毎日の景色に重なるように
増えてく思い出を 指折り数えてみる
いくらでも変わる 色褪せながらも
色づいていく 感情に気づきながらも
気づいてないふりで笑い転げた日々
駆け抜けた 長い この夜を
笑ったり 泣いたりして
ありふれた 言葉ばかりが
雨のように 降る 涙に濡れた僕らは
時間から はみ出した場所で
その日暮らしの 猫になる
路地裏に消えた尻尾にまだら模様の
見覚えのある黒と白のしましま
旅立ちにはいささか向いてない
風の強い日に 舞い上がった木の葉
見送る言葉もなく僕はただ見てた
吹きさらしの 部屋に 寝転ぶ退屈が
のさばる日曜日の戯れ言
テレビジョンに映る暮らしは
絵に描いたようなシルエット 僕らは
約束を交わしたことも忘れて
のんびりと空をお散歩 雲になる
いくつもの嘘にまみれた 本当を
言い尽くしたあとのだんまりを
言い訳とは呼ばないでねと
さらっと 泣き言ひとつ 情けないね
駆け抜けた 長い この夜を
笑ったり 泣いたりして
ありふれた 言葉ばかりが
雨のように 降る 涙に濡れた僕らは
時間から はみ出した場所で
その日暮らしの 猫になる
その丸い瞳に映るオレンジ色の夕日が沈んだら
人いきれの中を帰る ただのさみしがりやになればいい
あとは君がなんとかしてくれる。
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移り変わる景色の色が 色褪せながら
僕を 見つめている 優しい眼差しで
何もかもが 新しくなるなら
残した足跡は 消えてしまうのかな
ファインダー越しの世界は
かたちあるものを写真にする
回る フィルム レンズの向こうの
にじんだ青紫の空が
夜を優しく抱きしめてる
時計は いらないね 時間からはぐれた旅に出よう今から。
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うわのそらです 雨の中に涙が混じるから
雨音にかき消されるあなたの泣き声
暗い廊下を 吹き抜けてく名前もない風
かすかな息づかい 繰り返す呼吸
季節の街に 降る時の雨 あなたに降りかかる
悩ましい絶望が
切り刻む命を なんとなく 感じながら
待ちわびる夜明け。
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「旅に出たい」そんな気持ちが生まれたら
心を翼にして 空を飛ぼう 羽がなくても
行き先もわからない電車に飛び乗って
あてどもない旅はある日突然始まる
見たこともない景色を見たい
まだ出会ったことのない人や
知らない 国の知らない風
ほんのささやかな誰かの幸せ
小さな花を染める色
「旅に出よう」そう思うずっと前から旅人だ
笑ったり泣いたりする それだけの日々も
通り過ぎてく 眺め
涙に濡れた 思い出を
手を振って見送る
僕の瞳にはもう迷いはなかった
「旅に出たい」そんな気持ちが生まれたら
心を翼にして 空を飛ぼう 羽がなくても
「旅に出よう」そう心に誓ったら行こう
終わらない世界を終わりある命で飛ぶよ。