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どるとるの部屋  〜 投稿順表示 〜


[7133] 少年
詩人:どるとる [投票][編集]


吹き抜けのように 伽藍とした 廊下に

靴音が 鳴る セーラー服のスカーフが風になびく

忘れられたような 机の落書きと

転がった 折れたチョーク

机の 上の真っ白なノートと

窓がつくる 陰影

降りてくる陽射し

孤独さを隠して 走る校庭に

夕暮れの魔法で 誰も彼もが寂しくなる

オレンジ色の光の中で同じ色に染まる

下手くそな 日常描写の中に

ただ息をする 青春映画の主人公とヒロインは

名前もない少年と少女だった

シャッターが降りるその瞬間の刹那を

閉じ込めたような写実的世界。

2016/01/03 (Sun)

[7134] マジックアワー
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僕らは見つめている明日のその先を

夕暮れの魔法で 誰も彼もが同じ切なさを

共有する街で 呼吸をするだけの魚

ふと手を伸ばせば 届きそうなのに

こんなに遠い距離に心はある

目を閉じて 数秒 息を結ぶ

手をつないだときのぬくもりも

手を離したときの寂しさも

同じように 抱きしめられたなら

きっと 離れ離れになっても

心は重ね合わせられる。

2016/01/03 (Sun)

[7135] 夢の続き
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意味のないことを繰り返して

行ったり来たりする思いの中

帰り道にたどり着いたら 行こう

屋根を飛び越えて イメージの向こうへ

少しのまどろみ 開けたままの窓

風の形は どこか優しげに

昨日見た夢の続きを 今夜も見よう。

2016/01/03 (Sun)

[7136] 
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行き止まりの道 冬の寒さのせいで

いつまでも離れない手を離したとき

僕らは大切なものまで落としてしまった

小雪混じりの 朝にはかじかむ手を

あたためてほしいと願う

愛してるって 大好きだって

手を握って さよならのかわりに

抱きしめて そしてひとつになって

夜でも朝でも そんなふうに笑って

変わらない 愛をくださいな。

2016/01/03 (Sun)

[7137] ありがとう
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いつもは気づかない 当たり前という言葉に隠れて
見えないままの 誰かの優しさや ちょっとした思いやり

言葉になんかすることのできない気持ちだ

世界中の 一人一人にいる 大切なあなたに
伝えたい気持ちがいつの間にか歌になる

ありがとうっていう言葉じゃ 返せないくらいの気持ちだ
だけどきまってあなたは言うよありがとうっていう言葉だけで十分だよって

家族がいて 恋人がいる 立場は違えども
同じ人間だから 同じ心を持っている

口では 感謝なんかみじんも してないそんなあなたも

本当は 誰より感謝してる人が一人はいるはずで

もらってばかりいるこの感謝の気持ちを ありがとうの言葉に変えて 伝えたい人がいる

ありがとうって言うたびに 僕らはまたひとつ大人になって
心が 大事なことを知るだろう だからこのありがとうをあなたに届けよう

目をつむって数を 数えたら
もう一度目を開けて君を見る

さっきまでの君とは少し違う
生まれ変わった そういうことにして

些細ないざこざは 忘れて ほら 笑ってみよう 抱き合ってみよう 愛のままに

ありがとうっていう言葉じゃ 返せないくらいの気持ちだ
だけどきまってあなたは言うよありがとうって いう言葉だけで十分だよって

だからありがとうにはありがとうって返すんだ。

2016/01/03 (Sun)

[7138] 雪が降る街
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雪が降る街を行く
僕は一人きり

お気に入りのスニーカーと
忘れられない歌を連れて

空の終わりを探すような そんな宛もない旅に出る

言いそびれたありがとうや
今すぐ伝えたい想いを胸に

雪が降る街を行く
僕は一人きり

うぬぼれたように
酔いしれたように

心と体は 寸足らず

ほら 雪が足跡をつけたそばから埋めてく

振り返ったらもう 消えてるわだち。

2016/01/03 (Sun)

[7139] プラネタリウム
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夜空を見上げる 誰もが
星を見て 空想するだろう

遠い昔の人が 星に名前をつけて
星にかたちを与えたように

まだ知らない遠い宇宙の果てに
思い馳せる夜には 心に夢があふれる

目を閉じた 暗闇に星を 浮かべてみれば

それは 素敵なプラネタリウムのようだね

今流れたあの星はどんな物語を語るのかな

想像するだけで 夢はふくらむよ

眠れない夜に 読んだ 絵本の中に
広がる 世界を見ているような

耳をすませば星のささやき声も
聞こえてきそうな不思議な夜だから

時間から はぐれた旅に出掛けよう
朝が来るまでのささやかな小旅行

数えきれない星たちと同じだけの命が

この地上にも生きて 呼吸をしている

そんなありふれたこともまるで魔法のように

視野を広げれば 不思議なことだ

今だけは 言葉をしまって
少しだけ 言葉に頼らずに

ただ あの夜空を見ていよう
そしてその美しさに目を奪われよう

そして生まれる汚れのない気持ちを抱きしめよう

目を閉じた 暗闇に星を 浮かべてみれば

それは 素敵なプラネタリウムのようだね

今流れたあの星はどんな物語を語るのかな

想像するだけで 夢はふくらむよ。

2016/01/04 (Mon)

[7140] 冬の翼
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開けた窓の向こう 翼を広げて飛び立つ
イメージの向かう先を見ている

銀河に走る鉄道も おとぎの国の魔法も
この世界にはないとして 残されたこの ロマンは宛をなくした

目を閉じて 夜の中に星を描きながら

夢の中で 岸を目指す 翼のない鳥

足が羽のかわりで 大地を空のかわりにして
僕は行く 終わるまでは終わらない旅

冬の 凍てつくような寒さでかじかんだ
手を あたたかな歌で 温めながら旅は続く。

2016/01/04 (Mon)

[7141] 家出少年
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遠い昔 一人出掛けた宛のない 旅は3日と持たず 終わった

少しの食料と 少しのお金があれば
どうにかなると思っていたんだ

自転車にくくりつけた荷物と
胸には 夢だけ 詰め込んでいたよ

いくらだって笑えたはずなんだ
あの時の僕には何より僕が味方だった

世界の果てまでも行けると思った

自転車一台あれば 何も恐くなかった

テントを張って ランタン灯して

見上げた空に星が流れた

あの旅が教えてくれたのは

僕のちっぽけさと世界の果てしなさ

だから 3日で終わらせたよ

どしゃ降りの日ずぶ濡れで 帰った家出少年

一人では出来ないことを知り 少し大人になった

でも同時に一人でも出来ることもあることを知ったんだ

強くなったぶんだけ弱くなって そのぶん優しくなった

僕は涙を流した日にはじめて 見えなかった愛が見えた気がする

夢なんてすぐ見つかると思った

でも探すだけでへとへとに疲れ果てた

傷だらけになって 泥だらけになって

ほほを涙がひとすじ流れた

あの旅が無意味じゃなかったのが
わかったのはだいぶあとになってからで

今なら少しだけあの日の僕を褒められる

多少背伸びしてるけど 大人になった家出少年

残された 恥ずかしい足跡と 高く掲げた理想は

今は 大切な思い出のひとつだ 捨てるのはやめよう

僕のせいで負った傷だって 紛れもなく宝物だ

世界の果てまでも行けると思った

自転車一台あれば 何も恐くなかった

テントを張って ランタン灯して

見上げた空に星が流れた

あの旅が教えてくれたのは

僕のちっぽけさと世界の果てしなさ

だから 3日で終わらせたよ

どしゃ降りの日ずぶ濡れで 帰った家出少年。

2016/01/04 (Mon)

[7142] エブリデイ
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おまじないって 隙を盗んで
キスをするときのいたずらな顔が

凍りついたアスファルトの上に
あたたかい 時間を降らせるんだ

振り返る僕の瞳に映る 君の姿が

少しずつ大人びていくのは 季節が流れたから

僕は ちょっとだけ君に見とれすぎたね

いつの間にか 君も僕の知らない君になって

追いつけないような場所に 行ってしまうような気がして

手を握ったときの わずかな瞬間だけでも

永遠を感じたくて 五感を働かせてみる

だけど 通り過ぎてくだけのエブリデイ

さっきまでの 君もあんな遠くにいる

まばたきが もったいないと思う
人生でまばたきする回数を数えたら

どれだけの君を 見つめられたかな
今までのまばたきが惜しくなる

まばたきの瞬間に消える君の姿が

視界から消えるとき世界も消える

僕は少しだけ君を好きすぎるようだ

愛を知らなかった僕には 今の気持ちはわからない

こんなにも好きなことが幸せなこと
悲しいこと

出来ればずっとそばにいたいと願うけど

それは愛というにはわがままな気持ちだ

だから時には手を離す寂しさを知る

その寂しさがまだ見ぬ愛を教えてくれる

君のためならやれることならなんだってやった

君が笑ってくれるように
君が幸せになってくれるように
ただそれだけを思っていた

いつの間にか 君も僕の知らない君になって

追いつけないような場所に 行ってしまうような気がして

手を握ったときの わずかな瞬間だけでも

永遠を感じたくて 五感を働かせてみる

だけど 通り過ぎてくだけのエブリデイ

さっきまでの 君もあんな遠くにいる

ここから 見つめる君は少しだけ

憂いに満ちて とてもきれいだ。

2016/01/04 (Mon)
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