詩人:どるとる | [投票][編集] |
追いかけるように景色を描いてく
太陽光 空 雲 椅子や机までも 被写体
木目といくつかの傷跡
見えないものも見えるものも描いてく
そこに君がいて たとえば光を放つなら
笑ってる君のその隣に泣いてる君を
据え置いて 君に言うよ本当のことすべてを
目をそらせない悪意までも 見ようとするこの心は目をそらせない
すべての美しいものから 禍々しいものまで
詳細にスケッチしてしまうんだよ。
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曖昧だった世界の縮尺は
いつかうやむやになって
流れ星の軌道に乗って
振り子運動みたいに 絶えず繰り返すループの上を歩く
どこにも行かないで と握りしめた
手の温度だけで 悲しみなんか 飛び越えて
また 朝にたどり着ける
夜明けの街に 落ちた目映いばかりの光
まるで それは 卵を割り落とすような
かき混ぜて マーブル模様 ほらもう
何が正しいのかさえわからなくなったよ
だから、最初からやり直しだ今日も
延長線上に 浮かぶ仮説
筋道を立ててさあ計算しよう
口笛の矛先へと消えるくらいなら
ありふれた毎日の何気ない風景を染める色になりたい
モルタルの廊下と埃舞う教室の 対比
給水タンクと 校庭のデイドリーム
手と手を 合わせ祈るなら ひび割れた
隙間から光を射して隠れた朝を呼ぶよ
踏み込むアクセルは景色に線を走らせて
今までの概念を軽く笑い飛ばすほどだ
最初から中身の知れた卵に過ぎない
黄身と白身を より分けて
正しさと間違いを分別するように
差別したなら 黒と白でもない
黄色い僕らは 行き場なんかない
世界から のけ者にされたまま
いつまでも 羨ましそうに 殻の外からイメージで眺めてる
夜明けの街に 落ちた目映いばかりの光
まるで それは 卵を割り落とすような
かき混ぜて マーブル模様 ほらもう
何が正しいのかさえわからなくなったよ
だから、最初からやり直しだ今日も
開ける前から同じ朝でも 目覚めるたびに昨日より少しだけ新しい世界
まっさらなシャツに腕を通す気持ち。
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ポケットに空いた穴から覗いた空を
イメージの絵の具できれいに染めて
写真のような風景を描き出す
指先で広げるアンダーグラウンド
駅前通りの 喧騒もまたいいけれど
何もない 田畑を走る電車から見る景色もまたいい
名前のない 感情がフラフープの軌道を描いて
波紋のように 扇状に広がっては縮こまる。
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回る土星の輪っか論文に追われる日々
遠くから眺めるのと間近で見るのは 大違い
形は変わるよ 本当も嘘も
ピエロになってみるのもいいね
つまらない愛を歌って
指先絡める 情熱のフラメンコ
羽を抱く天使のシルエット
荒川アンダーブリッジを読んで
息つく暇もなく課せられる宿題のお相手をする
冷静と情熱の対比 横浜ベイブリッジとタピオカミルクティ
かけがえのない数分
せわしない日常描写
ああ世界を構築 今はまだ 小さな夢
まるで ひとつにならない 感性。
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意味もなく ささったままのコンセント
一瞥するだけで見渡せるだけの狭い部屋に憩う
手をつないだり離したりするだけの
つまらない上にありふれた日々が過ぎる
逃げるように 遠ざかる 時計の針を
追いかけても 捕まえられないのさ
誰かにとって 何気ない時間も
ほかの誰かにはきっと かけがえのない時間で
あっという間になくなるこの ちっぽけな数分が 熱いコーヒーの中で溶ける砂糖の役割を果たすなら
甘さはまだ 余韻のように僕を 幸せから解き放たず
路地裏に 落ちる光と影の対比
猫のあくびと まだ解き明かされてない 宇宙の不思議
雑誌の付録に 残念がる君を眺めているこの時間もまた 味わい深いものがある
レコードは回る 盤面に刻まれた コードを読みながら メロディがあふれる
曖昧だった感情が少しずつ色を 帯びてくのを どこかで 感じながら
今だけは 時間が止まってほしいと 願う
容易にコーヒーを 軽く二三杯は飲めてしまえる数分で ささやく愛は
いまだかつてない 酸味を残すから 恍惚の表情で 受けて立とう
星のような輝く言葉探してる その途中で出会った二人は
いつの間にか 同じ空を見上げて 誓いあったよ
誰かにとって 何気ない時間も
ほかの誰かにはきっと かけがえのない時間で
あっという間になくなるこの ちっぽけな数分が 熱いコーヒーの中で溶ける砂糖の役割を果たすなら
甘さはまだ 余韻のように僕を 幸せから解き放たず。
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真夏の太陽光線が降り注ぐ 雨のように
水しぶきを 撒き散らす噴水が描いた虹
真昼の公園 30度を越える猛暑
汗ばんだシャツは洗濯機に放り投げた
やかましいほどの蝉しぐれから逃げ惑い
たどり着いた静かな神社 赤い鳥居
大きな木で いつまでも鬼を待っている。
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光が空に反射して雲の影が水面に浮かぶ
退屈なはずの時間が泡となって 消える
硝子の箱に 泳ぐ魚の影を目で追えば
あたかも 海の中にいるような気持ちになる。
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ショートストーリーの足跡を
追いかけて たどり着いた
持ち前の科学力で空に手を伸ばした
流離いの旅人が水を求めるように
僕もまた 身にあまるようなお金より
ただつなぐための手を探してる
少しずつ大人になっていく君を見てるよ
景色が回るよ なんともまあカラフルな幻
たどり着く先がたとえ小さいとしてもそれでもいいんだ
好きなように歌を歌い 今を指し貫く一本の矢になるんだよ。
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台風の目の周りをぐるぐると回る
台風何号 接近中
やがてこの東日本を飲み込んで
大荒れの天気が予想されます
秒読みと同時に棒読み開始
キャスターの冷めた目が画面いっぱいに拡大されて見えるよ
おかしくなりそうだ
言葉までも なんだか他人行儀な風体
この街から抜け出したくて走り出した
防波堤 意味もなく突破されて
津波が街を飲み込む悪夢の映像
水に恐怖を感じるなんてくだらない
自然の驚異の目の前じゃ
僕らの命はひどくちっぽけだ
台風東日本上陸 避けられそうもない現状
台風東日本上陸 予想される雨量に注目
おごり高ぶる僕らを叱るよ。
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道の先に知らない物語が
まるで 足跡のように続いていく
誰もいない 真夜中の静かな 駅前
雨が 屋根を濡らしたのは10時を過ぎてまもなくのことです
揺れる心のままに 誰かを思えば
悲しみは雨になってこの頬に降るよ
受け流す傘もなく 流れて落ちて はじけて消えた
静かに夜明けを待っている
光は 暗いから見えないだけ
昔の映画に雨に歌えばっていう
そんな映画があった どんな内容かは忘れたけど
眠ってしまえば消える寂しさなのに
あなたの 隣で夢を見たいと 思うのは
あなたの寝顔を 見たいからだよ 内緒でそんなことを思う。