詩人:どるとる | [投票][編集] |
しょうもないなあなんて
愚痴などをこぼしながら
過ぎ去る窓の外の風景を眺めて
大きなため息をひとつ 吐き出した
ゆるりと 緩やかに下ってゆく坂道
このペースは当分くずしたくない
何があっても 大丈夫なんて保証は
探したってどこにもありはしませんが
悲しんでても始まらないから
とりあえず笑ってはみるものの
本当に悲しいときにはそれさえ
なんだかむなしく思えてくる
特にわけもなく眠れない夜
どう過ごしているでしょうか
ご多分にもれず僕も君と同じように
同じような悩みで悩んでます
時計が回って また夜が明けて
昨日と同じ1日がまた始まる
これから 何をしでかしてやろうか
不安八割 期待のほどは少なく見積もっても二割
周りに合わせるなんて まっぴらごめんだね
僕は僕の生き方がある
さあ 転んでできた傷を笑い飛ばしたら
昨日の涙を 今日の笑顔で忘れよう
違う街に住む 違う顔をしている
名前も 住所も違う人同士が
互いを思いあって 時には思い病んで
すれ違う気持ちに やきもきしながら
暮らしてくのもまた悪くはないさ
もしも 気分が良ければ 優しさも 見せるかもしれないね
勝手ながら そこんとこは未定にしておいて
何があっても 大丈夫なんて保証は
探したってどこにもありはしませんが
悲しんでても始まらないから
とりあえず笑ってはみるものの
本当に悲しいときにはそれさえ
なんだかむなしく思えてくる
そのむなしさごと 愛せれば
明日はきっと予報を裏切り 晴れるでしょう
君の顔に 笑顔が戻るでしょう。
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歩道橋から沈む夕日が見えたなら
すぐに夕闇が 夜を連れてくるだろう
流れる人混みに ただ流されてるだけ
言い訳するだけで1日がまた終わる
なんとなく 生きているだけのように
見える毎日でも いつの間にか
知らず知らずに 積み重ねてる何らかの経験値
そう思うことにして とりあえず回れ右
遠回りでも 必ずたどり着ける場所がある
道はひとつじゃないんだよ 誰かが教えてくれました
優しさを知らずに ここまで 来た訳じゃない
一人くらいいるはずなんだ 君を 思ってくれる人が
そんなささやかな 思いをあてにして
生きてゆくのもまたいいもんだろう
夜空に浮かぶ月に 涙を見られないように
月に背中を向けて歩くいつもの帰り道
大好きな人の顔を思い出してしまうよ
悲しいとき 辛いとき 泣きたくなるとき
意味なんかない ように見える毎日でも
意味がないと 決めつけるには
まだ早いって気がするのは 明けない夜はないことを どこかで信じてるから
遠回りしたほうが いろんな景色が見える
花が散る 花びらが地面に落ちるまでのほんのわずかな時間
たとえばそんな 何気なくてなんでもない
悲しみや喜びの もっと向こうにある ありふれた何か
大切なことはそこにあるって思うんだ
だからカッコ悪くても生きてゆくよ
大切な人の笑った顔が 涙ににじまないように
僕が まずは笑ってお手本になるんだ
こんなことしか出来ないけど 当たり前にある
絵に描かれたような 幸せを届けたくて
あなたの手を強くやさしくにぎる
遠回りでも 必ずたどり着ける場所がある
道はひとつじゃないんだよ 誰かが教えてくれました
優しさを知らずに ここまで 来た訳じゃない
一人くらいいるはずなんだ 君を 思ってくれる人が
そんなささやかな 思いをあてにして
生きてゆくのもまたいいもんだろう。
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手のひらに落ちた 小さな桜の花びらが
風に舞って またどこかに旅に出ました
駅前通りの賑やかな人混みをあとにして
僕は誰もいない 町外れに たどり着く
落ちる夕日と 河川敷 光と影がギリギリのラインで 混ざり合わず分かれてるマジックアワー
この街で一番高いビルの屋上に のぼって
見下ろした 街並み 案外 ちっぽけで拍子抜けしたよ
汗ばんだ体を 丁度いい具合に乾かしてく夜風が幾分心地いい
いつか この掌を 当たり前みたいに
握ってた 君の温もりを思い出してしまうんだ
同じ手のひらで 大切なものを 抱いてそして傷つけて 笑わせて時には涙を流させた
ごめんなさいも言わなきゃね でもありがとうも言うよ
とても百年じゃ足らない気がするよ
台所に立つ君を 後ろから 抱きしめて
愛してるって 柄にもなく 呟く僕にくれたあの笑顔
掌から伝わる 疑いようもない愛が
言葉もなく教えてくれた 愛することや 愛されるということ
その悲しみや喜び 痛みまでも 今ではどちらも願っても手に入らないよ
手放したのは他でもない僕自身だから
でもまだ余熱のように この手のひらを熱くする
度重なる思い出を回想するように僕は記憶を辿ってゆく
喧嘩した日のこと はじめてキスを交わした日のこと
たとえば あの雨の夜
でなければ あの日吹いていた風 気温まで
あざやかなままこの胸に あなたとの日々が まるごと残されてる
この街で一番高いビルの屋上に のぼって
見下ろした 街並み 案外 ちっぽけで拍子抜けしたよ
汗ばんだ体を 丁度いい具合に乾かしてく夜風が幾分心地いい
いつか この掌を 当たり前みたいに
握ってた 君の温もりを思い出してしまうんだ。
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なんでもない 毎日が どこまでも 続いている
なんでもない 毎日を これでもかってくらいに繰り返して
いつの間にか 忘れている 誰かを 心から愛する気持ち
大学ノートの端っこにでも書かれた
落書きのように あなたを蔑ろにしている
とりとめもない1日が地層みたいに 何層にも うず高く積み重なって
まるでこれじゃ ミルフィーユ 甘ったるくて食えたもんじゃないスイーツ
寝苦しさに眠れやしない夜 そんなときに限って 頼りの扇風機は壊れる
止まっては動いてまた止まる
まばたきでもするように 赤 青 黄色を交互に繰り返す
信号に 苛立ちを隠せない 僕は 舌打ちを 繰り返す
嘘をつくことにも慣れ 嘘をつかれることにも慣れて
互いに 嘘をつきあってる 気づかないふりして気づいてる
愛のない性行為は何のために するのだろう そんな罪悪感に包まれた熱帯夜
さらに層を厚くして 熱を増してく 夏が最高気温を叩き出した 汗は止まらない
これならば機械とシタほうがよっぽどマシだわ そんな言葉が吐いて捨てられる
部屋から出てゆく 君は二度とは来なかった
僕は 死んだように暫く 無理にでも笑えない日々が続いた
とりとめもない1日が地層みたいに 何層にも うず高く積み重なって
まるでこれじゃ ミルフィーユ 甘ったるくて食えたもんじゃないスイーツ
寝苦しさに眠れやしない夜 そんなときに限って 頼りの扇風機は壊れる
止まっては動いてまた止まる。
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ただなんとなく 流れてゆく日々はのらりくらりと
昇っては沈む 太陽が また沈めば 夜は例外なくやって来る
どうやら 太陽は昇って 辺りが明るいので
朝が来たらしいから
まずは腹ごなしだ
急拵えの なけなしの勇気を 振り絞る
ファインダー覗き込む ストロボを焚く
目映い光が 瞬いて目の前の世界を 切り取る
ほら 上出来だろう?
心に残るといいな
今日の日の 思い出が
明日の空に 刻まれればいいなあ
手筈は整ったよ さああとは ページをめくるだけ
笑うように泣いて 泣くように笑って 逆さまの心と体
魂は離ればなれ ラジコンの コントローラーと本体のようにはいかないなあ
ボタンひとつで どうにもならない
ただ積み重ねてるだけに留まる 時間
意味も理由もなく 多分僕は 存在している
せめてきっかけがあればやる気にでもなったのに
悲しいかな 自由過ぎるんだ
でも 光は今日もまっすぐにこの体を照らしている
光合成は順調に果たされている
行こう 今より
もう少し 笑える場所へ せめて
泣いてしまうくらい うれしい 場所へ
急拵えの なけなしの勇気を 振り絞る
ファインダー覗き込む ストロボを焚く
目映い光が 瞬いて目の前の世界を 切り取る
ほら 上出来だろう?
心に残るといいな
今日の日の 思い出が
明日の空に 刻まれればいいなあ。
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明日の僕はどんな1日を過ごしてるだろう
通り過ぎてく窓から眺める景色に重ねてみる
ぼんやりと たたずむような 街並みが
悲しいときと嬉しいときで見え方が
変わるのは 気のせいだろうか
笑いながら 泣きながら たまには
落ち込んだりするのも それもまた
どうしようもなく生きているから
そうしてまた 一枚カレンダーは めくられて
暦の上に 春が降り積もる 花びらが舞う街に
坂の向こうで夏が 頭をのぞかせてる
緩やかに陽射しが 道に 降り注いでる
風景画のような景色が すぐそこにある
まっすぐに平坦な つまらない道は
歩いてても 何も教えてはくれない
涙を知らなければ わからないこともある
電車の窓から 見える 家々に灯る明かり
そのひとつひとつにある 異なる営み
今日もまた交わされるただいま おかえり
そうして また今日も 街に夜の帳が降りてきて
暮らしの 片隅に そっと幸せが 見えたら
躊躇わず言おう「なんて幸せなんだろう」
上ったり下ったりするだけの日々だ
繰り返される 毎日が なぜここにあるのか
そんなことは 誰も知らないし 教えてもくれないが
ただひとつ わかってることは
僕には守るべき人がいて 愛すべきものがある 今があるということだけ
いわばそれが僕の生き甲斐だよ
笑いながら 泣きながら たまには
落ち込んだりするのも それもまた
どうしようもなく生きているから
そうしてまた 一枚カレンダーは めくられて
暦の上に 春が降り積もる 花びらが舞う街に
坂の向こうで夏が 頭をのぞかせてる
そして長い夜は明けて坂の向こうから また
太陽がゆっくりと坂を上るように朝を連れてくる。
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浴衣を着付けてもらったの そう言う君に
付き合わされて 祭りに 行った数年前の夏の夜
あまり人混みが 好きじゃないけれど
君の言葉にはなぜか 断れずに了承した
ほら見たことか 思った通り 人でごった返していた
神社の長い階段下の 夜店で 綿菓子を 頬張り笑う君に むくれてた
これ見よがしな 僕の 態度に 少しも苛立つこともなく
隣にいて笑ってくれる
多分僕は君のそんなとこに惹かれたんだろうなあ
そんなこと考えながら 歩いてる
呼び掛けた僕の声に振り返る君の背中に
最後の花火が 打ち上がるよ
夏の終わりを そっと 飾るように
三日に渡って 続いてる夏祭りの最終日
今日も 行こうって誘われて 出掛けた
君のうなじにあたりに 夏を見た
ただでさえ 暑いのに夏はさらに暑く半袖になってもまだ暑い
僕の半袖姿に あなたも浴衣着てくれば
よかったのになんて今度は君がむくれた
ほほに作った小さなかわいい 膨らみを指で押してつぶした
ただ一緒にいるだけで 楽しいのに
それ以上何もしてあげられない
自分があまりにちっぽけだ
でも 君はこんな僕さえ笑って
受け入れてくれるから それがまた申し訳ない
たくさんの人の中ではぐれそうな手を
必死になってつないで 君と歩いたね
ガヤガヤとした雰囲気の中 僕は君に気持ちを 打ち明けた
聞こえたかなあ 聞こえなかったかなあ
返事はすぐに わかったよ
少し離れたところから君は僕に
駆け寄って 少し泣きながら
僕を抱きしめた いまだ忘れられない
温もりと香りが瞬時にはじけた
これ見よがしな 僕の 態度に 少しも苛立つこともなく
隣にいて笑ってくれる
多分僕は君のそんなとこに惹かれたんだろうなあ
そんなこと考えながら 歩いてる
呼び掛けた僕の声に振り返る君の背中に最後の花火が 打ち上がるよ
夏の思い出を締めくくるように。
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悲しいときは必ず誰かがそばにいてくれるほど
みんな暇じゃないしそれを求められもしない
円周率から 体にあるほくろの数まで 覚えてるのに
記憶をさらってみても 満足に人を愛した試しはない
大丈夫、大丈夫って言い聞かせた
あの 夜は どこまでも朝を遠ざけたの。
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同じ屋根の下で 同じ釜の飯を食べて
同じ時間を過ごし同じようなことで悩んで迷って
でもすれ違うよ もしかしたら他人よりも
憎んでしまうかもしれない
裏切ってしまうかもしれない
でも 肝心なときはいつでも
ひとつになって どうしたら
うまくいくのか 真剣に考える
手をつないだら離さないよ
生まれたときから僕らは
どうしようもなく家族だ
泣いて笑ってたまには怒って
喧嘩してもまた何度でも
仲直りして明日にはけろっとしてる
巡りあったことは偶然なのかな
それとも運命なのだろうか
そんなことを考えながら
血でひとくくりにつながった輪の中にいるよ
夕暮れに沈んだ 街は項垂れて
元気なく 影を落としている
素直になれず傷つけた 昨日を反芻する
言い過ぎたかなあなんてあとで思い病むのが
いつも 変えようと思っても変わらないことだ
一緒に洗濯しないでという娘
会話もない息子 愛想のない妻
理想と現実の差
小さかった頃はあんなに
かわいかったはずの子供たちが
いつの間にか大人になって
生意気な口を利くたびに
すぐに手を出すようになって
叩いた 拳を見つめながら
泣きながら どうしてこうなってしまったのか
殴られたほうももちろん痛い
でも殴ったほうも痛いんだぞって
お決まりの台詞言いながら 素っ気なくごめんって 言ったよ
言葉を探していた 頭の中に 散らかったたくさんのそれらしい台詞を
これでもないあれでもないって 模索しながら 諦めそうになりながらも
父である自分を 思い出して 伝わらずとも 言葉を 語り聞かせてく心を込めて
その拳には 厳しさと優しさが 握られている。
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黄金色の風が 闇をさらって
始まる朝の ページを一枚めくった
夜明けの街 いつも通りの時間に日は昇り
いつも通りに 僕は目覚ましに起こされた
テーブルに並んだ珈琲とマフィン
軽く平らげて お腹を膨らませたら
まばゆく輝く光の絨毯を広げよう。