詩人:どるとる | [投票][編集] |
梅雨の終わりに最後の雨が降る
わざと濡れて帰る あじさいの咲く道
ゆるやかな坂道が 果てもなく続いてる
手を伸ばせばすぐそこにある未来
悲しい報せは 僕に手紙のように届いたよ
無人駅の駅舎で 見つけた誰かの思い出
そっと風が運んだ 夏の贈り物
やることもなく ただ退屈をもて余す
用もなく行ったり来たりする階段
強がれずに 負けた昨日を忘れても
痛みだけはいつまでも覚えてる
悲しい報せは 僕に手紙のように届いたよ
無人駅の駅舎で 見つけた誰かの思い出
そっと風が運んだ 夏の贈り物。
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夜の片隅で誰かを思うような
誰も知らない 小さな願いを集めて
降るような星に手を合わせ祈る
それは来ることもない待ち合わせ
時刻表なんて便利なものはない
だから根気よくその時を待ってるんだ
それぞれがそれぞれに思い描くままに今を生きている
あなたしか描けない物語があるなら 目をそらしちゃ駄目だ
抱きしめた痛みが優しさに変わるとき
僕は思い出す 大切な人の顔を 365日
目を閉じたまぶたの裏に広がる
銀河に ささやきかけて 忘れられたような
言葉や 読み捨てられたあらすじ
空を走る 銀河鉄道天の川を渡って
合図をしたら 手招きするのさ
僕を連れていって知らない世界へ
一人一人の頭の中にある 幸せのイメージを追いかけて
汽車は行く 汽笛をあげながら あなたと一緒に幸せ探して
手放した思い出も誰かのぬくもりも
忘れるまで忘れないよ 365日
昼とも夜ともなく誰かが誰かを思えば
その誰かが あなたを思うとき
遠く離れた二つの思いを つなぐのは
くだらなくて ありふれた
よくありそうな でも大切な 気持ち
レールになって僕の心を運んでくれる
それぞれがそれぞれに思い描くままに今を生きている
あなたしか描けない物語があるなら 目をそらしちゃ駄目だ
抱きしめた痛みを優しさに変わるとき
僕は思い出す 大切な人の顔を 365日。
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大切な人が涙に濡れるとき
差し出せるような傘があれば
きっと僕にも君を愛せるような資格があるのかな
何もできないのではなく
何もしないだけなんだよ
傷痕にふれることさえ 恐がって
あなたを知ろうとしなかった
僕の弱さに 君は気づいたんだね
誰もが立ち尽くす雨の中に 一人
傘を差しても受け流せない
悲しみだけは
だからそばに必要なんだね優しい誰かが
季節は巡ってく 僕らのそばを
でも気づかず通りすぎる
いらない気持ちも 手放すのが惜しくて
そんなものに 価値はないのに
君の住む街は今日はひどい どしゃ降りみたいだね
電話しようかな 君の声が聞きたくなる
誰もが立ち尽くす雨の中に 一人
傘を差しても受け流せない
悲しみだけは
だからそばに必要なんだね優しい誰かが
生きることが思うよりもう少し
楽になるように
僕は君に傘を差し出すように
その涙を半分でも 癒したいんだよ
わかってくれるかな こんな想いを。
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桜が咲く季節は とても悲しくなるんだ
あなたのことを思い出してしまうから
緩やかな陽射しが坂道に降り注いで
君は自転車でゆっくりと降りてくる
重ねた月日と つないだ手と手が描いた未来は
揺るがないものだったはずなのに
いつの間にか 僕は一人で空を見上げてた
つなぐ手を探すけれど 君はもういない
この寂しさは 僕を強がらせるよ
口笛が下手くそで 君によくからかわれた
そんな思い出も今は宝物になってるよ
大切なのは過ごした時間ではなく
その中に込めた思いや気持ちだと思う
風が吹いて タンポポの綿毛が 空に舞い上がる
旅に出るんだね 白い帽子をかぶって
どこでもない自分だけの場所を探して
春の旅人は 宛もない明日を探す
地図に足跡を刻むように
ひとつ
あるいは
ふたつ
増えていく
大切な人
大切なもの
どれだけ守れるかな
いつまで守れるかな
そんなことを思っています
重ねた月日と つないだ手と手が描いた未来は
揺るがないものだったはずなのに
いつの間にか 僕は一人で空を見上げてた
つなぐ手を探すけれど 君はもういない
この寂しさは 僕を強がらせるよ
そんな想いを 忍ばせて 桜は咲いて
そして散っていく。
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お元気ですか?おかわりはございませんか?
しばらく会っていませんが お体のほうは万全ですか?
伝えたい気持ちなんて 数えきれないほどで
でも言葉にしようとすると うまく言葉にならない
あなたにしたためる手紙には
どんなことを書こうかな
相変わらず暑い日々が続きますが
なんてつまらない
風鈴が鳴るような小さなときめきを
手のひらに乗せて風にしたためる 手紙
花火の音に振り返る君は 着物姿で
うなじがやけに色っぽくて 伝う汗まで飲み干したい
いくつもの言葉を知っているくせに
どんな言葉でも伝えきれやしないんだ
遠く離れた 東京に住むあなた どんな顔をして毎日生きているのかな
笑ってるのかな 泣いてるのかな
それだけでも知りたいよ
なんて 野暮かなあ
蝉しぐれ 急な夕立
アジサイを染める色 夏を彩るすべて
坂道を 降りてくるバスに乗っていくなら
思い出も連れていってよ 夕暮れの色が切なくて
隠せない涙 宝石みたいに輝いて
化粧をしたように華やかに何気ない景色を 染めていく
あなたにしたためる手紙には
どんなことを書こうかな
相変わらず暑い日々が続きますが
なんてつまらない
風鈴が鳴るような小さなときめきを
手のひらに乗せて風にしたためる 手紙。
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途方もなく 積み重ねられた
いくつもの物語の中で生きている
泣いたり笑ったりしながら
それぞれの時計は限りある時間を刻む
短い一生もあれば長い一生もある
僕の人生はあとどれだけ残されてる?
忘れないよ 大切なたくさんのあなたと刻んだ時間を
とりとめもない時間さえちゃんと思い出になってく
どんなに愛していても 時に残酷に奪われる命がある
いつまでも一緒にはいられないことくらいわかっている
回る地球の スピードにあわせて
夜と朝が 繰り返しやって来る
たまには喧嘩したりもする
離れた寂しさが教えてくれるものがある
普段は気づかないけど今わかったよ
一緒にいれないだけでこんなに寂しいこと
それは時間を旅する旅人が記した百年あまりの物語
足跡は見えないけど見上げた空にも 刻まれる
人は争う生き物だけど 理由もなく人を傷つけるよりずっと
なりふり構わず人を愛するほうが 僕には似合っている
雨はか弱い人の上にも降る
泣いてしまうだろう
運命をうらむだろう
でも憎しみからは何も生まれない
強くなるには 悲しみの先にある
喜びに 向かって歩き出す勇気を持つこと
忘れないよ 大切なたくさんのあなたと刻んだ時間を
とりとめもない時間さえちゃんと思い出になってく
どんなに愛していても 時に残酷に奪われる命がある
いつまでも一緒にはいられないことくらいわかっている
一人にひとつ用意された砂時計が
少しずつ落ちるのをなんとなく
感じながら最後の一粒が落ちるまで
僕は何かを信じていたい
僕は何かに信じられていたい。
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生きていることが 時に苦しくなるのは
生きていることの あらわれだというよ
痛みでしか 感じられない生きている証なら
その痛みは 僕にとって大切なものだろう
悲しみや寂しさを 抱きしめる時
僕の命はなぜか輝いて光を帯びる
飽きもせず 争いあう僕らのつまらないいさかいの中で
奪われる命があるなら どう償うことができるだろう
こんなにたくさんの人がいるのに 気づかないことがある
情けないな 恥ずかしいな 昨日までの僕やあなたは
何を見ていたんだろう 何を聞いていたんだろう
そばにある涙や傷痕を抱える人に かける言葉さえ見つからなかった
目には見えないものに 向き合ったとき
耳には聞こえないものに出会ったとき
僕の心が アンテナみたいに 誰かの声を拾うよ
その声はあなたの心が発するサイン
頭で計算したって出ない答え
でも心は知っているその答えを
いじめが横行している あろうことかその傍観者に成り下がる
加害者は反省の色もなく自殺した少年をあざけ笑った
テレビには映らない痛々しい現実が 今日もリアルタイムで
誰かの瞳に 耳に 心に 直接発信されてる
僕に何ができるだろう あるいは何ができただろう
感動ドラマじゃないから幸せな結末は期待できないからへんに希望は持たない
飽きもせず 争いあう僕らのつまらないいさかいの中で
奪われる命があるなら どう償うことができるだろう
こんなにたくさんの人がいるのに 気づかないことがある
情けないな 恥ずかしいな 昨日までの僕やあなたは
何を見ていたんだろう 何を聞いていたんだろう
そばにある涙や傷痕を抱える人に かける言葉さえ見つからなかった
声にならない「SOS」が 今日もどれだけあるのだろう
その殆どが とどかないSOSです。
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疲れはてたようなお客さんを乗せて走る
最終電車もあと二本くらいを残すばかり
空はもうすっかり暗くなってしまった
星を散らした 夜がそこにはありました
寂しいなんて声は 口が裂けても言えない
強がることでしか自分を形にできないから
歳を食うと疑うことしか知らなくなる
信じられないものばかりが増えていく
何を信じ何を疑えばいいのだろう
嘘と本当が混じりあったような世界で
疑うくらいなら信じあう人なんていらない
悲しみを 知りすぎた心が傷を抱いた
もう人生を悟ったような顔をしています
最終便が出てからまもなくこっそり
改札を出て泣いたのを誰も知らない
死にたいよなんてありきたりな弱音は
口が裂けても言えないよ 恥ずかしくて
多分大人になろうとしすぎたんだね
似合わない背伸びなんかして傷ついた
愛を計算しようとして間違えた
正しさも間違いも曖昧な世界では
正しくいようとすることは滑稽だ
道しるべを頼っていたけど
最初からそんな道しるべはなかった
僕は 思い込みによって生かされてた
歳を食うと疑うことしか知らなくなる
信じられないものばかりが増えていく
何を信じ何を疑えばいいのだろう
嘘と本当が混じりあったような世界で
疑うくらいなら信じあう人なんていらない。
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夜明け前の町を 見下ろす曇りのない瞳が
遠くの朝を見つけたとき夜明けは来る
何よりもまず先に抱いたのは夢などではなく
見えない明日を恐れる不安だ
つま先から踏み出す一歩で いくらだって変わる未来を
これから いくらだって 変えていける その可能性を秘めてる
いつどうなるかわからない運命なんて 鼻で笑って
そして見つけた自分だけの 何かを たずさえて
スタートラインはいつでも足元に引かれてんだ
スタートの合図は 心で鳴らせ
まだ覚めない夢の中でさがし続けてる
宝物は 誰がないって決めつけるんだ?
旅立ちを決めた朝 新しい靴を買った
その靴が 傷だらけになる頃 僕は理想を手にしてるかなあ
テレビの中のヒーローはいつでも 正義を胸に闘ってた
信じるもののためなら 傷つくことなんて恐れない
何が正しいかより 何がしたいかですべてを決めろ
それで得た 結果をうらむようならお前はそこまでだ
ゴールなんて 本当はどこにもない 諦めなければいつでもこの瞬間が スタートだ
拳を濡らした涙はいつか 君を強くする
己の弱さを知ることはつまり 強くなるための大事なステップ
つま先から踏み出す一歩で いくらだって変わる未来を
これから いくらだって 変えていける その可能性を秘めてる
いつどうなるかわからない運命なんて 鼻で笑って
そして見つけた自分だけの 何かを たずさえて
スタートラインはいつでも足元に引かれてんだ
スタートの合図は 心で鳴らせ
どうせなら 高らかに鳴らせ
まるで自分を讃えるファンファーレみたいに。
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忘れないよ 君と過ごした月日を
宝物みたいに しまってるよ胸に
電車の一番後ろの車両に乗って
景色を飛ばす 二人は風になる
幻になろうよ この世界のどこからも
消えてしまって 地図上からも消えよう
ひと夏だけのロマンス抱きしめて
青い渚に ビニールプールは似合わない
ビーチパラソル 砂浜でトロピカルジュース
白い帆を 立てた舟
絵日記いっぱいに描かれた空の青
遮るもののない 空の向こうへ
先の尖った貝殻も
時の形に 渦巻いて
潮騒の声を聞く
遠くで波が打ち寄せ
心だけ少年に帰る
幻になろうよ この世界のどこからも
消えてしまって 地図上からも消えよう
絵日記いっぱいに描かれた空の青
遮るもののない 空の向こうへ。