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どるとるの部屋  〜 新着順表示 〜


[7529] かげろう
詩人:どるとる [投票][編集]


真夏の太陽光線が降り注ぐ 雨のように

水しぶきを 撒き散らす噴水が描いた虹

真昼の公園 30度を越える猛暑

汗ばんだシャツは洗濯機に放り投げた

やかましいほどの蝉しぐれから逃げ惑い

たどり着いた静かな神社 赤い鳥居

大きな木で いつまでも鬼を待っている。

2016/03/21 (Mon)

[7528] かけがえのない数分
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意味もなく ささったままのコンセント
一瞥するだけで見渡せるだけの狭い部屋に憩う

手をつないだり離したりするだけの
つまらない上にありふれた日々が過ぎる

逃げるように 遠ざかる 時計の針を
追いかけても 捕まえられないのさ

誰かにとって 何気ない時間も
ほかの誰かにはきっと かけがえのない時間で

あっという間になくなるこの ちっぽけな数分が 熱いコーヒーの中で溶ける砂糖の役割を果たすなら

甘さはまだ 余韻のように僕を 幸せから解き放たず

路地裏に 落ちる光と影の対比
猫のあくびと まだ解き明かされてない 宇宙の不思議

雑誌の付録に 残念がる君を眺めているこの時間もまた 味わい深いものがある

レコードは回る 盤面に刻まれた コードを読みながら メロディがあふれる

曖昧だった感情が少しずつ色を 帯びてくのを どこかで 感じながら

今だけは 時間が止まってほしいと 願う
容易にコーヒーを 軽く二三杯は飲めてしまえる数分で ささやく愛は

いまだかつてない 酸味を残すから 恍惚の表情で 受けて立とう

星のような輝く言葉探してる その途中で出会った二人は
いつの間にか 同じ空を見上げて 誓いあったよ

誰かにとって 何気ない時間も
ほかの誰かにはきっと かけがえのない時間で

あっという間になくなるこの ちっぽけな数分が 熱いコーヒーの中で溶ける砂糖の役割を果たすなら

甘さはまだ 余韻のように僕を 幸せから解き放たず。

2016/03/21 (Mon)

[7527] アンダーブリッジに沿う
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回る土星の輪っか論文に追われる日々

遠くから眺めるのと間近で見るのは 大違い
形は変わるよ 本当も嘘も

ピエロになってみるのもいいね
つまらない愛を歌って
指先絡める 情熱のフラメンコ
羽を抱く天使のシルエット

荒川アンダーブリッジを読んで
息つく暇もなく課せられる宿題のお相手をする

冷静と情熱の対比 横浜ベイブリッジとタピオカミルクティ
かけがえのない数分

せわしない日常描写

ああ世界を構築 今はまだ 小さな夢

まるで ひとつにならない 感性。

2016/03/21 (Mon)

[7526] 日曜日の車窓
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ポケットに空いた穴から覗いた空を
イメージの絵の具できれいに染めて

写真のような風景を描き出す
指先で広げるアンダーグラウンド

駅前通りの 喧騒もまたいいけれど
何もない 田畑を走る電車から見る景色もまたいい

名前のない 感情がフラフープの軌道を描いて

波紋のように 扇状に広がっては縮こまる。

2016/03/21 (Mon)

[7525] 夜明けの卵
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曖昧だった世界の縮尺は
いつかうやむやになって

流れ星の軌道に乗って
振り子運動みたいに 絶えず繰り返すループの上を歩く

どこにも行かないで と握りしめた
手の温度だけで 悲しみなんか 飛び越えて
また 朝にたどり着ける

夜明けの街に 落ちた目映いばかりの光
まるで それは 卵を割り落とすような

かき混ぜて マーブル模様 ほらもう
何が正しいのかさえわからなくなったよ

だから、最初からやり直しだ今日も

延長線上に 浮かぶ仮説
筋道を立ててさあ計算しよう

口笛の矛先へと消えるくらいなら
ありふれた毎日の何気ない風景を染める色になりたい

モルタルの廊下と埃舞う教室の 対比
給水タンクと 校庭のデイドリーム

手と手を 合わせ祈るなら ひび割れた
隙間から光を射して隠れた朝を呼ぶよ

踏み込むアクセルは景色に線を走らせて
今までの概念を軽く笑い飛ばすほどだ

最初から中身の知れた卵に過ぎない

黄身と白身を より分けて
正しさと間違いを分別するように
差別したなら 黒と白でもない
黄色い僕らは 行き場なんかない
世界から のけ者にされたまま
いつまでも 羨ましそうに 殻の外からイメージで眺めてる

夜明けの街に 落ちた目映いばかりの光
まるで それは 卵を割り落とすような

かき混ぜて マーブル模様 ほらもう
何が正しいのかさえわからなくなったよ

だから、最初からやり直しだ今日も

開ける前から同じ朝でも 目覚めるたびに昨日より少しだけ新しい世界
まっさらなシャツに腕を通す気持ち。

2016/03/21 (Mon)

[7524] スケッチ
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追いかけるように景色を描いてく
太陽光 空 雲 椅子や机までも 被写体

木目といくつかの傷跡
見えないものも見えるものも描いてく

そこに君がいて たとえば光を放つなら

笑ってる君のその隣に泣いてる君を
据え置いて 君に言うよ本当のことすべてを

目をそらせない悪意までも 見ようとするこの心は目をそらせない
すべての美しいものから 禍々しいものまで
詳細にスケッチしてしまうんだよ。

2016/03/20 (Sun)

[7523] 
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波紋のように広がる街に
今日もまた退屈がのさばって

あくびばかりしているうちに
いろんなものを失って
覚悟のないままに 夜は明けて

この憎しみは 向ける先なく漂って
さまよう刃の 二の舞

ただ まっすぐに 突き刺すように落ちる水
ただの悲しみは涙と名付けられて
辞書のな行に 住まう言霊。

2016/03/20 (Sun)

[7522] 新世界のパンフレット
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ようこそ 新世界へ
真っ白なまだ
シミひとつない世界

これからが 始まり
これからが 始まり。

2016/03/20 (Sun)

[7521] 青い春
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若すぎたために負った傷跡は
柔らかな肌を貫いてそこから朝を覗く

屋上の退屈と 軒下の暗闇は似ている
かび臭い水のみ場に小さな虹を描く夏

片手間で始めたギター
GとCのコード違いもわからない

いつか 読んだ 夢中で読んだ
小説の続きのような明日が
見えるといいな

いたずらな風にスカートが揺れて
ハイ・ファイ・セットを聴く午後に
青い春が 見え隠れ

僕らはきっと
誰だって 幸せな時代に生まれたんだよ

僕らはきっと
生まれた時代が 一番幸せな時代なんだよ。

2016/03/20 (Sun)

[7520] 暗闇画集
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目を閉じた闇のその中の 宇宙で
手のひらの上の畑を耕して

言葉の種を植える
きれいな花が 咲く
その日を 待っている

黄金の歌声に 波は静かに応えるだろう

雨宿りする生活なら
雨に濡れて笑うほうがいい。

2016/03/20 (Sun)
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