詩人:どるとる | [投票][編集] |
蛙の合唱と風鈴のちりん
入道雲がうわっと 迫る青空に
開けた窓から こんにちはの銃声
ロマンというロマンを連れてこい
やるなら徹底的に それがお約束
水風呂で冷えた手を陽射しがあたためる
アスファルトで目玉焼きが焼けそうな
絵日記の中から呼んでる声
昼下がりの白昼夢
幻でもいいから
また会いたいよ スタートのあの子
夏の窓から やって来て
夏の窓から 消えていく
名前も知らない 長い髪のあの子。
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いつの間にか 出来上がった世界なのに
手放しで 進むあらすじ
運任せの 天候
サイコロの出た目で今日も雨なのかも知れない
3なら雨 6なら晴れ
それ以外は適当
そんな イメージを手のひらの上にのせる
遥かなる果てへ 招かざる命が さまよい出でて
新しい朝の扉を開ける
その音に 耳をかす気があるなら
とっくに世界は
争いもなく
平和になるのに
邪魔なそれらが
ないと生まれない
大切な光に
照らされたいと願ってしまう僕らは
似て非なる二つを天秤にかけた。
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機械の体を 手に入れても きっと
僕らは 心から幸せになれない
働く喜びを その辛さを見失ってしまう
生きる 糧を 流れる血潮を感じれなくなる
レントゲンは いつもむき出しの鉄の骨
皮は柔らかく伸縮性のある素材
絵に描いても写真を撮っても 型通りの笑顔しか 浮かべられない
機械の言葉は プログラムをなぞるだけ
僕の中に百万通りのバリエーション
感情を読み取るよりもバーコード
繊細な感情を捨ててしまった脳髄が
頑なに人間だった頃の記憶を守るのは
命のあり方を心が否定するから
自分という存在が間違いであるために
機械の心臓が 高らかに脈動するたびに
「ジブンハナンノタメニイキテイル」と問いかけては
油の涙を 手のひらに溢れるほどにこぼすだろう。
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夜の逆さまの 上に立って
空の 地中から 背伸びする
鳥たちの羽ばたきは光になって
舞い上がるように降り注ぐ 空の上に
回る世界で 止まっている景色が走って見える
夜を 巡回する 姿なきモンスターが
見届けたすべてが 片っ端から物語になる
いかさま ナイトウォッチング
耳にもなる 目にもなる 感情。
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夏が春を 追い越してしまったような
少しだけ汗ばむ陽気には 風が心地いい
並木通りを 春色に染める 花々
ファインダーを覗き込んでも
見えない いくつもの 景色があるよ
悲しみも 幸せを 手にするために
意味があるなら 無意味な すれ違いなんて
あるはずもないと思う
少しだけ僕らは大人になっただけ
そう 言ったあとに泣いた君から
目をそらしたことが君の 心には悲しく映ったんだね
いくつもの言葉が 霞んでは消える
日記に綴った思い出も数ある写真も
永遠の時間を 生きることはかなわない
愛しているだけで つながっていられた
時間は遠い昔に 過ぎてしまったよ
甘い優しさだけを分けあえたなら
それは素敵だけど 痛みも分けあえてこそ
人は人を愛する本当の意味を知るって
知ったのは つい最近のことなんだ
確かめあう愛もいい
だけど 言葉を使わずに伝えあう 愛もまた素敵だろう
月明かり 宵闇 昨日降った雨のにおい
どうせ咲くなら 美しく蕾を ふとらせて
悲しみも 幸せを 手にするために
意味があるなら 無意味な すれ違いなんて
あるはずもないと思う
少しだけ僕らは大人になっただけ
そう 言ったあとに泣いた君から
目をそらしたことが君の 心には悲しく映ったんだね。
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夕日が 空を オレンジ色に染めたら
そろそろ帰り仕度をすますんだ
今夜の献立は何かなあなんて考えながら来たのと同じ距離をまたさかのぼる
電車の窓から落ちる夕日が見えるのは
あとひとつ駅を過ぎたら 降りる頃
君がくれる ただいまが 一番僕の中では
しっくりくるんだよ なぜだろう 不思議だ
そうして誰もが 大切な家族や恋人のもとへ帰ることを
願いながら 祈りながら
小さな鞄さえ 重たく感じるほど
疲れた体を引きずって
ただいまが待つ場所へ 走ってく
なんて へなちょこな足取りなんだろう
落書きだらけの高架下に たどり着いた
読む気もないのに 目に入る
およそ言葉というには汚い字が並ぶ
背中を向けて必死に目をそらした
あんなにきれいな景色がある中で
何故に人はその均衡を乱すのだろう
喧嘩してしばらく口を利かない日もある
それなのに何度でも仲直りするのは なぜだろう 不思議だ
雨の日も 晴れの日も 風が強い日も
あなたを思わない日はないし
あなたに思われない日などごめんさ
喧嘩しても 心配してしまうのは
どうしようもないほどに 好きだから
なんて 言葉にはしないよ 恥ずかしいから
煙草もやめよう
お酒は控えよう 君ともっと仲良くなるために
ちょっと 思わせ振りだけど
単細胞な僕にはそのくらいが いいと思うんだよ
そうして誰もが 大切な家族や恋人のもとへ帰ることを
願いながら 祈りながら
小さな鞄さえ 重たく感じるほど
疲れた体を引きずって
ただいまが待つ場所へ 走ってく
なんて へなちょこな足取りなんだろう
でもそれもふくめて僕らしいって思うのはおかしいかな。
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河川敷に 夕日が沈む陽射しがこぼれ 川面に 反射してキラキラ光る
誰かの帰り道を そっと寂しくないように
見守る 見えないあたたかい手がある
「ただいま おかえり」 言い交わす 今日も
ひとりにひとつの1日を 歩いて来たんだね
その頑張りはきっと どこかで報われるんだ
あまりむくれないで 疲れたその体をいたわったなら
よく休めなさい 明日のために
少しだけ 日がのびたよ 五時のチャイムを聞くとお腹が鳴る
誰にも帰る場所があるといいなと 思うけど
おかえりを 言う人がいない人はどうすればいい
誰もいない 部屋におかえりを言うけど 返事はない
抱えた傷跡は 広がるばかりで 消えはしないけど
痛みと同じだけ手にしたはずの いくつかの喜びを
笑顔に変えて 明日に踏み出す力に していこう
そうして見えたものを信じればいい
ビルの影に 夕闇が見えたら
ちょっとだけ 泣きそうになる
いいんだよ我慢なんかしないで
泣きたいときは 泣くのが正解だ
涙を流しながら少しずつ
強くなることを覚えよう
ひとりにひとつの1日を 歩いて来たんだね
その頑張りはきっと どこかで報われるんだ
あまりむくれないで 疲れたその体をいたわったなら
よく休めなさい 明日のために
一人一人の見る夢が正夢になればいい
君の夢が 明日の空を彩る
ただひとつの色になるよ きれいだね。
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夕暮れが 過ぎて あっという間に夜だ
今日も誰かが 誰かを思う
そしてその誰かをまた違う誰かが思う
異なる2つの 思いが 結ばれて ギュッとつながる
その解釈で いくなら一体どれくらいの結び目がこの街にはあるのだろう
僕も誰かとどこかでつながっているのかなあ
終電に乗って 駅へと向かう そのひととき
ただぼんやりと眺める窓の外はロマンス
とうに過ぎ去ったマジックアワー
東京タワーが 七色に光ってる
まぶしいくらいの光に目をうばわれて
心はもう僕を置いて 旅をしている気分だ
そんなこんなで 気づけば降りる駅に着く
世代交代みたいにさ 東京タワーもスカイツリーにとってかわれて
でも僕は 地味なおまえのほうが好きだぜ
レールは つながってる 路線図は最早迷路のようさ
入り組んだ 道の先に僕が求める 場所があるのなら
連れていってよ まだ知らない 出会いが待っている明日へ
人生の転機みたいに分岐点を迎えたら
カーブして そのまま道なりに彼方へ
いつの間にか 過ぎ去った アフタヌーン
夜の街並みもまた格別だね
月も星も 輝いて見えるだろう
空が見えないなんて嘘っぱちだ
花も鳥も 隠れているだけなんだよ
映画のような シチュエーションは望めないけど
さえない僕のやり方で 広げた絨毯
夜明けまで 笑い倒そう マニュアル本は捨て置いて
とうに過ぎ去ったマジックアワー
東京タワーが 七色に光ってる
まぶしいくらいの光に目をうばわれて
心はもう僕を置いて 旅をしている気分だ
そんなこんなで 気づけば降りる駅に着く
開いたドアの向こうには
絵も知れない夜が 広がる。
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もしも海の中に 僕が生まれたなら僕らは魚だろうか
下手くそな僕の泳ぎのせいで 君が
大きな魚に食べられたら
僕は どうしようかな
余計な感情は 空の上に置いてきたから
ただ、生きるだけ 本能だけで生きてる
出産時に涙を流す 亀も
ちっとも感動的じゃないし
クジラの歌声も 僕にはただの鳴き声
それをどう受けとるかですべては変わってゆくよ
あざやかに色づく季節の始まりが 虹色なら
悲しみも 優しく見えるのに 痛みは避けられそうもないから
僕らは悲しみより先に幸せを 追い越せない。
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いつか生まれたばかりの僕が手にした物差しで
この世界を見ていた
目盛りを この世界に合わせてみても
世界は 合わせたそばからずれてゆく
手のひらが杯なら
そこに注ぐのは時でこぼれないように
或いはこぼさないようにするさ
幾重にも連なるDNAの螺旋階段を伝い届く僕の遺伝子番号
この先を 知ることはできない僕には
永遠を生きれない僕は途中でリタイアさ
幸せを望むなら
永遠なんていらない
百年でも多いくらいだ この感情は邪魔だ。