詩人:どるとる | [投票][編集] |
目には見えない光がある
耳には聞こえない音がある
目を閉じて探すのは
耳をふさいで探すのは
そんな音や光
暗闇の中に落ちた
涙があるのなら
意味なく消える数秒も
重なって 美しく輝く
またとない 命を持つ
この世界にたったひとつの名前の僕という存在は
ただ所在なく 立ち尽くす影を揺らして
明日に 吹いていく風になる
手の届かない 場所がある
どんなに 手を伸ばしても届かない
小さな手のひらに ふれるぬくもり
そっと 消えない思い出を刻んで
窓越しに見る 木々のひとつ
枯れ木から 落ちたひとひらの葉に
重ねた 命の末路
日の落ちた 街並みは 言葉もないまま 明かりを抱いて
笑う君を 遠くから眺めてる
かけがえのない暮らしを抱えて
老いていく体は きっと
僕にこう言ってる
老いていくことは
時の流れを 知ること
悲しいばかりじゃない まだ知らない明日を知ることができるから
またとない 命を持つ
この世界にたったひとつの名前の僕という存在は
ただ所在なく 立ち尽くす影を揺らして
明日に 吹いていく風になる。
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街の日は暮れて 今日も 終わるよ
待たなくてもすぐに夜はやって来るだろう
茜さす帰り道の 切なさを ポケットに詰め込んで
どこか遠くに 行きたい気持ちを
風が運んでいくよ
電車の窓から見えた街並みは
疲れはてたように 見えたよ
ただいま おかえり 交わされる 言葉が
どんなあなたにも 聞こえるように
そう願う僕は なぜかいつの間にか
涙を 抱きしめていた
その理由を 僕は知っている。
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枯れ葉が 舞う道の上に冬が降りてきて 寒そうに 君は襟を立てた
自販機で 買ったばかりの珈琲を飲んで
温かいねって 笑ったのは昨日のようだ
背中あわせでも互いの心が見えていたのに
僕らは 醜ささえも見つめてしまった
君が好きだったあのメロディと レコードを道連れに
風の中に 歩き出していこう
いくつもの言葉を知っているのにな 知っているつもりだっただけ
最近嫌なことばかり 続いていたから
ため息でもつかなけりゃやっていけない
どうして僕は悲しい歌なんか歌っているんだろう
手放せない 涙が語りかけてくる
覚えたての メロディと あのコードを 抱きしめて
闇の中に 駆け出して行こう
背中あわせでも互いの心が見えていたのに
僕らは 醜ささえも見つめてしまった
君が好きだったあのメロディと レコードを道連れに
風の中に 歩き出していこう。
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坂道の下のこじんまりした喫茶店「風」
マスターが 淹れてくれる珈琲が 好きなの
めっきり寒くなってきました
お体など 壊さないように
体をあたためて ください
言葉が 染みるよ
言葉はなくても そこには
果てのない 優しさが あったんだよ
今もそこに 風は吹いている
君を呼ぶ 懐かしい声
坂道の下の こじんまりした喫茶店
マスターが淹れてくれる珈琲と時々見せてくれる笑顔が好きなの。
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人生は 辛いことがどうしたって多いからね
時には すべてを放り出してしまいたくなる わかるよ
だけどそんなときこそ
負けちゃいけない気がする
見上げた空に 星が流れた
願い事を 言う暇もないくらい
忙しい僕らを 風が笑ってる
懐の寒さに ふるえながら
夜が明けるのを待ってる
大丈夫なんて 言葉は宛にはならない
でも 今は 他に思い付かないんだよ
ごめんね ドントウォーリー
転ばぬ先の杖だって そんな ことわざもあったっけ
だけど 道しるべにするには いささか頼りない
ベイビー 地図なんて放り投げてしまえ
そんなもの 役には立たないから
まだ出会ったこともないメロディを
探して ギターをつま弾き枕詞で遊ぶ
アルペジオの はじけるような 波
明日のその先が 知りたくて
走り出す 滑走路なんかいらないのさ
夜空に散らばる星を数えて
途方もない 夢を数えてゆこう
ご心配なく ドントウォーリー
落ちるような リズムに 導かれて
世界の果てから駆けつけてきた
真新しいドキドキ 抱きしめたい
懐の寒さに ふるえながら
夜が明けるのを待ってる
大丈夫なんて 言葉は宛にはならない
でも 今は 他に思い付かないんだよ
ごめんね ドントウォーリー。
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終電も過ぎたプラットホーム
改札の向こうには 終わりのない闇が広がって
雪が降りそうなくらい 寒々しい 空だから
ポケットに 両手をいざなわれ
吸い込まれるように 入ったコンビニで
少しの つまみと缶ビールを 数本買った
毎年冬は 寒いねってただそれだけで
震えているうちに終わってしまう
案の定 翌日の朝は雪が降ったよ
息まで白いよ 吐き出されてすぐに消えた。
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いつもそこにあるのに 気づかないくらい
ささやかな 幸せに抱かれている
町で一番 大きなストアーの そばに
ポツンと寂しげに あるコンビニ
なんとなく 雑誌コーナーで
適当な 雑誌を立ち読み
深夜ともなれば 人もまばらで
あくびする店員と 窓越しに見る 闇
エロ本の袋とじを なんとか 見ようとして
覗きこむ 自分のあわれなこと。
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宛のない 僕らは出口を探している
この現状から 早く抜け出したくて
手当たり次第に いいというものは試してみた
無我夢中で ひたすらとにかく走ってた
孤独が 行く手をふさいで
もう 一歩も進めない「あきらめ」という言葉に負けた
眠れない夜を 何度過ごしただろう
この先も何度も 同じ朝を 夜を 繰り返して
一体どれだけ 飽きもせず泣いたり 笑ったりするんだろう
僕は 見失ってはいけない道しるべをなくした気がする
暗い地中を掘り進むように
邪魔な石を 退けてトンネルを作ってく
コンビニからの帰り道
買い物を終えた僕の ほほを 優しく撫でた夜風
幸せとは ほんのささやかなものだから
気をつけないと 気づかないまま 通り過ぎる
たとえば僕が君を思うとき
君も僕を 思ってたりなんかするのかな
煙草を吸いつつ見上げた夜空に見つけた一番星
僕は 大切なものをまだ ひとつだけ持ってる
「希望」が今
見えないのは
絶望にうちひしがれて
笑ってる場合じゃないからで
きっと 前を向けば
希望は 目と鼻の先にあるのかもしれないな
だからもう少し
負けないで 泣きながら 生きていこうかしぶとく
眠れない夜を 何度過ごしただろう
この先も何度も 同じ朝を 夜を 繰り返して
一体どれだけ 飽きもせず泣いたり 笑ったりするんだろう
僕は 見失ってはいけない道しるべをなくした気がする
ああその代わりに大切なものを 手にした気がする。
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この世界は滑稽だ
間違いが正しい 答えになることもある
白黒つけなければいけないのなら
僕は 口をつぐんで時が流れるのを待つよ
鏡に映るのは 本心ではないのです
目に映るものすべてが答えなら
正しいことなんてただのひとつもない
笑い飛ばそう 絡まったすべてを
言葉にできない思いなんだよ
この世界を 形作っているのは
先の読めないストーリー
成功を知りたいなら後悔することだね
終わりから始まる物語がある
百万人のベストアンサーは
案外単純な 答えかも知れない。
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終電が なくなって途方に暮れた
僕らは広がる闇を片手で抱きしめた
まるで退屈な小説の ストーリー
蛇行しながらも前に進んでく
一秒をただ重ねるだけの 毎日だ
たとえば同じ涙でも 違う涙だ
何者にも なれない僕らは
強がることだけしかできないけど
きっと きっと 明日は
今日よりも いい日になる
そう思うことで 無理やり笑うんだ
行く宛のない旅のように 黄昏て
見上げた空は 暮れて ポケットの 中へ
あわててしまった 夢の 切れはし
まだ持ってたこと気づかれたくなくて
首筋も冷える 季節 マフラーが恋しい
同じ 痛みでも 似ているだけだ
はみ出しそうな声は虚空を泳ぐ
終電が過ぎたホーム 木枯らしが 通る
いつか いつか また会えるかな
あの日のような 笑顔に
希望は 絶望を知らなければ見えない
あるいは 希望などないのかも知れない
あると見せかけて
一秒をただ重ねるだけの 毎日だ
たとえば同じ涙でも 違う涙だ
何者にも なれない僕らは
強がることだけしかできないけど
きっと きっと 明日は
今日よりも いい日になる
そう思うことで 無理やり笑うんだ。