詩人:どるとる | [投票][編集] |
目を閉じてみると まぶたの裏に
昨日へと続くレールが伸びるんです
笑ってたことも 泣いてたことも
嘘には出来ないし 消したりも出来ない
恥と上塗りだと思っても 転ぶときには盛大に 弱さを見せて
必ず僕がそばにいて 受け止めてあげる
倒れてしまうその時には支えになるよ
遠い 夜明けを呼ぶように 鳥たちは
少し早い 旅立ちを迎える朝
夜風に冷えた 体に 風をまとい翼を 広げたその姿は
まるで スタートラインに立つ ランナーに見えました
見えない未来が 不安ににじんで
ほんの少しの 諦めに 絶望する日々
時間を追いかけるのはやめて 時間を先に 行かせよう
ペースをつかんだら 今は苦しい道も少しは楽になる
そして迎えた 新しいスタートラインに僕は立っている
泣きながらだっていいんだ 強がるよりは 素直で潔い
競争相手はいつでも自分自身 自らの影を追うように生きてる
たすきを繋げるのは 明日の自分 それを忘れないでいて
君の未来が 手のひらにふと映るとき
少しの風にあおられ揺らいだりしても
君は夢を諦めちゃいけない
夢見がちな 少年をその胸に 宿してて
遠い 夜明けを呼ぶように 鳥たちは
少し早い 旅立ちを迎える朝
夜風に冷えた 体に 風をまとい翼を 広げたその姿は
まるで スタートラインに立つ ランナーに見えました。
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東京9時発の 列車に乗って宛もなく旅に出た
なんとなく仕事を連絡もなくずる休みした日
静かに降る銀色の雨が窓硝子に
人懐っこく 張りついてやがてすぐに滴り落ちてく
名前もわからない 知らない駅に着いた
とりあえず 喉を潤して 先ずは腹ごしらえだ
東京の暮らしにも なんとか慣れた頃
思い出したよ はじめてこの街に来た日のことを
東京に来てから何度目の春を迎えただろう
この街はあの頃から何も変わらないね
張り巡らされた路線 覚えきれない駅名
日に日に増える煙草 と吸い殻の山
求人雑誌とにらめっこしながら 探してた 僕の居場所を
でも簡単には見つからなかった
青と白の電車に揺られながら沈んでいく夕日に 涙を見せたくなくて背を向けた
ふとした瞬間、遠く離れた家族を思う時
たまらなくなって会いたくなってしまう 今夜も
好きな人が出来たよ まだ知り合って間もないけど
来月の休みには多分そっちに帰るよ
なんとなく 過ぎていくだけの日々を
窓に映る 花とか 建物とかを見るみたいに
他人事のように 投げ捨てるように 生きてたね
取り返さなきゃ今までの遅れを ちょっとずつでも
東京の暮らしにも なんとか慣れた頃
思い出したよ はじめてこの街に来た日のことを
東京に来てから何度目の春を迎えただろう
この街はあの頃から何も変わらないね
厳しく冷たいようで どこか僕が生まれた街にある 優しさを抱いてる。
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いつか 追いかけていた未来は
僕のはるか後方に 遠ざかっていった
週末の街並みは どこか
圧し殺したように 静かなんです
少しだけのためらいを 手のひらで握りつぶした
もう優しいだけの愛は 今日でさよなら
見えざる手が描く まだ見ぬ未来で
もしも出会えるならばまた出会おう。
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さよならを 一つ一つ雨粒に重ねながら数えていた
見てきたすべてや聞いてきたすべてで
世界を決めつけて 作り上げたイメージは
所詮、紛い物だ
坂道を下りてくる バスに乗るための
小さな 恥じらいも夢に預けたら行こう
当たり障りのない 日々が続く
のらりくらりとかわしていく尖った声を
誰かの優しさが そっと消してくれる
ありがとう 愛してる 溢すように涙が
言葉を つたって君の胸に 溢れた。
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東京に 暮らしはじめて 早いものでもう
十数年の年月が 流れてしまいました
東京には23もの区があるんです
なるほど 広すぎて迷うはずだな
いつもの駅で いつもの顔で
代わり映えしない景色の中で
いつもと同じ気持ちで生きてる
窓の外に映るのは通りすぎていくだけの
他愛ない 会話のようなどうでもいい景色
いつか信じていた夢を追いかける気持ち
そんなものがあったことさえ忘れたよ
人の数だけある暮らし 見えないお互いを
思いながら 交わせぬ温もりは寂しそうに
月に一度会える週末を待っている
覚えたそばから忘れる 駅の名前とか
この前、会ったはずの誰かの名前
積まれた本の下敷きになってる日記には
日記をつけた最初の日以降の記述はない
いつもの場所でいつもの彼に会う
会う前から 抱く気持ちも同じ
飛び出しそうな胸のドキドキ隠せない
人生に終点なんてものがあるとしたら
多分今なんだろうなって諦めたすべてを
今さら名残惜しくなって 追いかけても
追い着ける筈もなく離されてくばかりだ
なくしたものの数だけ何かを手にしても
今あるすべてが紛れもなく僕のすべてだ
そして呆気なく迎えるのはウィークエンド
会えないぶんだけ募らせてた思いを
少しだけ言葉にしたくて 弱いふりしてみる
そんな些細な企みさえ感じてほしいの
窓の外に映るのは通りすぎていくだけの
他愛ない 会話のようなどうでもいい景色
いつか信じていた夢を追いかける気持ち
そんなものがあったことさえ忘れたよ
人の数だけある暮らし 見えないお互いを
思いながら 交わせぬ温もりは寂しそうに
月に一度会える週末を待っている
あなたに会うためだけの忙しさを
週末には 歓びに変えてしまう君に脱帽。
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アスファルトに影を落として
近づけそうで 近づかない距離から
君の手をじっと見つめているよ
今ならその手を握ることができる
夕暮れが赤く染める街を歩く僕らは
宛もなく 頼りなく行き場のない思いを
孤独に抱きながら笑うことも泣くことも
特別にしないで 黙ったままの静かな恋です。
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ずっとここにいるよ
頼りないかもしれないけど
不器用だけどそれでもいいなら
ずっとここにいるよ
日が暮れて あたりが静かになって
子供たちの笑い声もすっかり聞こえないね
僕は寂しくて どこか切なくて
あなたの声を 聞きたくなる
ふいに浮かんだ あの笑顔が今も
この胸に懐かしく よみがえる
変わらない君の匂いをした風が吹くよ
会いたいと思ってはいけないのに。
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降り注ぐ陽射しの雨を 軽やかに避けながら
君は 夏色に染まる街の風景になる
小さな 僕の体を運んでく快速電車
窓から見える景色が 海を映した
風をとらえて 空を飛ぶようなイメージで
目も覚めるほどの青い空を駆け抜ける
絵日記には真っ赤な太陽
砂浜に つけた足跡
君は 日に焼けた背中にきざまれた
目には見えない ひと夏のメモリー
プールバックを提げた 少年は大きな口を開けて笑う
夏休みだ それだけでハートはドキドキ
暑さなんか 知らなかった頃に見た夢は
七色に 光り輝いていた気がする
蝉しぐれの畦道 神社の長い階段
誰かが忘れた サンダルの片っ方
痛みとともに思い出すのは昔浮かべたあの笑顔
君が確かに抱いていた気持ち
忘れているだけで今もこの胸に
目を閉じる 水溜まりを飛び越える
着地するまでの ほんのわずかな
瞬間を 焼きつけた永遠の時間
風をとらえて 空を飛ぶようなイメージで
目も覚めるほどの青い空を駆け抜ける
絵日記には真っ赤な太陽
砂浜に つけた足跡
君は 日に焼けた背中にきざまれた
目には見えない ひと夏のメモリー。
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何でもない月日を重ねて
いつの間にかそれが思い出になる
ぎこちなかった二人も明日は
今日よりもほんの少しだけマシになる
目を閉じても 消えない人の顔
あなたが笑う イメージの中で
大切なものは 胸の中にあるから
大丈夫だよ 悲しみにさらされても
世の中に吹く風は冷たいから
いつも傍らにいてね そして笑っていて
たとえば 特別なことは何も望まないから
一日の中で交わす ただいまとおかえり
それが明日も 言い合えればいい。
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二人の恋は まるで通り雨のように
ざっと降って 嘘みたいに止んだ
最後に 乗ろうよ 記念じゃないけど
君が好きだったあの遊園地の観覧車
一番 高い場所から見る街並みは
二人の日々を そっと映していた
あの街は 涙も笑顔も 染み込んでる
それでも 今日で僕らはお別れです
強がりだからさよならは 言わないよ
だけどゴンドラが地上に着いたら
もう僕らは知らない人どうし。