詩人:どるとる | [投票][編集] |
あわせ鏡みたいに
向かい合った昨日と今日
間違い探しのように 些細な 違いを探してもむなしいだけだ
目隠しをしながら 綱を渡るような
不安な気持ちを 隠せない僕は
明日が 来ることにいつもおびえてた
目をふさいだ 瞳に映る暗闇と
にらみ合いながら 探した光は
空に落ちて 星になる
逆さまに見上げた空は 宛もない僕たちを 笑うだけ
行き場のない 明日は ただ移ろうだけの季節を 行き交う気ままな旅人
そして僕は 地球を一回りして見つけた
小さな きっかけから 振り出しへと舞い戻り
もう一度 生まれ変わってネジを巻く
やがて動き出す世界を 待ちわびながら
夜明けまで 眠りこけているよ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
言葉に頼らず会話を続けたら
紅茶数杯ぶんの時間もままならない
愛を語るのに 言葉はいらないのに
手をつなぐだけでどうして伝わらないの
頭に頼りすぎて心が使い物にならない
目を閉じて 耳をふさいでも会話はできる
言葉がなくてもぬくもりでわかりあう
下手な 技巧で飾り立てた言葉よりも
ふれたときのぬくもりのほうがいい。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
さよならなんか 笑い事ですましてよ
わかりあえないくらいなら
とめどない涙で世界を濡らすよ
言葉を重ねて会話を続けたら
いつかは たどり着けるかな
愛なんて 不確かなものにだって
頼れるならば さよならなんて見えない
僕には生きることだけが今は夢さ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
か弱い 生き物は小さなその体で
広すぎる大地を 歩いている
緑と青の星に 朝が来て夜が明ける
愛を知らない僕たちも
輝く言葉で歌を歌う
イモムシが見上げた空の青も
トンビが見つけた赤い木の実も
この世界の すべての生き物たちの胸に脈打つ 命の音
魔法なんて使えるわけもないけれど
大切な人を思うとき魔法みたいに
世界はひとつに重なって
遠い距離を越えてあなたに会える。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
言葉はなんでこんなとき
役には立たないんだろう
目の前にどうしようもなく
広がる夜には 勝てそうもないけど
頼りなくても握りしめた手は
誰かを守るために 強がるだろう
涙をそっと 包み込むための手のひらなら
それは優しさになって雨のように降る
ポケットに 忍び込ませた寂しさが
今さら僕を素直にする
誰かに会いたい ふとそう思う
眠れない夜は 少しだけ弱くなる
見上げた空に 星を描いて
見るものすべてを愛そうと決めた日に
ポケットに夢を つめこんで旅に出た。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
引き出しの中の小さな思い出を
そっと眺めていた 窓からあふれる青
はみ出しそうな思いはやがて
はにかんだ君の笑顔に 消えて
ほころんだ花は 言葉もなく咲く。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
砂漠の空を飛ぶイーグル
羽を広げ 荒野に咲く一輪の花
自由を叫べば 世界はには果てなどなく
空も海も 終わらない青と緑の地球
海を渡る風になって
空を飛ぶ鳥になって
砂漠を行く旅人になって
悲しみを笑うのさ
雨に濡れながら笑うのさ
今日が世界の終わりでも
夜は明けて 街に朝がやって来る
死さえ笑うのさ
骨になって 笑うのさ
棺桶の中で笑うのさ
花に囲まれ笑うのさ
生まれ変わって笑うのさ
引き出しの中に ハーモニカ
頭の上の ハテナ
砂漠の空を飛ぶイーグル
好きな色に染めた世界を旅する一陣の風。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
遠い街に住む君に手紙を書くよ
作文も苦手な僕だから
うまく書けるかはわからないけど
東京と地方で離れた二人は
同じ空見てても違う場所にいる
日に数度の電話とメール
月に数回の デートを重ねて
いつの間にか 二人には距離なんかなくなってた
手を伸ばしても 届く距離にはないぬくもりも
声を通して つながっている
笑ってるかな泣いてるかな
元気でいるかな心配事はないかな
聞きたいことは山ほどあるのに
たくさんありすぎてとても聞けないよ
でも本当に聞きたいことはただひとつ
「幸せですか?」次の手紙はもう少し遅れそうです
季節も 変わって少し暖かくなったら
桜を一緒に見に行こうと約束した
大通りを抜けて公園へ行こう
また今日も夕暮れがきれいだよ
写真を何枚か送るね ピントがずれてるけど気にしないで
足りないところばかりの僕の好きなところ
君は知ってるの?いつか教えてね
恥ずかしいから誰にも内緒ねって
はにかむ君が 眩しく見えた日は宝物
僕が悲しいときには君も悲しんでほしい
僕が嬉しいときには君も喜んでほしい
そんなわがままも二人には当たり前だ
まるで心がひとつになってるみたいだ
「幸せだ」そんな瞬間を 重ねていこう何度でも
喧嘩して たまにはすれ違ったように
思えるような 日も夜が明けたら
何事もなかったみたいに笑ってる
案外 気にしない質なんだ
何気なく増えてく思い出 そしてまたこうしてる間にも思い出は増えてる
笑ってるかな泣いてるかな
元気でいるかな心配事はないかな
聞きたいことは山ほどあるのに
たくさんありすぎて聞けないよ
でも本当に聞きたいことはただひとつ
幸せですか?手紙はもう少し遅れそうです。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
桜の花びらが 道を桃色に染める午後には
ありふれた話をしよう紅茶でも飲みながら
やたら難解な 解釈でこんがらがる
なんでも難しく考える思考から改めよう
橋の向こう 水面に小さな波を立てて
白い船が 横切る
時計は今日はいらないね 時間なんて気にする必要はない
昨日降った雨が残した水たまりを
軽く飛び越えて 街を一周
バス停に 誰かの思い出が描かれてる
なつかしい背中に ありし日が映る
僕らは ただ
桜の花びらが 道を桃色に染める午後には
ありふれた話をしよう紅茶でも飲みながら。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
寒さに赤く腫れた耳
三番線のプラットホーム
言葉は持ち合わせがないから
ただ 手をつなぐだけだよ
答え合わせは いつまで続くのだろう
頼りない背中は 丸まったままだよ
遠い街へと 行くと決めた君が旅立つ日
止められなかったよ 君があまりにも素敵に見えたから
ため息で曇る 白い窓に 指で書いたさよなら
警笛が鳴って 発車する数秒前の永遠をかみしめた
君に送る手紙にはレシピを書いた
君が好きだった料理を
作れるように 下手くそな文字だから
読めるかどうかはわからないけど
本当は離れたくなんかない
しくしく寂しがる胸がそう言ってる
この街に桜が咲く頃には君も僕も今よりもう少し大人になって 気持ちを打ち明ける勇気持てるかな
あの日と同じ曜日 同じ時刻に待ち合わせた
来るかな 今か今かと君を乗せた電車を待っていた
久しぶりに会った君はすっかり
大人になっていてもう僕が知ってる
君じゃなかったけど
変わらないのは そのなつかしい声と仕種
うれしくなって 泣きたくなって
思わず君を 抱きしめた
透き通るほどの小雪混じりの空
あたりを白く 染めていた
ため息で曇る 白い窓に 指で書いたさよなら
警笛が鳴って 発車する数秒前の永遠をかみしめた
あの日のさよならも今では 懐かしい
出会った日のように ここからまた始まるよ
今日は新しい僕と君の旅立ちの日。