詩人:どるとる | [投票][編集] |
空から降ってくる 雨粒の爆弾
上手に よけて 襤褸襤褸の傘持って行く
がらくたの街を 駆け抜けて行く
非行少年 あの時世界は僕の敵だった
飛び去る翼 青白い 光 隙間から差す
鈍色のサーチライト
雨上がりの空に 僕だけの 未来が開けた瞬間だった
神様はいない そんな ありふれた答えにたどり着くために
今まで 走ってきた訳じゃないけれど
これではあまりにも 簡単な結論だ
だから、まだまだ
旅はこれから
雨がやんでも終わらない闘い。
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憂うつな午後の
影の中 僕は虫のふりで小さく生きる
生き物たちの けなげな生態を
神様のふりで 高いところから眺める
日曜日の 僕は少しだけ えらそうに
世界を 見下ろす ここからの眺めは
寂しいから 誰かの手を握っていたいよ
憂うつな午後の
影の中 僕は誰かを待っているふりで
一人言葉を 吐き出して納得したり
思いあぐねたり 君を思い出したり
日曜日の 僕は少しだけ えらそうに
世界を 見下ろす ここからの眺めは
寂しいから 誰かの手を握っていたいよ
愛とかで ごまかして 笑っていたいよ
日曜日くらいは。
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冷蔵庫が 落とすかげろう
甘い花の香り
浅い眠りから 覚めたあとの恍惚に
自惚れたままの 世界は ぼんやりと
気まぐれに まかせて
綴った言葉のように つたない
海月が 泳ぐ 空に
命がちょっとだけ
顔を出したような
はみ出したままの無防備な心に
陽射しはあまりにも激しすぎるから
少しの間をあけて 片目で君を見る
透明なガーゼに 太陽をかざして
七色のビーカーに 虹を閉じ込める
浅はかな日曜日の憂うつに
言葉を多用しすぎた
僕の敗因はそこにある。
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心が離ればなれになって
互い違いの 迷子のようさ
宛もなく どこに行くこの 風の行き先を知らず
僕は僕である 意味もないまま
ただ 引かれた線をなぞるだけ
幻なんです 目に見えるもの以外は
そんな つまらないものの見方で
そばにあるいろんな光を 見失ってしまう
足元に揺れるかげろうのささやき
引き出しの中の 思い出たちが泣いている
目に見えるものしかないのなら
花を染める色も空を染める色も
この目には映らないのに
この耳には届かないのに
心だけが 見えないものに 気づいてる
公園の ブランコが揺れてる
そのリズムにあわせて歩く
あの空に浮かぶ雲の形さえも言葉にできないようでは
見えないものは計算できないものばかりだ
幻なんです 目に見えるもの以外は
そんな つまらないものの見方で
そばにあるいろんな光を 見失ってしまう
足元に揺れるかげろうのささやき
引き出しの中の 思い出たちが泣いている
目に見えるものしかないのなら
花を染める色も空を染める色も
この目には映らないのに
この耳には届かないのに
心だけが 見えないものに 気づいてる
心だけが 見えないものを 見つめてる
だからふれられないものさえも
違わずここにあるよ。
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快楽のアンダルシア
痛みの向こうより来る
笑うは神か悪魔か
四肢を 裂き
骨を砕き
作られたる恍惚
開け パンドラ
来ませ新世界
快楽のアンダルシア。
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ふれた指先が いつかの ぬくもりを
覚えている あなたがくれた宝物
ありがとうって 愛してるって
伝えたい気持ちは言葉に出来ない
凪いでる海のように広がる さざ波の形を指でなぞって
この街の中には どれだけの笑顔がある
どれだけの涙がある そして どれだけの
人の 命が 色もないこの世界を 染めているのだろう
引き出しの中に 隠れた まばゆい光は
昨日見た 夢の続きを求めて旅に出る
過ごした時間や 重ねた思い出は
指折り数えてもまだ足りない
まぶた閉じて広がる 宇宙のような果てしなさ
この 街の中には いくつもの あなたがいる 僕も君も 同じ夜の中 そして朝の中
忙しいときも 暇なときも 君を思う人がいる
君を思う誰かの気持ちと
その誰かを思う気持ちが
交わって 重なって この世界を照らす光になる不思議
今日も 誰もが誰かに思われている
誰もが誰かを思っているんだ
この街の中には どれだけの笑顔がある
どれだけの涙がある そして どれだけの
人の 命が 色もないこの世界を 染めているのだろう
その色とりどりの色鉛筆で。
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走り出した 気持ちは
ひたすら 誰かの声を追いかける
それはまるで都合のいいラブストーリー
泣いたそばから 笑う
君に 振り回されて
僕は 目が回る
夜明けの スピードで
靴底が擦りへるほど君を思った
感情論で 進む議論は
やがて ひとつの光を見つけた
好きだ それだけを理由に
どこまでも 走ってく
明日を生きる力になる
世界の 果てまでも行く
限界を越えろその先にある 明日に
出会いたい 出会わなきゃ。
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春風に舞う 花びらに 映っては消える
薄らいでく 遠い日の恋が 笑い出す
癖になりそうな 下手くそな旋律が
心の 隙間に 光を差していく
ゆらゆらと 揺らめいて
くらくらと 目眩
倒れる 寸前の かすかな恍惚のような
メリーゴーランドに乗り合わせたような
二人は ゴンドラの中で
他愛もない会話を続ける
色もない世界に 赤 青 黄色の 雨が降る
明日からの世界は 少し 鮮やかすぎるほど
恋をした それだけで不思議なものです
見える世界が こんなにも変わるなんて
何かの映画のような都合のいい 展開
飛び込め 今なら間に合うはずだ
でき損ないの おかしな出来心
君のために 迷ったり悩んだりする
ムラムラと 妄想
冒険 また 冒険
マニュアルのない 恋の始まりの一歩
ラブストーリーの規則なんてない
線からはみ出すんだ 常識を越えて
めくるめく二人だけの世界が これからをつくる
悔しいほど 楽しすぎる毎日だ
生きることがこんなにも楽しいなんて
原色で 染まっていく
ありきたりな あらすじをたどって
今あるこの世界が 奇跡なら
僕らは奇跡の 申し子だ
なんて笑う なんて笑う
メリーゴーランドに乗り合わせたような
二人は ゴンドラの中で
他愛もない会話を続ける
色もない世界に 赤 青 黄色の 雨が降る
明日からの世界は 少し 鮮やかすぎるほど
恋をした それだけで不思議なものです
見える世界が こんなにも変わるなんて。
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桜の花びらを 寂しい枝に 描いて
イメージを降らす この並木道に
言葉なんかなくてもいくらでも 幸せになれたよ
手をつなぐことが 唯一使える魔法だった
ふとしたときに目が合うのも
照れたように笑うのも
大切な時間だと 思う
幸せって笑ったり 泣いたりする そんななんでもない時間の中にあるんだろう
名前もない 今日がいくらでも 積み重なって
同じような 今日を 今日も 過ごしてる
花が 咲いては散る ただそれだけのことなのに どうしてこんなに 嬉しかったり悲しかったりするんだろう
はるか先まで 続いてる 道の先に 誰も知らない物語
行こう このまま 握った手を離さないで
書き足すように 小説の続きを 書いてく
下手くそな 何の知識もない人が
一生懸命に 生きる毎日を 少ない言葉で
それでも 頑張って 書いている
約束のように巡る季節の せいで
何度でも同じ 景色を見せられるのに
何度でも 見たいと思う
ただ 笑ったり泣いたりするだけの毎日も紛れもなく思い出 なんだろう
雨降りの今日があって 晴れ渡る今日があって
種をまくから 花が咲く今日がある
昨日があるから 今日がある
先が見えないくらい長い道のり
この道の先に何があるのだろう
知りたい だから生きていく
名前もない 今日がいくらでも 積み重なって
同じような 今日を 今日も 過ごしてる
花が 咲いては散る ただそれだけのことなのに どうしてこんなに 嬉しかったり悲しかったりするんだろう
はるか先まで 続いてる 道の先に 誰も知らない物語
行こう このまま 握った手を離さないで。
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窓に映る景色を ぼんやりと 眺めながら
今か今かと 待ちきれない気持ちのままで
ひとつずつ追い越していく 駅を数えた
下手くそな 歌声と調子外れのメロディ
それでも 君に会いに行く
日曜日の 込み合った駅のホームに咲く
たくさんの人の群れを かいくぐる
聞きなれた名前で呼び止めたのは
なつかしい 声と顔の ガールフレンド
少しも変わらないねって笑うから
思わず抱きしめてしまった
どっちつかずの 僕はまだ あやふやな
覚悟で愛を不器用にしか扱えないけど
それでも 君に会いに来た
近づく季節は何色をしているだろう
観たかった映画を観よう お芝居も観よう
忙しくて出来なかったことを全部やろう
今はまだ 愛してるって言えればいい関係
いつまでもそれじゃ駄目だとわかってる
どんな会話をしたのかいまいち覚えてない
僕は手を握るだけで精一杯だったよ
お別れするとき また会おうって言った
閉じるドアとほぼ同時に泣いた君
手紙を送るよって 握らせた大切な言葉
目には見えないラブレター
不安ばかりが明日を遠ざけるけど
いつかは一緒にいる毎日が当たり前になって
今をなつかしく思い出せるさ
遠く離れた距離を 一瞬で 埋める
魔法のような 言葉を探してた
残した傷跡も 消えることのない痛みも
広すぎる空に 笑われて 手だてのなくなった僕は
ただ 煙草を ふかすしかなかった
聞きなれた名前で呼び止めたのは
なつかしい 声と顔の ガールフレンド
少しも変わらないねって笑うから
思わず抱きしめてしまった
どっちつかずの 僕はまだ あやふやな
覚悟で愛を不器用にしか扱えないけど
それでも 君に会いに来た
そしてまた 僕は君に会いに行く
あの日と同じ 曜日
あの日と同じ 時刻
あの日と同じ 場所。