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どるとるの部屋  〜 新着順表示 〜


[7088] 虹のつくり方
詩人:どるとる [投票][編集]

さっきまでの出来事が
過ぎ去った風景と重なって
夜と朝が抱き合えば日付は変わる

窓の外をちらほら 気にしているのは
誰かを 待っているからなのに
いつまでも僕は素直になれないまま

閉じた目蓋の裏に浮かぶ 赤い夕日と

滲んだインク 描き出したイメージのせいで

明日の 僕に少しだけ 会いたくなる

ただ通りすぎるだけの 水彩の街を
染める 時間が 逆さまになって

もう一度 同じ時間を刻み出せば
君も笑うかな 涙も乾くかな なんて少し強がる

閉じた目蓋の裏に浮かぶ 赤い夕日と

滲んだインク 描き出したイメージのせいで

明日の 僕に少しだけ 会いたくなる

知ったばかりの虹のつくり方
下手くそな 手つきで完成させた。

2015/12/27 (Sun)

[7087] ハッピーバースデイ
詩人:どるとる [投票][編集]


言葉もなく 僕らはただ薄っぺらな
うわべだけで飾り付けたきれいごとで

見え透いたおべんちゃらで 口先だけの愛を歌う

生きる気力もなく 死ぬ気力もなく

策もなく 宛もなくただやり過ごす日々

気だるいだけのエブリデイ

忘れていた自分の誕生日

祝う気持ちにもなれず ふて寝する

恋人の前ではそれなりに 喜んで見せる

愛想笑いのハッピーバースデイ

可溶な振る舞いで もらった幸せと
称する ちっぽけな銀のアクセサリー

大切にするよと笑ってはみるけど
目当ては体 建前ばかりの付き合い

前向きにもなれず 後ろ向きにもなれず

下ばかり向いてたら電柱にぶつかるから

時計ばかり 目で追う エブリデイ

ただひたすら夜が明けるのを待つ

ごまかすように何度も抱き合い

下手くそな言葉で ご機嫌とる

恋人のふりした 寂しがりやの二人

いつも誰かのハッピーバースデイ

ひとつ ひとつまたひとつ

年を重ね 恥を重ね

たまに 寂しさから君を求めるのは

少なからず君を愛しているから

生きる気力もなく 死ぬ気力もなく

策もなく 宛もなくただやり過ごす日々

気だるいだけのエブリデイ

忘れていた自分の誕生日

祝う気持ちにもなれず ふて寝する

恋人の前ではそれなりに 喜んで見せる

愛想笑いのハッピーバースデイ。

2015/12/26 (Sat)

[7086] 人でなし
詩人:どるとる [投票][編集]


窓の外を 過ぎる景色をぼんやりと
眺めながら 見惚れながら ふと何気なく
こっそり君を思ってみたりする

あふれる人混み 夕暮れの雑踏の中に
気づけば探してる ありふれた優しさを

こんなにも たくさんの人の中にいるのに
寂しさは消えないよ それどころか
一人でいるより寂しいくらいさ

どうしてくれるんだ 涙が止まらない

世界の縮図っていうには些か
大げさだが 落としたハンカチを
誰にも拾われなかった日に泣いた

その涙は なんの涙だろう 名前もないし値札もないし 価値があるのかないのか

踏みつぶされた 靴の踵が泣いている
君の足元に 涙の水たまり 僕には見える
人でなしの顔をした愚か者

人間と呼ぶには あまりにも耐え難い

大丈夫とか? ありがとうとか
聞こえなくなった街には

きっと優しさなんか 流行遅れみたいに
誰も 見向きもしなくなってしまうのか

なんて思うくらい 目に余るような 光景が
美しくあろうとする 人たちの営みを汚す

こんなにも たくさんの人の中にいるのに
寂しさは消えないよ それどころか
一人でいるより寂しいくらいさ

どうしてくれるんだ 涙が止まらない。

2015/12/26 (Sat)

[7085] メトロ
詩人:どるとる [投票][編集]


光と影が交差ししながら 行き交う

とりとめもない会話をかわしながら

長くなりそうな話を遮りながら

メトロノームのように行ったり来たりする

変化のない 毎日を笑って 過ごしてる

脈絡のない 日常描写
走り書きする手が

追いかける 明日は
あと何駅かな?って

思案している間に随分とたくさんの煌めく宝石を

手放してきたことに気づいてあわてて拾いに行く メトロの闇に 広がった

ひとときだけの 安らぎに寄りかかり

僕は夢を見る 終点までのささやかな安息

間違いのない正しさ なんかよりも

正しい間違いを しでかしたい気持ちで

胸を満たしている その方が優しいから

まばたきするように オンとオフを切り替えて

開いたり閉じたりする 景色の不思議さよ

あらすじのない物語

宛にならない常識

計算するだけの物差しなんて放り投げて

心に聞いてみよう 心が探してる明日を

見つけ出すための旅さ 悲しみの夜が明けて 七色の朝の光が 散らばった

言葉にならない気持ちになる その刹那

僕はまたひとつ僕を追い越して生まれ変わる

ふと 目をつむって探すのは
誰かの小さな 思いやりだったり

かすかな花の息づかいだったり
そんなほんのささやかな命の呼吸音

脈絡のない 日常描写
走り書きする手が

追いかける 明日は
あと何駅かな?って

思案している間に随分とたくさんの煌めく宝石を

手放してきたことに気づいてあわてて拾いに行く メトロの闇に 広がった

ひとときだけの 安らぎに寄りかかり

僕は夢を見る 終点までのささやかな安息

改札を 出た僕はまずいちばん先に空を見上げて
満天の星に 明日の晴れを期待する。

2015/12/26 (Sat)

[7084] 君に似た花
詩人:どるとる [投票][編集]


見上げる空が 赤く染まっている
風も冷たくなれば 温もりが欲しくなる

ポケットにしまったままのあの涙が
はみ出してしまうのを必死でこらえる

泣くことなんかゆるされない
いつからか そんな強がりだけに 生きるようになってた

帰る場所はあるにはあるけれど
この世界には 僕の帰る場所なんかない

道に迷った心で きれいな花を見つめたら
いつの間にか強がることなんか馬鹿馬鹿しくなった
その花はどこか君に似ていたから

帰り道の途中に ポツンと影落として
何を見つめているのかな 眼差しの先に

大好きな歌を口ずさんでごまかしても
もう 遅いんだよ 涙は流れてしまう

いつまでも大人になれない 背伸びばかりしているだけで
寸足らずの心と体

あなたには帰る場所がありますか?
そして待っていてくれる人はいますか?

それならそれは 幸せだろう それ以上何が必要というだろう
満たされすぎているくらいの毎日だ

下校する 小学生の背中 黒と赤のランドセル

歩道橋が かんかんと 鳴って 僕の行く手をバーがふさいだ

帰る場所はあるにはあるけれど
この世界には 僕の帰る場所なんかない

道に迷った心で きれいな花を見つめたら
いつの間にか強がることなんか馬鹿馬鹿しくなった
その花はどこか君に似ていたから。

2015/12/26 (Sat)

[7083] 正体
詩人:どるとる [投票][編集]


胸のいちばん 奥で僕を呼んでる声がする
それは新しい旅のはじまりを予感させたよ

窓から見えるいくつもの ストーリー
枝分かれするように連なり繋がってく

誰かが 引いたレールを外れて
宛もない旅をしてる 羽もない僕らには
大地を歩く この両足が肝心要だよ

ちっぽけなプライドと少しの優しさで出来た
ちゃちな体を ふるいたたせてどこまでも行く

僕が僕である理由も僕が僕である必要もない
よって時に僕は僕ではなく 僕以上の何か 或いは僕以外の何か
その正体すらも わからない

そんな気持ちに 羽が生えて 一人歩きするように 旅立つ

はじまりなんて いつも 突然なんだ
わがままに 叫んだ大義名分 叫んだそばからあやふやな覚悟

ぼやけてく世界の輪郭線をなぞる指先は意味もわからない正義を全う

耳をふさいだら きれいな音すら聞こえない
目を閉じたら あざやかな色が視界から消えた

意味と理由を混同してしまうから
わけがわからなくなる 絡まる 糸と意図

僕は なんだとか 僕は誰だとか もうそんなのはどうでもいい
ただ、僕は知りたいだけなのさ この先を

僕は僕である前から僕なのか 或いはそれ以前から僕なのか
そもそも僕は僕なのか 前提さえも曖昧だから 計算することも不可能

正体は依然 わからない

卵のひびのひとつに過ぎないよ こんな推測は

答えを出さないと どうにもやりきれないから 理由をつけて
たとえば 意思を持った細胞のカタマリに似合わない意味を押しつけてるだけ

だから僕は僕だというこの 何の確証もない単なる憶測に 光を灯さんと生きている

ああ 答えなどない
ただすべてはあるべくしてある
それだけだというのに。

2015/12/26 (Sat)

[7082] シューティングスター
詩人:どるとる [投票][編集]


こぼれ落ちるシューティングスター

君の瞳に映る すぐそばにある身近な奇跡

雨のように濡らしたほほを撫でてから

尾を引いて 思い出を焼き付ける

ストロボみたいにまたたく瞬間の一秒を

切り取って 永遠にする 形に残せなくても

降り注ぐのは いくつもの 光の雨

本から飛び出したような夢とロマン

いつか見た夢の続きを体現する 世界

今と今が めぐり会い明日になるように

シャッター 焚いて 逃さないでその時を

忘れなければ 思い出になって 残るさ

新しい世界の夜明けのような

ページが めくられるその瞬間の刹那

君にも見えるさ 百年ぶりの光

こぼれ落ちるシューティングスター

君の瞳に映る すぐそばにある身近な奇跡

雨のように濡らしたほほを撫でてから

尾を引いて 思い出を焼き付ける

ストロボみたいにまたたく瞬間の一秒を

切り取って 永遠にする 形に残せなくても

つながっていくさ はるかな未来へ

誰かの瞳に 僕らの足跡が 夜空を走るとき

僕らは 思い出す 星になった あなたを。

2015/12/26 (Sat)

[7081] ほころび
詩人:どるとる [投票][編集]


暗闇に 咲くように灯る明かりは

誰かの代わりのように 笑うのです

扉が開くように まぶたを開ければ

小さな幸せを 少しずつ味わいながら

昨日今日明日と 生きていくのです

泡になって 跡形もなくなくなるまで

僕は見届けたい 始まりから終わりまで

動き出したフィルムが映す世界の出来事

手の届く範囲の狭い世界を映す

またひとつ 必要ななにかを忘れては

またひとつ 余計ななにかを覚えて

形をなくしていく世界を見つめている

やがて、消え去る ぬくもりは今だけは

あたたかくこの体を巡る赤い血潮。

2015/12/26 (Sat)

[7080] ラブソング
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大好きなあの人に言葉で気持ちを伝えるには

少し恥ずかしいから歌にして届けようこの気持ち

たとえば ありがとうの気持ち
日々感謝してること

たとえば 愛してるの気持ち
ハートの形した心

ラブソングを歌うとき 人の心は

いちばん優しくなるでしょう

ラブソングを歌うとき 怒った人も

すぐに笑顔になるでしょう

不思議な魔法にかけてあげるよ

愛してる 君だけを

愛してる 君だけを

どんなに好きな人もすべてを好きにはなれないよ

だから なおしてほしいところも素直に言葉にしないとね

たとえば 歯ぎしりするところ
人前で屁をするところ

たとえば 寝相が悪いところ
言葉遣いが悪いところ

そんなところまで全部好きだから
結局 許してしまうの

ラブソングを歌うとき 人の心は

いちばん優しくなるでしょう

ラブソングを歌うとき 怒った人も

すぐに笑顔になるでしょう

不思議な魔法にかけてあげるよ

愛してる 君だけを

愛してる 君だけを。

2015/12/26 (Sat)

[7079] 遠い未来で
詩人:どるとる [投票][編集]


時間は積み重なりいつか 高い塔になった

こぼれた砂粒が 積み木みたいに またひとつまたひとつと
塔を 空に近づける

笑わないで聞いてね
生きてることが こんなにも素晴らしいことなんて気づけなかったよ
君と出会うまでは

この世界の どこかで待っている
素敵なあの人に 見合うような
僕になってみせるから

その日はきっと今までよりもずっと
素敵な日になるでしょう
名前も知らない僕の大切な人

待っていてね 遠い未来で

愛してるって真顔で笑ってみせるから

君はただそんな僕に 優しく笑うだけでいい それだけで単純な僕は調子に乗るから

最後まで聞いてね
君を幸せにしてみせるよ まだ出会ったこともない人なのに
永遠を誓う言葉はもう用意されてる

この世界の どこかで待っている
素敵なあの人に 見合うような
僕になってみせるから

その日はきっと今までよりもずっと
素敵な日になるでしょう
名前も知らない僕の大切な人

待っていてね 遠い未来で。

2015/12/26 (Sat)
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