詩人:どるとる | [投票][編集] |
少し薄曇りの朝 眠気覚ましに珈琲淹れて
変えたばかりのカーテンを開け放つ
まだ 夜明け前の町並みは 静かなもんで
人通りなんてない 飼い猫も 夢の中
寒くないようにジャンパー羽織って
まだ星が見える空を あおぎながら
川の流れなんかに 澄んだ 空気に
風が運んだ朝の匂いを吸い込んで
答えのない答えあわせを していた
耳にはイヤホン 大好きなボブディラン
ニュースの ラインナップを確認してんだ
地図を頭に浮かべてあてもなくイメージを
泳がせて夢の中で 遠い場所にも行った
こぼれそうな涙を 手のひらにすくって
この夜空に 残らず流してしまおうか
まぶしい光に 出会ったら 言うよ
おはよう 返事はなくても言うよ
そこに昨日と同じ朝があるのなら
行ったり来たりの振り子のように
また振り出しに戻っては
スタートラインに立って
歩き出す背中を 朝日が照らした
かすかなぬくもりが 僕を なぐさめる
寒くないようにジャンパー羽織って
まだ星が見える空を あおぎながら
川の流れなんかに 澄んだ 空気に
風が運んだ朝の匂いを吸い込んで
答えのない答えあわせを していた。
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傘が 受け止める数千の雨粒
雨のカーテン この街を包んで
出会うはずもない
数々の 奇跡なんかは こうして
当たり前に 手のひらに落ちるのだろう
僕は ずっと囚われたまま
概念の 中から 抜け出せずに
あてもなく 想像は広がるばかりで
明日の見えない 不安におびえた。
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どれだけ時が経っても 変わらないものはそばにある
たとえば 歩道橋から見上げた 空のオレンジ色 今日も僕の 瞳の奥で沈む
あの夕日に照らされて 夜が来るよ
胸を撫で下ろすひととき
お母さんとお父さんの間にはさまれて
右手は お父さん
左手は お母さん
仲良く 帰る 姿を見た
胸がじんわり 温められる こんな
何でもない何気ない 幸せを 大切にしていこうと 思った
僕にとって 大切なものが ひとつひとつ
消えていく 悲しいことこの上ない
でもいいんだ 最後に笑えれば。
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僕一人だけならば
歩幅なんか気にしない
君が隣にいるから
待たせないようにとか
置いていかないようにとか
考えながら 歩くんだ
夜になるとぐっと冷え込むから
風邪など 惹かないように
マフラーを 編んでるんだ
手をつなぐときだけは
煩わしい寒さがありがたい
そう思ってしまう
今日気づいたんだ
僕は どうしようもなく
君に恋をしている
身なりに気を遣うようになったんだ
料理も 簡単なのなら 出来るようになった
キャベツの千切りさえ まともに出来なかった僕が
今では 美味しいって 言ってもらえる
料理が出来るよ
好きな 映画の ラストシーンについて
意見を 出しあった
ああでもないこうでもないって
スタートラインがまだ見えている
まだ僕は 人生の半分も来ていない
そう思ってしまう
過程より結果の世の中で
僕は 結果を出せずに迷って
あろうことか恋をしている
君を思って 眠れない夜
時間ばかりが 過ぎてく
電話やメールじゃ
伝えきれない想いを
今 言葉に したら
きっと僕は 引き返せなくなるね
君が 好きだ
疑惑が確信に変わる瞬間を 迎えた
手をつなぐときだけは
煩わしい寒さがありがたい
そう思ってしまう
今日気づいたんだ
僕は どうしようもなく
君に恋をしている
スタートラインがまだ見えている
まだ僕は 人生の半分も来ていない
そう思ってしまう
過程より結果の世の中で
僕は 結果を出せずに迷って
あろうことか恋をしている
君に。
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夕方あたりから 降りだした雪
積もるかな 積もらないかな
明日の朝になったらわかるよと
笑った君の顔が 今も浮かぶよ
何も特別なことなんか なくたって
幸せは いつだってすぐそばにあった
吐き出す吐息が 白く染まると
二人の歩幅も ぐっと近くなるよ
屈まないと キスもままならない
背が低い君を からかって笑った
無邪気な 二人の 思い出は 万華鏡
思い返すたび形を変えて広がる
夕暮れの街に 明かりが灯る頃
いつもの 帰り道を歩く 君と僕
歩道橋の真ん中に 差し掛かったら
沈む夕日に 一緒に手を振ろう
今日一日あった 出来事を 教えてよ
お疲れ様 お互いに体を労ろう
寒さのせいで 呼吸が思うようにいかない
むすんでひらいて 悴んだ手を 慣らす
見上げた空に 星を見つけたら
まず誰よりも先に君に教えるよ
ものの数分でメールが 返ってきて
「いつもの時間に いつもの場所で待ってる」
積み重ねていく 一分一秒
次第に それは思い出になっていく
今日、僕らは 少しいつもより
なぜだろう きらめく街並みに酔わされ
クリスマスのケーキなんか 食べてる
約束しよう 僕が君を幸せにするよ
そんな 使い古された台詞から始まる恋
この銀の指輪を 君の指に 似合うかなあ
吐き出す吐息が 白く染まると
二人の歩幅も ぐっと近くなるよ
屈まないと キスもままならない
背が低い君を からかって笑った
無邪気な 二人の 思い出は 万華鏡
思い返すたび形を変えて広がる
渡す タイミングを逃さぬようにと
勤めたけど うまくはいかないなあ
それでも笑ってくれる君だから
僕は多分 恋をしたんだと思った。
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たとえば 僕のこの心が海ならば
誰かの 悲しみを 受け止められるだろう
だけどあいにく 僕の心は 水溜まりほどの大きさもない
あなたの 悲しみを見て見ぬふりをして
時には その無関心があなたを傷つける
照れ笑いに隠した 恋心は 僕の愛を試している
絶え間なく降り続いてる時の雨に 濡れながら
人はいくつもの出会いと別れを 繰り返していく
ダンスみたいには上手に踊れないから
縺(もつ)れるように 絡まった糸
すれ違いの 出会いでも
出会うすべての人は きっと
出会うべくして 出会った運命の人
たとえば僕が 人ではない生き物なら
花や 形のない風や雲だったなら
こんなふうに誰かを思う気持ちも
何かを悲しいと思う気持ちも なかった
流す涙は 価値ある宝石 お金には代えられない
絶え間なく流れていく時の 途中に 生まれた
いずれ なくす命でも 生まれた意味は あるはずだ
悲しみに苛まれ 生まれたことを 悔やむ日も
乗り越えて 出会った今日
生まれたことを 心から 幸せに思う
人生とは 皮肉なものだと
命ある 今日の喜びをかみしめた
青い空に ひとひらの奇跡が舞い落ちて
手のひらに 小さな産声と笑顔が咲いた
君が生まれたあの日 たくさんの 願いがかなったよ
絶え間なく降り続いてる時の雨に 濡れながら
人はいくつもの出会いと別れを 繰り返していく
ダンスみたいには上手に踊れないから
縺(もつ)れるように 絡まった糸
すれ違いの 出会いでも
出会うすべての人は きっと
出会うべくして 出会った運命の人
生まれるべくして 生まれた 運命のひと。
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雨上がりには虹を 探してしまう癖が
なかなか抜けなくて
透明な傘から空を 透かして 見てる
宛もなく 雲が 流れていくのを
ただ 見ているだけで日は暮れてしまう
吐き出す吐息が白く染まるほど
まだそれほど寒くはないのに
あなたを思うとね 心なしか 少し寂しくてぐうの音も出ないよ
やがていくらも待たずに来た 夜に
開けた窓を閉めて
余裕があれば星を数えて 夜更かしだ
どうして この心は自分のものなのに
一番近くにある 気持ちさえ読めない
言葉にならない気持ちに落ち込んだとき
どんな言葉でも 名前をつけられないよ
あなたを思うとき あなたも 僕を思ってくれてるのかな
しんしんと 音もなく 胸をかすめていく
雪は 窓の明かりに寄り添うように溶けて
これから始まる長い夜を 見届けるだろう
そして夢から目覚めた僕の 家の小さな窓の外は 白い冬
吐き出す吐息が白く染まるほど
まだそれほど寒くはないのに
あなたを思うとね 心なしか 少し寂しくてぐうの音も出ないよ。
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たったひとつのイメージが膨らんで
真っ白な世界に たったひとつの歌になる
声を紡いで 糸を巻くように
まだ出会ったこともない
新しい扉を開けるとき
この世界は
また 新しい色が 友達になる
パレットで いくらかき混ぜても
出来ない色を あなたは 持っている
その事にあなたはまだ気づいてない
途方もない 色の溢れた世界で
まだ知らない色がこんなにある
ほらね。
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花の香りも
雲のかたちも
まるで曖昧だ
この世界に
影を落として
風の中に立つ
いくつもの
言葉を
いくつもの
イメージを
膨らませては
広げていく
いくつもの
つながりを
いくつもの
結びつきを
僕は 持って
生きている
風の揺らぎも
虫のささやきも
聞こえないから
心を敏感にするのさ
耳に手をあてるように
幾重もの
歴史が
膨大な
時間が
絡まっては
ほどけていく
雨が滴るように
声を落とすように
積み重ねる
思い出の中に
虹の たもとに
夜を 広げて
星をあおげば
いくつもの
大切な それらが
あなたを 彩る。
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重力が空から音もなく降りてきて
数多の生き物を地面に縛りつけている
獣は 野を駆け回り
補食を 繰り返す
名もない文明の中にある小さな暮らし
重力の中にいてもまだ
荷物から解放されない
僕らは 鉛のような
悲しみを 抱えては
空を見上げ 何度でもきりもなく 死にたいと思うだろう。