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どるとるの部屋  〜 新着順表示 〜


[6877] オーバードライブ
詩人:どるとる [投票][編集]


この手にあまる幸福を体のいい言葉に言い換えて

何かに絶えず追われるような焦燥を
必然というご都合主義のオブラートに包む

高く飛べるかな 名前の知らないあの建物の塀くらいは乗り越えられるかな

久しく使ってない 努力という言葉を

持ち出したからには最後の最後まで諦めないと誓う

にわか雨に降られて 途方に繰れる

夜明け前 明け方4時の小さな勇気

君に見せつけるささやかな比類なき抵抗
自由へのオーバードライブ

いくつかのレッテルを張って プライドで武装したら

こてこての理論で語り合いましょう 知ってるだけのえらそうな言葉でしりとりするみたいに

夜明け前の街はまだ昨日降った雨が乾かないまま 誰かの涙を引きずってる

早く起きてしまったからやることもなく

近所を2、3週走る すれ違う人などいない

抱いたのはありきたりな悲しみだから

わざわざ言葉にすることも恥ずかしい

誰に対する怒りだろう 行き場のない気持

まだ青い少年のぼんやりとした決意

あっという間に 日は昇り 橋の真ん中から眺める海の向こうから朝日が

久しく使ってない 努力という言葉を

持ち出したからには最後の最後まで諦めないと誓う

にわか雨に降られて 途方に繰れる

夜明け前 明け方4時の小さな勇気

君に見せつけるささやかな比類なき抵抗
自由へのオーバードライブ

来るべき未来への確固たる宣戦布告。

2015/11/23 (Mon)

[6876] 長い夢
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小さな頃から 思っていたすべては

長い夢の続きのようにこの胸に

わだかまって 川をせき止めているよ

もうこれ以上何一つ 忘れないように

もうこれ以上何一つ古びないように

変わらないものは変わらないまま

永遠に閉じ込めたくて

夢を見ている長い夢を
いつまでも覚めたくない夢を

ここにいさせて 最後のわがまま

何を失っても
夢をなくすことだけは 死ぬより嫌だ。

2015/11/23 (Mon)

[6875] 夢から覚めたら
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あー眠らない 僕たちは いつまでも
子供のままで 夜が明けるまで遊んでられる

あの頃は楽しかったなあ いつでも
そんな言葉で過ぎ去った昔を懐かしむ

明日に 行きたくない心が 思い出に 行き場を求めているんだ

眠らない 真夜中の麻雀 負け勝負

あー眠らない 僕たちはいつまでも
子供のふりで駄々をこねる いい大人

くだらないことに時間が過ぎていく
人のせいにして その場をやり過ごす

僕たちは まだまだ探し続ける 楽園のような 永遠の遊び場を

あー眠らない 僕たちは いつまでも
子供のままで 夜が明けるまで遊んでられる

夢から目を覚まさずにいられる
それなのに夢から覚めたら忙しい。

2015/11/23 (Mon)

[6874] あいのうた
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雨の中に 置いてきた心が
今さら 名残惜しくなってしまったみたいだ

寂しくないなんて 嘘を重ねても
君に会いたくなってしまう 日曜日

朝から あいにくの雨
濡れ鼠の 日曜日

たとえば 僕にも誰かを愛することができるなら

神様 教えてください 幸せのありかを

僕の全部で 君を幸せに したいんだ

僕は 幸せになんかなれなくてもかまわないから

愛を歌わせて 今
止まない雨の中に
光を灯すような

そんなひとつまみの希望をくださいな。

2015/11/23 (Mon)

[6873] 風が吹くよ
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しょっちゅう 風が吹く

しょっちゅう 風が吹く

家の中には

しょっちゅう 風が吹く

しょっちゅう 風が吹く

嵐の家です

喧嘩ばかり してるから

しょっちゅう 風が吹く

しょっちゅう 風が吹く

性格 合わないから

なかなかどうして 飽きないの

屋根が飛んでも

家が傾いても

しょっちゅう 風が吹いても

愛だけは あるみたいで

すぐに仲直り

すぐに仲直り

ベットにゴー

子沢山 子沢山

しょっちゅう 笑い声が絶えない

しょっちゅう しょっちゅう しょっちゅう

風が吹くよ。

2015/11/23 (Mon)

[6872] すっぱい葡萄
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すっぱい葡萄が食べたくなるの

季節を通り過ぎて風の行方を

探しに旅に出る 旅に出る

すっぱい葡萄が 食べたくなるの

悲しみの あとには

ただどこまでも 続く坂道が

果ても見えない

明日を 遠ざけるの

芋虫の歩く速さで

遊覧船のペースで

いろんなものを 見て聞いて

ああ いつの間にか
終着駅にたどり着く
終わりが見える そんな人生なら

季節を通り過ぎて風の行方を

探しに旅に出る 旅に出る

そして食べ終わったあとには

すっぱい葡萄の種だけが

数粒 残るだけ 残るだけ。

2015/11/23 (Mon)

[6871] イソップ
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物語の 最初の一歩ともいえるページを

今まさに踏み出せばきれいなメロディ

遠い遠い昔話を思い出すと 広がる

あのときめきの本の向こうへ旅に出る心

自分の物語なら誰もが主人公になれる

だからね この物語は君が主役

世界には人の数だけたくさんの物語

だからその物語の数だけ主人公がいる

イソップ童話の毒気を 吸い込んだ世界が

ほらね魔法のありかをきれいに隠した

だから僕らは魔法を信じることはあっても

けっして魔法の力をわがままに使えないの

遠い昔からの約束さ。

2015/11/23 (Mon)

[6870] 星に願いを
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途方もない 道のりを歩いてきました今まで

どこまでも続いているこの道はどこまで続いているのかな

笑っていた思い出も
泣いていた思い出も
何もかも 忘れたくないよ
だけど忘れてしまうのなら
すべて 忘れたいよ

ただ 僕の目の前に広がる星空には

何の迷いもなく 少しのよどみもない

あの紫がかったような 闇には

いくつもの物語が 星になって輝いてる

僕は言葉もなく ただ立ち尽くすしかなかった

星に願いを 言う暇も ないくらい心うばわれてた

はるかな時代のいろんな出来事を イメージしていたんだ

出会いも別れも
愛されたことや愛したことも
思い出と呼べるものがたくさん 僕にはある
ほらまぶた閉じれば 星のように輝く

どんな 言葉も 必要ないね あの星空には

ただきれいだという 思いがひとつあれば

花のように光のようにきれいに映るから

それを受け止める心を少し研いてみる

そうして見えるものを愛してゆきたい

願うことはただひとつもない 生きている ただそれだけで

もうそれだけで
願いは 叶ってしまっているようなもの

ただ 僕の目の前に広がる星空には

何の迷いもなく 少しのよどみもない

あの紫がかったような 闇には

いくつもの物語が 星になって輝いてる

僕は言葉もなく ただ立ち尽くすしかなかった

星に願いを 言う暇も ないくらい心うばわれてた。

2015/11/23 (Mon)

[6869] エソラ
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昨日の夢の続きで 僕らはまた歩き出す

描かれた空が画用紙のように

既製品のような世界を果てまでも広げていく

さわがしい夜が 眠れない 夜がやって来そうなかすかな気配

枝豆の ひとつひとつにもあるいのち

小さな部屋に 大きくふくらんだ夢

絵空事だと鼻で笑うのなら

君にはもう教えてあげないよ

僕だけの夢は 僕がひとりじめ

恐がりの前足で 地面を蹴りながら進む

はるか太古の風の匂いを連れてくる

あの日見上げた空に浮かんでた雲の形を思い出す

にぎやかな未来が まばたきもできないほどの未来だよ

味わって食べよう 食べ頃の熟した幸せ

目の前の世界を描き出していく作業

ありふれた日常を閉じ込める風景描写

シャッターチャンスを逃さないで

君だけの夢は 君だけのものなのさ

いくつもの 悲しみも
いくつもの 喜びも
数ある 幸せも

やがては 青い空に溶けて消えてく
幻のように ずっと先の遠い未来では夢物語だ

枝豆の ひとつひとつにもあるいのち

小さな部屋に 大きくふくらんだ夢

絵空事だと鼻で笑うのなら

君にはもう教えてあげないよ

僕だけの夢は 僕がひとりじめ。

2015/11/23 (Mon)

[6868] 私だけのサンタクロース
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表通り 駆け抜けていく プレゼント小脇に抱えた家族連れ

子供は 早く早くと お母さんとお父さんを急かすように呼んだ

あとからお父さんとお母さんが 困った顔で子供を追いかける

そんな シーンが 微笑ましく見えた
クリスマスの夜にはどんな子供も同じ気持ちだよ

サンタクロースが いないことくらい
みんな知っているけどないしょだよ

夢がなくなっちゃうからね
だからサンタクロースの格好して プレゼントを枕元に置いてるのも

知っているけど 昨日サンタクロースが来たんだよって
お父さんを 悲しませないように笑うの

そんなクリスマスがもうじき 雪とともにこの街にやって来る

緑と赤のクリスマスカラーに染まった 街を 恋人たちが歩く

いつか私も カッコいい恋人と歩くのかななんていう娘にどうかなってお父さん

ちょっとムッとしたような顔で マセタ娘に焼きもちやいてる

そんなこと毎年やっているのに毎年新鮮な気持ちになるのはどうしてかなあ

誰にも子供の頃にはクリスマスは楽しみだったはずだよ
毎年25日には大きなツリーとケーキ

みんなでそろって パーティーをするんだ
その夜だけは夜更かししてもね 怒られないの 特別な夜だから

でもね零時には 寝なさいってお父さんが言うんだ

ないしょで見てたの
お父さんがサンタクロースの服に着替えてるの
全く毎年 わざわざよくやるよねって見てたけど
泣いちゃうくらい本当はとても嬉しかったりするの
だから後ろ向いてる背中にありがとうって小さくつぶやいた

来年もよろしくねお父さん
私だけのサンタクロース。

2015/11/21 (Sat)
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