詩人:どるとる | [投票][編集] |
さながら目をつむるように
街の日は落ちて すぐに夜が来る
寒々しい 風が 通り抜けてく
暦の上では まだ秋だというのに
凍える手もあたためうるぬくもりを
迷いながら探している
切なさは いつまでも消えないで
僕を 世界から孤独にするんだ
拭ってもきりがなく溢れる涙は
いっそ 海になって 広がれ。
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レールの上を行く列車のように
いつまでも変わらない風景に
ただ寄り添うように時は流れて
幾度、夜と朝を 繰り返せばいいのだろう
一度は開けた 扉をまた再び閉めるような
途方もない 徒労を強いられている
その目に映るものをただ 抱きしめているだけならば
僕じゃなくてもその役目は誰でもいいはずだ
世界はコインの裏表
明日と今日は 背中合わせで 向かい合わせ
宛もなく 秒針は 進む 一周回ってやっと一分
そのわずかな 間に何が変わるかな
車窓に映る 景色は鈍色になって
遠い空を見上げて風を 吸い込む
何を道連れに していこう
旅立ちは いつも突然に僕らをさらっていく
物語の向こうへと
走り出したらもう止まらない 好奇心にまかせて
海を渡る風になる
腕を広げれば 空を飛ぶ鳥になる
要は考え方の問題だ
たったひとつのイメージから広がる世界
一歩踏み出せば そこから広がる 世界
小さな勇気ひとつで どこにでも行ける
どこにも売ってない切符を手にしてる
「未来行き」の列車に飛び乗って
もう二度と帰らない旅に出発だ
その目に映るものをただ 抱きしめているだけならば
僕じゃなくてもその役目は誰でもいいはずだ
世界はコインの裏表
明日と今日は 背中合わせで 向かい合わせ
宛もなく 秒針は 進む 一周回ってやっと一分
そのわずかな 間に何が変わるかな。
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胸に咲かせた
白い 白爪草を
あなたは
思い出と 名付けて
小さな 可愛い
日記のページに
足跡刻んで
大事そうに抱えた
街の上に
太陽が 近づけば
夜が明けるのに
太陽が 遠ざかれば
日は沈むんだろう
どうしてかしら
少しだけの切なささえ 捨てられない
優しさを知ってからだよ あなたのせいさ
あなたのせいさ。
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汽車の 汽笛が遠くに 聞こえたら
耳を羽ばたかせて音を拾うよ
少しの希望でさもきれいなように見せかけた
幻に だまされていたことに
僕は 今まで気づかずに
句読点が わからなくなってしまう
始まりも終わりもなく
途切れたレールに 朝日があたれば
幸せは 見えるだろうか
川はながれて
花は ほころんで
くすんだ空が泣いた
今日の 痛みも
いつかの喜びも
幻なのだろうか
それならば僕は
生きている意味は
あるのだろうか。
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車は 渋滞に引っ掛かって進まない
夕暮れの 街は 疲れて誰も彼も
ため息混じりの呼吸
今日の 悲しみや
喜びを
一身に抱えたような顔をして
時々空を見上げる
表情が 切ないね
レコードは回るよ
刻まれた
コードを読みながら
甘い メロディ
言いかけた 言葉も今だけは
言葉にしなくてもいいや
感情だけが はみ出したまま 尖って
胸の真ん中を 突き刺すように痛い
混みあう人いきれの中を行く
夕暮れを過ぎたなら すぐに夜が来て
何も見えないから あなたの声が聞きたい
道しるべは 少しな曖昧なくらいがいい
ひどく透明な 空
淡い 飴色に 透き通った16号を
小雨よけて進む ミニカー
ワイパー空回り
その胸にまだ さよならをはらんでる
確信をつかれて僕はもう がらんどうさ
せめて言い訳くらいさせておくれよ
レコードは回るよ
刻まれた
コードを読みながら
甘い メロディ
淡い 飴色に 透き通った16号を
小雨よけて進む ミニカー
ワイパー空回り
さあ虹のアーチを くぐれ。
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君は多分笑っても笑ってないよ
雨上がりのあとも
かすかな 不安を残して
買ったばかりの花も 枯れたわ
レールの上を がたごと
二両編成の電車が 渡る
窓越しにレリーフ
純白のセレナーデ
軋んだ音で
回る 歯車の
歯ぎしりのような
泣き声を世界の 誰が知るだろう
どうか最後はありふれたハッピーエンド
今も昔も離ればなれの私とあなた
寂しさなんて とうに風になって消えたよ
昼下がりの 庭
感情は波のよう はげしく上下する
砂漠の 蜃気楼
あでやかな幻
絶頂 手前の
恍惚の 笑みで
てっぺんまで上らせてくれないか
太陽に ふれるほど空に近づきたい
それは あなたが見た 光
広がる闇を越えて
軋んだ音で
回る 歯車の
歯ぎしりのような
泣き声を世界の 誰が知るだろう
どうか最後はありふれたハッピーエンド。
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ただ闇の中に 呼吸している 鼓動
ああ 僕は持てるすべての言葉を失ってしまった
風の中で マフラーなびかせて
冬を 待っている
煙草を 数本吸ったあたりでふてくされ
空を 追い越して
夜を 飛び越えて
その先の物語へ行こう。
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季節の終わりは
冷たい雨が降って
屋根の上で
雨音を聞いているよ
誰かが言いかけた
言葉が 遠い
浜辺にうち上がる
潮風がはこんだ
僕の涙が
小さな駅舎の
傍らのベンチに
思い出が座ってる
手紙も寄越さずに
ただ流れるだけの
時間をもて余す
街の明かり消えて
長い夜が来る
たったひとつの
物語のために
あしたはめぐる
あなたの 元へ
帰るように今
朝焼けの空へ。
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いつもの 変わらない朝の風景に
とけてる君の笑顔が 今日も
可愛くて 抱きしめたよ
何度も 何度も 言葉にしたいな
昨日と同じこの テーブルを
囲んで おはようから 始まる一日
あなたと 笑って泣いて 生きていく毎日が
当たり前に なって
いつの間にか 忘れてた その大切さは
離れて はじめてわかった
だからもう二度と 離さないように
結び目にギュッと 力を込めたよ。
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なくしてしまったものは
もう二度と戻らない
名前さえない花の香りを
まだ忘れられずに
見えないものを 求めてゆくのなら
感情にさえ 形があるのなら
僕は ふれてみたいよ 見えないはずのものたちに
あなたを 指先で確かめる
それがたとえば見えないものなら
ふれているつもりで心に映せばいい
線がかたどる道をたどって
たどり着く先を 知らない
風の動き 少しの感情の揺らぎ
ささいな こと
窓の向こうに 太陽
光と影がダンスをしてる
温度を持った幻
今ならなんにでもなれる
つぎはぎだらけの 愛で 抱きしめてよ
名前なんて つけないでいいから
夜が明けたら おはようを ください
変わらない 営みの上に 夜が 降りてきて
時間の掟で 命あるものは いずれ
その命を なくしてしまうと
君は知っていたの?
それでも 歩いていくの?
夜を 越えて その先の物語に 会いに行くの?
あなたを 指先で確かめる
それがたとえば見えないものなら
ふれているつもりで心に映せばいい
見えないものも ただ見えないだけで
ここにあるって誰かが 笑うから。