詩人:どるとる | [投票][編集] |
メトロノームのように行ったり来たりする旅の行程
メトロの迷路みたいな 路線図には明日の行き先はあるかい?
繰り返される日々の所々に 涙々のドラマがある
棘のように 突き刺さったままの
あの痛みに いつかさよならする日を
待っているような気がする
旅に出るならば 悲しい思い出も
鞄に詰め込んで 明日に連れていって
いつか遠い街で 懐かしく紐解けるように
新しい季節のはじまりはなぜかそわそわしてしかたない
大好きだったあの歌を道連れに次の目的地を目指す
割りきれない計算ばかりしていたら 大切なことを忘れた
どっちつかずの表情のままで
風にさらわれるように飛び出した街
思い出をもう振り返るのはやめた
心を染めるのは新しい色です
ふれたことのないぬくもりを訪ねて
いつか遠い街で 空を見上げながら
今日の涙を 今日の笑顔を思い出すだろう
小雪混じり始発電車に飛び乗って
曇りガラスの向こうで泣きじゃくる人を
慰める言葉は今の僕には思いつかない
またいつか会う日には 今の僕よりずっと
強くなるよ この約束は誰かを傷つけてしまう
でもきっといつか 君を笑わせるよきっとね
棘のように 突き刺さったままの
あの痛みに いつかさよならする日を
待っているような気がする
旅に出るならば 悲しい思い出も
鞄に詰め込んで 明日に連れていって
いつか遠い街で 懐かしく紐解けるように。
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脈略のない 言葉で継ぎ接ぎだらけの
物語と物語をつなぎあわせていく
意味も理由もないただまっすぐな
平行線を二人で刻みつけていく
道なりに進めばこのまま辿り着く夜の終わり
オーロラのようなカーテンが風になびいて小さな隙間からこぼれる光
目覚めたら外は雪 一面の銀世界
近年まれに見る 積雪です
真っ白い雪と戯れている 君の笑顔がキラキラとまぶしくて
僕は少し 幸せにめまいをおぼえたよ
何処までも終わらない一本道を引こう
真っ白な道に刻む曲がりくねった線路
淹れたての熱い珈琲に舌を火傷して
おっちょこちょいって君が笑う
目指す宛もない旅なら急がなくてもいい
いつもと変わらないはずの朝の街に
雪がくれた はずむようなときめきのプレゼント
僕は手袋もせずに とるものもとりあえず外に飛び出した
夢のようだねって 僕が言ったら 大げさだよって君が笑う
なぜだろう 寒いはずなのにこんなにも暖かい
溶けてしまう雪は跡形もなく
来週くらいにはもう影も形もない
だけどそれでもいい そのほうがいい
形には残らない大切なものは いつでもこの胸の宝箱にしまってあるから
オーロラのようなカーテンが風になびいて小さな隙間からこぼれる光
目覚めたら外は雪 一面の銀世界
近年まれに見る 積雪です
真っ白い雪と戯れている 君の笑顔がキラキラとまぶしくて
僕は少し 幸せにめまいをおぼえたよ
幸せ過ぎて 笑い顔がなおらないよ。
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猫はあくびをひとつ よく晴れた青空
悲しいことなんてひとつもない
旅に出ようよ 鞄に夢を詰め込んで
椿のような優しさで 真っ赤に心を火照らせて
ありったけの涙で憎しみをふやかしたら
誰かを愛せそうな
椿のような奥ゆかしさで
景色の中にそっと咲いて
赤く色づく そんな人に
なりたいと思った
雨上がりの午後。
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何ひとつ わからないけれど
映画のような出来具合
雨の終わりはいつかの涙を
彷彿とさせるような余韻
僕の中でずっと 回り続けるフィルム
映写機みたいに映し出すよあの日を
そこに咲いていた花の名前を
その色や形まで
覚えていたい 覚えていよう
忘れないように痛みまで刻み込んで
ひとりぼっちで寂しくないのかな
宇宙の闇に浮かぶあの木星は
瞳の奥に 沈んだままの記憶は
まるで出来損ないのロードショー
あらすじのない散らかったストーリー
途切れ途切れに続いていく
そこに生きていた 人たちの営みは
遠くから見た星のように
小さく瞬いて
それでもはっきりと見えるよ
雨宿りをしよう 夜明けに朝をさがして
何処にもない 宛さえない この
不確かな 世界で 命のある意味など
悲しいくらい 見つからないけど
それでも、命はここにある それだけで
意味のあるものだと思うんだ だから
そこに咲いていた花の名前を
その色や形まで
覚えていたい 覚えていよう
忘れないように痛みまで刻み込んで
せめて 雨の終わりに 間に合うように。
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意味のあることばかりじゃない
意味のないこともあってもいい
たとえば 繰り返す波のような
あるいは降っては止む雨のような
そんな そんな
無意味の意味を探しながら 行こう
そんな そんな
無意味の意味に惑わされながら行こう
このままのまま。
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静かな夜の岸辺へ 二人で散歩しよう
月の明かりが足元を照らしている
悲しいことは今だけは見えない そういうことで
くらげみたいな星の光に心うばわれて
夢見心地なの 宙に3センチ半ばかり浮いた気持ち
時のレールをはずれて 二人だけで散歩しよう
笑うことに理由などいらない
楽しいことに意味なんかいらない
はみ出しそうな涙は知らんぷりさ
くらげみたいな星の光に心うばわれて
夢見心地なの 宙に3センチ半ばかり浮いた気持ち
世界に僕ら以外 いなくなってしまったみたいだなあ。
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何が お望みなの
色が欲しいよ
真っ暗な闇の中にも
目を凝らせば 案外 色鮮やかな世界だ
景色が染めてくれる
空や海や草花
すべての命あるものが
緑の言葉 こそこそ声で ささやいてる
僕の思いのはるか彼方で細胞たちの
ひそかな会話 僕は混ぜてもらえない。
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小さな箱庭 広げていたら
引き出しの中から涙があふれたよ
見渡せるほど 広くもないのにね
何を望んだんだろう
何が欲しいのだろう
ちんけな きれいごとで 模様替えしたところで
この部屋には もう戻らない誰かの笑い声
ただ忘れていくのを待つだけだ
花が枯れるのをひたすら待つだけだ
たとえば この場所が僕の知る唯一の世界なら
悲しみも喜びもまだ知らないに等しい
狼のふりをして 羊を 追いかける夢
でも 被り物を 剥いだら僕も羊で
ただ 愛すすべを知らないだけ
それでも 僕は 君を愛しているよ
だからドアを開けよう 寝坊助の僕らを朝が待っている。
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枠からはみ出して レールを外れて
気づけば 飛ばし読みするように
結末にたどり着いていた
悲しみを味わい尽くしたなら
デザートを待ちわびるの
飛び出すような ドキドキを
隠せないのは
あなたのせいだわ 責任とってね
もう知らないふりは出来ない
この世界の楽しみ方
もう 知ってしまったの
もう二度と ただでは転ばない
さあもうひと勝負
振り出しからのスタート
世界のバイブル 乱気流の中でダンス
傑作だわ 泣きながらも幸せそうに
次なる 転機を待っているんです
涙を 残さず 平らげたら
皿の中は空っぽ
病み付きになってた
その味の虜になっていた
楽しませてよまたあの日みたいに
夜をわかして
この世界の楽しみ方
もう 知ってしまったの
もう二度と ただでは転ばない
さあもうひと勝負
振り出しからのスタート
まずはあなたから
賽子の出た目で
運は転がっていく
何が出るかはお楽しみ
風向きは絶えず変わる
さあ もうひと勝負
さあ もうひと悶着
もうひと暴れ。
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悲しみはいまだ消えずに この世界をぬらしている
傘もない人は 何を拠り所にして生きているの
夕暮れ 一人はぐれて 畦道に行き着いて
考えていたよいろんなこと
おだやかに流れる時間が 景色をためらいもなく抱きしめてる
そんな 悲しいことなど何も ないように
わかっているように でも 目をつむっているように
受け入れているみたいに 強く 耐えているように あなたは悲しみを言葉にしないの
締めつけるような痛みを言葉にしないの。