詩人:どるとる | [投票][編集] |
雪にうずもれながら 春を待つつぼみ
飛ばし読みするように 少し雑に生きすぎたよ
この街に 春が来る前に
あなたにこの思い伝えたい
好きだよと 言葉にすればあっという間だ
だけど素直じゃない僕はずっと この思いから背を向けてた
だけど今、気づいたんだ
本当はずっと伝えたかったこと
君に知って欲しかったこと
春を待つ花のように
恥じらいと向かいあわせの待ち合わせ。
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立ち止まって 考えていたよ 命のある意味を
僕の中に銀河みたいに渦巻く数ある迷いや悩みの類いを消し去る魔法は
この世界じゃいくら待っても望めない
空さえ飛べない僕には難儀なことだろう
だからひたすら雨上がりを待つんだよ
心が 濡れないように 心が壊れないように
身を守るための傘を差すのも まるで
心をかばってるように
心を気遣ってるように
悲しみに気づいた心があるから
それは僕が僕を不憫に思ってるようで
なんとなく 優しい気持ちになるの
そのときの心は少し青みがかっているんだよ
そしてまた考えているよ 反芻するように
命の名前だとか色や形にこだわるのも
生きているからだと学者は言うのだろう
不思議なことが一切嘘にされた世界で
明日の幸せを望むのは形のない祈りだ
矛盾した世の中に僕はこんがらがってしまう
心が 濡れないように 心が壊れないように
身を守るための傘を差すのも まるで
心をかばってるように
心を気遣ってるように
悲しみに気づいた心があるから
それは僕が僕を不憫に思ってるようで
なんとなく 優しい気持ちになるの
そのときの心は少し青みがかっているんだよ
たとえばいつか世界を染めてた優しい群青のように。
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この気持ちは誰に伝えたいんだろう
この気持ちは誰を思っているんだろう
名前さえもない数ある全てに
等しく与えられている命の色や形を
たとえば歌に変えてしまえば
七色に染まる 季節は川を満たす水を
きらめかせて 光の反射で 青にも赤にも染まる
開けたこともない窓の向こうに まだ知らない物語の続き
この歌を 道連れに旅に出よう
命を染めているのはペンキや絵の具じゃないことを誰一人教えてはくれないよ
当たり前なことやありふれたことと見過ごしてしまえば
わからないことがたくさんあるんだよ
そこにあるほとんどの物には 光と水の魔法で
この世界が 誰にも同じく美しく映っているだろう
地図にはない 場所を目指す旅は 答えのない問いかけのよう
その答えを見つけるのは君なんだよ
空が空であるように
畑が畑であるように
命が命であるように
理由もないのに 確かな本当が この世界を世界たらしめてる
七色に染まる 季節は川を満たす水を
きらめかせて 光の反射で 青にも赤にも染まる
開けたこともない窓の向こうに まだ知らない物語の続き
この歌を 道連れに旅に出よう
行き止まりの先にもまだ途切れずに道は続いてる。
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たとえばこの世界が神様を必要としない世界なら
僕は 偉くもなく 何の力もないただの野良猫でいい
ちょうどいい具合に汚れたいの
いたずらもたくさん考えられるよ
遠い空から 落ちた涙のしずくが
水面を乱す波紋が生まれる
たったいちどの命の悪あがき
跳ねた瞬間それは形になったよ
まるで、偶然の芸術 ミルククラウン
たとえばこの世界から道という道をなくしたなら
何を頼りに僕らは 朝を見つければいいの
迷子のように 地図を手にしながら迷うなら
地図などなんの役に立つのでしょう
それはさだめられた終わりのように
ページをめくる前に既に決まってたこと
たったいちどの命の悪あがき
跳ねた瞬間それは形になったよ
まるで、偶然の芸術 ミルククラウン
言葉に 頼りすぎたばかりに
僕はいつからか 色をなくしていた
僕の頭に相応しい
ミルククラウン
真っ白に 濁って
それでもちゃんと
僕を輝かせてくれる。
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羽があればいいのにね でも僕は鳥じゃない
鱗でもあればいいのにね でも僕は魚でもない
覗き込んだ 双眼鏡の向こう
微生物みたいな 宇宙飛行士が 笑った
いつか聴いた歌が また 返り咲くような
素敵なことのはじまり
君は宇宙飛行士になりたいと 画用紙に
描いたよ 宇宙服を着た君がいた
でも今は バイトで暮らしをつなぐ日々
今日も出る日だ そこはかとない憂うつが
窓の外で 待ち構えている。
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もう少し目を養わなければ
見えないものばかりさこの世界は
そこにあるものさえすべて嘘なら
何を宛にして信じればいいんだ
理不尽に引かれた出発点から
どれだけ遠退いても答えは同じだ
スタートラインから見える世界は
仕方がないくらいありきたりだ
だからほら恐れる気持ち引っ込めて
前に踏み出そうと勇気を出しているんだよ
雨上がりに虹を架けるのは 太陽の役割じゃない
悲しみを越えたときに 君が流す涙が
虹に変わるんだよ。
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切なさが駆け巡るよ
通りの木々も すっかり色づいてる
もう少しもしないうちに散ってしまうね
懐かしい横顔がまだ忘れられないのは君も同じかい?
紅茶色に染まった黄昏の街並みは
そこにいる誰もを切なさで包むから
笑った顔が夕日で赤く染まった
お腹もすいたよ まっすぐ家に帰ろう
月明かりが つくった光の道をたどって。
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たしかなものなんて何ひとつなくていい
不確かなものばかりの世界には
こんな曖昧であやふやな色がお似合いさ
笑ったそばから泣いてしまうよ
悲しむ前からずっと悲しいかのように
まるで行ったり来たりの振り子のようだ
淡雪みたいに ふれたそばからとけてしまいそうな思いを
たとえば言葉にしたなら 君は笑ってくれるだろうか
世界は 昨日よりずっと心なしか 遠くなっている
そんな気がするのは空を見上げすぎているからかな
降りだした雨を よけるための傘なら
これを使うといい お古だけど使い勝手がいい
あたためておいたんだ わがままな誰かさんのために
跡形もなくなってしまうけど それでもいいんだ
そして冬を迎えた街を白く染める
凍りついたような街は 誰かを思う気持ちまで白く染めて
届かないと知りながら僕は君にぐっと手を伸ばす
汚れのない白さに染まるほど僕は自分の汚さに気づく
そんな気がするのは 気のせいなんかじゃなさそうさ
クリスマスを間近にひかえた街並みは
どこかそわそわと忙しない
きらびやかな装飾と輝く星で あしらったツリーは 見ものだね
今年も見れるかなあ
淡雪みたいに ふれたそばからとけてしまいそうな思いを
たとえば言葉にしたなら 君は笑ってくれるだろうか
世界は 昨日よりずっと心なしか 遠くなっている
そんな気がするのは空を見上げすぎているからかな。
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通り過ぎていく 雨の音に
耳を傾ければ それは命の終わる音に似ていた
小さな悲しみもこの心を引き裂くには
十分過ぎるくらいなんだ
さよなら 夏の日に
宵闇の中に 浮かんだ
最後の命を 燃やす
蛍火の青白い炎に
優しく抱きしめられて
咲いては散りゆく花のかたち
宿命のように さだめられた終わりを恐れるあまりに
美しいものが見えなくなったの
こんなにも大切なものはそばにあるのに
つかの間のまぼろし
祭り囃子をかき消し
静けさの中に描いた
鬼灯色の夢の渡し船
心を乗せて明日の空へ
叶わぬ恋と 今は過ぎて
風の色が 変わったら
少しずつ 思い出すよ
あなたの横顔
ガラス細工のような きめ細やかな心
さよなら 夏の日に
宵闇の中に 浮かんだ
最後の命を 燃やす
蛍火の青白い炎に
優しく抱きしめられて
つかの間のまぼろし
祭り囃子をかき消し
静けさの中に描いた
鬼灯色の夢の渡し船
心を乗せて明日の空へ
花火の音に 紛れて
鳴きやむ 蝉の声。
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先ずは とりあえずページをめくるところから
取っ手なんて便利なものはない
ただひとつの概念を信じて疑わない
単純なほど僕は原色に近かったね
混ぜ合わせることも知らない
パレットで 違う色同士が重なって
新しい色になるのに
世界は いつも ここにあって
君を見つめているんだよ
そして 君は君の世界を生きていて
僕は僕の世界を歩いている
その二つの世界にたいした違いはない
けれど、同じ世界というには
きっとなにかが違うんだろう
まぶしいくらい 君は世界を愛している
手にした絵筆で世界を染めている
下書きもしないで
はみ出したって 気にしないさ
はみ出すくらいがちょうどいい
常識という物差しを手にしたときから
僕は 世界を 勝手な尺度で計っていたよ
でももう必要ないね
誰にとっても世界は世界なのに
君と僕が見てる世界はすれ違うばかり
悲しみひとつにしたって色違い
何を憂い何を愛しているのか
語り出せばきりもなく 途方もない
空を染める青にしたって同じじゃない
君が見てる青と僕が見てる青は同じだ
ただ世界の受け取りかたが違うために
目の前を染める色は同じであって違う色
信じることを疑ったときに既成概念は死んだよ
僕はもう 二度と計算せずに信じることはない
いつも計算ずくで世界を見ているんだ
世界は いつも ここにあって
君を見つめているんだよ
そして 君は君の世界を生きていて
僕は僕の世界を歩いている
その二つの世界にたいした違いはない
けれど、同じ世界というには
きっとなにかが違うんだろう
まぶしいくらい 君は世界を愛している
わざとらしいくらい君は世界に 染められている。