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ヒーローがながったらしく
前口上をやっている間は怪人や怪獣は手を出さない
律儀に前口上が終わるのを待ってから攻撃するから場合によってはヒーローより礼儀正しい
ヒーローはなぜか素顔を知られてはならない
以外に顔は普通だったりするし職業も自由な無職やフリーターだったりする
しかもただ働きが多い
的組織側の戦闘員はいくらでも補充可能で次の戦いのときにはさんざん苦労して倒したはずの戦闘員がバカみたいに復活している
なぜかどの特撮も最後感動巨編にしたがるから簡単にヒーローが死んだりする
あれだけやられてもヒーローの服やスーツはやぶれないし焦げあとさえもない。傷ついたりやぶれたりしてもほんの少し。
制作費を削るためにヒーローの中身はおっさんとかがやることが多い
CGを使ってもやたら光っててとにかく何が行われてるんだかよく見えない
ヒーローの決め台詞はそれほどかっこよくないし、ヒロインはそれほどきれいでもない
さらわれたり人質にされるのはいつも子供か女で男はせいぜい怪人にされるか気絶させられるかのどちらか。
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王様が変わってからというものおかしな法律ができはじめた。
その中でも一番おかしな法律は色彩識別という法律だ。
極端な王様は国に争いが起こらないよう徹底した平和活動と銘打ちその法律を作ったようたが、
まず、色分けされたプレートを名札のように胸につけられる。
そのプレートは濃淡の濃い青から徐々に薄くなり最後は透明に近い青がある。
濃い順から国に逆らわぬ国民にふさわしい健全な人間という基準らしいが、それはかなり微妙なものでありたまに色を間違えて処罰されるということもあった。
だが、王様はそれでもその識別法をやめなかった。
ある日、王様より上の位の王々様にあなたの識別がまだ済んでおりませんと言われたので王様は識別するための機械に自分のデータを読み込ませ結果を待った
すると機械がこう告げた。
「アナタノココロハケガレテイル。タミノカナシミニモキヅケナイヨウデハトウテイイキテルシカクナシ。ヨッテオウイハクダツオヨビシケイヲメイジル」
それを聞いた王々様は王様を断頭台で死刑にした。
死ぬ直前、助けを懇願した王様に王々様が冷ややかに言った言葉が国民を凍らせた
「オマエガジブンデキメタホウリツダロサイゴマデセキニンヲモテ」
民たちは口をそろえて言った。
「なぜ王様は自ら死んだのだろうか」
その後王様以外に王々様を見た人、あるいは知っている人はいない。
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いつからだろうこの国で戦争がなくなったのは。
戦争で人が無惨に死ぬのが馬鹿馬鹿しいとやっと気づいた政府が戦争を放棄し銃や刃物の一切をこの国から完全になくした。
銃や刃物はリサイクルされどろどろに溶かされ固められ町のオブジェや机や椅子などに生まれ変わった。
平和は約束されたのである。
だが、その代わりに少しでも政府に逆らったり平和に異を唱えるものがあらわれた場合には容赦なく射殺された。
なかには子を身ごもった女や学生などもいた。
平和と引き換えに人は戦争よりもおぞましい間違った何かで平和そのものを取り違えて
人々の自由な思想や命の尊厳を平和という名目で奪った。
戦争がなくなってそれからまもなく国家は何年もしないうちに滅びた。
戦争はその後続いたが、人々はそれでも前の国家よりは平和だと心穏やかに新しい国で毎日を健やかに暮らしたという。
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ここはとある国。名をクリーンランドという。
クリーンランドにはきれいな人間しか暮らせない。
人を憎まない。人を傷つけないことは勿論、争いの引き金になるような思想の持ち主はこの国では死刑の対象になり大人子供に関わらず罰せられる。
一年に一度(清浄測定診断)がある。
測定器のメーターが一定の数値以上を越えると死刑が確定する。
ある女と黄色いタグをぶら下げた男が測定器の前に並ばされる。
黄色いタグはギリギリのラインにいるいわば危険な要因を持った者につけられる。
女と男が交互に診断される。
測定器は機械的な音声で言った
「右の女はアウト」
「左の男はセーフ」
アウトと診断された女は逆上し、なぜだと言うと測定器はまた機械的な音声で答える。
「あな…たは確かに清らかな心の持ち主だ。まるで絵に描いたような。教会に毎日足しげく通い身なりもきちんとし、処女を守りも健全な数値を示している。だが、心が汚れている。どんなにきれいな自分を装おってもそれは仮面で隠したあなたの素顔ではない。よって偽りのクリーンさは十分死刑に値する」
それを聞いた女は泣き崩れた。男はそんな女にこう言った。
「あんたは可哀想だ。俺みたいな穀潰しは死刑になってもいいが、あんたみたいなきれいな人は死刑になったら可哀想だ」
それを聞いた女はポロポロと涙を流し心の底から反省した。
そして測定器は女に近づくと青いタグを渡した。
「今ならあなたは生まれ変われる。自分の犯した行いに反省できる人間は清浄だ」
タグを受け取った女はありがとうという言葉を何度も何度も繰り返し呟きその場に泣き崩れた。
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旅人が長い旅路を歩いていた
旅人は疲れきり今にもたおれそうだ
やがて旅人はついに行きだおれてしまった
そこにあらわれた神様が旅人の前に小さなリンゴの樹を生やした
神様はリンゴを食べなさいと言うと旅人は首を振り
「リンゴは食べられません」と言った
「なぜだ?リンゴは嫌いなのか?」と問うと
旅人はまたも首を振り「大きなリンゴの横には小さなリンゴが2つ生っている。私にはそのリンゴが大きなリンゴの子供に思えて仕方ない。リンゴを食べてしまったら小さなリンゴは2つきりになってしまう。私にはそのリンゴたちを引き離す資格はありませぬ」
それを聞いた神様が悩んでるうちにそう言ってやがて旅人は息絶えてしまう
だがこんなにやさしい人間を死なせたとあってはあまりに不憫
神様は旅人を転生させた。旅人は神様の計らいで金持ちの王様に生まれ変わったが、旅人は王位を振るうことはなく貧しい民に無償で食料や薬を与えるような心優しき王様になった。
その王様は死んだあとも後世にまで語り継がれるような偉大な王様になりました。
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昨日までは 真っ白だったスニーカーも
いつの間にか傷だらけになって
僕のようにたくさんのドラマを重ねて
泥にまみれ 汗に濡れて すり減って
それでも 今を懸命に僕と生きている
前に踏み出すときはまずどんなときもこの一歩から
ずるして一段抜かして飛び越えることなんかできやしないから
一歩ずつ前に前に 少しずつ叶えたい夢に近づいていこう
「何のために」「誰のために」僕らは生きているんだろう
その答えは歩き出した今はまだわからない
もう少し傷つかなきゃ もう少し苦しまなきゃ
地平線の向こうまで走り抜けていこう
希望なんてきれいな言葉だけど そんなもの余裕のあるときにしか信じられない
生きたい気持ちを削ぐように雨は降り続く 前も見えないくらい
太陽をこの手に閉じ込めて 二度と離すまいと強く握った
なんとなくとか そんな曖昧な理由で
生きているわけじゃない そんなわけはない
でも今は答えられないよ 解答欄は白紙のままさ
前に踏み出すときはまずどんなときもこの一歩から
ずるして一段抜かして飛び越えることなんかできやしないから
一歩ずつ前に前に 少しずつ叶えたい夢に近づいていこう。
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こうして目を閉じるといつも瞼の裏に君がいる
アイラブユーなんてカッコいい台詞 言えないけれど
永遠の愛を誓うから 悲しいときもうれしいときもそばにいてください
きれいにそろえられた 玄関の靴みたいに
いつでも 寄り添っていられたならいいな
でも時々 イライラして 脱ぎ散らかしたようになって 二人は離ればなれになって
喧嘩するときがあっても あとから気づいて きれいにそろえている
寄り添うように そろえられた靴は 今日も 仲良く 同じ明日を 爪先が向いてる
僕の両足を優しく包むぬくもりは まるで君のようさ。
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言い過ぎかなと気づいたときには
君はもう 傷ついたあとだったよ
今さら謝るのもなんだか情けないから
強がるばかりで意地を張るばかりで
君にごめんの一言さえ言えない
君は今頃何をしているんだろう
もしかしたら泣いてやしないかなあ
傷つけたのは僕なのにおかしいよね
君のこと今度は心配してるんだから
勝手な奴と 笑ってくれれば楽なのに
君は優しいからこんな僕のこと許してくれるんだろう 謝るのはいつも君からだ
悪いのは僕なのに いつも謝らせてしまってごめんね
悲しいときに真っ先に心配してくれるのは
君なのに僕は君を困らせてばかりだね
相合い傘している僕はいつの間にか
君が肩を濡らすのも気づかなくなってた
守らなきゃいけないのは僕の方なのに
ほんのささやかな瞬間も目が離せない
さりげないときなんでもない場面に
気づくと僕の瞳に映る君の笑顔
太陽みたいに輝いて僕を照らしている
こんな情けなくてだらしない僕のことを
この世界で一番愛してくれている君に
幸せをあげられないようでは申し訳が立ちません だから
これから先、君と歩く人生で 少しずつでも君に幸せをあげたい
そしていつの日かこの世界をあとにする日
どちらが先でもあとでも
幸せだったと 笑えたならいいな
君が笑ってくれたならいいな。
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どうか泣かないで
でも無理に笑わないで
難しいことを言ってるよね
僕は慰めるのも
なだめるのもへたくそだ
どうすればいいか
わからなくて迷ったり慌てたりしてる始末だ
どしゃ降りの夜
雨の中に紛らせたのは
泣き声と涙
いいんだよ いいんだよ
好きなだけ 泣けばいい
気のすむまで泣けばいい
僕が願うのは いつでも君の幸せただひとつ
明日は笑えますように。