詩人:どるとる | [投票][編集] |
てくてくと世界を見渡していたら
何が正しいかがわからなくなってきた
地球の裏の海の向こうではまた違う正しさがある
色も形もない掟に縛られて身動きとれずにいるなら
決まりきった額からはみ出そう
道を 外れよう レールの上を歩くのも
そろそろ飽きたから
ページの向こうへ旅に出よう
地図さえもない宛のない
物語のはじまりはじまり
地球儀回して ふと考える
僕は何があっても僕だということを思い出して
少しうれしくなる
少し悲しくなる
満たされていく
この思いは何だろう
決まりきった額からはみ出そう
道を 外れよう レールの上を歩くのも
そろそろ飽きたから
ページの向こうへ旅に出よう
地図さえもない宛のない
物語のはじまりはじまり
君だけのショーの幕開け
生きる楽しさを忘れないで。
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ページの向こうへ行きたくて
知らない人に会いたくて
知らない街をたずねたくて
知らない風に 吹かれたくて
窓を開けたら あとは簡単
踏み出すだけだ 勇気をだしてあともう一歩
季節の花が 咲いて
まだ名前のない
白い綿毛が腰をおろすその場所に
新しい 命が 物語を描くでしょう
僕は何かに急かされるようにページをめくる
その先へ行きたくて
すべてを見届けたくて
ページの向こうへ行きたくて。
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高架下の暗がりで
見つけた小さな希望にも似た光
暗い暗い 夜の中
下手くそな 笑顔浮かべた
ストロボみたいに瞬いては
消えてゆく 光の魚
海もない街に そっと落ちる影
今日もまた退屈で
明日もきっと退屈で
やることが何もないから
意味もなく泣いていよう
意味もなく笑っていよう
意味もなく生きていよう。
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波が 押し寄せては引いてゆくような
時間の満ち引きは 人の生き死にの形
誰かのかつての暮らしが瞼の裏に 映る
笑い声も泣き声も重ねた手のひらも
何気なくて 何でもない日常がすべて
思い出と呼べるものをひとつひとつ
数えては 刻み込むんだよ胸の一番奥にしまっている ひとりにひとつのヒストリー
目を閉じて また開くように
瞬く間に過ぎてく あっという間のストーリー
交わした口づけの数も覚えている
つないだ手のあたたかさも覚えている
いつかそれもすべて忘れてしまうんだろうか
ほどけていく記憶の靴紐を また結び直して いつもは通りすぎるだけの景色に重ねている愛しい痛み
歩きだして 立ち止まるとき
気づいた 暮れていく空の色が
こんなにきれいだったこと
しばらく忘れていた
見とれてしまうほどに
思い出と呼べるものをひとつひとつ
数えては 刻み込むんだよ胸の一番奥にしまっている ひとりにひとつのヒストリー淡く はかない 朝焼け色のヒストリー。
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ほら終わらないパーティーのはじまり
ラブロマンスに甘い口づけを どうぞ
種も仕掛けもありません
だけどひたすら不思議だわ
マジックみたいにほらステッキひと振りで
シルクハットから鳩やトランプが飛び出す仕掛け
おもしろいが たのしいが
まだまだ 目白押し
悲しいことも 嬉しいことも
まだまだ 始まったばかり
リタイアするには 早すぎる
ほら、次のステップへ
ワンツースリーで 夜が明ける
それはまるで魔法だわ
サーカスのスターのよう 綱渡りも軽々と
落ちそうで落ちない 見事なバランス
ピエロみたいになりたいけれど
涙を知らなければわからないこともある
コインを カップの中に 入れて 次開けたときには
コインが ジャラジャラ 溢れだす 不思議さ
おもしろいが たのしいが
まだまだ 目白押し
悲しいことも 嬉しいことも
まだまだ 始まったばかり
リタイアするには 早すぎる
ほら、次のステップへ
ワンツースリーで 夜が明ける
それはまるで魔法だわ
さあ 幕が開いたら
はじまりのはじまり
拍手のないショーのはじまり。
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あなたはこの世界が好きですか?
あなたは生きていて楽しいですか?
偽らずに ごまかさずに答えてほしいよ
悲しみっていう消えない痛みや苦しみに
耐え抜いたその先に何があるんだろう
生きる そしてまた 生きる その繰り返しの中で
気づいたことがあまりにも多すぎる
生きたいと思うほどに死にたいという気持ちがあとからついてくる
戦争があったってどうでもいい
いじめがあったってどうでもいい
降りやまない雨に 言葉は通じない
人のことより 自分可愛さに生きている
他人の心配なんかしている暇はないし
そんな余裕さえない
だから きれいごとは言えないけれど
僕は優しさっていうおせっかいで
気が向いたら誰かの涙を受け流す傘になるよ
だって生きることは誰にとっても同じだから
あなたは 愛することを知っているかい?
あなたは 愛されたことがありますか?
満足に自分の子供も育てられないなんて
自分で生んでおいてどの口が言うんだろう
ならば最初から生むべきじゃなかったね
でも不思議と愛を知らない筈の子供たちほど優しさを知っている
愛してくれなんて言わないよ子供はただあなたを見つめて
可愛そうだって あなたを哀れみこそすれ憎まない
僕らは その手に持っている
一人では大きすぎる傘を
少しおせっかいになってみよう
自分も傷つくのも嫌だ 他人が傷つくのも嫌だ
見て見ぬふりはできない 必ず心が痛むから
やさしさはきっと 僕らの狡さや怠けるのを 戒めるためにあって
自分一人で 幸せになるんじゃなくて みんなと幸せにならないと どこか晴れない
そんなふうに心はできている
道に迷ってしまうときは そっと目を閉じて
雨に濡れているのは自分だけじゃないと気づくから
僕は君の涙を笑えない 笑わない。
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流れるままに 歩いていたら
行き着いた未来は あの頃イメージしてた
未来とは少しだけ 色が 違っていた
変わりゆく世界でいつまでも変わらないものを
探すけれど道に迷ってばかりだ
今にも泣きだしそうな 今にも笑いだしそうな
君の顔を ただ見ているだけで楽しい
そこに咲いている花も 吹き抜けていく風も 何かが違っても僕らはきっと
僕らにはなれなかった
そんな宛もない想像で 胸を満たして いつの間にか 長い夜がまたひとつ明けている
昨日出会ったたくさんの人たちと
また何処かで出会えますように祈る
引き出しの中の終わらない夢の下書き
昨日僕が見ていた世界は 今日の世界と同じはずなのに
雨が止んだだけでこんなに違って見える
勝手気ままに描いている夜明けのイメージは群れをなす鳥たちが羽ばたいていくような
同じ陽射しに照らされながら同じ雨に濡れていても
感じる気持ちや見聞きするものが違うよ
だから僕らの心はいつまでも ひとつにはなれない だけどひとつにならないからおもしろい
ふいに 目を閉じて
耳をすませば ほら
なんとなく どことなく
誰かの笑い声
その向こうに ある
生きているってささやくように
脈打つ 無数の音
そこに咲いている花も 吹き抜けていく風も 何かが違っても僕らはきっと
僕らにはなれなかった
そんな宛もない想像で 胸を満たして いつの間にか 長い夜がまたひとつ明けている
新しいページから 一日がはじまっていく。
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なくしたものが多すぎる
生きていくたびになくしていく
そして残った見えないものが
やがて名前のない思い出になって
あなたの晩年を黄昏に染めてくれる
何を願おうか
この星に生きるたくさんの人の幸せを願うには
僕はあまりに欲張りすぎるから とりあえず願わずに
今は星を見送ろう。
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夜の中に そっと紛れ込むように
誰かの寂しさが 見え隠れする通り
涙を流すことを 恥ずかしがる人たちは
涙を流すことを 弱さのあらわれだと笑う
間違いだらけのあなたの正しさは
なんて悲しい色をしているんだろうか
目を閉じて 耳をすまして
見えるものや聞こえるもの
ひとつひとつ ちゃんとふれてごらん
そこにあるなんでもないような
毎日の片隅にそっと咲いている花に。
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昨晩降った雨が 残した足跡
記憶の中に 刻まれた 傷跡のように
何気なく さりげなく 通りすぎるだけの
時間は雨のように 痛みさえ昔話にする
そして僕の中には涙のかけらだけが残る
愛してるやアイラブユーじゃ
誰かを 幸せにすることはできない
あなたは 笑ってくれるだろうか
こんな僕の不甲斐なさや情けなさまで
愛して欲しいのさ 本当のとこはね
いくつもの 命が紡ぐ物語
どんなに長く思えても 永遠じゃない
下らなくてありふれてて それでいて
特別な何かを僕らはひとつ持っている
それを手にしたときから人生ははじまる
ただいまやおかえりが当たり前に聞こえる
そんな場所でいつも誰かの体温感じていたい
あなたは 教えてくれたよね
誰かに愛されること誰かを愛すること
その喜びや悲しみまで
ほら なんでもないって顔でもわかるよ
君が 今にも泣きそうなこと
巧妙に弱いとこ隠して強がっても
僕にはばれてしまうんだ お互い様だね
愛してるやアイラブユーじゃ
誰かを 幸せにすることはできない
あなたは 笑ってくれるだろうか
こんな僕の不甲斐なさや情けなさまで
愛して欲しいのさ 本当のとこはね。