詩人:どるとる | [投票][編集] |
気づけば たどり着いていた
こんな夜に
眠れないから 明かしてしまう
寂しさや 切なさなんかには
もう慣れたはずなのに
思い出すたびに雨が降る
泣きたくなる夜がある
笑えない夜がある
八つ当たりする夜がある
片付かない夜がある
眠れない 夜がある
しょうがない夜がある
せめて仕方のない人ねと笑ってよ
生きることが 明日から
少しでも 苦しくないように
気づけば 夜は明けていた
朝のテーブルに
並んだパンとスープ
あくびしながら食べたから
味なんか わからない
かみしめるほどに にじみ出る
蹴躓く夜がある
うまくいかない夜がある
どうしようもなく明ける夜
朝になって カーテン開けて
顔洗って 新聞とって
案外 頑張ってる 日々がある
ほめてくれる人はいないけど
馬鹿にするなら見てないとこで笑ってよ
星を 数える夜がある
数える星もない夜もある
今夜はどんな夜でしょうか
たどり着いたその夜は
涙に 濡れた夜ですか
笑顔にあふれた夜ですか
箱を開けてみなけりゃわかりません
あとは仕上げをごろうじろ
日も暮れて ゆうやみ
夜は 目と鼻の先
咲いてる
泣きたくなる夜がある
笑えない夜がある
八つ当たりする夜がある
片付かない夜がある
眠れない 夜がある
しょうがない夜がある
せめて仕方のない人ねと笑ってよ
生きることが 明日から
少しでも 苦しくないように
馬鹿にするなら
知らん顔して 笑ってよ。
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僕が歳をとれば
あなたも歳をとる
たとえば百まで
生きるなら
もう少し 笑わなければ
もう少し 泣かなければ
うれしいこと かなしいこと
たくさん 知りたい
よく食べて よく寝て
よく しゃべる
たとえば百まで
生きるなら
もう少し 歩かなければ
もう少し 走らなければ
あわてずに 騒がずに
急ぐこともなく
よく遊び 程よく愛されて 愛して
誰かのお世話になりながら
誰かに 迷惑もかけながら
生きたいと思う
気持ちだけは
けっしてなくさないように
生きたいと思う
道しるべは
あなただと 言えるように
いつの間にか
あなたと肩を並べてる
歳も背丈も
そんな誰かと
いつか 百まで生きよう
いつか 百まで生きよう
そしてある晴れた日
静かに 空に 昇る
静かに 空に 昇る。
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あるはずもない永遠を探していた
漂うように さまよいながら
いくらきれいな愛の言葉で
永遠を 誓ってもやがて人は死ぬから
そんな出来もしない約束はしない
それは死ぬまでのわずかな束の間の約束だ
だけど僕は何度でも嘘をつくよ
昨日よりも今日はもっと
今日よりも明日はもっと
君を 愛してる 愛せるはずだ
永遠なんかないことくらいわかっている
だけど強がるように意地を張るように
君の前でだけは 強気でいたいのさ
こんな僕は罪深いだろうか
長い時間をかけてつくった思い出より
ほんの一瞬の心地よさがいい
さんざん傷つけあったよね
それでも飽きたらずまた僕らは愛し合う
そんなどうしようもない二人なんです
それは 死ぬまでずっと多分変わらないから
同じようにあたためてきた思いも変わることはない
「好き」は「好き」のままだよ
今から数年後はもっと
数十年後ならもっともっと
君を幸せにできる
しなくちゃ駄目だ
永遠の愛を与えられない代わりに
せめてもの限られた残り少ない僕の時間を
全部 君のために費やしても惜しくはない
永遠はきっと限られた時間の中にこそあるものだと僕らは まだ知らない
積み重ねた 日々の中に
ひとつ またひとつ
増えていく 他愛ない場面
泣いたり笑ったり たまには喧嘩したり
とてもじゃないが
限られた時間を与えられてる自覚もないまま
ただ ふてくされたように 過ぎてく
時間を 野放しにしてる 毎日だけど
それもまたいい
昨日よりも今日はもっと
今日よりも明日はもっと
君を 愛してる 愛せるはずだ
永遠なんかないことくらいわかっている
だけど強がるように意地を張るように
君の前でだけは 強気でいたいのさ
こんな僕は罪深いだろうか
こんな僕でも君を幸せに出来るだろうか
永遠なんて 途方もない時間がなくても。
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目を閉じると 瞼の裏に浮かぶ
たくさんの人の営み
その中にあるあなたの見てる景色
笑っているだろうか
泣いているだろうか
優しさに包まれながら
日々思い出を積み重ねているかなあ
あなたの思い出の中に灯る
小さな明かりになりたくて
数あるあなたが持っている
思い出の中にひときわ輝いていたくて
僕は愛の言葉を あなたの胸の中に
消えないように刻み込むように灯すのさ
真っ白な画用紙に描いた
幸せの形は ぶれずに今もありふれたままのイメージ
傷ついてやしないかな
寂しがってはいないかな
心配ばかりしてしまうよ 君のことを思いまた夜を明かす
一人にひとつだけの限られた命
けして長くはない時間の中で
築いていく思い出は灯火のよう
やがて風に消えるように忘れてしまう
それでも 僕らは今日も思い出をつくる
永遠のない世界に灯るほんのひと時の幸せ
繰り返される夜と朝を行き交うような旅
日は暮れて 夜が来て 気づいたことがひとつ
昨日よりも少しだけ僕は君を知っている
そして君は僕を知っている 隠しきれない傷跡の痛みも
あなたの思い出の中に灯る
小さな明かりになりたくて
数あるあなたが持っている
思い出の中にひときわ輝いていたくて
僕は愛の言葉を あなたの胸の中に
消えないように刻み込むように灯すのさ
永遠より かけがえのない 思い出という
ずっと消えない 灯火を 愛という言葉でそっと包んで。
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隠していた弱さを見透かされ
なすすべもない僕はごまかせず
往生際がわるいからあくびをした
意味もなく 笑ったり
わけもなく 泣きたくなるのは
なぜでしょうか
ただ 何度も行き交う
この思いは 宛もなく
朝を 探している
群からはぐれたように
さまよいながらやがて
群に落ち合う 迷子の光
雨が手のひらをつたい
落ちて こぼれた
誰かのかわりのように
何かのあてつけのように
ただ 何度も行き交う
この思いは 宛もなく
朝を 探している
群からはぐれたように
さまよいながらやがて
群に落ち合う 迷子の光。
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おはようと行ってきますを言うところから1日が始まる
ただいまとおかえりを言い交わすところで1日が終わる
疲れ果てた帰り道の途中で気づいた誰かの優しさ
僕には帰る場所がある
ただそれだけの揺るぎない安心
ただいまと言える人がいる
おかえりと言ってくれる人がいる
ただそれだけの揺るぎない幸せが
明日も僕を 送り出して 迎え入れてくれる
何度でも 何度でも 変わらないその繰り返しの中にいる僕は
何度でも気づくだろう その大切さに
あなたの存在の大きさなんかに
そのたびに涙を流しては ありがとうなんて言うんだろう
僕には帰る場所がある
ただそれだけの揺るぎない安心
ただいまと言える人がいる
おかえりと言ってくれる人がいる
ただそれだけの揺るぎない幸せが
明日も僕を 送り出して 迎え入れてくれる
今日も 君がいる
ただそれだけのことが何よりの幸せ
だから 届けるよ
君の心のポストへ
ただいま そして愛してる。
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流れていく人波に
少しずつ流されて
自分の色を忘れた
路線図に描かれた
いくつものレールを
指でなぞって追いかけた
どこに向かう旅だろう
旅人は迷い人 あてどもなくさまよう影
教えてよ 僕は このままどこへ行くんだろう
明日の続きを知りたいんだ まだやれることがある気がして
瞳の奥に焼きついたあの夕陽の赤いあかね色が離れない
咲いたばかりの花が
誰かに踏み潰されて
命の尊厳を無視して
理不尽に殺められる
いくつもの不条理から
目をそらしていた
耳をふさいでた
こんな僕は卑怯だろうか
嘘を吐くことを覚えた大人は汚れてるかい?
途端に広がった夕闇にのまれた街並みで 寂しさを抱いた
さよならさえも言えないまま 孤独になってしまったみたいだ
せめてこんな僕に希望と呼べるものがあるなら 明日晴れることを願うよ
この世界に 生まれたときから
僕は笑いたかったんだよ
たくさんの幸せに出会いたくて
微笑む君をこの瞳に描いて
僕は何かを守っていたつもりで自分自身を傷つけていたのかもしれない
教えてよ 僕は このままどこへ行くんだろう
明日の続きを知りたいんだ まだやれることがある気がして
瞳の奥に焼きついたあの夕陽の赤いあかね色が離れない
僕を独りにさせてくれない
まるで君は独りじゃないよと言うように。
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人だかりにのまれて
あっという間に
同じ色に染まった
つまらない人ねと
僕の変わりように
彼女は 呆れていた
ただ 愛のない
セックスを 繰り返して
快楽という言葉に隠した
弱さを 炙り出され僕は持てるすべての望みをなくした
僕は どこへ行くのか
あてどもなく風に吹かれ
一人でいるのが最近 楽になった
だけど 寂しさに気づいたとき
僕はどうしようもなく
自分の存在を 消したくなる
平気で 死にたいなんて言葉を口にしてる
日が 長くなると
夜が来るのが遅く
感じるのはなぜかな
下手くそと笑われ
知らない人の自慢話ばかり
いつまでも聞かされる
ただ 暇つぶしのような
付き合いを 続けてる
愛という きれいな言葉に隠した
醜さが時々 見え隠れして 傷つけあってごまかすのが常套手段
口づけは 余計なことを言わないように
言わせないようにするための手段
今夜で最後のセックスにしよう
こんな付き合いじゃ悲しすぎる
愛してもいない 気持ちよくもない
さよならの代わりにして
一度だけの 過ちを犯そう
砂嵐が 舞う
テレビの 画面
見つめたまま
君は ぼんやりとして
つぶやいた
「案外気持ちよかったわ」
皮肉みたいで 僕はいい気はしなかった
それでも まんざらでもないのよ
僕は どこへ行くのか
あてどもなく風に吹かれ
一人でいるのが最近 楽になった
だけど 寂しさに気づいたとき
僕はどうしようもなく
自分の存在を 消したくなる
平気で 死にたいなんて言葉を口にしてる。
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闇の中に 目を凝らすと あなたが笑う
いつかの思い出が そっとよみがえる
戯れに買った 水槽の中には魚はいない
戯れで生かされるほど命は小さくはない
僕は 少し長い 休息をとっている
それくらいに考えてもいいかな
瞼の裏に 描かれるイメージは
いつだって 手にしたものより
失ったものを 限りなく覚えている
もう戻らない 時間を刻みながら
途方もなく 季節は流れていく
僕らは一歩も戻れない
消えない痛みを忘れる為に 今を生きてる
いつしか 覚えた上手な嘘のつき方
あなたは疑いもせずに優しさをくれた
心を満たしているのは間に合わせの記憶
心満たされず注ぎ足したそばから乾いてく
それは 名前もない 色も形もない存在
だから意味を持たないただの無生物
この瞳の果てまでも広がる夜は
優しさなど知らないように
立ち止まる僕を置いて突き放してく
何をなくしたの?何がお望みなの?
答え合わせをしても意味はない
空欄のままの解答用紙
気休めのようなきれいな涙が空っぽを満たす
水もない 水槽には
目には見えない
一分一秒が
注がれていく
やがて あふれきった時が
こぼれたら あとはただ
再び空になるのを待つだけだ
瞼の裏に 描かれるイメージは
いつだって 手にしたものより
失ったものを 限りなく覚えている
もう戻らない 時間を刻みながら
途方もなく 季節は流れていく
僕らは一歩も戻れない
消えない痛みを忘れる為に 今を生きてる。
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優しい人だから
すぐに誰かの
痛みに気がついて
涙になる
優しい人だから
優しさが時に
仇になって
少しは 厳しくなれと
責められる
だけど優しさは生きていくのに
けっしてじゃまにはならないはずだ
他人にも自分にも優しいあなたが
涙を流すとき その涙を見た誰もが
優しい 優しい気持ちになるから
みんなあなたのように
優しい人なら
喧嘩なんかしない
戦争なんか起こらない
優しい人であるあまり
優しさのない世の中では
あなたのような人は
とても生きづらいことだろう
それは不憫だね
だけど優しくて何が悪いというのか
お節介や世話焼きは 有り難迷惑ですか
ただそこにあるのは誰かを思う気持ち
あなたの為によかれと思いしたことが
もしいらぬ世話ならせめて笑ってよ
人の思いや気持ちを素直に受け取れない
そんな へそ曲がりよ心をどこにやったの?
頭だけ 賢くて 心が備わらぬ 馬鹿者だ
少しは人の 気配りや気遣いを 知れ
だけど優しさは生きていくのに
けっしてじゃまにはならないはずだ
他人にも自分にも優しいあなたが
涙を流すとき その涙を見た誰もが
優しい 優しい気持ちになるから
心が人という形を 思い出すから。