詩人:どるとる | [投票][編集] |
風の残した足跡を
追いかけて 旅に出る
ページの先を目で追いかけてたら
いつの間にか見失ってしまったあらすじ
めくる ページの先
続いていく不順なストーリー
こちらの 予想を裏切って
枝分かれして
想像のはるか
先を行く
そしてまた始まるストーリー
風の行方は ページの彼方に消えて
そこからは 誰も知らないアナザーワールド
雲の影を 指でなぞり
輪郭を縁取れば 或いは
正しさってあやふやな
ものにも答えが見えるかな
いつの間にか
曖昧になった概念
夜明けに降る星
まだ描かれたばかりの世界
いくらだって僕らは不意を突かれて
裏をかかれて
何度だって
気付かされる
そしてまた 花を咲かす世界
探し物はページの彼方にあって
心は 惹きつけられていく アナザーワールド
誰かが おもむろに
つぶやく 世界は
踏み出した その一歩で
広がってゆく
見え方はひとつ
でも
捉え方は 限りなくあるって
だから僕は 騙されたって思うことにした
この夢の続きを見るために
めくる ページの先
続いていく不順なストーリー
こちらの 予想を裏切って
枝分かれして
想像のはるか
先を行く
そしてまた始まるストーリー
風の行方は ページの彼方に消えて
そこからは 誰も知らないアナザーワールド。
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気づかなかった自分の弱さを 知ったことで
今まで 気づけなかったことに 気づきました
きっと平和が何よりとかそんな大げさなことではなく
もっと身近な ありふれた毎日の片隅にある
愛や人の心の内側にあるであろう
ひそやかな 誰かが誰かを思うような
そんな名前のない気持ちに気を配ろう
ふいに開いた 手のひらに 咲いたのは
隠し続けてた僕の傷跡だ
傷跡が開けば血が流れる
でも 心に 負った傷跡からは
涙が 花のように零れるんだ
僕もこんなふうに泣くことがあるんだってわかったら
そんな僕を案外すんなり受け入れられた気がする
強がっていたときの僕は弱さをさらけ出していたね
優しさが 身にしみてわかるのは強がりを捨てたときだよ
ほら 素直になって向き合ったら
独りじゃないってわかる
ほんのささやかな 気持ちの通い合い
言葉にしなくてもちゃんと届くはず
君に見せたいって 無防備になってみたら
君は何も言わずに 僕を抱きしめた
傷跡は 時間が経てばふさがる
でも心に 負った傷跡はけして
どれだけの時間が経ってもふさがらない
愛なんて多分 一生わからない
決まりきった形や色のないものに
唯一なんてないから
だからこそ この名前のない気持ちは
時に 愛になって 言い訳にもなって
そして優しさになって 涙になって
僕の心の一番奥で
かけがえのないものになる
ふいに開いた 手のひらに 咲いたのは
隠し続けてた僕の傷跡だ
傷跡が開けば血が流れる
でも 心に 負った傷跡からは
涙が 花のように零れるんだ。
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僕は何も多分知らない
悲しいこともうれしいことも
誰かの痛みまでは見えない
目を閉じてしまえば
笑っているのか
泣いているのか
それさえ疑わしい
どうして 僕らは
誰かの為に
生きようとしても
せいぜい 出来るのは
ほんのささやかなこと
愛を目の前にしたらあまりに 僕らはちっぽけだ
目も耳も 本当の声や 光に 気づけないようじゃ
何の意味もない
ああ この心の中に生まれた 悲しみひとつ片づけられず
積み重なるばかりの涙を 数えては
過ぎていく日々に 流されてゆく
僕は形も色もない
ためらいも迷いも
捨てられずに すぐにしゃがみこむ
音も光もない世界に
咲いた虹の花
雨上がりに
とても似合っている
答えなんてないし
わからないことばかりだ
だから 時には
道に迷って 途方に暮れる
重ならないはずの音と光が重なり合って
暗闇に朝と夜を描いた
短い針と長い針が 奏でる 規則正しい旋律
ないものはなく あるものはある 世界の中でも
光は光で 音は音で
その片鱗を 僕の耳や目に届ける
だから ここにあるさ
目には映らない世界
耳には聞こえない世界
それはすべて 同じ世界
目も耳も 本当の声や 光に 気づけないようじゃ
何の意味もない
ああ この心の中に生まれた 悲しみひとつ片づけられず
積み重なるばかりの涙を 数えては
過ぎていく日々に 流されてゆく
まっさらな明日の
空に 今日を描いてる
真っ白な 明日の
空に 命を描いてる。
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まばたきの数秒が
ひどく 勿体なくて
でっぱなしの水道みたい
アセチレンの匂いと
下水道の匂いが
思い出だなんて
ばかばかしいね
煮え切らなくて
もどかしい
どこまでも続く道
その向こうの街
薄すぎる財布と
やたら 高い家賃
割に合わぬ現状
借金の催促と
止まったままの電気
広がる箱庭には
夢は欠片さえもない
ただ広々とした
孤独が 今日も亭主の帰りを待っている
ここは夢の惑星
引き返す道はない。
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狭い路地裏 二階建てのアパート
むさ苦しい 連中の真夏の夜
渦を巻く蚊取り線香と
麻雀牌を かき混ぜて
ビール片手に 女の話
ビルばかりの東京にも
ささやかながら
幸せはあるらしく
これくらいの
四畳半の暮らしが
ちょうどいい
親の不安をよそに
僕は 仕事を
辞めたけど
しばらく 貯金をくずしてビールを飲んで
その日暮らしの毎日です。
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この世界で 誰よりも幸せになってほしいと思う人がいる
だけど僕にはその人を幸せにすることは出来ないんです
大好きな 人が 大好きな人は僕じゃない から
君を幸せに出来るのはその人だけなのに
君が大好きな人は 君じゃない人が大好きだ
君は 報われない 恋をしたんだね
それでも 君は笑って 大好きなままでいると言った
君は僕を好きになってはくれないけど
君のこと 好きなままでもいいかな
互いに届かない思いを 抱えたままで
僕らはけっして 叶うことのない恋をした
たとえばこんな気持ちを愛と呼ぶなら
間違ったことなんて何ひとつないんだ
僕も誰かを好きになって たくさんの恋をしているけど
どんなふうに 好きな人に思いを伝えようかまだわからない
恋をしている それだけで満足してしまうのは
一歩踏み出すことがとてつもなく怖いから
愛してるとか大好きとか多分それだけじゃない
伝えたいことはもっと他にあるはずだ
叶わない恋でも届けた気持ちの数だけ
僕は ひとつまたひとつ 大人になっていく
やがて 僕の気持ちを受け止めてくれた人に
はじめて恋をした人にあげられなかった幸せを
たくさん 届けられたらいいなあって思う
僕らは 何度でも恋をするし恋にやぶれる
たとえば誰にも届かずに残された思いも愛と呼ぶなら
きっとそれも間違いじゃない
いつか 僕がおじいさんになっても
変わらず 同じ気持ちで好きと言えたなら
そんな恋が出来たならいいなあ
迷いもなく愛と呼べるくらい
誰かを 好きになりたいな。
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こうして目を閉じると
いろんなことが瞼の裏に映る
泣いたことや笑ったことまで
ほんのささやかな思い出の日々が
僕の歩いてきた道のりに刻まれてる
多分 歳をとっても今と何も変わらないよ
頭も悪くて 不器用で 短足で
短所を上げればきりがないほどだけど
君が好きなこの気持ちだけは 百年後も同じ色だ
君が好きなことに これといった理由なんて ないよ
格好つくようなことは言えないけど
たとえば 百歳になっても今と変わらずに
愛してるなんて 恥ずかしげもなく
言える二人でいたい
約束しよう
永遠に愛してる
まじまじと考えてみりゃ ささいなことほど大切だったりするよ
生まれてから 死んでゆくあいだの
わずかな時間の中で 一番長い時間
一緒にいる人だから大切にしたい
うまく言葉じゃ伝えきれないけど
歳をとるたび無口になる 気難しくなる
ごめんなさいも言えない僕だけど
素直な気持ちをさらけ出せば 感謝でいっぱいなんだよ
今は今の愛し方 百年後は百年後の愛し方
肝心なことは わきまえているつもりさ
いつか この心の中にしまったままの
思いを言葉にして
君に届けたいんだ
愛してくれてありがとう
僕を選んでくれて
ありがとう
永遠に愛している。
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大した ことはないさ
少しだけ つまずいただけだ
僕なんかよりずっと 苦しんでる人なら
世界を見渡してみりゃいくらだっているはずだ
なのにどうしてだろう僕は僕の世界しか見えない
通り過ぎた雨の 足跡がまだ
この胸の中に 刻みつけられているから
いつもの夜が いつものように
ただ過ぎ去ってゆくだけの ことなのに
どうしてなんだろう
今日はやけに 涙もろい
街の明かりが 僕に ささやくんです
もう 無理するのは やめないかって
優しげに 笑いかけるから まだ色もないこの気持ちは 容易く蒼く染まってしまう
放っておいてくれよ
そのうち この雨は降り止むだろうから
人生に立ち止まるとき 決まって僕らは
多くの場合 死を選ぼうとするけれど
なのにどうしてだろう命が尊くてとてもじゃないが手放せない
終電の窓の外に映る景色
どこまでも広がる闇と小さな家の明かり
こんな僕のことなんて放っておけばいいのに
おせっかいな人はどこにもいるもので
どっかの誰かさんのせいで 孤独になれやしない
どうしてって聞いたら
当たり前に言うんです
「あなたが好きだから」
それを 聞いた僕はいつも 返事に困ってしまうんです
まるでつまらないバラードのようで
恥ずかしいやら たまらないやら
胸の中が 切なくって 熱くって
君が いつもより まぶしく 見えたりしてしまう
いつもの夜が いつものように
ただ過ぎ去ってゆくだけの ことなのに
どうしてなんだろう
今日はやけに 涙もろい
街の明かりが 僕に ささやくんです
もう 無理するのは やめないかって
優しげに 笑いかけるから まだ色もないこの気持ちは 容易く蒼く染まってしまう
染まったそばから君は いとも容易くその寂しさを紛らわせてしまう
だから僕は当分簡単には死ねない。
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迷い込んでしまう わがままな宇宙に広げた
自分だけの箱庭
幸せは 確かにそこにあった
孤独と引きかえにして手に入れた
悲しい自由のように
誰かの書いたあらすじ
行き場のない憧れ
背もたれのない椅子
不安が 空虚を満たす
回り続ける 錆び付いた 歯車
軋みながら この世界の時を刻む
気まぐれな風に 吹かれながら
それでも 闇の中で光を探した
明日のその先を追いかけながら 宇宙の闇に 眼差しを投げた
争いは 世界の終わりまで続き
ついに僕らは 道しるべを失った
正しさなんてまやかしなんだ
宛先のない手紙
全員に向けられた殺意
ふいに訪れる 夕闇
雨の気配を 連れて
すべての人の悲しみを歯車は
歌うように 口ずさみながら時を刻む
それをただ バラードと呼んでしまうには
それはあまりに 安易だろう
それでも 希望は 確かに あるのです
誰かの生と死を
なんの感情もなく
見送る この心や
この体は
もう麻痺してしまって
いちいち 痛いとか
苦しいとか 忘れたがってる
だから もう何も聞きたくない
何も見たくない
目と耳をふさいだ
その途端、世界は死んだよ
回り続ける 錆び付いた 歯車
軋みながら この世界の時を刻む
気まぐれな風に 吹かれながら
それでも 闇の中で光を探した
入り口もない世界で出口を探した
せめてもの愛を探した。