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どるとるの部屋  〜 新着順表示 〜


[6115] 25年後
詩人:どるとる [投票][編集]


どれだけ 季節が巡って
どれだけ 時代が過ぎただろう
まだ子供だった僕は君に頼ってばかりいた
時には喧嘩して しばらく口もきかない日もあったね
でも また気づけば 寂しくなって
照れくさそうに 仲直りしたね

心のいちばん奥に いつかみんなで埋めたタイムカプセルを今 開けよう
きっと数えきれないほどの思い出が 全部は思い出せないくらい よみがえるよ
君がいない25年後の 未来で

いつまで子供のままでいられるんだろう
いつから大人ですか?
雨の降る日には 君が傘を忘れた僕に 傘を届けてくれた
晴れた日も 家の前で僕を迎えてくれた
多分そんなことのひとつひとつが
今思えば思い出と呼べるのかな

大切なものはどんなに時間が流れても変わらないんだね
あの頃のまま
もう僕は あの頃のように君を呼べない
呼んじゃいけない だからまた25年後へ
思い出を タイムカプセルにしまう

君が笑っている 胸の奥のほうで
おかしいだろう今でも 君の名前を呼べば 返事をくれる気がしてるよ

心のいちばん奥に いつかみんなで埋めたタイムカプセルを今 開けよう
きっと数えきれないほどの思い出が 全部は思い出せないくらい よみがえるよ
君がいない25年後の 未来で。

2015/03/06 (Fri)

[6114] 晴れときどきワールドエンド
詩人:どるとる [投票][編集]


赤い傘差した女が雨も降ってないのに
赤い傘差して女は歩いてる 笑いながら
真っ赤な歯茎を見せて 女はいつまでも笑う
女は今日も晴れた空の下 赤い傘差して歩いてる 笑いながら

いよいよ世界の終わりが来たのかな
その影響が赤い傘差したあの女を変えたのかな

晴れときどきワールドエンド 今日で生まれ変わろう
晴れときどきワールドエンド もう抜け殻だけ残して 脱皮しよう 僕から

暑さを無視してコートを着た人や
寒さを無視して水着で歩く人
数千円の何かを買うとき一円玉数千枚で払う人や
スカートを履いたサラリーマンに
「我に光を」なる看板掲げた男女の集団
魚の生き肝を神と崇める宗教団体

狂気と正気はすれすれのところに位置してる 紙一重 あかさたな 憂いに満ちた日曜日

晴れときどきワールドエンド つかの間の幸福が崩れ去る音がする
晴れときどきワールドエンド 晴れが一瞬にして 雨に変わるように

赤い傘もいつしか存在意義を失くして
女の手を離れ 隔離された部屋の中 女のスペルが埋め尽くす壁を遺すのみ

いよいよ世界の終末が来たのかな
その影響で全ての人は他人を信じられなくなった 幻想

晴れときどきワールドエンド 今日で生まれ変わろう
晴れときどきワールドエンド もう抜け殻だけ残して 脱皮しよう 僕から

苦しまなくてもいい
天より 神が来たりて そのお言葉を授かれば僕はまた僕のまま
悲しめる 苦しめる
もがき あがける
なんて幸せなんだろうか

エピローグはもうすぐ
終止符を打とう
あの女の笑顔が咲いたら。

2015/03/06 (Fri)

[6113] 風を読む産声
詩人:どるとる [投票][編集]


ページをめくるよ
見えない指先が
朝を呼ぶように手招きしてる
神様のいない世界だ
そのくせ人は
掟の中でしか
平和も秩序も保てない
息をすることさえ苦しい

だから だから 僕は鳥かごの中で
飛べずにいる自分の心を解き放ったのさ
箱庭は 広がって 広がって やがて大きな世界になる 宇宙になる

そして何千何万世代の血を繋げていくよ
君がその血を与えられたように
また誰かが 生まれるその時 君の血を分けた子供の産声が上がる

風が夢と戯れてるよ
目に見えるものが
すべてと言う君が感じているものは
果たしてなんなんだ
教えてくださいな
見えないものさえも
ここにある不思議
でも僕らは風を読んでいる

だから だから 僕は機械仕掛けの心臓に
血を求めて 痛みを神様に欲したんだろう
生きていることを体中でもっと感じたくて曖昧な命に息を吹き込んだんだろう

そして何百何千年もの時間の果てで
誰かがまた 風を読む そこにあるものをただ見つめるだけでは何ひとつ見えない
風を読むように象られる命の形 指先でその輪郭をなぞれば

世界が 君のあやふやな命を鮮やかに色づけるだろう。

2015/03/06 (Fri)

[6112] デジャヴ
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今日の景色は いつか見たような景色だ
昨日の世界と今日の世界は同じだから
昨日の続きを僕たちは生きてるに過ぎない
覚えていたくない記憶もちゃんと
引き継がれ 受け継がれ
また同じことの繰り返し

巡って 廻って 三度デジャヴの渦の真ん中へ
寄せて 引いて また寄せる デジャヴの輪をくぐる

円の周りを回る旅
行き着く先はいつも明日
今日のすべてはデジャヴの渦の真ん中へ。

2015/03/06 (Fri)

[6111] 補助輪
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ぽつりぽつり 明かりが灯ったら
僕はいつものこの道をたどってゆく

帰り道はいつもなぜか切なげで
大切なはずの命さえ重荷になる

どうして 生きているのかな
わからないよ 悲しいくらい
人は わけもなく生きている

ダメかもしれない 出来ることより
出来ないことのほうが多いくらいで

挫けてしまうよ 諦めたりするよ
夕暮れは優しく 胸の隙間を照らして

自分を慰める言葉も見つからない
答えのない 問いかけばかり繰り返す

雨の気配に気づいた僕は逃げ腰で
すぐに屋根に隠れて猫のように丸まった

どうして 笑ってしまうのかな
わからないよ 悲しいときほど
強がって 平気なふりしてる

補助輪が外せない 子供のよう
転ぶのが恐くて 保険をかけてる

都合のいいときだけ大人にならないで
大人なら 自分の責任で間違えてみろ

ふと 忘れたように取り残されてる公園の砂場のバケツとスコップ
思い出したように ブランコが軋みながら揺れる

ダメかもしれない 出来ることより
出来ないことのほうが多いくらいで

挫けてしまうよ 諦めたりするよ
夕暮れは優しく 胸の隙間を照らして

心に備え付けられた補助輪を外して
無防備になったら 少しは強くなれるかな

下手くそだっていい 小細工なしで生きてみろ 転んだって平気さ 大丈夫

そのまま風になれ。

2015/03/06 (Fri)

[6110] 雑草
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弱い自分がいる 強がる自分の足元に
雑草みたいに ちょこんと座る
我が物顔で 歩いていたよ いろんなものを蹴散らしながら
いろんな人を傷つけながら

気づけば こんな人気もない場所にいた
今の僕に出来るのはせいぜい孤独に気づかないふりをすること
それだけ

笑ってよいつもみたいに 泣き出しそうでも どんなに悲しくても
笑わなくちゃ 雨の中でも 傘も差さずに濡れている花のように美しく

もう少し ずる賢くなれない だから僕は花にはなれない
雑草みたいに 人の隙間に 寂しく 座る。

2015/03/05 (Thu)

[6109] せい
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のらりくらりすり抜けてく人波
わけもなく なんとなく
誰かを憎んでは 嫌な気持ちになる
なんのために誰のために生きてるのか
そんな根本的な事さえも僕はわからないまま 今日も

誰かのせいにしている
本当は自分が悪いことを知っているのに
誰かのせいにすることでしか生きられない
楽な道を選んだはずなのになあ
楽な道は孤独な一本道
すれ違う人さえいない

大人になって言い訳だけはうまくなった
ごまかすことにかけては右に出る奴はいないよ
笑っても笑った気がしないのは
いつからだろう 生きることを楽しむことが出来ない

誰かのせいにすれば
とりあえず自分だけは悪くならない
誰かのせいにでもしなきゃ
自分が自分でいられない
楽な道なんてなかったよ
楽そうに見えていただけだった
人生に近道はない

時代のせい 他人のせい 何のせいにしても すべて自分に 返ってくる
結局すべては自分のせいだ

誰かのせいにしている
本当は自分が悪いことを知っているのに
誰かのせいにすることでしか生きられない
楽な道を選んだはずなのになあ
楽な道は孤独な一本道
すれ違う人さえいない。

2015/03/05 (Thu)

[6108] イマジネーションワールド
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想像力を働かせるのだ
神様もいやしないこの世界で
武器になりそうなもの片っ端から
ひっつかんでは 持ち出しては
その危なげな切っ先で未来を切り開いてみようか

イマジネーションが足りないなあ
想像力の欠如 落書きさえもしない
そんなつまらない 世界には用はない
バカげた夢を見ることを忘れたら
もう 明日を待ち遠しく思う気持ちさえ なくなってしまうよ

想像力と妄想力の戦国時代 闇鍋みたいにごった返して
不味いも美味いもなくなんでもかんでも
ぶち込んでは 取り入れては
とりあえず 仕上げをごろうじろっていう感じさ

常識を覆すのは非常識だろう
冒険心の枯渇 旅にも出ようとしない
そんなくだらない人には用はない
大げさな空想も 聞こえない世界には
もう 飛び出しそうな心臓のトレモロも 聴こえないね

計算してばかりの世の中には
ロマンのかけらもない
計算できないものが邪魔で仕方ない

イマジネーションが足りないなあ
想像力の欠如 落書きさえもしない
そんなつまらない 世界には用はない
バカげた夢を見ることを忘れたら
もう 明日を待ち遠しく思う気持ちさえ なくなってしまうよ。

2015/03/05 (Thu)

[6107] 幸せに向かって
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僕は君が結婚するって聞いたら
頭ごなしに反対したね
それはただ寂しくて たまらなかったから
意地を張って 話さえ聞こうとはせずに背中向けてたよ
ああ 愛する娘よ 君もそんな歳になったのか
君の背中が遠くに見える

お父さんのそばから 離れてゆくのなら
せめて世界中でいちばん幸せになってください
今日は あなたの晴れの日 ウェディングドレスがよく似合う
君はもう 僕の知ってる君じゃない

結婚式の日が決まったって聞いた
僕は酒をあおって酔っ払った
幸せを望むのなら 笑って見送ってやれるのに どうして喜んでやれないのかな
ああ いつまでも君は子供のままの君で
だから 手放せないんだよ

もう君を 守るのは僕の役目じゃない
君が好きになった人にその役目は代わった
「今まで育ててくれてありがとう」なんて手紙を読んだ君の姿が涙でにじんでく
その日、空は 青く 澄み渡っていた

瞼の裏に 思い出がよみがえるよ
ひとつひとつ 数えてみたって 数えきれないメモリー

これからは 僕は影から 君を見守るよ
娘をよろしく頼むと言った
君が好きになった人なら素敵な人なんだろう

お父さんのそばから 離れてゆくのなら
せめて世界中でいちばん幸せになってください
今日は あなたの晴れの日 ウェディングドレスがよく似合う
君はもう 僕の知ってる君じゃない

幸せになる ために 今、僕の手を離れ
君は 一人 新しい明日に歩き出してゆく
幸せに向かって。

2015/03/04 (Wed)

[6106] 花言葉
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僕は私は生まれて良かったのかな
それとも間違いだったのかな

私や僕に生まれてあなたに愛されて
そんなふうに笑いかけてくれる

愛されるほどに思うことは 僕はあなたに愛されるに値する人なのでしょうか

ああ ひとりにひとつ与えられた名前
何度も呼んでる あなたの声がする
僕のためにあなたがつけてくれた名前

僕は僕以外の 何者でもなくて
たとえば花に花言葉があるように
願いを込められた 名前ほど
立派にはなれないけど
ただいつまでも僕らしさを忘れないように
ただこの名前に誇りを持っていれるように

名前と一緒に 手をつなぎながら 歩いてく。

2015/03/04 (Wed)
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