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目を閉じてしばらく考えていたんだ
君が僕をはじめて嫌った意味なんかを
そして気づいてしまったよ
僕は君を傷つけたこと
ひとりの寂しさや 悲しさや
ちょっとした 痛み
二人分のそれらを二人で分け合って
はじめてした喧嘩はいつのことだか
覚えてないけどあの時の涙は
僕の胸に 今も深く突き刺さってる
終電を逃した 僕はひとりとぼとぼと
歩いていくよ 時間ならたくさんあるから
君の声を思い出しながら ちょっとだけ
涙ぐんだりして
ひとりになったら何も出来なくて
二人になったら 強がれるのは君がいたからと気づいたよ
はじめての喧嘩が僕に教えてくれた
人を愛すことの難しさ その喜び
間違いなく思い出のひとつに数えられる
揺れる 街明かりと
お話していたら
もうすぐに
家が見えるから
はじめてした喧嘩はいつのことだか
覚えてないけどあの時の涙は
僕の胸に 今も深く突き刺さってる。
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青すぎる空が窓から見える午後には
あくびしながら 退屈な時間が終わるのを待っている
ページの向こうへと続いていく物語の
結末を知りながら僕らは何度でも巡る季節を待っている
試行錯誤なんていらないや
とりあえず 流れるままに受け入れて
逃げ水を追いかけてペダルを踏み出せ
散らばって 集まってまたひとつになる 夏の夜空に咲く花火
君の心のキャンバスにに絵を描く 絵の具なんかいらないよ
ここにあるすべてが
夏を染め上げるから
いつか見送った夢の続きのような
陽射しが 狂おしく街に降り注げば気づくんだ
風見鶏は風をうけ回っている 屋根の上
海へと続く道 白い雲は地図のかわり
答えあわせはいらないや
何が正しいかより何がしたいかでこの心は 走り出す
笑ったり泣いたりがいつもよりも あざやかに見えるんだよ
真っ白な絵日記と 恥ずかしがらなくても手をつないでられた
ここにあったぬくもりが夏を染めていた
ひらり ひらり 舞いながら落ちていく
時の欠片 ひとつ ふたつ 数えては 君の背中に 押し寄せる夏を映してた
散らばって 集まってまたひとつになる 夏の夜空に咲く花火
君の心のキャンバスにに絵を描く 絵の具なんかいらないよ
ここにあるすべてが
夏を染め上げるから
振り向いて 見つめ合った まなざしの数だけ
夏は 君の瞳に映るから
ほら今を逃さないように 君の耳にちゃんと聞こえるように
花火の音に紛らせるように重ねるように
言ってみよう 「好きだよ」
聞こえてるかなあ?
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どうしたいんだい?そんな顔をして
そろそろ笑ったらどうだい?
空も晴れたし 新しいスニーカーも買ったし
存外、幸せな僕らは 水たまりひとつ飛び越えて行く
その先へ 続くページを風がめくれば開くドア
ワンツースリーで 飛んだり跳ねたり
はにかんだり たまには誰かにへりくだったり
アンドゥトロワで 痩せたり 太ったり
ぶつくさ言ったり 大きく出たり 小さくまとまったり
そんなひとつひとつのタペストリー
いつの日か思い出になあれ
どんなもんだい 虚勢張って強がっても 意味なし役なし 厄年
金もないし 叶えたい夢もないし
案外、不幸せな僕らは 節穴の目で世界を 狭い視野でしか見れない
見上げれば雲ひとつない空 答え合わせはやめよう
ジャンケンポンで 後出ししたりしぶったり
頭ひねったり 足ひねったり やきもきしたり
YESオアNOで 切り抜けたり 立ち止まったり
手を抜いたり 夢中になったり 放り出したり
そんななんやかんやのストーリー
今から 思い出と名づけて
僕らは つながり また 離れてく磁石のような 距離と距離を
埋め合わせる うまい言葉は今は見つからないけど
その小さな隙間を 残してるくらいが僕ららしいと 笑えたら
素敵だろう?
ワンツースリーで 飛んだり跳ねたり
はにかんだり たまには誰かにへりくだったり
アンドゥトロワで 痩せたり 太ったり
ぶつくさ言ったり 大きく出たり 小さくまとまったり
そんなひとつひとつのタペストリー
いつの日か思い出になあれ。
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暗闇の中に 浮かぶ瞼の裏の舞台で 笑ってみせたり 泣いてみせたり
強がってみたり へたばってみたり
僕らは たいがい そういう生き物で
だからそうそう変わりもしないし
この世界の色に染まりもしない
空欄の中にあるひとつの仮定を立てて
それを答だとするなら世界は狭すぎる
向きあう二つの光と影を 重ね合わせて見える世界
その隙間から見える光
サーチライトのように 頼りなく 未来を遠くから照らしている
答えあわせは まだ続く 果ての果てまで 消したり 書いたり
先に進んだりまた戻ったり
正解なんてあやふやなものに
唯一無二なんてあるのかわからないが
それぞれの答がそれらしく見えたらそれが答だ
空欄を埋めるための妥協ならばいらない
向きあうべきは世界ではなく自分自身だ
分かり合えない 正しさと間違いが
手をつないでいる世界
どちらも必要な歯車
サーチライトのように 揺るぎない未来を照らしている
そこにあるすべての無意味を意味あるものに変えている
それはなんだ
向きあう二つの光と影を 重ね合わせて見える世界
その隙間から見える光
サーチライトのように 頼りなく 未来を遠くから照らしている。
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台風何号かが 接近している
そんなニュースがテレビでやっていた
でも僕はそんなもの気にもせずに
目を閉じたまま夢のまどろみに沈んだ
ジオラマみたいな街を見下ろして
とってつけたような言い訳で言いくるめる
君のあまりにも突飛な話についていけず
ふと別の話題に話をずらす僕の気持ちも
春も嵐も 片付かないままのあれこれも
きのう見た夢もしょぼい未来への野望も
出せないままの手紙も降り止んだ雨に
消えて 跡形もなくなって やがてまつりのあと
平行線をたどるばかりのストーリー
ねえ春一番が吹く頃には
つなぎ合わせた継ぎ接ぎの縫い目も
隠れて見えないくらい曖昧になって
好きとか嫌いとかどうだっていいくらい
当たり前って言葉が似合うかなあ
それでも離れたらすぐ不安になるよ
君の飛躍しすぎた話に付き合えるのは
世の中で僕くらいだと言ってみせるから
彼も彼女も 大概だ もういい加減にしろ
物語のページを埋め尽くすほどの記述に
思い出という体のいいタイトルを添えて
きれいに飾り付けても すぐに滲み出すインク
またスタートラインからやり直し
くだらないんだよ あなたが言うおとぎ話なんて
もうそろそろ全部 夢だと気づくべきだよ
閉じたままの目を開いて世界を その目にちゃんと映して
嘘と本当を 見極めて
春も嵐も 片付かないままのあれこれも
きのう見た夢もしょぼい未来への野望も
出せないままの手紙も降り止んだ雨に
消えて 跡形もなくなって やがてまつりのあと
平行線をたどるばかりのストーリー
途切れた そこから
繋いでいく
立ち止まった 場所から 歩いていく
浮いた話は望まないストーリー。
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たゆたうようにほころぶように たまには笑ってみる
なんとなく とりあえず
できるだけ やれるだけ
それくらいでいい
生きていくことが いやになったら
思い出してごらん今日の日の笑顔を
夕暮れの道 自転車を転がして 歩いてく
ゆっくりと景色を眺めながら 歩いてく
その時の気持ちに染まっている心は
夕暮れのようにきれいな橙色でした
流れるように そよぐように たまには立ってみる
何気なく さり気なく 曖昧に あやふやに
不確かで確かな
僕という存在の影を縁取るように
ひどくおぼろげ輪郭をなぞる指先
名前も知らない花が咲く道を 歩いてく
すぐに忘れてしまう話をしながら歩いてく
印象に強く残るのはほんのささやかな色
ほんのり唇を染めている薄紅色のような
たとえば何かに重ねてる 思い出す時に
思い出しやすいように 何かと一緒に覚えてる そんなものが
僕にもあるはずと探してみる夕暮れ
あなたの背の高い影法師は声も出さず笑う
夕暮れの道 自転車を転がして 歩いてく
ゆっくりと景色を眺めながら 歩いてく
その時の気持ちに染まっている心は
夕暮れのようにきれいな橙色でした
僕の中に残っている思い出のすべては
自転車に乗ってるあなたの後ろ姿
そこにはないけどその背中からにじむあなたの優しさ。
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道草が過ぎたな いつもの帰り道で
少しだけ 何かが起こりそうな気がしてたのに
積み木でも 積み上げるように
それは壮大な でも それでいてひどく単純な連鎖
いつかみんなでつくった秘密基地は
もう影も形もないけど それでもまだ
残された世界に 風の余韻だけで回るジャングルジムと
砂場に 転がる小さなバケツとスコップ
誰かがつくった くずれた砂山
僕らはそんな思い出を忘れるために 今日を生きてる
それだけは間違いないんだ
拾った猫は 高架下にダンボールで
寝床をつくったけどすぐに 死んでしまった
お墓をつくった子供の一人が言った
「こんなことになるなら知らんぷりすれば良かった」
その一言は僕の心にずしりとのしかかって
命の重さをはじめて感じた
ほころんでく世界で 残された人たちだけで 成り立ってる
ちっぽけな輪で囲むように知らんぷりしてる 僕らは隠れん坊の途中さ
少しもあの頃と変わってないよ 忘れるためだけに生きてる
あの痛みも夢だったってことにした
今ではもう 得難いものばかりだ
失って 失って それでも残ったものが僕のすべてになる
この世界のすべてになる
残された世界に 風の余韻だけで回るジャングルジムと
砂場に 転がる小さなバケツとスコップ
誰かがつくった くずれた砂山
僕らはそんな思い出を忘れるために 今日を生きてる
それだけは間違いないんだ。
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僕らは笑いながら 歩いて行く
いつもの通学路を歩いてくみたいに
だんだん大人になっていく為の道を
一歩一歩と踏みしめて噛みしめて
味わい深い季節は 通り過ぎても
まだ僕の中に 枯れ葉一枚 残っている
たゆたうように ただようように
君は そこで何を見てるの?何を聞いているの?
こっそり内緒話でもするように
僕だけに教えてよ 長い長い道草の途中で
この頼りない一歩が ちゃんと明日に つながってゆくように
僕らは 泣きながら なくしものを探した
見つからなくて 途方に暮れたよ
自分で隠した宝物のありか
いつの間にか隠した場所を忘れてしまって
名残惜しいすべてを 憶えていたいのに
ひとつひとつ 消えてく それは車窓からの眺め
歌うように 叫ぶように
生きていくその先に何があるのか 何もないのか
耳に 口を近づけて 愛してるよとつぶやいて終わらせてよこの身に迫る寂しさを
このちっぽけな 覚悟が ちゃんと 明日にたどり着くように
続くように
たゆたうように ただようように
君は そこで何を見てるの?何を聞いているの?
こっそり内緒話でもするように
僕だけに教えてよ 長い長い道草の途中で
この頼りない一歩が ちゃんと明日に つながってゆくように。
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笑わないでね 傷ついたってへこたれたって
雨にうたれたきのうの自分を
長い目で 見てね
言い訳ばかりのこんな僕でも
たまには泣きたくなることもあるさ
ただ 今だけは目を閉じたまま
夜の中に そっと 深く沈み込んだまま
夢に夢を重ねて ひたすら朝を待とうか
遠くの街の涙を 思いながら 忘れながら
今日は通り過ぎてく
見損なわないでね
間違ったって
下手くそだって
明日には今日の分まで笑えるから
見過ごしてね
あまってる優しさを ください
風が吹いただけだって笑ってね
ただ そこにある すべての形あるものへ
注がれていく 形のない心が 少しずつ
形をなしていくよ 今日も回る地球の片隅で
何気なく 繰り返される生と死
僕も 早く忘れなくちゃ
ゆらゆら 街明かり
夕暮れを待っていた
誰かの影 ひとつ
やがて 消えてく
あとにはただ思い出だけが 残って
ただ 今だけは目を閉じたまま
夜の中に そっと 深く沈み込んだまま
夢に夢を重ねて ひたすら朝を待とうか
遠くの街の涙を 思いながら 忘れながら
今日は通り過ぎてく。
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途絶えない車の流れ いつまでも見ていた
なんとなくぼんやりと空っぽの頭で
意識の底に沈んでるたくさんのことは
今はまだ思い出さなくていいことばかり
どこまで行くの?何をしようとしていたのかなあ
それさえなぜだろう
あやふやだ
今日どのくらいの人が生まれていても
どのくらいの人が死んでいても
変わらないよ 明日を生きる僕らには
そんなことは関係ない でもそれは僕も同じだ
みんな いつも今日より明日を見つめて生きている
だから 僕も今日より明日を見つめて生きて行こう
夕暮れの街並み 沈む夕日を見ていた
チャイムが鳴ったらいっそう切なく
闇雲に生きていたよ 何かに必死になって
何をそんなに慌てていたのか
急ぐ理由なんて何もないはずなのになあ
それでもなぜだろう
忙しない
今日この国で何人死んでも 戦死する人の数に比べたら 微々たるもので
生きる辛さとか苦しさとか 抱えながら それでもまだきれいごとが吐ける
だって いつも 「他人」より「自分」を見つめて生きている
だから 僕も 「他人」より「自分」を見つめて生きていこう
生きていけるかなあ
なんとなく 死にたいから
そんな理由にもならない理由で 死ぬなんてむなしいから
生きているだけだよ
それを勘違いしないでね
本当は 生きていたって無駄なことくらいわかっているんだよ
わかってほしいんだよ
今日どのくらいの人が生まれていても
どのくらいの人が死んでいても
変わらないよ 明日を生きる僕らには
そんなことは関係ない でもそれは僕も同じだ
みんな いつも今日より明日を見つめて生きている
だから 僕も今日より明日を見つめて生きて行こう
悲しみに溺れないように。