詩人:どるとる | [投票][編集] |
僕の瞳が見たままの世界が僕の世界だ
君の瞳が見たままの世界が君の世界だ
君が見た世界と僕が見た世界は違うから
重なれない世界の中で分かり合うには
君が僕の見ている世界を知ることだ
そして僕が君の見ている世界を知ることさ
少年は曇りのない眼差しでまっすぐに世界を 見つめているから
そんな目で見つめられたら僕はもう何も言えなくなる
君の目には僕の心は一体どんな ふうに映っているんだろう
そんなことが容易に想像出来てしまうから
僕の耳が聞いたことだけが本当のことだ
ならば君が聞いたことは嘘なのかな
君が聞いてることと僕が聞いてることは
二つ重ねて本当のこと どちらも嘘じゃない
君が僕のいる世界に足を踏み入れてくれたら 僕も君のいる世界に行こう
少女は あどけない笑顔を浮かべながら
まだ愛想笑いなど知らない ひたむきな心で 世界を懸命に愛そうとしているのが君にはわかるかい?
君の瞳の中に 鏡みたいに映る僕が いくら笑っても それは君には笑ってるようには見えない
鏡に映した己の姿はどこまでもただ理屈ばかりのつまらない大人だった
少年は曇りのない眼差しでまっすぐに世界を 見つめているから
そんな目で見つめられたら僕はもう何も言えなくなる
君の目には僕の心は一体どんな ふうに映っているんだろう
そんなことが容易に想像出来てしまうから。
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「虐待」や「育児放棄」
思わず目をそらしたくなるようなこの世界の現状
「いじめ」や「戦争」
今に始まったことじゃないのにわかったようなことを言うよ
大人たちはテレビの中でお涙ちょうだいとばかりに 誰が悪い 何が悪いと まくしたてる
ただ叫ぶだけじゃ何も変わらないのに
きれいごとほざくなら最後まで 汚れずにまっすぐに生きてみろよ
ここに生まれた この奇跡みたいな たったひとつの偶然の時間を 僕は生きている
笑ってばかりもいられないけれど
雨のち晴れでまた晴れたら 誰かのぬくもりに包まれながら 幸せだと泣きたい
なにが正しくてなにが間違いなのか わからない少年はただ目に見えるものや聞こえてくるものを道しるべにして 歩きやすい道を歩いてる
大人たちの言うことは大抵いいかげんだから信じすぎるとあとで裏切られるよ
ただ いいことはいいと言うだけなら誰でもできる
大切なのはどれだけ自分から曲がらずにいれるかだ
生まれてきたことを生まれてきてしまったと嘆くか生まれてこれたと 喜ぶかですべてが変わってく
ほんの数十年の人生の中でたったひとつの愛に出会えたら 愛してくれてありがとうと僕は笑いたい
どうして 愛せないのか 自分のお腹を痛めた我が子を
どうして 傷つけてしまえるのか こんなにも優しく笑って
それでも傷だらけであなたをお母さんと お父さんと呼ぶ我が子を
ここに生まれた この奇跡みたいな たったひとつの偶然の時間を 僕は生きている
笑ってばかりもいられないけれど
雨のち晴れでまた晴れたら 誰かのぬくもりに包まれながら 幸せだと泣きたい。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
僕はひとり あてどもなく歩いているんだ
何かを探している
何かを求めている
目の前にある広い世界を どこまでも歩いて行くんだ
何ひとつ きっと僕には手にする ものなんてない
いつかは全てこの身も跡形もなく消える
それでも 今僕は生きてる 大きな命をこんな小さな身体にあずけて
流れる日々の中
何もかも失ったように 空っぽのままで
僕は今日を生きる
それはくだらないことだとしても
僕が消えたそのあとには小さな小さな実を結べるさ
君はひとり 意味を携えて生きているのさ
誰かを愛したり
誰かに愛されたり
繰り返すんだ 途方もない旅の中 君は君の今を生きて
誰だって きっと同じ気持ちさ 泣きながら 少しずつ 生きる痛みも時が変える
それでも 今僕は生きてる 大きな命をこんな小さな身体にあずけて
流れる日々の中
何もかも失ったように 空っぽのままで
僕は今日を生きる
それはくだらないことだとしても
僕の血を分けた命はへたくそでも たったひとつの時代を生きる
蝶々結びひとつ 忘れられた思い出の片隅に残る
かけがえのないものよ どうか消えてしまわないで。
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目を開いて見えるものは 大抵のものはすべてあざやかな色に染まっている
目を閉じるとただ暗闇だけがどこまでも僕の世界を覆って色なんてないね
窓の外の雨音が聞こえるのも 誰かの声が聞こえるのも 同じ世界の今だから
今ある悲しみや喜びに差別なんかない
ただ君と僕が生きる世界が違うだけだ
それは 冷ややかに僕の手のひらに降る雨
それは あたたかな僕の心に差す陽射し
僕を愛する人だけがくれる 無償の愛
口を開いて こぼれる言葉は 嘘に紛れて誰かをやたらに傷つける
口を閉ざせば 目を閉じるより僕は役立たずで途方に暮れるだけ
誰かがその生涯を閉じるのも誰かの産声が上がるのも 同じ世界の姿だから
生まれもっての境遇に悪意はない
誰ひとりそれに口出しをすることはできない
それは 冷ややかに僕の手のひらに降る雨
それは あたたかな僕の心に差す陽射し
僕を愛する人だけがくれる 無償の愛
それは 今日まで積み重ねてきた思い出
それは 明日からまた積み重ねる思い出
人を愛することができる人だけが与えられる 見返りのない愛
それは 冷ややかに僕の手のひらに降る雨
それは あたたかな僕の心に差す陽射し
僕を愛する人だけがくれる 無償の愛。
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愛を人は間違えて覚えてはいませんか
優しいだけの愛は愛とは呼びません
時には北風のように
あなたの間違いを厳しく諭すその厳しさの中に愛はそっと咲いている
愛を真っ正面から語るなら気取らずおごらず飾らずに
ほんの少しだけ 厳しさを戒めるように
あなたのことを愛してると言葉じゃなく
肌にふれて そのぬくもりで君に応えよう
人を愛す為の「愛してる」の言葉には 優しさなんかたまに 見えるくらいでいい
人に愛される為の「愛してる」の言葉など なんの役にも立ちません
愛されたいと思うなら 涙する誰かのそばに黙って寄り添いなさい
愛の形を間違えて覚えてはいませんか
愛はいわば背もたれのない椅子です
愛には寄りかかるための背もたれなどはいりません
愛は疲れた心を暫しあずける場所だから
愛をきれいごとで謳うなら 讃えず変に敬わず持ち上げず
ほんの少しだけ 微笑むように ささやいて
愛は愛だと そのままの意味だと愛を知らない子供たちに教えるのが大人のつとめ
人を貶める為の「愛してる」の言葉など 愛など名乗るもおこがましい
印象を良くする為の「愛してる」の言葉はまるで空っぽの瓶のよう
空気の重さだけが そこに愛があるかのように巧みに愛になりすましている
人を愛す為の「愛してる」の言葉には 優しさなんかたまに 見えるくらいでいい
人に愛される為の「愛してる」の言葉など なんの役にも立ちません
愛されたいと思うなら 涙する誰かのそばに黙って寄り添いなさい
そうして教わったものそれだけを「愛」と呼ぶことだ。
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がらくたでつくった僕のお城は
いつか空に手を伸ばした人のように
やがて雲を追い越して高いところまで届いたよ
冬を 越さずに 春を待たずに 僕の中に咲いた気持ちはやがてアカシアの花になって 気まぐれな旅人になってドアを開ける
どこにでも行けるドアを探していたんだよ
ひとりにひとつだけあるはずのドアを探していた
どこにでもあるドアには取っ手なんてなくて
君の心が鍵になって 知らない明日に連れて行く
その向こうでまた新しい物語が歩き出すよ
壊しながら作り替えたりもしながら
だんだん 形になるものをつくってる
子供はイメージだけで空も飛べるんだよ
夜を越えずに 朝を待たずに 君の中に生まれた気持ちはやがて ラブレターになって 宇宙飛行士になって きのうに手を振る
誰にでも会える不思議なドアを探していたんだよ
この世界のどこかにあるはずのドアなんだ
夢を見たりするのは君の勝手な旅のスケジュールで
誰もそれを強制も邪魔もしないよ
その気になった時にだけドアは開くんだ
地図は 白紙のままで 道はただいくらでもあって 好きなように選べばいいだけなのに 旅を楽しめない人はひたすら 生まれてきたことを後悔するだけだよ でもそれって悲しくないか?
どこにでも行けるドアを探していたんだよ
ひとりにひとつだけあるはずのドアを探していた
どこにでもあるドアには取っ手なんてなくて
君の心が鍵になって 知らない明日に連れて行く
その向こうでまた新しい物語が歩き出すよ
窓の向こうではもう夜が明けて朝が見えるよ。
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そっと朝の光が 僕の中に沈むと
汚かった僕の心もなんだか洗われる
手にしたもの手放したもの
ひとつひとつ数えてはまた何かを失い
そして何かを得ている
人ごみの中に 佇むと人がまるで鏡のように 一人一人の瞳に僕の醜さが映るようで
いたたまれずに 夕暮れの中 人気のないほうへ逃げる
街を彩る音やなんでもない景色の中僕はそっと目を閉じる
それでも見えるものや聞こえるものは確かにあって
微かに ささやくように脈打つ誰かの呼吸がきっとこの世界に朝日を差すから
まばたきの合間に そっと垣間見た
普段は隠れてる誰かの心が
まるで目隠しを取っぱらったみたいに
見えた気がしてこっちまで恥ずかしくなる でもどこかそれは
人の血の通った あたたかい横顔みたいで 時々見える悪魔みたいな人のずる賢さを打ち消すには十分だったよ ふいに迷い込むまどろみの中 求めるのは人のぬくもりだった
絵に描かれたようなきれいな世界などまやかしだと知ってる
それでもいつか迷うばかりの人の明日が晴れればいいと
微かに 残された僕の良心が 僕をすんでのところで引き留める
ああ 手放したはずのぬくもりなのに
最後に求めるのはやっぱりいつでも帰れる場所で 心置きなく笑える場所で
だからまばたきの合間に人は 涙に濡れる
街を彩る音やなんでもない景色の中僕はそっと目を閉じる
それでも見えるものや聞こえるものは確かにあって
微かに ささやくように脈打つ誰かの呼吸がきっとこの世界に朝日を差すから。
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僕はどこにもいないよ どこにいても
心が見えなければいないのも同じだから
変わりゆく 世界の中に
変わらない ただひとつのものがあるなら
それは僕や君だから
いつまでも 迷うばかりの僕の影は
あるはずもない答えを 探している
強かに存在する誰にも 消せない僕を見つけて
君はどこにいるの?明日また会うとき
君は君じゃない きのうの君とは違う
思い出は語りかけてくる 過ぎ去った今も今日に重なるように
映るいつかの雨のかたち
いつまでも 物語のページは立ち止まり
ドアを開けずに朝を待っている
小さく佇む誰にも 否定できない僕になるのさ
いつまでも 迷うばかりの僕の影は
あるはずもない答えを 探している
強かに存在する誰にも 消せない僕を見つけて。
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「ルールや規則を守りましょう」
そう言い聞かされて 育てられてきたけど
時々この胸に生まれる矛盾がある
「あれおかしいな」
大人の世界じゃ当たり前なのかな
向かい風に逆らうように 時々、理不尽で不条理な世の中を垣間見る
僕の中で生きる喜びは逆上がりが出来たときの
お母さんがくれたあの笑顔が 多分世界のすべてだった
それなのに醜く歪んでく僕らの世界
本当の事を隠したがる世の中は嘘つきだと思い知った
「いじめや戦争は悪だ」
そう言い聞かされて 生きてきたのに
未だその傷を抱えて生きる人がいる
僕はばかだから ボタンの掛け違いみたいでこんがらがるんだ
世界はあの時確かに優しかったのに 今僕らに見えてる世界は冷たい
僕の中で生きる意味とは 何かを成し遂げてはじめて生まれるもんだと
そう思っていたのに結果ばかりに拘る大人が今じゃ憎らしい
世界が変わったんじゃなくて僕の見方が変わったんだと
あの日逆上がりが出来た僕を誉めてくれた世界はいうよ
だけど、夕暮れの公園の鉄棒空が180度回って
僕らは栄光を手にした
あの日の喜びや笑顔は嘘じゃない
だから僕はこんな世界でも 優しい優しい夕日の色に似た
逆上がりが出来たときの喜びにも似た生きる喜びを知ってる
ほら、ちっぽけだって
今も胸の中 手のひらの中に
瞳の中に その傍らに小さな小さな命が
あの日と僕と同じように逆上がりをしている
それはきっと生きる痛みを知ること
そして同時に生きる喜びを知ること
己と世界との間に
越えられない壁を築くこと。
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弱いクセに 強がりで
寂しがり屋なのに人一倍意地っ張りで嘘が下手な人
優しさを 鼻にかけず
裏表のない 素直でまっすぐな 見た目通りな人
でも ときにはあなたは 人には見せない君を誰かに見せたいと思う だから流れる涙
そこには見た目とは裏腹な純粋さと脆さを併せ持つあなたがいる
まるでざくろのよう 食べてはじめて知る生まれ持つその特異なる味
強がるのは弱さを
隠してるだけだと思ってた僕は間違いだった
嘘ばかりつく僕とは違う君のまっすぐな瞳に見つめられたらもう辛抱たまらない
あなたのその優しさが僕の心に そっとたずねてきてノックをするよ
愛を届けてくれる
そこにはただ僕を思うあなたらしいまっすぐな愛が実のようにたくさん詰まってる
見かけに 臆してためらっていたんじゃ何が本当かわからない
目を閉じたら 香り立つ 甘い匂い
醜い 心も 愛せたら それは素敵な恋のはじまりはじまり
ああ ときにはあなたは 人には見せない君を誰かに見せたいと思う だから流れる涙
そこには見た目とは裏腹な純粋さと脆さを併せ持つあなたがいる
まるでざくろのよう 食べてはじめて知る生まれ持つその特異なる味
まこと美味なる味。