詩人:どるとる | [投票][編集] |
通り過ぎた駅の小さなベンチの下にそれはそっと咲いている
忘れられた思い出のひとつのように 記憶の奥底にしまわれただけ
僕はいくつもの季節を もう何度も越えてきたはずなのに
「変わらない」それだけで 一歩も前には進んでないんだ
僕らはいまだ旅の途中
今という時間は いわば車窓からの眺め
ページをめくるように 刻まれる一分一秒
惜しむ時間もなく 過ぎ去ってゆくだけの時間を 僕らは思い出という押し花にして
けして忘れてしまわないように 心の引き出しに 宝物のようにしまっている
決まった名前なんて多分いらないんじゃないかなあ
雨上がり 水たまりがキラキラ光を反射して 世界を映すよ
のぞき込んだら 君の顔が映る 君は不思議だと笑った
「変わらない」それもまた 幸せになるためのコツです
僕らは いまだ 人間の練習中
笑うことも泣くこともまだ覚えたてなんです
僕の中で あなたの中で ゆらゆらと揺れる
振り子のような 行き交う人の形をした思い出が 風に乗って
明日に向かうあなたを追いかけてくる そしてまたあなたは思い出す いつかの光
往々にして さすらえば 忘れゆくものもあるだろう
だけれど忘れてしまいたくないものは
いつまでも いつまでも あなたの中で 何度も同じ花を咲かせるから
ページをめくるように 刻まれる一分一秒
惜しむ時間もなく 過ぎ去ってゆくだけの時間を 僕らは思い出という押し花にして
けして忘れてしまわないように 心の引き出しに 宝物のようにしまっている
そして、あなたはきのうのように 今日という日を思い出す。
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ただ白い画用紙のようなまっさらな道の上に
どこまでも どこまでも 伸びた道の上に
命の長さだけ線を引く
時々は曲がりくねって
時々はピンとまっすぐに
波打ってみたり止まったり
命は いろんなふうに形を変える
あなたが引いた 線はあなただけの人生を
物語のようにこの世界に残るから
目には見えない線だけどあなたが歩いた道の上に足跡のように残るから
今日もあなたは線を引く
生きていることを確かめるように
生きていることを明らかにするように
誰かがいつか僕の引いた線を人生のちょっとした場面に役立ててくれたならいいなあ
そのための小さな轍をつくる。
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ただ 空に浮かぶ 雲を眺めてる
ただ 甘く香る 花を眺めてる
ただ 今を生きる 人を眺めてる
ただ 笑い泣く 様を眺めてる
大切なことはそこにあるものの
向こう側にある 本当の音や景色
見えているだけの世界はまやかし
嘘ではない だがあまりに安上がり
ああ 僕は何を理由に僕なのか
わからないから 僕は僕をいとも容易く見失う
ぐるぐると ぐるぐると 僕の中で いろんな感情が渦を巻きながら どうでもいいものも巻き込んでく
さめざめと さめざめと 降りしきる雨や足音の中 目を凝らせばそこにある光 けして見えやしない光
ただ 繰り返す 命の生き死にを眺めてる
生まれ来る命や 死にゆく命の最期を
「あなたは一体誰ですか?」
その答えすら いつまでもわからないのに
何を理由に あなたはあなただと言うのか
ぐるぐると ぐるぐると 僕の中で いろんな感情が渦を巻きながら どうでもいいものも巻き込んでく
さめざめと さめざめと 降りしきる雨や足音の中 目を凝らせばそこにある光 けして見えやしない光
今日もまた 僕とあなたの中で すれ違いながら どこにも行き着けない旅をしている
渦を巻く感情 答えはどこにもない。
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今日という日が 今日という日が
昨日よりも いい日になりますように
昨日よりも 昨日よりもたくさん
笑えるように 楽しいことがありますように
今日という日が 明日という日になって
僕はどこを歩いてるんだかわからない
空を見ても 風に吹かれても皆目わからない
ただ今日は今日 明日は明日と誰かが無理やり決めるだけ
ああ 今日という日は 今日という日は
いつまでも 今日なのに明日になれば
今日は明日になり だけど相変わらず今日のまま
それでも人は今日のことを明日と呼ぶ
そして積み重なった今日という日が
いつの日かあなたの足跡になる
いつの日かあなたの思い出になる。
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夕暮れは僕らの重たいため息や疲れを
ただ何も言わずに受け止めている
やがて夜が あたりを包み込んだら
僕らも余計なことは言わず帰ろう
さよならとかおやすみとかただ
言うために今日があるなら
それもまたいいかなあ
ただいまとかおかえりとかただ
言い交わすために今日があったのなら
それもまたいいかなあ
そして僕はまた旅支度をしている
明日という今日の日のために
悲しいだけではない日のために
嬉しいだけではない日のために。
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今日あいつが 死んだらしい
友人から聞いた
でもあいつのことはよくわからない
下の名前もわからない
思い出せるのは 少しばかりの記憶
カラスが電線に止まっている
暮れゆく空を眺めていたら
気づけば夜があたりを包み込んで
言い様のない切なさが心を蝕んだ
自殺者は年々減るどころか
増えているらしい
関係ないさと鼻で笑う人の明日も
僕には関係ないのです
通り過ぎてく人の後ろ姿 目で追う
僕らの生きた明日は何十年先で
振り返った時どんなふうに
見えるのかなあ 少しは誇れる
今日を僕らは生きれるかなあ
誰が死のうが 誰が生まれようが
知ったことはないけれど 不器用でも生きていくことで
それはいつか今日という日を思い出すとき
生きていて良かったと思えるひとつのきっかけになる
そう思うことにしたよ
僕らの生きた明日は何十年先で
振り返った時どんなふうに
見えるのかなあ 少しは誇れる
今日を僕らは生きれるかなあ
僕らが生きた今日が誰かの支えになるとしたら
それはちっとも無意味なことじゃない
それは少しも無駄なことじゃない
だから僕は今日を傷つきながら生きる。
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夕暮れが 僕の住む街の空をきれいな色に染めている
散歩の途中で 少し立ち止まった僕は 今にも沈みそうな夕日を見ていた
どうにもならないことがある それだけでこの世界は厳かにひとつの見えない壁で隔てられてる
さよならが こんなに悲しかったことがあっただろうか
また明日ねが こんなに 待ち遠しかったことがあっただろうか
今、日が沈む
終電を逃した人は とぼとぼと その疲れた足で 家をひたすら目指して歩く
ゆうやけこやけでまた明日なんて いつの間にか 忘れてる思い出がよぎる
通り過ぎた雨は もう誰も濡らさないと思ったのに まだいつかの雨の余韻がこの胸を濡らす
世界が こんなに 輝いて見えたことがあっただろうか
おかえりが こんなにも 美しく聞こえたことがあっただろうか
今すぐ帰るよ
目をつむった時に 広がる暗闇より
多少はマシでも 寂しいのはちっとも
変わらない 夜が涙を優しく 受け止める
さよならが こんなに悲しかったことがあっただろうか
また明日ねが こんなに 待ち遠しかったことがあっただろうか
今、日が沈む
世界が こんなに 輝いて見えたことがあっただろうか
おかえりが こんなにも 美しく聞こえたことがあっただろうか
今すぐ帰るよ。
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繰り返される暮らしの中
誰かが僕を決めつける
形のないものに無理やり形を与えるな
ライフイズ その先に答えはなくて
ただ、どう生きるか決めるのは
そこに生きる自分だけが知るべきこと
だから、孤独な旅の結末はわからないまま
いつまでも 空白のページを残している
行き交う 今日と明日を
どこに行くにも どこを目指すにも
目的がなけりゃ 光など見える筈もない
ライフイズ その先の僕を僕が越えてく
そしてひとつずつ確かに 消えてゆく
僕の影に 僕の影が覆い被さって
そこに生まれる 新しい今日の僕が僕になる
そんな所だろう
ライフイズ その先に答えはなくて
ただ、どう生きるか決めるのは
そこに生きる自分だけが知るべきこと
だから、孤独な旅の結末はわからないまま。
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いくらどんな本を読んでも
いくらどんな場所に行こうとも
わからないものがある世界
どこまでも 尽きない欲望が僕を動かす
いつまでも 終わらない欲望がネジを回す
そこにある 世界が
幾重にも今日と明日 そして昨日をつなげていって また同じ今日にたどり着く
生きたい それさえ欲望だ
ならば求めることはけして
悪じゃない。
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どこへ行こうか このまま風のようになって
どこまで行こうか 一人 浮き雲のふりをして
旅は続くよ 果てまでも 足跡が地図を埋めていく
命をかけて時間をかけた
日々のゆくえは。