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どるとるの部屋  〜 新着順表示 〜


[5855] 光合成
詩人:どるとる [投票][編集]


誰かさんが言っていたよ
花も人も生きとし生けるものは
みんな生きるべくして生きてるって
それならこんなちっぽけな僕にも
意味があるのかなあ なんて思ったんだよ

ほんのささやかな 喜びがひとつあればいい
あとはただなるようになっていくだろう
両手でも抱えきれやしないほどの光を集めて
僕は 生きてるって輝いていたいよ

花畑みたいだね 同じ花の中にそれぞれ違う花が 折り重なるように 咲いている
「やさしさ」って言葉を忘れて
人を思いやることをしない病んだ世界の中で

私だけは 僕だけは 変わらずばか正直で
困った人や 迷える人に手を差し伸べよう
光はきっとその手の中に 生まれるんだって
どこかで僕らは 知っているんだろう

雑踏に紛れる足音の中にある小さな希望
そんな光に僕は未来をそっとあずけた

ほんのささやかな 喜びがひとつあればいい
あとはただなるようになっていくだろう
両手でも抱えきれやしないほどの光を集めて
僕は 生きてるって輝いていたいよ

止むことのない雨に濡れながらもあたたかな光の中で笑うように 咲いていたいよ。

2014/10/03 (Fri)

[5854] 名前のない魚
詩人:どるとる [投票][編集]


夜の闇を 泳ぐ魚になって
僕は白い泡を吐き出すよ
少し狭い路地をくぐり抜けたら
途端になぜかわけもなく切なくなる
思い出してしまったのかな 今日の日の痛み

見えない何かをべつの何かに重ねて見ているよ
聞こえない何かをべつの何かに置き換えて聞いている
見えるものや聞こえるものだけがすべてであるはずのこの世界で唯一光るものを僕は知っている

夢の終わりか 意識を取り戻して
僕は朝の扉を開けるよ
一杯の珈琲を飲み干したら
なんとなく幸せは手のひらの上に
思い出すまえに 忘れてしまえ いつか抱いた傷跡

ふれられぬ何かをつかむのは心の役目
「無いもの」を「ある」と思うのはそう感じるから
まるで目も耳もない魚のよう 人の心の小さな揺らぎの中でそっと息づく命 闇をやさしく照らす光

そろり そろり 意識と無意識の境を行き交う 名前のない魚は今日もあなたに
見えない景色や聞こえない音色を届けてくれる

見えない何かをべつの何かに重ねて見ているよ
聞こえない何かをべつの何かに置き換えて聞いている
見えるものや聞こえるものだけがすべてであるはずのこの世界で唯一光るものを僕は知っている

だから、この世界に無いものほど大切なものはない。

2014/10/01 (Wed)

[5853] 嘘が本当になる日まで
詩人:どるとる [投票][編集]


何も描かれていない
真っ白な画用紙のような心に
「自分」というものを思うままに描いてみる
描いた自分は 鏡を通して見た僕とは
少しも似てない 想像の域を出ていない
ああ 僕は誰なんだろう
わからない わからないけれど
僕は僕だと 言ってみる

世界は 嘘で出来ているから
本当のことを言っても誰も信じない
きれいすぎる僕の嘘は 忽ち煙たがられ
ひとり取り残されたようになった僕は
空を見上げて 悲惨だと 呟くのだ

空っぽの水槽に
見えない魚を泳がせるように
「無いもの」をあるかのように語っている
花瓶が花瓶である為に花を生けるように
人が人である為に人らしく生きる
ああ 滑稽な形をしている
誰もが道化のふりをしながら
嘘を本当と 言っている

青ざめたからだを血で真っ赤に染めて
生きてるよって歌っていこうか
重ね続けたやさしい嘘がいつか
本当になる日まで僕は何も愛せない
世界を見つめて 哀れだと 嘆くのさ
繰り返される 朝と夜の中

繰り返される 朝と夜の中
時計はただ 回り続けて
季節はページをめくるかのように
過ぎ去って行って そして僕は気づくよ
「こうしていること」に意味なんか 何ひとつ無いことを
だからとりあえず運命に弄ばれてみる

世界は 嘘で出来ているから
本当のことを言っても誰も信じない
きれいすぎる僕の嘘は 忽ち煙たがられ
ひとり取り残されたようになった僕は
空を見上げて 悲惨だと 呟くのだ

青ざめたからだを血で真っ赤に染めて
生きてるよって歌っていこうか
重ね続けたやさしい嘘がいつか
本当になる日まで僕は何も愛せない
世界を見つめて 哀れだと 嘆くのさ

それがすべてだと 自分にわからせる為に。

2014/10/01 (Wed)

[5852] 左脳のうた
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この世界はあるものだけが 存在することを許されてる世界
何ひとつ無いよ あるものだけで賄われている無駄なものはない
たとえばきのうの惨劇
たとえばガラスが落下するような様に
重ねてる 命の末路
僕らは痛いほどに知っているのさ

始まりを重ねて終わりを重ねて
またひとつ夜が明けて朝になる
そこには人の意思は少しも介在しないよ
神様は架空のまま想像の中で微笑む

振り向けば 長く伸びた道 はるか昔の営みがそこにはある
何ひとつ無いよ ありえないものなんかは息をする事も出来ない
ああ 右脳は眠れ 左脳が導き出した答えに従おう
計算出来ぬ 命の不思議
僕らは今、目の前にしているのさ

一分一秒が重なって人の一生になる
またひとつ どこかで誰かの産声が上がる
そこにはあたたかなぬくもりがあるよ
神様のいない世界でも奇跡は起こるよ

始まりを重ねて終わりを重ねて
またひとつ夜が明けて朝になる
そこには人の意思は少しも介在しないよ
神様は架空のまま想像の中で微笑む

乳飲み子は 母の胸に抱かれて
ただ なんの企みもなく笑う その様を
僕らは迷わず愛と呼ぶ。

2014/09/30 (Tue)

[5851] 恋わずらい
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この胸の痛み 君のせいさ
君のことを思うとなぜか
胸がキュンとしめつけられるよ
君の声がする それだけで もう
言葉にならないくらいうれしいんだ
ひとつひとつのしぐさや表情
ただ見てるだけで幸せな気持ちになるんだ

好きなのに 好きだということがわからない
こんな気持ちと向き合えず 素直になれない
そんな自分がたまらなく嫌いだった
ちょっと昔の僕は紛れもなく 恋わずらいでした

花びらをちぎって占う
好きとか嫌いとかまだわからない ただ人の真似する
心は知っていた気がするこの気持ちの名前を
好きだと認めることが恥ずかしくて
でも次第にその恥ずかしさが愛しくなった

好きなのに 好きだと言葉に出来なくて
普段はおしゃべりな君も好きな人の前では無口になる
そんな自分が いつも悔しかった
少年の日の思い出 ほほを染めてた 片思いの恋

好きなのに 好きだということがわからない
こんな気持ちと向き合えず 素直になれない
そんな自分がたまらなく嫌いだった
ちょっと昔の僕は紛れもなく 恋わずらいでした

そんな君も今は ほかの誰かと結婚して
幸せに暮らしてるのかなあ
そうだといいなあ
人の幸せを願えるようになった僕は
もう紛れもなく大人だった。

2014/09/29 (Mon)

[5850] そこにある光
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好きだと言ってみたり
わがままに突き放したり
僕はなんて勝手なんだろうか
自分が寂しいときにはそばにいてほしいくせに
君が寂しいときにはそばにいてやれないよ
何も出来ないけどただありふれた言葉で埋められない
傷跡に寄り添いたい
だけど今日もまたほんの小さなすれ違いで君を傷つけてしまう

「僕は君がわからない
君も僕がわからない」だけどわからないものほど
人はわかろうとする
そこに光はあるのだろう
鈍い光だけど 足元くらいは照らしてる

愛してると言ったきり
続かないそのあとの会話
口笛吹いてごまかしたきのうがある
愛は嘘なんかじゃないのになぜだろう
君のまっすぐな目を見ると目をそらしたくなる
君にしてあげられること探すけど見つからなくて
出口のない夜
あとになって思うよ どうして僕は君を傷つけたんだろう

「僕は君をわかりたい
そして僕のこともわかってほしい」
だからわからない君のこともわかりたい
嘘でもいいんだよ
その代わり これ以上涙を流させないで
下手くそだけど 確かな足取りで進む

大切な人の涙を見ることが一番
胸にずしりと重くのしかかるね
わかってるはずなのに
わからないはずはないのに

「僕は君がわからない
君も僕がわからない」だけどわからないものほど
人はわかろうとする
そこに光はあるのだろう
鈍い光だけど 足元くらいは照らしてる

「わからない」が 「わかりたい」に変わる
それだけで君のわからないがわかる。

2014/09/29 (Mon)

[5849] 虫歯
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私の中のあなた
あなたの中の私
違うイメージで
存在しているね

虫歯のような
放っておけない
罪や過ちに
今、メスを入れる

君は完全じゃないし
僕も完璧じゃない
だから間違える
何度でも何回でも

誰だって同じ痛みを抱えて悩んで迷うよ
でもそれは誰のせいにも出来ない

だから、あなたは
私の中で私以上に
輝くのでしょう。

2014/09/28 (Sun)

[5848] 夕暮れに
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遠い夕暮れに 置き去りにしてきた
思いがいまさらあふれ出して
僕を濡らす 僕を濡らす
君を濡らす 君を濡らす

追いかけた けど 追いつけず まかれたよ
夕暮れの赤に 心まで染まったよ

どうしても わからない全てを 何かのせいにすることで
許せない自分を許してた

ただ悲しいから 泣いて
ただうれしいから 笑って
そんなふうに容易く心が動くなら
苦労はしないのに どうしてなんだろう
僕は素直になれない
見られたくない傷跡を見られるようで恥ずかしかったんだよ

浅い夢に 揺られて 舟を漕いでた
涙の海が広がって 街をただよえば
僕は笑うよ 僕は笑うよ
君はどうなのかなあ

レコードは回る いやしない神様の手のひらの上で

どうしてもわからない全てに 何かを重ねて見ているよ
途端に僕は寂しくなって言葉はそこで途切れる

ただ 生きたいから 生きて
ただ 死にたいから死んで
そんなふうにわかりやすくは生きられない
あらゆる全てに障害があって それをひとつひとつ片付けても
片づけきれない僕はただ笑うことしか出来なかったよ

ただ悲しいから 泣いて
ただうれしいから 笑って
そんなふうに容易く心が動くなら
苦労はしないのに どうしてなんだろう
僕は素直になれない
見られたくない傷跡を見られるようで恥ずかしかったんだよ

だから、何も言わずに今日をこのまま終わらせてね。

2014/09/28 (Sun)

[5847] うそ
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花に重ねようか 命の有り様を
咲いては散ってく その姿は命に似ている
時を重ねようか 脆くも崩れ去るまで
高い塔のように 雲の上まで 積み上げる
神様は いない世界だから 理不尽や不条理がまかり通る
今日も善人が泣いて
悪人は笑う

優しい人の頭の上に
爆弾の雨が降る
無垢な子供のそばに
血が流れる
世界を平和と思うのは自分たちの
世界しか見えてないから
僕らは知らないんだ どれだけ世界が広いのか だから世界の汚い部分を知らない
狭い世界で生きてる
ちっぽけな存在

痛覚が麻痺した僕らには
わからない 他人の痛みは誰にも
物語を綴ろうか 風にめくられるページ
放っておけばそのままどこまでも行く
魔法なんか ありえない世界だから 大人も子供もなく痛みは
肌を突き刺して貫いて 心を踏み潰す

笑顔のそばには必ず誰かの涙がある
傷ひとつない子供がいれば
片足のない子供がいる
世界を平和と思うのは自分たちの
世界しか見えてないから
僕らは知らないんだ どれだけ世界が広いのか だから世界の汚い部分を知らない
狭い世界で生きてる
ちっぽけな存在

幸せに自惚れているだけの
僕らに見えている世界は巧みなうそのようで。

2014/09/28 (Sun)

[5846] 自分になる
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夜を 夜と見つめずに
朝を 朝を聞き取らず
ただ世界を 斜めに見ていた
あの頃の僕は今より素直だった気がする
「世界に」じゃなくて
「自分に」素直になることが僕の役目だった

優しくあろうとすればするほどに
冷たく見える世界だから
本当に人を愛する為には
時には人に厳しい自分にならなくちゃ
時には人を叱れる自分にならなくちゃ

人を人と思わずに
全てをまともに受け取らず
曲がりくねった道をまっすぐに歩け
世界は時折 ゆがんで見えることだろう
鏡に映る僕らは滑稽だ
だからまっすぐ歩いてると道を外れる

いい人であろうとすればするほどに
裏切られる世界だから
全ての人を愛するよりも
たった一人の人を愛する自分になる
たった一人の人に愛される自分になる

そこにある大多数の全ての人を
「同じ」と思ってはだめなんだよ
「違うから」みんなその違いを愛するように
愛せるように 不器用に 共存してるんだ

優しくあろうとすればするほどに
冷たく見える世界だから
本当に人を愛する為には
時には人に厳しい自分にならなくちゃ
時には人を叱れる自分にならなくちゃ

どんな世界であろうと
どんな場所にいようと
変わらない自分でいる為に
自分は何度でも自分らしさを失って
脱皮するように新しい自分に生まれ変わる
だから本当の自分なんて自分も知らない
いつでもここにいる自分が自分だから。

2014/09/27 (Sat)
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