詩人:どるとる | [投票][編集] |
もう何もなくなってしまった
雨音にかき消えたような声みたいに
世界はただ 規則正しく
分けていく 悪しきもの正しきものを
なぜだろう それが時にうっとうしいよ
逆らいたくなる 牙を剥きたくなる
見れば見るほど まぶしい世界
欲しいものにあふれてる魅惑的な世界
それだけに僕は納得がいきません。
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どれだけ人を愛しても
どれだけ人に愛されても
永遠に満たされることのない
渇きに 苦しみながら生きていくのか
終わらない闇の中をひたすら落ち続けて
光を求めて手を伸ばせば 頭に蛆がわく
どれだけ人を憎んでも
どれだけ人に憎まれても
けして光の下を歩くことはできない
道化のようにただ笑うだけさ
結局行き着くところは同じ場所
夜の帳が降りるころ また僕は恐る恐るページをめくる
鳥の羽ばたきに目を覚ませば朝が
否応なく 僕に生きろと命ずる
そこに心はないのだろう
ただ何度でもきりもなく恥という字を書くために墨をするだけさ
どれだけ人を愛しても
どれだけ人に愛されても
永遠に満たされることのない
渇きに 苦しみながら生きていくのか
永遠に手放すことのできない
病に 侵されながら心臓は動くのか
血は流れ、この目に腐乱した世界を映すのか。
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愛が何かなんてわからないから
とりあえず思うままに愛されてみる
とりあえず思うままに愛してみる
そしてやがて 愛が何かなんとなくわかったとき
人ははじめて人を 愛することが出来る
人ははじめて人に 愛されることが出来る
難しいことは いいよ たとえば自分じゃない誰かの優しさにふれたとき
ちらりと見える 血の通ったあたたかい心それが答えだ
人に愛されることも知らないで
人は人を愛することは出来ないから
まずは生まれたばかりの命を愛でよう
自分のことのように 精一杯の愛で
思いつくままに 愛されながら 愛というものを教えてもらおう
愛は人の目には映らないから
耳にも聴こえるものでもないけど
何かに重ねてはじめてわかる
一緒に過ごす毎日の中で 愛とふれ合って
人ははじめて愛を 心にわからせるんだよ
人ははじめて愛を 理解することが出来る
ややこしいことはいいよ たとえば誰かに恩を感じたとき
僕もその誰かに恩を返したいと思う心に愛は生まれる
人に愛されたことがない人は
どうやって人を愛せましょう?
ねえ愛するべき我が子さえ傷つける
あなたのしている行為は愛なんかじゃない
拳で教える愛も愛だろう けれど心で教える愛も愛だろう?
痛みを与えるだけの愛ならば 愛である必要はない
暴力という名前に変えなさい
愛は心だけが教えられるものなんだ
人に愛されることも知らないで
人は人を愛することは出来ないから
まずは生まれたばかりの命を愛でよう
自分のことのように 精一杯の愛で
思いつくままに 愛されながら 愛というものを教えてもらおう
そうやって教わった愛で 誰かを愛せればいいなあ
愛を知らないあなたもいつか 誰かに愛されることで
少し遅い愛を知る。
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まだこの手は覚えているよ
消えた君との ひとつひとつを
開いたり閉じたりしていると
君がそこにいるみたいで泣きたくなる
たとえば 花が咲き散るように命も同じなら
ただそれを当たり前なことと つめたく笑えればいいのになあ
人はどうしてこんなになくしてしまったものにさえ
恋しさを覚えるの
あるはずもない君のぬくもりがまだ
この手を離さない
過ぎてく夏を遠く見つめてた
はらはらと落ちる葉が一枚
くるくると 回りながら窓をかすめ
季節の変わり目を僕に教えている
たとえば 夢から覚めるように 気づいたんだ
どんなに探してもなくした命は もう二度と見つからないと
君と何度もつないだ手のひらに たくさんの思い出が浮かぶ
涙に濡れたきのう
大切な人との永遠の別れは生々しく
傷になるよ 歩いてく道に立ちふさがる
壁になるよ それでもなぜ僕らは
振り返ってしまうんだろうか
それはきっと刻んできた思い出が どれだけ自分にとって
大切かを知ってるから
マッチ擦るようにかすかなぬくもりに寄り添う
人はどうしてこんなになくしてしまったものにさえ
恋しさを覚えるの
あるはずもない君のぬくもりがまだ
この手を離さない
抱えきれない君への愛がまだ
この手に残ってる。
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結んでごらん とわに解けない 繋がりを
魔法のない世界では 思いや気持ちが
人の心と心を 結びつけている
見えない リボンで
重なり合った 命は螺旋状になって
いくつもの時代をつなぎ合わせてく
終わらないDNAのトンネルを潜って
また 同じ場所にたどり着く すべてのはじまりはここからはじまる
折り鶴ひとつ 手のひらに乗せて あそぶ
小さな瞳に 小さな体躯を象る
人の摩訶不思議 見えるものがすべて
聴こえるものがすべてなら 嘘が多すぎるだろうこの世界は
僕の中に流れる血潮さえ形を持たない
終わらない 物語を読んでいると誤解して
また ページを捲る手が新しい季節を連れてきても 知らん顔です
何ひとつ無駄のない世界だよ
だってすべてに意味が付随している
わかるかなあ 君は最初からすべての答えだってことに
見えない リボンで
重なり合った 命は螺旋状になって
いくつもの時代をつなぎ合わせてく
終わらないDNAのトンネルを潜って
また 同じ場所にたどり着く すべてのはじまりはここからはじまる
闇にひびが入って
空の隙間から差し込む光 そこに朝は生まれる
そこに今日は生まれる
そして僕ら生まれる
遠い太古からの約束 最初から僕は 僕だった。
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夕暮れ 帰り道を急ぐ 人の流れに
のまれて僕はいつの間にか早足になる
人いきれの通りに 灯る明かりは
眩しすぎて 夜が来たのに涙が丸見えさ
どうしたものかと とぼとぼ歩いてく
ため息を何度も飲み込んで 吐き出せずに
出口を求めてさまよい歩いて気づいた
この世界はどこまで行っても迷路だと
乗り上げてしまった舟の形
それに似ている 僕はいよいよ終わりかな
夢見ることだけは得意中の得意なんだ
だけど形に出来ない 夢見るだけ
どうしたものかと 困り果てたから
とりあえずわけもなく駆け出した夜
あるはずもない出口をまだ探している
教えてよいつまで生きればいいですか?
迷子のように はぐれてしまった誰かを探している
はぐれてしまったのは自分自身だろう
早く見つけたい 迷子の迷子の心
どうしたものかと とぼとぼ歩いてく
ため息を何度も飲み込んで 吐き出せずに
出口を求めてさまよい歩いて気づいた
この世界はどこまで行っても迷路だと
人は誰でも迷子だと
死ぬまで何かを探し続けるんだと。
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星に祈りを 捧げて
すべての人の幸せを願う
君はどうして自分の幸せを願わないんだろう
いつも人のことばかり思っている
優しい君は 自分より真っ先に他人の心配をする
優しすぎるんだよ
いつも傷だらけじゃないか
神様はいないよ
だから君は報われない
少し汚くたっていいじゃないか
嘘ばかりのこの世界の中で美しくいようとすれば
バカを見るだけなのに
君はあくまで誰かを照らそうとするスター
闇の中に 浮かぶ小さな名もないスター
僕だけは 見てるよ
僕だけは 知ってるよ
君がどんなに素敵なのかを
君がどんなに優しいのかを
そして僕と幸せを半分こしよう
貸し借りはなしだ。
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何か残して
消えていく命
飛行機が
残した影のように
僕の生きたあかしを
その足跡をなぞるようにまた最初から
はじまる旅路がある
ここから見えるもの
そしてきこえるもの
探しにゆこう
いつの日にか
僕はどうせいつか
灰になって しまうさ
ならば最後の最後まで大人気なく悪あがき
みんなどうせいつか
跡形もなくなってしまうさ
ならば燃え尽きるまで 性懲りもなく悪戯しよう
コインをはじいて
杖の倒れたほうへ
運任せの旅が
またはじまる
あとにはただ僕の影だけが揺れてる。
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大切な音や声を
ひろうために
耳をすまそうとする僕は僕の中には
どれだけいるかなあ
見逃してる景色や場面をそのままにしてる
僕は目を凝らすことに躊躇してないかなあ
何も見えていないよ
節穴の目じゃ
何もきこえてないよ
肝心なことは
何ひとつわかってない
君が見てる世界は
ほんの一端に過ぎず
君が知ってる事実は
ほんの一部に過ぎず
だから、すべてを見通した目をしている
だから、すべてを知り尽くした顔をしてる
そんな愚かな君は君の中にいないかい
ふわふわとただよう音が 声が
ちぎれてはつながって 歌になる
耳を澄ますこと
目を凝らすこと
本当に出来てるなら
君の目の前の世界がけして上出来だとはいえないはずだよ
君が見てる世界は
ほんの一端に過ぎず
君が知ってる事実は
ほんの一部に過ぎず
だから、すべてを見通した目をしている
だから、すべてを知り尽くした顔をしてる
そんな愚かな君は君の中にいないかい。
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上辺だけの優しさで満たされている
ただ今日は ひたすら誰かを羨んで
隣の庭ばかりを 覗き込む哀れな日々
立ち並ぶ夢の幻影がありきたりな街に
溶けて踊ってる
なんて眩しい 魅惑的な景色なんだ
僕は大切なことさえ忘れてた
小さな ぬくもりも
冬の寒さの中では
何よりありがたい
尖った心にしみるよ
人は独りでは生きられないことも本当は
痛いほど知っている
寂しさの中では
指先に灯るほどの熱さえも愛しいんだなあ
かくかくしかじかありまして逃げ道を走る
今日も暮れてく街に 夜が押し寄せてくる
光という光を集めながら 喰らうように
どうしてだろう 愛というものは飼い慣らせない 代物だ
憂うつと退屈の狭間にただよえば
見える景色などたかがしれている
どんな誰でもいい
優しさがあれば きっと雨も心地いい
傘なんていらないよ
人は 道に迷った時、道をたずねる人を探すだろう
道なんてない人生も
一人で生きるのと二人で生きるのとではわけが違うのさ
立ち尽くす 孤独の中に 僕は何を見つめている
燃えている夕暮れの赤い色に ほほを染めながら 流れ落ちる涙だけは素直に
心を露わにしてる
小さな ぬくもりも
冬の寒さの中では
何よりありがたい
尖った心にしみるよ
人は独りでは生きられないことも本当は
痛いほど知っている
寂しさの中では
指先に灯るほどの熱さえも愛しいんだなあ。