詩人:どるとる | [投票][編集] |
泣けない僕の代わりに雨が降ってる 傘を差して歩いてる人が兵隊みたいに群れをなして行進してる
少しくらい悲しいことがあったってさ
誰ひとり見向きもしないや 今日あの人が死にました 自殺らしいよ
目をつむる 悲しみに
口をつむぐ 痛みに
さよならは なぜか
重ねた傷跡にしみてゆく
自販機の明かりに寄りかかって
僕は下手くそな嘘をついている
生きることは素晴らしい
生きることだけが正しい
嘘をついたぶんだけ汚れてく
そんな事はどうでもいいみたいにまた夜が過ぎてく
全くもって言葉にならない。
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いきなり砂が落ちてきて
泥まみれになった街がほら
テレビの中に 映っています
おはようと言ったあの人が
ケンカしたままのあの人が
今度会うと約束したあの人が
簡単にこの世界から消えました
今日はあの人のいなくなった
悲しい日です いつか思い出すのかな
もういない人の話をしようか
夜が明けるまで 終わらない宴
酒が涙に変わってゆく
もういない人の話をしようか
埒が明かないや 中途半端な思い出
アルバムが 土砂に埋もれてる
あぁあ言葉もないな
今日もまたあの人がいない世界に朝が来て
目覚ましがリリリと鳴る。
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僕は今日から 変わる
何かが 変わる
昨日とはまるで違う
今日の中で
思いきり息をする
思いきり駆け抜ける
昔話は遠い道端に捨ててきたのです
いうなればそれは一歩前に進むこと
だけど同時に居心地のいい場所を離れること
僕は明日また僕になる
同じ僕だけれど
昨日の僕はいないよ
今日の中で
目いっぱい笑って
目いっぱい泣いて
少し 色違いの
今日を生きるのさ。
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日々はただ 風の向こうに流されてゆく
今日が明日に身をあずけているように
雅なる 着物を纏うように
心にいつでも 揺るがないもの 抱えて
明日は 風の中 どこへ吹いていこうか
迷いの森は深く 暗く生きる私たちを悩ませる
遠くに 見える 海は凪いで
思い出を 笹舟に乗せ もう出会えぬ人へ
手を振るのです 静かに今 風が立つ
物語はここから
はじまるのさ。
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君の笑顔が涙でにじんで いつもの君が隠れん坊してる
どこにいっちゃったのかなあ いつもの明るい君は
僕は君の笑ってる顔が一番好きなのに
泣いていたら 笑顔が見えないじゃないか
泣いてる君を見るたび何をすればいいのかわからなくて ただ雨が止むのを待つように遠くから眺めてたよ
いつの間にか 君はいなくなって
この部屋から君の笑顔が消えて
僕はひとりぼっち なぜか考えたけれど
答えが出せずに ただ君の帰りを待ってた
やっと答えを出せたときには 君のメアドは変わってた
べつの誰かの優しさに寄り添っているのかなあ
今更何を言うつもりはないけれど
僕は自分の価値観を君に押し付けてた
誰もいない 夕暮れ時のリビング
ここから見えるキッチンに 君の面影が見えた気がして
僕は急いで部屋を出た
降り出した 夕立の中君の家に向かった
言葉はうまくまとまりゃしないけど
君がいなくなってこんなに寂しいんだって 少しは素直になれたって伝えたくて
僕はまだ君にそういえば一度も伝えてなかった
愛してるって言葉 今言うには遅いかなあ
でも今しかないと思ったんだよ
君は こんな僕を 許してくれるかなあ
ずぶ濡れでドアを開けて 泣いてる僕を
君は何も言わずに部屋に上げてくれた
ひたすら謝る僕に君はいつもの笑顔くれた
そんな君を僕は傷つけたんだなあ
そんな君を僕は愛せなかったんだなあ
でももしもう一度チャンスがあるなら
そんな君を僕に愛させてくれないかなあ
君の隣で また一緒に笑っていたいなあ。
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ひとりぼっちになってはじめてわかったよ 人はひとりじゃ何も出来ないこと
強くなるためには まずは自分の弱さを知ることだ
握りしめた拳は 誰に向けるためにあるの
ただ弱い者を殴るための拳なら
そんなものは強さじゃない 弱い自分をごまかすための単なる弱い者いじめだ
強がってばかりいる弱い自分と向き合って
悲しみにちゃんと涙を流せる素直な人になって
他人の痛みを理解することで 本当の強さを手にすることが出来るんだ
だからもう 無理やり自分を押さえ込むのはやめよう
自分より強い誰かに立ち向かう強さはありますか? 悪いことを悪いと言えますか
正しさに形なんてないけれど 何が正しいかはわかる
繰り返す後悔と挫折 君も同じように打ちひしがれてるのか
どうにもならないことやうまくいかないことを 誰かのせいにしていないかい
それを弱さっていうだよ
涙を流すことも知らない弱虫は 我慢することが
強い人間だって勘違いしたまま大人になって
後ろ指さされないようにと常に周りの目を気にしてるからかっこ悪い
つよがりの君へ 泣いたってちっとも恥ずかしくないよ
泣かない強さを覚えるよりも
泣けない弱さを覚えるよりも
泣ける強さを覚えなさい
そして気持ちよく笑えたら 一番いいだろう
強がってばかりいる弱い自分と向き合って
悲しみにちゃんと涙を流せる素直な人になって
他人の痛みを理解することで 本当の強さを手にすることが出来るんだ
だからもう 無理やり自分を押さえ込むのはやめよう。
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僕らには行き先などないのさ
僕らには予定などないのさ
長いトンネルをしばらく潜ってる
何故だろう いつまで経っても
抜け出せないよ
誰もが買うことを許されている切符には
どこどこまでなんて書かれてないからね
最初から 生きる意味なんて悲しいほどに
無かったんだねえ
だから多少のことには目をつむり
雑踏の中へ 僕はまた逃げるように消える
今日もまた 終電がない
僕らには心なんて あるようで無い
鳥かごの中で飼われてるから
息をするようにさわぐ夜の闇が
何故だろう いつもよりやさしくて
ふと死にたくなる
たとえば 空を飛べる羽根があるなら
僕はこんな世界なんか捨てられるのに
何もかも 嘘ならば今日など無くていい 光など邪魔なんだ
それでもこの心は朝を欲してやまない
静寂の中を 埋めるにぎわいが命を沸かす
今日もまた 愛に飢えている
光にも見えたんだ
あの日 出会った
小さな優しさが
僕に生きる喜びを
はじめて教えてくれたのにその優しさにはもうふれられない
最初から 生きる意味なんて悲しいほどに
無かったんだねえ
だから多少のことには目をつむり
雑踏の中へ 僕はまた逃げるように消える
今日もまた 終電がない
僕が乗るための
終電はない
気づけばいつも過去が走り去ったあとなんだ。
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ねえ ただひとつの命が消えたら
もう同じ波は 押し寄せないのです
ねえ もうひとたび 命が押し寄せても
それは同じ命とは呼べないのです
苦し紛れについた嘘のように
千年越しのはじめましてのように
懐かしくも新しい 風が君を運んでゆく
死んでいった時の歌声があるとしたら
それは 胸の中にひびくこの心臓の音さ
さよなら もう出会えない旅から旅へ繰り返すように
夜は朝になり世界に
ただひとつのあなただけの夜明けが来る
その夜明けははじまりでもあり終わりでもあること
忘れないで すれ違う命の不思議
大切な誰かの声が世界中から消えていく
そんな悲しい朝が来ないように願うから
せめて最後は 痛みのない安らかな顔で
誰かが寂しくないように空よ晴れ渡れ
世界よ 平和であれ。
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ああ 空っぽだ
僕の中には何もない
色のない塗り絵のようだ
夜が過ぎてく 朝が過ぎてく
時ばかりが 積み重なっていく
届かない星を目の前にしている
僕らにはそれを眺める望遠鏡さえない
僕は何も知らない
笑うこともぎこちない泣くことも 滑稽で
まだ 完璧には程遠い
何かが 汚くて 何度も手を洗ったけれど
若さという邪魔な贔屓目からは逃れられない
何か大事なものを取り損ねた気がする
責任のない僕は君には青く見えるのか
ならば僕は心から童貞です。
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僕は自分が無知ということを知っている
だけどそれだけじゃ手持ち無沙汰だよ
だから無知の知を知っているんだよ
だから何もない世界にも花が咲いてる
あなたが言いたいことは多分伝わってる
僕にはわかる なんとなくわかる
目を閉じて 耳をすまして すべての感覚を無意識の中へ突き落として 生まれる静寂と暗闇の世界へ
ようこそ新世界は ここだよ 君も空っぽになって
その中にある 見えない光に 手を伸ばせ
君はすべてを知らないことに気づいた
ならば嘘をついていた自分を恥じろ
そして隙あらば 僕は君を責めるだろう
だけどその時の僕の顔はゆがんでる
神様は許してくれるだろうか わからないことが答だと
空を飛ぶことも海を泳ぐことも出来ないけれど 大地を一歩ずつ歩ける足がある ほらその足で羽ばたけ
さらば 古ぼけた地図は破り捨てて あくびひとつして
「何も知らない」そのわけを悟れ
いっそ何もかも逆さまにして考えてみるのさ
地球儀は回る ただひたすら
夜と朝を繰り返す この世界を無慈悲と嘆けば 途端にすべてが涙で滲む
ならばせめて 下手くそでも最後まで悪あがき
目を閉じて 耳をすまして すべての感覚を無意識の中へ突き落として 生まれる静寂と暗闇の世界へ
ようこそ新世界は ここだよ 君も空っぽになって
その中にある 見えない光に 手を伸ばせ
その先に待つ新世界へ。