詩人:どるとる | [投票][編集] |
僕の傷跡ごと 愛してくれないかなあ
僕を愛しているというならば
僕の弱さや 脆さまでも抱きしめて
ほかの人と変わらないまなざしをくれないかなあ
ふいに迷い込んだ
道なき けものみち
僕は僕であることをいつからかやめていた
本当に 本当に 僕を愛しているのなら
生まれもっての傷跡なんて気にしないで
嘘みたいに 夢みたいに
その体に流れている血のあたたかさを教えてくれないかな
僕も愛されることが出来るってわかりたいから
あなたに愛されることがどんなに幸せか知りたいから
僕は足がないよ 生まれつき目が見えない
耳が聴こえない 歩くことが出来ない
そんな人たちを指差して嘲笑うなら
その人は人とはもはや呼べないなあ
名乗ることもおこがましい
誰かの背負ってる傷跡を見たのなら 黙ってその傷跡に寄り添いなさい
自分のことを人だと名乗りたければ
人らしく 心を見つめて 傷ついた人のそばに立ってごらん
嘘みたいな 夢みたいな
あったかい涙が流れたら 少しだけ人の痛みが見えるよ
僕も誰かのためになれるって気づかせてくれよ
生まれたことを心から良かったと思い知りたいから
かみしめたのは 生きていることへの喜び
なんてありきたりなんだろう でもそんな当たり前なことがいつも大切なんだろう
だから僕は道をそれる
隠した自分自身を見つけだすために独り
本当に 本当に 僕を愛しているのなら
生まれもっての傷跡なんて気にしないで
嘘みたいに 夢みたいに
その体に流れている血のあたたかさを教えてくれないかな
僕も愛されることが出来るってわかりたいから
あなたに愛されることがどんなに幸せか知りたいから
生きていることがどんなに ありがたいか知りたいから。
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愛とは 生やさしい猫なで声ですり寄ることじゃない
本当にその人を思うのなら 拳握りしめて
誰かの間違った行いを戒められるんだ
ところがどうだい?
ふと周りを見渡せばほら子を殴れない親さえいる始末
いつから愛はこんなに貧弱になったのか
叱りつけて叩けばほらすぐに親がしゃしゃり出て子を意味なく庇うだろう
愛は叫ぶ おまえを愛しているんだと
言葉じゃない 体中に伝う血の通った
あたたかさで つよく抱きしめる
愛とは 厳しさの中にあってこそ愛だ
優しさはかりじゃ伝わらない
だから握り拳固めて間違えているおまえを叩くんだ
ああ愛とは結局、痛みを知らない人に人の痛みを教えることだ。
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風に捲られる物語のページ
ほらねそれは突然に始まり終わるのさ
願ってもないのに夜が明けるように
或いは日が沈むように
悲しみの中にだけ喜びはあるのです
始まりは終わりから生まれる
目を閉じたらすべての光が消えるように
光と影の悪戯 同じ世界に存在する悲しみと喜び
家族の幸せな食卓と海の向こうの戦争
同じ世界でこうもすれ違う暮らし
愛の音に耳をすましてつかまえる
見えないものもなぜかここにある
手触りや感覚が無かったなら
きっと気づかないことばかりさ この世界は
絶望は希望の隣にあるのです
涙を知らなければ笑顔にはなれない
喩えば雨上がりに架かる虹のように
狸と狐の化かし合い 意味の無意味さを探る
今日の僕の生き恥と
誰も知らない人の死と
比べた途端に僕の悩みの小ささを知る
ほら彼方に 見える
いくつもの人の営みが ひとつに重なって
いつか すべて消える
そんな繰り返しを
誰が見届けてくれますか
誰が褒め称えてくれますか
そうです 意味などないのです
だから意味を決めるのです 生きる意味を
光と影の悪戯 同じ世界に存在する悲しみと喜び
家族の幸せな食卓と海の向こうの戦争
同じ世界でこうもすれ違う暮らし
狸と狐の化かし合い 意味の無意味さに笑う
今日の僕の生き恥と
誰も知らない人の死と
比べた途端に僕の悩みの小ささを知る。
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時間が底を尽き
すべてがすべてに
終わりを告げる時
僕は今まで知らなかった世界へ行く
もう何度も繰り返した言い訳さえも
考えなくていいんだな
さあ 片付けるものを片付けて
しまうべきものをしまったら
世界は僕の中で完結する
それは彼方に待てる光
闇を恐れぬ雄々しい勇気
空の向こうへと続く次なる物語。
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夢でも見ているんだろうか
浅い睡魔に揺られ
ブランコ漕いでる僕の意識は
真夏の暑さに蒸発気味で
この際間違っててもいい
この世界には本当の答えや絶対的な正しさなんてないんだから
広がる空の前では僕なんか本当にちっぽけで
悩みなんてまるでないように思うんだ
君は僕が好きで 僕はそんな君が好きで
ただそれだけで世界は明日も廻るだろう
君が僕に笑えば 僕も君に笑いかける
たたそれだけで世界は明日も優しいだろう
いつからか抱いた気持ちは
水のように透明
綺麗だけどすぐに澱んでしまうよ
心の醜さまでもありのままに映すから
常識なんて頭にもなくて
ただ心行くままに向き合っていた
それでいいんだって世界は僕に言うよ
ふいの風に気持ちを悟られて 立ち止まる夜の中
信じられるものだけが光り輝いている
君は僕と同じ僕も君と同じ変わらない
ただそれだけで世界は僕らを非難する
ただ好きなだけじゃ
愛してるだけじゃ
いけないのかな 君だけしか見えないのに
指を差されるような愛ならば
笑われてしまうような愛ならば
正しさばかり考えて心を見ようとしなかった
でも今なら僕は君を受け入れられるよ
君は僕が好きで 僕はそんな君が好きで
ただそれだけで世界は明日も廻るだろう
君が僕に笑えば 僕も君に笑いかける
ただそれだけで世界は明日もまぶしいだろう
明日も僕は君を好きなんだろう
そして君は僕を好きなんだろう。
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夜の中 そっと
目を閉じてみれば
まだ見ない
あしたが見えてくる
夢の中 船を出す
想像の海原 朝をめざして オールを漕ぐ
悲しみも 喜びも
見えない 今は見えない
ただ大切な人の
ぬくもりだけ
この手にあるよ
君のすべてを知りたい
僕のすべてを知ってほしい
それはわがままかなあ
でも本当の気持ちなんだ
もしも許されるなら君を僕のものにしたいな
少し痛みを伴うよ
人を愛することには
人に愛されることには
でも、痛くても
一緒なら大丈夫
好きな人となら幸せさ
君のすべてになりたい
僕のすべてになってほしい
最初で最後のわがままさ
世界のどこを探してもいないよ
君みたいな人はね
たった一人 一人だけさ
ねえたまに大切なとこが膨らんじゃうのは
許してね 君が好きな証だよ
君のすべてを知りたい
僕のすべてを知ってほしい
それはわがままかなあ
でも本当の気持ちなんだ
もしも許されるなら君を僕のものにしたいな。
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目の前に広がる夜をのぞき込むように
誰かの窓辺に想像の月明かりになって
君の心に少しおじゃまするんだよ
おかしいな 何も見えない闇の中じゃ
伝わるものも伝わらない すれ違う心
僕の夜と君の夜を遮るすべてを消し去る
不思議な魔法の言葉
「愛してる」
小さな街の向こうへと想像の星を降らす
君の可愛いあの顔がほらこんなにも近く
僕を見つめてる。
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言葉を選んでいる
人と向き合うのに
傷つけまいと臆しながら腫れ物にさわるようにしたら
傷ついた君が涙を流しました
なんでだろう
なんでかな
いつもうまくいかないや
言葉を使うつもりが
言葉に使われている
僕が選んだ言葉は自分の弱さをさらけ出す嘘っぱちだったよ
無防備な愛は
消せない痛みを
抱えました。
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世界は一冊の物語として
読み進める誰かがいるとしたら
この夜も朝も誰かが読む物語の途中のページです
流れるようにめくられてゆく
見えざる何者かの指先がまた
明日を連れてくる
始まりの先は終わりだよ
だけど終わりの先にはまた始まりがある
終わりの始まり 始まりの始まり
ほら何も寂しいことはないみんな一緒だ
昨日の続きから 踏み出す物語
君も本を読むように生きている
今ある時間は死ぬまでの果てしなく長い読書だ。
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危うい手つきで君にふれたら
少しだけあなたは悲しそうな顔をした
愛というものがまだ何かもわからず
ただ好きならそれでいいと思ってた
最終電車に乗っかって
なくした心を探しに行こう
君を好きなはずの僕に会いに行こう
思わせぶりな態度はやめて
さあ好きなら好きと言おう
今は途中下車してたどり着いた
名前のない まっさらな初恋という駅。