詩人:どるとる | [投票][編集] |
大切なことは言葉にしなければ
わからないかい?
でもねすべてを言葉にしてしまうことはないよ
だって僕ら口以上にものを言う心っていうものがあるから
うまく言葉にならない時は口を閉ざして
代わりに心に本音を語ってもらおう
言葉じゃ伝わらない
とても伝えきれない
思いがここにある
愛してるという言葉 大切にしたいよ
それでも今はそんな言葉に頼らずに
せっかく持ち合わせたぬくもりで
さわってみよう 大切な誰かの素肌に
そして何も言わずに優しく笑うんだ
その時、言葉以上の何かが生まれるよ
たとえば言葉要らずの会話のような
そんな二人の静かな伝言ゲーム
はじめよう はじめよう
ここにいるよって言わなくてもわかる
嘘のつけない心と心の会話
不器用なところまで誰かにそっくりさ
間違っていいよ 人間らしくていいよ
やがて長い夜は明けて朝陽が差す
その時、なんとなく心が見えるんだよ
積み重ねてく言葉の積み木
バランスを崩したりするのもまた人生
それでも楽しい ゆかいな日々だ
愛してるという言葉 大切にしたいよ
それでも今はそんな言葉に頼らずに
せっかく持ち合わせたぬくもりで
さわってみよう 大切な誰かの素肌に
そして何も言わずに優しく笑うんだ
その時、世界は愛し愛される意味を教えてくれるよ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
透明な輪郭をなぞる見えない指先が
頭の中のイメージを縁取ってゆく
それはたとえばここにあるのに
どこにもない幻さ
それでもあると思えばなんだってここにあるよ
見えないものも聴こえないものも
無音の中にそっと耳をすまして
暗闇の中にそっと目を凝らして
想像するんだよ ありもしない世界を
そしてつかまえる感触のない確かなもの
触れられるものなら手を伸ばせばいい
でも見えないものや聴こえないものは
どうやってつかまえればいいのか
それを知るにはさわぐ心を落ち着かせて
静寂の中に そっと紛れ込むかすかな
心の揺れ動きに敏感になることさ
丹念にその音に神経を集めてはじめて
見えてくる聴こえてくるものがある
透明なのに色鮮やかに僕や私だけの世界。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
あざやかに 君を包むのは形のない音色
ひそやかに 君を照らすのは見えないもの
音にも形はあるんだ
僕らの心が感じるままに形は変わってしまう
指先にチクリ 刺さった傷跡から
にじむ血のように
わかりやすい生きる証があればなあ
何がしかの痛みと共に 襲い来る戦慄
味方じゃないけど嫌いになれない苦痛
それはたとえるなら耳障りなメロディ
深く果てしない愛に満ち溢れているよ
その名はメロディ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
宇宙飛行士みたいに
ロケットに飛び乗って
絶え間なく未来をめざす僕らは
未来飛行士さ 行く先はいつでも未来です
夜と朝の隙間縫うように たどり着く先はいつでも未来だ
未来は未来 腐っても枯れても未来は未来
未来は未来 今日も未来明日も未来
過ぎ去った過去もはるか昨日までは未来
未来は未来。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
海にも感情はあるようで波立つときもあるよ
体中に鱗をたたえた名もない魚が夜の闇の中を進む
ざぶんと音を立てるその波の向かう先は
きっとはじけて散り散りになって
そんな悲しい運命で
それでも波は何度も押し寄せて
存在を提唱している
幾多の波をくぐる
逞しい魚になって
僕は心を世界に
泳がせる 泳がせてる。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
夜は比較的好きなんだ
めんどうなことも見たくないものも
隠してくれるから
ごまかしてくれるから
すべての光に夜が纏わりついてる
そんな表現が似合うかなあ
すべての悲しみに
すべての喜びに
影は食らいつき
一時的な浅いモザイクをかける
夜を纏う光 悪を知り尽くした正義
断じて きれいごとだけを叫ばない
世の中に はぐれた光
朝を遠く見つめてる
世界を睨みつけてる
ねえ 答えはいつでも暗い暗い闇の中なら
同じだろう 痛みを重ね合わせて
明日へ明日へ急ぐんだ
すべての悲しみに
すべての喜びに
影は食らいつき
一時的な浅いモザイクをかける
夜を纏う光 悪を知り尽くした正義
断じて きれいごとだけを叫ばない
世の中に はぐれた光
僕を遠く見つめてる
その心を 試している。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
お母さんが子供の手をにぎって
生まれてきてくれてありがとうって
ささやくような仕種に光を見るんだよ
ちゃんと血の通った手のひらじゃないと
叩いても抱きしめても意味は無いのです
「ただいま」って言うときも
「おかえり」って言うときも
お母さんの手のひらは遠くからでも
わかるほどに大きくて僕をいつでも
優しくあたたかく包み込んでいる
愛してるって言わなくても
わざわざ言葉にしなくてもね
愛なんて伝わるんじゃないかなあ
愛なんてさ 言葉じゃ伝えきれないから
そんな時は何も言わずに肌にふれるんだ
仲良く寄り添うときも
背中合わせで喧嘩したときだって
あなたは僕のことを心配してくれる
何より僕のからだを気遣ってくれるよ
大事な気持ちは心を伝って届いてる
ほんとは素直にありがとうって言いたいよ
恥ずかしがらずに胸の奥に隠した気持ちを吐き出したいな
疲れたようにしわくちゃのあなたの年老いた手のひら
見つめながら僕は思うよ
今まで迷惑かけてきたからこれ以上迷惑はかけちゃいけないって
「ただいま」って言うときも
「おかえり」って言うときも
お母さんの手のひらは遠くからでも
わかるほどに大きくて僕をいつでも
優しくあたたかく包み込んでいる
世界でただひとりの僕のお母さん
大人になった今でも僕を守っている。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
瞼をそっと閉じてごらん何が見える
何も見えない
何も聴こえない
余計なものは何ひとつない夜だ
僕の瞳に 灯っている明かりはとくとくと脈打って
僕に教えてくれる
生きてること
当たり前だなんて笑わないで
たとえばこの世界に朝が来なければ
闇なんてそれ程恐くなんてない
たとえばこの世界に夜しかなかったら
光はどれだけ有り難いんだろう
目を開けば当たり前にそこに朝があり
怯えてた夜でさえも必ずあたたかな陽射しが君を照らす
世界に光を届けてくれる。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
この胸を つらぬいて
深い傷跡をつける
悲しみにそっと僕は話しかけてみる
ねえおまえは僕が死ぬまで
ずっとどこまでも僕の隣にいるのかって
なんてことのない景色の中に滲んでる
なんてことのない夕暮れが今日はなぜかいつもよりきれいで
悲しみを知ってまたひとつ人は
強くなっていくよ
他人の痛みを知るから はじめて人の痛みに気がつけるよ
うねるようなこのめくるめく時代の中で
どれだけ変わらないでいられるかが
これからの僕たちの課題だね
人波に消えていく君の小さな足音
やがて誰も知らない未来へと遠ざかる
14歳の君がいたよ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
夜の中にも 夜はあるのさ
人の悲しみが 一人一人違うように
朝の中にも 朝があるのさ
笑顔だけを背負うことは出来ないよ
瞳の中に ただはてしなく広がる闇が
見上げる誰もをその圧倒的な全身で
包み込んでしまうよ 覆い尽くしてしまう
僕は勝手気ままに夜を行く 一粒の星になる
涙の中にも 涙はあるんだ
始まりの先にまた終わりがあるように
笑顔の中にも
笑顔があるんだ
でも見ようとして見れるものじゃない
頭の中で 描く闇には形なんて無い
そうさ形のないものに形を与えるのは
僕らの心だよ 僕らの気持ちだよ
見えているものを音として
聴こえているものを光とすれば
まだわからないものがわかるだろうか
この世界に 今新しい夜明けがおとずれる
瞳の中に ただはてしなく広がる闇が
見上げる誰もをその圧倒的な全身で
包み込んでしまうよ 覆い尽くしてしまう
僕は勝手気ままに夜を行く 一粒の星になる。