詩人:どるとる | [投票][編集] |
振り返れば ほら
長い道のりだった
僕が歩いてきた
足跡が見える
辿ってきた道は
振り返ればあっという間で
だけど考えりゃとても長い道のりだった
いろんなことがあったもんだな
悲しいこともあった
嬉しいこともあった
時には腹を立てて
殴り合ったあの夜
青春なんて言っちまえば
大げさだけど そんなもんだろう
馬鹿みたいに笑いあえば
喧嘩してたことなんて忘れちまって
みんな手をつないで肩を寄せ合って
若さだけを武器に今を精一杯楽しんでた。
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本当の中の嘘が見えるかい?
嘘の中にある本当が見えるかい?
世の中、嘘ばかりつく大人になるなよと
教わってきた筈なのにみんな嘘つきだ
愛想笑いを嘘と呼ばず
お世辞も嘘と呼ばず
「大人の事情」っていう都合のいい
言葉で片付ける大人に僕はなりたくはなかった
本当のことをいつもいつでも話したい
本当の顔をいつもいつでも浮かべたい
悲しけりゃ泣いて
嬉しけりゃ笑って
腹が立てば怒って そんなふうに自分の気持ちに正直に生きたいだけなのに
世の中はそんな正しさこそ「間違い」というのです
でも僕はそんな気持ちは
悪気のない正しさだと思う
心の中の汚れが見えるかい?
目をいくら凝らしたって見えないよ
人の悪口をこそこそ話す声が
聞こえるかい?やかましいもんだ
世の中、正しいことがすべてだというけど
正しさって一概には言えない みんなそれぞれ違うから
煽てて 持ち上げて
たまには 心ないことも言って
目上の人の機嫌をとり続ける 大人ほど情けねえもんはない
建て前より本音で人と向き合いたい
だけど本音を隠したいときもあるよ
正しいことを正しいと言うのは
間違ったことを間違ってると言うのは
きれいごとだろうか?余計なお世話だろうか
間違っている世の中に足りないのは きっと当たり前なこと
情けや心より 人の目を気にし過ぎて
あるはずもない荷物を抱えているよ
本当の自分でいたい 素直になりたい
いつしか作った自分じゃない自分
悲しけりゃ泣いて
嬉しけりゃ笑って
腹が立てば怒って そんなふうに自分の気持ちに正直に生きたいだけなのに
世の中はそんな正しさこそ「間違い」というのです
でも僕はそんな気持ちは
悪気のない正しさだと思う。
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ゆっくりと流れる時を眺めていました
移ろいゆく時の渦を見つめていました
僕の目の前にはいつでも
絶えず落ち続ける砂時計があって
その砂時計と人は否が応でも向き合うのです
悲しみも喜びも いずれひとつになって
重なり合って 同じ場所に消えていく
僕らの行き先なんて最初から知れている
終わらないものなんて何ひとつない
この世界でも 大切なものを僕らは たくさん手に入れるよ
永遠はなくても終わらないものがある
雫が垂れて 落ちる様に似ているんだ
人が生まれ そして死に絶える様は
僕の頭の中で 回り続けるもうひとつの世界
理想と現実の狭間に立ち尽くしたまま
届かないものにさえ手を伸ばす日々
憎しみも愛しさももとを正せば
誰かを思うこと 出発地点は同じだ
僕らの命に違いなんてあってたまるか
僕らはそれぞれが違う今を生きている
そんな当たり前を笑うなら あなたの心はたちまち腐り果てる
終わりがあるからこそ生きる意味がある
ゆらり ゆらり こぼれ落ちた涙に歌うよ
ねえ 大丈夫さ 明けない夜なんてない
あなたはそれをよく知っているはずだ
僕らの行き先なんて最初から知れている
終わらないものなんて何ひとつない
この世界でも 大切なものを僕らは たくさん手に入れるよ
永遠はなくても終わらないものがある
おしまいのその先にも始まりはあるさ。
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涙はどこに流れていくんだろう
流れたそのあとはどこに行くんだろう
とりあえず悲しいから泣いているけど
とりあえずうれしいから泣いているけど
涙のあとを追いかけて
僕は走ってゆく
涙が歩いてきたんだね ここまで僕を
迎えに来てくれたんだね ありがとう
涙のあしあとが明日の笑顔まで
続いているよ 悲しみの雨上がりに虹が出るよ
そしてまた僕の頬を濡らすために
涙はここに帰ってくるんだよ
涙よおかえり。
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深緑に染まる道
夕暮れ 手を振る帰り道
誰かの影が 揺れている
少しだけ悲しくて
少しだけうれしくて
あなたと手をつないで歩けば
どんな 悲しみの中でも笑ってられるよ。
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見えないものの輪郭をなぞるもの
透明を染めるのはなんだろう
聴こえない音を 聞き取れるもの
それは心でしかわからないもの
ふれているのに ふれていない
感覚じゃなく感触でもなく心だけに伝わるもの
わかるかな 指先にチクリ 針で刺したように生まれる赤い鮮血のようなものでかすかでも確かに伝わる痛み
形を持たないものの形はどこにある
正体のないものの名前はどこにある
わからないすべてをわかろうとして
解き明かした答えはどこかちぐはぐで
目を閉じた時の暗闇にさえ 形はある
でも、それは人が押し付けた想像にしか過ぎない
あざやかな感覚が 心の中に広がってく
見えないものにも聴こえないものにも
それぞれの色や形がある
知りたいときは 痛みさえも 受け入れてごらんよ
幸せさえも痛々しい
喜びさえも禍々しい
わかるかな 指先にチクリ 針で刺したように生まれる赤い鮮血のようなものでかすかでも確かに伝わる痛み
あざやかな感覚が 心の中に広がってく
見えないものにも聴こえないものにも
それぞれの色や形がある
見えない聴こえないその向こうにある世界
そこに行きたいのさ。
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たったひとりの人を死ぬほど愛したい
たったひとりの人に死ぬほど愛されたい
見せたくない部分までさらけ出してよ
君のすべて 僕なら愛してやれるから
君と交わすのは舌と舌を絡め合う
ディープキスみたいな甘い誓い
この世界が 壊れてしまうまで
この手を離さないでいようね
たったひとつの時間の中で笑ったり
たったひとつの時間の中で泣いたり
いろんなことを繰り返して生きてく
そんな日々が明日をつくっていくんだね
君と犯すのは 同じ罪さ 僕らは共犯者
僕は君が好き 君は僕が好き
そんな思いだけが 世界を照らしてる
君と交わすのは舌と舌を絡め合う
ディープキスみたいな甘い誓い
この世界が 壊れてしまうまで
この手を離さないでいようね
すべての夜が寄り集まって
すべての朝が寄り集まって
今、ひとつになる。
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たとえば僕が死んだとしたら
一体誰が僕の死を悼んでくれるだろう
友達も恋人も家族もいないとしたら
きっと僕はたった一人空に昇るだろう
雨が降る 日が陰る
街並みは 静けさに包まれて代わりに
傘の花が咲き乱れる
どこに行こう どこまで行こう
誰と行こう 誰とでも行こう
僕のまま あるがまま
生きていこう 生き続けて行こう
僕が死んだら きっといちばん悲しいのはほかの誰でもない僕自身だろう
僕自身だろう。
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僕はひとりぼっち
夜の中 朝の中
どこにいても
ひとりぼっちさ
君もひとりぼっち
悲しみの中 喜びの中
どんな気持ちでも
ひとりぼっちだ
悲しくて うれしくて
たまらないから
言葉にならずに立ち止まって
見上げた空に星を探してた
生きている
僕は生きている
ただそれだけのことが僕を生かしてる
そんな当たり前なことが僕の存在を支えている。
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何かを重ねるように
何かを紡ぐように
終わらない繰り返しの中で
僕らはほころびの先をつまんで
自ら望まず手繰り寄せる終わりを
いわばこの世界は
ひとつの毛糸玉
そして僕らは
その毛糸玉からほつれた小さく細い糸屑
僕は今の心を紐解く言葉を持たない
悲しくて うれしくてどこか切なくって
季節が巡るたびに想うんだ
僕はまたひとつ歳をとって
終わりに少しだけ近づいたんだなと
昨日と今日を
重ね合わせてみるけど
似てるようで違うからね
合うはずもないよ 同じ景色でも
起こりうる出来事さえ違うから
ねえ 息をしてそして 吐き出す行為は
いつまで 僕らは
出来るんだろう
当たり前なことも永遠じゃないんだ
僕は目を閉じて暗闇を抱きしめた
心地よくて 痛々しくて 生きることはね
どんな人も同じ 悲しみと喜びを背負う
僕はまた ひとつ何かを知って
何かを忘れてく 遠い昔に見たあの夢
それは もう手の届かない幻
僕は けして引き返せない道を歩いてる
悲しくて うれしくてどこか切なくって
季節が巡るたびに想うんだ
僕はまたひとつ歳をとって
終わりに少しだけ近づいたんだなと
進んでいるようで
僕は 鞘を刀に納めるように もといた場所に戻っていくんだと。