詩人:どるとる | [投票][編集] |
キーを回す あたためるエンジン
夜明け前の ささやかな思いつき
ドライブに行きたくなった
助手席には あくびする犬を乗せて
全開にした窓の向こう流れる景色
そして長い夜が明けていく
東から放たれたサーチライト
笑ってるつもりなのに いつの間にか泣いてる
心配してもらうほど弱くはないはずなのに
一人になるととたんに無口になって
泣くくらいしかやることがないのと 強がり意地を張る
全くどうしようもない人ねと彼女は笑いながら
それでも抱きしめてくれるから ますます僕は 泣いてしまうよ
エンディングに向かって走る映画
つまらないアメリカンカントリー
カウボーイが馬を追うだけのストーリー
昨日見た夢のことや些細な出来事
聞いてもらうことはごまんとあるよ
やがて たどり着くだろう季節の終わりに僕は何を最後に思うのだろう
気づかないうちに嘘をついて 見栄を張るようになった
僕は自分の小ささが情けなくて笑ってしまう
探してるのは答えではなく 逃げ道や言い訳ばかりだ
心は意地悪だね 肝心なとき 何も教えてはくれないから
飲み干した珈琲 際限なく注ぎ足される 24時間
なんとなくで 体を寄せあいそれを 愛と嘯いていた
この頃 謝ってばかりだね
でもそれもいいねって うやむやにした
嘘だっていいさ それを 愛と思えれば
笑ってるつもりなのに いつの間にか泣いてる
心配してもらうほど弱くはないはずなのに
一人になるととたんに無口になって
泣くくらいしかやることがないのと 強がり意地を張る
全くどうしようもない人ねと彼女は笑いながら
それでも抱きしめてくれるから ますます僕は 泣いてしまうよ
泣き疲れた頃にやっと 笑うよ
思えば いつも君に助けられている
今さら気づいた 君の空っぽのベッド。
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ドライブに連れてって
夜明け前に君が突然言い出した
悲しみも 笑い飛ばす君の笑顔
わがままに咲き乱れて
カーブを曲がれば
海が見えるよ
夜が明けていく
その瞬間を
君に見せたいな
窓の向こう 流れる景色を風が運ぶ
海鳥の群れ
光と影のダンス
ドライブ・ア・ゴーゴー
どこまでもこのまま。
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少しのことで泣き声上げる この心は弱くて
誰かが側にいないとすぐに 泣き出してしまう
がらがらの電車の中、窓に映る月
闇がすっぽりと世界を覆って
何も見えない
降りだしたとたんにすぐ止んだ雨が
濡らした 肩に雨粒が人懐っこく ついてる
あなたがあなたであるという
ただそれだけのことが
どれだけ僕には大切なのだろう
あなたを知らない人からすれば
あなたが いなくなっても悲しむこともない
それでもあなたをよく知る
僕には誰かには「それだけ」のことが
深い 深い悲しみになる
ちょこんと座る 葉っぱの上に 一匹のかたつむり
おまえはいいなと 勝手な憧れを 突きつけて
悲しみの居場所さえこの街にはない
涙は邪魔だと 邪険にされるだろう
優しい色をしている
悲しみを見つめて 愛しいと思えたら
たまには 抱きしめてください
あなたが あなたを否定したら
あなたはあなた以外の何ですか?
あなたは あなたから一歩も逃げられない
何しろあなたはあなたでしかない
あなたはあなただからこそ素晴らしい
誰かの優しさに気づくとき 悲しみの存在に気づくだろう
優しさと悲しみは家族のようなものだ
つま弾きにすべきではない
悲しみはそっと
孤独に 生きる
優しさの影に
隠れて 雨上がりの虹のように
悲しみという種から芽が出て
優しさになっただけ 。
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油断したらすぐに凍えてしまいそうな
寒さを堪えながら家路に向かい歩いてる
鼻歌混じりにため息も白く煙ってる
多分僕らの間には余計な言葉は要らなくて
ただ 寄り添っていれば簡単に幸せになれた
つないだ手を ときにわがままに離したり
ときに 寂しくなって あわてて結び直したり
もう絡まってほどけないほど 複雑な結び目を重ねて
僕らは いつの間にか 同じ未来を その瞳に映してた
世間はクリスマスだと浮かれながら
意味もわからずはしゃいで ばか騒ぎして
綻んだ 時間の先っちょを つかんでる
百年くらいしたら 君も僕も変わってしまうでしょう
それでも変わらないものを 愛そうよ
運命なんて知らないけれど 出会ったことで
僕らは僕らになったのならそれは運命かな
存在するすべてに 終わりがあるなら 永遠なんてないから
限りあるこの時間の中でどれだけ君を 愛せるかな
毛糸玉みたいな 命が少しずつ
綻んでいくのを なんとなく感じてる
止めるすべもなくただ流れるまま
収束するすべてを見送るだけ
つないだ手を ときにわがままに離したり
ときに 寂しくなって あわてて結び直したり
もう絡まってほどけないほど 複雑な結び目を重ねて
僕らは いつの間にか 同じ未来を その瞳に映してた。
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両手もかじかむほど寒い冬の夜
もうすぐやって来るクリスマス
サンタさんに何をお願いしたの?
内緒って笑う我が子を母親は
あたたかい目で見つめてる
誰にも訪れる クリスマス
戦争の絶えない国にも
ひび割れた窓辺にも
貧しい人にも
雪は 降り積もり すべてを白く染めて
遠く鳴る 鐘の音
メリークリスマスをあなたに
歩き疲れ 立ち止まる公園通り
一人の少年が寂しそうに立ち尽くす
僕はクリスマスなんて大嫌い
涙を浮かべて 少年は言ったよ
クリスマスの日ママはいなくなった
誰もが大好きな はずのクリスマス
泣いてる人もいるよ
笑ってる人もいるよ
一人ぼっちの人にも
優しい明かりが寄り添うよ 赤と緑のクリスマスカラー
もみの木のてっぺんの星
キラキラと輝いてる
振り返る 僕の思い出がよみがえれば
閉じたまぶたの向こう クリスマスは
いつだって 輝いてる思い出のひとつだ
すべての人にどうか同じ輝きがあるように
誰にも訪れる クリスマス
戦争の絶えない国にも
ひび割れた窓辺にも
貧しい人にも
雪は 降り積もり すべてを白く染めて
遠く鳴る 鐘の音
メリークリスマスをあなたに。
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君は今頃何をしているだろう
なんとなく気になってしまうよ
距離を結ぶのはたまの電話ではなく
目には見えない何かだと信じよう
真夜中 君に会いたくなって
せめて声だけでも聞きたくて
公衆電話に走った雨の夜
受話器越し聞こえてきた君の声
安心した僕は泣き出してしまうのさ
幸い雨の音で何も聞こえない
やたら記念日を大切にするから
毎日何かしらの記念日になる
出会って何年になったかなんて
忘れてるのに君はずっと覚えてる
ささやかな僕の何気ない言葉を
宝物のようにしまってる君
十円を積み重ねて時間を忘れて話した
ずっと昔の恋する人たちにしかない時間
十円が切れたとき話したいことが
ある筈なのに 素っ気なく呟くさよなら
携帯があれば いつでもどこでも話せる
そんな時代ではなかった僕らの恋は
会話をするのも少し面倒で でもそれが
ほんの少し 楽しみでもあったのさ
真夜中 君に会いたくなって
せめて声だけでも聞きたくて
公衆電話に走った雨の夜
受話器越し聞こえてきた君の声
安心した僕は泣き出してしまうのさ
幸い雨の音で何も聞こえない
言葉を探しながらたどたどしく話す
僕らは不器用に精一杯恋をしていた
そんな恋が君にはできるかな?
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さっきからため息ばかりついてる
約束なんてもうどうでもいいみたいだ
いくつも重ねた 共有した時間
僕らはもう 来るとこまで来てしまった
黙ったまま 唇を盗むように奪うから
これからは余計な言葉 言わせない
木枯らし吹きすさぶ冬の 並木道で
木の葉を集めて 綴った詩を
今、静かに紐解いて解き放とう
羽ばたきだけを残して飛び立つ 思い
窓ガラスに描いた愛してる
そういうのはドラマの中だけにして
同じ世界の中にあるそれぞれの物語
すれ違うことはあっても重ならない
待ち合わせた 時間まであともう少し
伝えたい言葉は たったひとつだけ
手と手をつないでくるくると回ろう
終わらない輪廻の轍をなぞりながら
今、確かに 世界は色を変えていく
新しい足跡が 地図を埋めていく
ひゅるりらら
ひゅるりらら
薄紫色に 染まる
ため息 吐き出して
少しだけ 今は
笑うんだ
木枯らし吹きすさぶ冬の 並木道で
木の葉を集めて 綴った詩を
今、静かに紐解いて解き放とう
羽ばたきだけを残して飛び立つ 思い。
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夕暮れの街 誰かとつないだ手
そのぬくもりを覚えてる
寂しさに 焦がれてしまう胸を
強がりで隠した今日
寂しいくせに強がってしまうのはなぜだろう
本当は素直になりたいはずなのに
世界が目を閉じたような暗闇に
明かりがぽつりぽつり灯ったら
誰も見てないのをいいことに
僕は隠してた涙を流すんだよ
いつの間にか 今日も茜色の帰り道
空は照れたように真っ赤
誰かを心から愛し誰かに心から愛された昨日
誰かを思うときに一番最初に思い浮かぶのは
君のあのまぶしい笑顔
君も僕と同じように寂しいときが
あるのかなって考えていた
もしそうなら君の寂しさを
僕が肩代わりできたならいいな
誰かが イメージする夕暮れの色は
どんな色だろう
僕は燃えるようなあかね色
寂しいくせに強がってしまうのはなぜだろう
本当は素直になりたいはずなのに
世界が目を閉じたような暗闇に
明かりがぽつりぽつり灯ったら
誰も見てないのをいいことに
僕は隠してた涙を流すんだよ。
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カレンダーを見て気づいたんだ
そういえば僕らが出会って
いつの間にか日々を重ねて
こんなに 歳をとってしまった
それは僕だけじゃないけれど
たまには二人で長旅なんて どうですか?
なんとなく歩いてきた毎日
それが知らず知らず思い出になる
笑って 泣いてまたきりもなく笑って
どれだけ 喧嘩すれば気がすむんだろう
今日と同じ今日を明日も 生きられたら
幸せになんてすぐなれる気がするよ
やたら入り組んだ迷路みたいな路線図
この電車はどこへ向かっているんだろう
宛もなくふらふらと行ったり来たり
飽きもせず何度も引き出しを
開けたり閉めたりして
何を僕は探しているんだろう
雨が降れば傘を差すだろう
陽射しが強いなら木陰に逃げるだろう
猫に餌をやり 日が暮れたら
台所で夕飯の支度 似合わないエプロン
昨日と何も変わらない今日だった
だけどそれはそれで幸せだったりする
ひとりぼっち寂しさの中
影法師 ゆらゆら
揺れてる いつもの道に
交わす言葉もなく
黙々と家路を目指す
僕らはぬくもりを わけあう
同じタイミングでお腹が鳴れば
不思議に笑みがこぼれるよ
そんな瞬間さ大切な時は
なんとなく歩いてきた毎日
それが知らず知らず思い出になる
笑って 泣いてまたきりもなく笑って
どれだけ 喧嘩すれば気がすむんだろう
今日と同じ今日を明日も 生きられたら
幸せになんてすぐなれる気がするよ。
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明日も今日みたいに笑ってるんだろう
くだらないことで大袈裟なまでに
時計は回り続けて夜明けを連れてくる
そして今日も始まる新しい一日
生まれては 死んでく 命は
今日だけでも いくつあるのだろうか
なんてことを考えていた
電車の窓 移ろう景色 過ぎてく
悲しいことに 泣いて
嬉しいことがありゃ笑って
たまには 何かに憤慨したように怒って
この先もしかしたら誰かを 愛してそれと同じくらい誰かに愛されて
いつか人生を 振り返る
そんな日が来るかな
いくつものもしもを 未来に重ねてイメージしているよ
絵に描いたようなラブソングを歌っても
愛を伝えられるとは思えなかったんだ
死にたいほどの退屈は僕をまだ生かして
繰り返しの軛の中に縛りつけてる
曖昧であやふやな輪郭をたどる
旅の途中に 出会った光のような
まばたきの合間に見えた 世界
まぶたの裏でかたかた回る 幻灯機
映るのは あなたが望んだ世界だろうか
何の面白みもない映画の登場人物の一人に過ぎない
僕らは それぞれの物語の中では間違いなく主人公やヒロインで
それを 確かにするために生きている
悲しいことに 泣いて
嬉しいことがありゃ笑って
たまには 何かに憤慨したように怒って
この先もしかしたら誰かを 愛してそれと同じくらい誰かに愛されて
いつか人生を 振り返る
そんな日が来るかな
いくつものもしもを 未来に重ねてイメージしているよ。