詩人:どるとる | [投票][編集] |
トコトコとお鍋が
煮立ったら
夕飯の時間です
さあお皿を並べてね
夜の横顔はとても
優しいママの顔
ほら闇に恐れずに
目を開けてごらん
どんな悲しみも
どんな痛みも
優しく包み込んであげるから
明日も また
笑っていてほしい
当たり前のように生きていく日々
願うのはただそばにいて。それだけでいい
幸せは人のそばにある 意外と近くにあるんだよ
さあ家族がそろったら夕飯を食べよう
いただきます。
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夕暮れ 帰り道
歩道橋の下をくぐったら
いつものように 公園に寄り道
さっきまで誰かが乗っていたのかな
ブランコが寂しそうに 風に 揺れている
なんとなく どことなく 切なくなるんだ
近づいてくる夕闇がなぜか恐くって
背を向けて走っても気づけばすぐに
走る僕に夕闇が追いついて空の果てまで
墨色に 染めてしまうんだ
今日も夕暮れ
ありきたりの景色の中に そっとぬくもり探して
人恋しくなってしまったよ
さっきまでつないでた手が熱い
いつまでもいつまででも
僕はあなたと二人 終わらない夕暮れの中
優しい優しい色に包まれながら歩いていたい そう思いながら 今日も帰路に着く
なんとなく どことなく 切なくなるんだ
近づいてくる夕闇がなぜか恐くって
背を向けて走っても気づけばすぐに
走る僕に夕闇が追いついて空の果てまで
墨色に 染めてしまうんだ
さよならの向こう側 また明日ねって言う君が遠ざかるのを
僕はいつまでも見ていた
そして今日も。
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どうして 言葉に出来ないんだろう
いつの間にか 生まれたこの気持ちに
素直に向き合えないんだろうか
せっかく灯った明かりを消さないように
手のひらで包んでみても 不意の風に
たやすく消えてしまえる恋なら 最初からしないよ
言葉に出来ない思いはただ
蕾のように 胸の中 固く閉じたまま
花開くその時を待っている
その先に待つ物語
涙に濡れぬように
諦めという言葉できれいな思い出に変えて
僕は途中まで読んだ本の表紙を閉じるように
恋に背中を向けていた
夏の暑さに シャツを濡らして
長い坂道を 一人上りはじめた
膨らんだ気持ちたずさえて
自信が持てずに まどろみに逃げた
午後の陽射しは 意識を曖昧にする
でも こうして目を閉じればあなたの笑顔が浮かぶ
初恋という夢の中で
探し続けたよ 僕の居場所
あなたも僕のことを好きになってくれるように
星に願った夜
一度は諦めた恋を取り戻したくて
引き返したよ 君は受け取ってくれるだろうか
こんな僕の気持ち
「ずっとあなたが好きだったんだ」
嘘のない 素直な気持ちを 今君に 届けたい。
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窓の外に広がる 青い空と白い雲
誰かが落とした汗に映る 思い出
蝉しぐれ 遠くなったり 近づいたり
回る扇風機 庭の畑に咲く ひまわりの花
特別なことなんて何ひとつなくていい
ただ おぼろげな記憶をつなぎ合わせて
たったひと夏の思い出を刻み込むんだ
夢を見ているような そのさなかのような
夏が 長い長い坂道を駆け上がる
少年が 追いかけるものは かぶと虫でもアイスクリームでもなく
きらめくような でもありふれている
そんな夏の影
ああ窓に映るのは いつか忘れた
かき氷の味 それに似た甘い 思い出
縁日 屋台を回って 浴衣姿の君と手をつないではしゃいだ
ただ、あの手のぬくもりがあればいい
視界によぎってはすぐに消えてしまう
思い出せそうで思い出せないあの景色
背中に伝う汗も 日焼けの痛みさえも
何故だろうか 懐かしいのに 何もかもが遠すぎて 風鈴の音のよう つかの間の幻
一生に一度だけ見える見えない光
それは 夏の影
気づけば眠ってしまったんだ
目覚めたときに僕は何かを手にしてたよ
その気持ちが教えてくれた 大切なものはいつでも胸のなかにあること
何処にでもあるようでここにしかない夏
ただ おぼろげな記憶をつなぎ合わせて
たったひと夏の思い出を刻み込むんだ
夢を見ているような そのさなかのような
夏が 長い長い坂道を駆け上がる
少年が 追いかけるものは かぶと虫でもアイスクリームでもなく
きらめくような でもありふれている
そんな夏の影。
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長い長い 坂道を上りはじめた僕らは
夏の暑さにすっかりまいってしまって
汗をかきながら あぜ道を 駆けていた
少年の頃の記憶をたぐり寄せていた
畳の部屋 ごろんと横になり
遠ざかる意識の中で 蝉しぐれが
雨のように 鼓膜に降り注いだ
僕らは 何かをずっと探しているんだよ
青い空に 置いてきた大事な思い出
それは 夕暮れのようなきれいな宝物
写真やビデオじゃ 収めきれない
澄んだ瞳にだけ映る夏の横顔
なんとなく書き始めた日記帳は
三日と持たず やめてしまった
押し入れの中で見つけた絵日記の中には
沢山の思い出が あふれていたんだ
太陽の輪郭を 指でなぞったら
見えているものなんてごく僅かで
本当は心に映る景色こそ大切だと知った
瞼の裏の田園風景を自転車で駆け抜けて
追いかけても追いつけない夏の影を
陽炎の彼方に見ていたよ 今も
滑走路、助走をつけて飛び出した少年
あの頃夢中で追いかけてた夏の探し物
僕らは 何かをずっと探しているんだよ
青い空に 置いてきた大事な思い出
それは 夕暮れのようなきれいな宝物
写真やビデオじゃ 収めきれない
澄んだ瞳にだけ映る夏の横顔。
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花火をやろう 夢の後始末のように
バケツの中に 泳ぐ金魚たち
縁側で食べた西瓜
そっちのほうが大きいなんて
言い合ったりして
夏に見た夢 今は遠くて 陽炎のように胸の中 揺れるだけ
あの日の気持ち まだ言えずにいる
だけど、鼻緒切れるように
きっとつかの間の戸惑いさ
会いに行くよ 会いに行くよ あの日の僕で
会いに行くよ 会いに行くよ あの日の君へ。
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言葉に出来ずに ただ黙ったまま
五月雨に濡れていた 屋根の下に隠れた
かたつむり 紫陽花
ほんの少しの汗と涙の入り混じった
こんな昼下がり
陽射しは アスファルトに二度と消えない
夏のあとを 焼き付けるのさ ほら
情け容赦ない暑さがもうすぐ来るけれど
五月雨は 優しく 僕らの思い出を 濡らすだろう
火傷のような あの夏を そっと包み込むように。
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大きく振りかぶった
その手で未来を
指差して
真実なんて闇の中さと 笑う君に会いたい
テレビの中に 飛び交う情報それは鳥のよう 羽を広げ瞳の中へ飛び込む
鮮やかに 染めるよ心の空白を
ほらね魔法みたい
世界が広がってく
しめやかに始まる 五月雨のように
傘さえもすり抜けて僕を濡らす
そして誰もが気づく
いつか僕も気づく
あれが我々が目指すべき山の頂
僕らが指差す世界
ほら 意外と近い未来
鮮やかに 染めるよ心の空白を
ほらね魔法みたい
世界が広がってく
しめやかに始まる 五月雨のように
傘さえもすり抜けて僕を濡らす
そして誰もが気づく
いつか僕も気づく
あれが我々が目指すべき山の頂
僕らが指差す世界
ほら 意外と近い未来。
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静寂の中にも音は存在する
見えないものにも 色はある
形を持たない小さな命がふるえる
今、世界は 君を認めている
笑う 泣く 怒る
少しふてくされる
出し抜けに
ほらこんな顔
静寂という音色が
遠くて近い夏を
連れてくるんだ。
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もう言葉にならないから 黙ったままでいるよ
いつまでも続く戦争に
いつまでも終わらない気怠い授業に
追われ 追われ また追われ
そんな僕らの暮らしを呆れたような顔で
眺める猫の瞳で観る世界はさぞかしくだらないだろう
あくびをひとつ そのか細い前足で 何処へ行くというのか
ただ僕は窓越し
おまえの白い毛並みを見ていることしか出来なかった
夕暮れ あかね雲
誰かの帰り道
手を振る二つの影
遠ざかるさよならの声…
あとにはただ 恐いくらいの静けさが
やがて来る夜を待っている。