詩人:どるとる | [投票][編集] |
この世にあるありとあらゆる影をなすものは
対になるものと向かい合って存在している
ちょうど蝶番のように 似て非なる
分身と重なり合いここにあるよ
動かないものさえ小刻みに息をする
命も人の思いも目に見えず聴こえないものまで
なぜか、ここにあると解るよ
君の足元に 伸びた影は君が確かに
ここにいるという紛れもない証
君がちゃんと 笑い泣けるように
影はあなたの存在を足元で支えている
僕が僕だとわからなくなったときは あなたの声や瞳が
僕が僕であることを確かめてください
人の存在なんて
ないと思えば簡単に消えてしまうよ
おぼろげで儚げな存在を 守るのは形のないものだろう
わからないものばかりだ でも暗闇の中に無音の果てに目や耳を凝らしてみる
君の足元に伸びたその影を否定するなら
忽ちあなたはあなたである意味をなくす
生きている証を欲するなら
その足元の影に 答えを見出してごらん
きっと影は教えてくれるはずだ
言葉じゃなくて 表情でもなくて
もっと わかりやすい感覚で
君の足元に 伸びた影は君が確かに
ここにいるという紛れもない証
君がちゃんと 笑い泣けるように
影はあなたの存在を足元で支えている
君の足元に伸びたその影を否定するなら
忽ちあなたはあなたである意味をなくす
生きている証を欲するなら
その足元の影に 答えを見出してごらん。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
流れる街の風景を
電車の窓から見ていた
時刻はもう午後5時
空は真っ赤な夕暮れさ
この窓の向こうにはいくつもの
人々の暮らしがあるんだろうな
僕の知らない悲しみが
僕の知らない喜びが
そして僕の知らない幸せが
生まれては消えてく
気泡のような物語
駅名を告げるアナウンスは機械的で
感情の入ってない
機械仕掛けの言葉
へたくそでもいいから
誰かのためにって
みんな 思えたらいちばんいいのに
僕の知らない 場所で
僕の知らない 人たちが
それぞれの暮らしの窓に
今を映しながら 命をつなげている物語
気づけば 眠ってしまって
気づけば ほら降りる駅を 告げる
アナウンスが聞こえて
ホームに降りれば すっかりあたりは暗くなってた
そうやって日々を
繰り返してく
くだらないことも
案外大切なことも
この窓の向こうにはいくつもの
人々の暮らしがあるんだろうな
僕の知らない悲しみが
僕の知らない喜びが
そして僕の知らない幸せが
生まれては消えてく
気泡のような物語
僕の知らない 場所で
僕の知らない 人たちが
それぞれの暮らしの窓に
今を映しながら 命をつなげている物語。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
杖が必要さ 旅に出るのなら
傘が必要さ 涙を流すのなら
道は まだ続く 果てしない荒野のように
まだ先も見えない 未来は未来 どんな未来でも
処女童貞のように 清らかであれ
心だけは まっさらな洗いたてのシャツのように
処女童貞のように 汚れなき生き様で
どこまでも 真っ正面で 融通のきかない人であれ
夢が必要さ 現実だけじゃ苦しいよ
浪漫が必要さ 男も女も誰にでも
道は未知のまま 見えないものばかりさ
未来はどこまで行っても未来のまま
処女童貞のように 大人になりきれない
幼いままの君の純粋な心が良心だよ
処女童貞のように 君は君のままで
僕は僕のままで いつまでも皮を被った
膜を張ったままの小さな天使
その羽根は 明日に飛び立つ勇気。
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好きという気持ちは 見た目きれいで
ナイフを入れれば頗る醜い
果汁のような 中身が飛び出して
お互いになじり合ったり 疑い合ったり
みっともないもんだ
愛は ほんとはね
それほど美しくなんかなくて
理想の域を出ない架空のおとぎ話
ざくろのような
醜悪な容姿です
人を思いやったり気遣ったりって
簡単に言うでしょう
だけど心の中はどす黒くて
そんなに人をしょっちゅう大切になんか出来やしない
人は ほんとはね
それほど 優しくはなくて
血みどろリアル
異臭を放つラフレシア 好き嫌いの分かれるものです
でも、愛せるのは
そんな人だから
傷のひとつふたつ
気にはしないよ
見た目だけですべてを決める人は知らないんだよ
ざくろの甘さを
愛は ほんとはね
それほど美しくなんかなくて
理想の域を出ない架空のおとぎ話
ざくろのような
醜悪な容姿です
ざくろのような
不憫な容姿です。
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すっかり寝静まった
街並みを 夜が歩く
悲しみも喜びも
誰かの痛みも
夜は残さずに
平らげてしまう
大きな口をあけて
闇のような深い口で
丸呑みさ
ラララ ラララ 夜明けのサンセット
心開け放したままで世界がまた光に
包まれるまで 僕はもう一眠りだ。
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眠るように逝ったあの子の命は
どこに行くのだろう
小さな子供をなくした親はただ
悲しみに嘆いて
「どうして」ばかり繰り返す
運命というどうしようもないものに
憎しみをどれだけ抱いてもむなしいだけだ
昔、命を灯に喩えた人よ
あなたの想像力には感服するよ
最初の勢いがだんだん小さくなって
弱々しくなってやがて消える様に
あなたは灯の姿を重ねたんでしょう
僕も同じ 君も同じ
誰も長さはまちまち
でも、灯を胸に
ともして 生きている
残酷という言葉を嫌悪するのは 悪いことばかり見つめるから
どうして僕らは自分の命さえ 自由に出来ないの
ほんとはもっと生きたいのに
運命という絶対的なものの前では
僕らの都合など簡単に叩き伏されてしまう
命が灯ならば 赤く燃え盛る炎
生きているって君も燃えてごらんよ
身体は日々老いていくけれど
心だけはずっと変わらないから
ああたとえ明日をもしれぬ命でも
今日を精一杯生きるんだ
そしてやがて押し寄せる大きな波に 命を明け渡すとき笑えるように
昔、命を灯に喩えた人よ
あなたの想像力には感服するよ
最初の勢いがだんだん小さくなって
弱々しくなってやがて消える様に
あなたは灯の姿を重ねたんでしょう
僕も同じ 君も同じ
誰も長さはまちまち
でも、灯を胸に
ともして 生きている。
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平気で親が子供を殺める
そんな現実に愛などあると思うかい
きれいごとと言われたっていい
人を思いやる気持ちとか
人を気遣う気持ちとかどこに行っちゃったんだろう
愛はどこにある?
きっと人の体温がある場所にあるものなんだろう
なんとなく誰かのことを心配したり
時には心配させたり慰めたりする
そんなささやかな気持ちこそが
愛のあるべき姿なんだろう
だから僕は 絶え間なく黴の生えたような
古臭くい上に青臭い愛を歌い続ける。
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誰かと笑うこと
誰かと泣くこと
誰かと喧嘩すること
誰かと仲直りすること
何もかもはじめてのことばかりさ
誰も一人じゃない誰かと生きている
喧嘩するのも一人じゃ出来ないだろう
笑ったりするのも 一人じゃ
つまらないけど誰かと一緒ならきっと楽しい
だから
ひとつの笑顔が ふたつになって
ひとつの涙が ふたつになって
ふたりの心がひとつに重なって
ばらばらの気持ちがひとつになる
はじめてのはじまり。
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いっぱい泣いて いっぱい笑って
いっぱい怒って いっぱい食べて 眠って
いっぱい愛されて いっぱい愛して
どこまでも どこまででも 生きなさい
いつまでも いつまででも 生きなさい
いっぱい悩んで いっぱい迷って いっぱい焦って いっぱい慌てて いっぱい傷ついて たまには躓いて
いっぱい遊んで いっぱい夢見て
どこまでも どこまででも 歩いていこう
いつまでも いつまででも 生きていこう
さよならは そんなに遠くはない
だけど 拭えない涙なら 抱いたまま
生きていくのもさほどわるくはない
生きることが嫌になったら 思い出してみるんだ
あの日の青空
今は雨降りでも いつか晴れて虹が架かる
その時こそ生きている本当の喜びを知る
いっぱい泣いて いっぱい笑って
いっぱい怒って いっぱい食べて 眠って
いっぱい愛されて いっぱい愛して
どこまでも どこまででも 生きなさい
いつまでも いつまででも 生きなさい。
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ねえあなたが 生まれたときのこと
覚えているかな あれは星のきれいな夜
寝ないで考えた 君の名前を いくつもの候補の中から選んだ
誰にでもひとつだけ
与えられた名前
いろんな願い
込められた名前
世界中でただひとつだけの名前
こんなふうな人に
なってほしいと
心を込めてつけた名前
誕生日 ろうそくを吹き消す君は
一回じゃ消せないと駄々をこねたね
そんな君もやがて大きくなって ひとりで学校に通う
生まれてから お星様になるまで
人と一緒に生きていく名前
今日も呼ぶよ
いくつもの思い出を刻みながら
歳をとっても忘れられないような
パパとママがつけた君の名前
喧嘩したり 仲直りしたり
いろんなことがあるけど いつでも
忘れちゃいけないのははじめてのあのまっすぐな気持ち
誰にでもひとつだけ
与えられた名前
いろんな願い
込められた名前
世界中でただひとつだけの名前
こんなふうな人に
なってほしいと
心を込めてつけた名前
自信を持っていいよ。