詩人:どるとる | [投票][編集] |
悪魔のように囁いて
天使のように囀り
回る地球の上に胡座をかいて座る
僕の中に 君の中に流れる血潮が代わりに答えるだろう
すべての音たちが眠りに着き
すべての光たちが闇に帰る
その時、僕は見えない嘴をそっと開き
誰も聴いたことのない歌声でどんな真実よりも透き通った歌を歌うだろう
そしてその歌声は
いつかあなたの心に届くんだ
どうか深く深く愛されるように
今はただ願うだけしか出来ないけれど
いつでも心のすぐ傍にいるから。
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何度でも 絶え間なく 積み重ねてゆく
ナイアガラの流れの如く なだれ落ちる
感情の渦の中へ 水は粒子状の光の弾
貫くのは己の弱さ
とりあえず正しさには逆らわない
そんなヒーローに憧れていたんだ
何度でも 絶え間なく挑み叩き伏されて
ナイアガラの流れの如く 一瞬の煌めき
一瞬で闇の中へ すべての抵抗を遮り
ジ・エンドを送りつける。
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一歳にも満たない幼児を虐待して
あげくの果てに殺めた親の記事が
新聞を賑わせているような世の中に
僕らは生きているんだね
胸くそわるい事ばかりさ
冷めきった顔で 道に立てば
赤信号 そのまま飛び出せば楽になれる気がして
でもやっぱりやめる
愛なんてものが見えるなら それはどこにあるというんだろう
見えないままの愛なんて幻と同じさ そうあざ笑っていた
あなたがおしえてくれた人のぬくもり
誰かを愛すること そして誰かに愛されること
それが愛ならば きっと間違いじゃない
愛を知らずに生きてきた僕こそが幻だとわかったんだ。
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咲かせてごらん
嘘偽りでもいいから
うれしそうに
泣いてみてごらん
流れる街並みの速さにふと置き去りにされそうになる
「美しいだけの花などありふれてる」そう言って君は泣いた
悲しみは 悲しみのままで
喜びは喜びのままで
ただ淀みなく続いてゆく世界に
どこまで私は世界から遠ざかってゆくのか
化け物のように
牙をむいてごらん
空っぽのコップに
時間を満たす
流れる雨は 何を流す為に降るんだろう
「世界はただありのままを映す」
異変を望むのは心の醜さの現れか
痛みを残したままのいつかのさよなら
花が花であるようにそこにはなんの普遍性もない
そんな果てもない退屈を僕はいつまで抱えて生きるの
時々焦ったように生き急ぐ僕らを空は
笑ってる 人の気も知らないで
悲しみは 悲しみのままで
喜びは喜びのままで
ただ淀みなく続いてゆく世界に
どこまで私は世界から遠ざかってゆくのか。
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かげろうのように
朧気な命を
抱きしめるようにして僕ら生きている
どんなふうに歩いていけばいいのか
わからない時 人はただ空を見上げる
ここにうまれて 良かったことが
生きる悲しみを 上手く隠してくれる
負った傷跡なんかもこれで見えないね
痛みも流せればいいのに。
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名前のない誰かが名前のない場所に名前のない種を蒔きました
名前のない人が育て名前のない愛情を注ぎ名前のない憤りを抱きました
時に傷つけ 時に愛しあって 名前のない花は名前を名づけられました
その名前と共にあなたは今生きている
あなたはあなたであって
あなたは他の誰でもない人で
何者でもない 名もなき存在で
それでもそれだけに尊くて
それでいて愛しくて 名前のないぬくもりに抱きしめられてる
ほんとうは愛には 名前なんかいらない
名もない愛に今日もおまえは生かされてる
名前のない誰かにとりあえずつけた名前はお粗末で呼ぶことさえ恥ずかしい
嘗て「悪魔」と名付けられた子供がいたけれど 親に心はあったのでしょうか
時に雨に濡れ 時に陽射しに焼かれ 今日までなんとか歩いてきました
そんな当たり前なことを誇りに思え
あなたはあなたであることを
自分でわかっているのですか
あなたがあなたであるように
僕が僕であるようにそれは違えなく
紛れもないたったひとつの真実
「生きている」それ以上何があろう?
完璧な愛なんてあろうはずもない だけど 不器用なりに愛すべき人と向き合う日々を生きよう
あなたはあなたであって
あなたは他の誰でもない人で
何者でもない 名もなき存在で
それでもそれだけに尊くて
それでいて愛しくて 名前のないぬくもりに抱きしめられてる
ほんとうは愛には 名前なんかいらない
名もない愛に今日もおまえは生かされてる。
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桜の花びらに 私が映る
あなたへの想い ゆらゆら
言葉に出来ない 想いは
どこへゆくのだろう
捨て去るには 惜しい想いだから
心の中に しまっておこうか
ただ 愛してると伝えてしまえばそれでいいのに
言い出せない 僕は
初恋という甘い夢を見ている まだ青い若葉さ
今日も君を遠くから見ていた
落ちる雫に あなたを映す
あなたは誰より 素晴らしい
季節は幾度も過ぎて このまま いつまで
同じ思いを抱えているんだろう
僕はまだ鳥かごの中さ
ただ気の迷い そう決めつけてしまえばいいのに
心がそれを許さない
初恋という魔法にかけられて 僕はこの胸の高鳴りを
抑えきれないまま
ただ 愛してると伝えてしまえばそれでいいのに
言い出せない 僕は
初恋という甘い夢を見ている まだ青い若葉さ
今日も君を遠くから見ていた
今日も君に伝えられなかった。
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どこまでも行こう
どこまででも行こう
安い靴を履いて
安い服を着込んで
どこへでも行こう
どこへででも行こう
安い家に住んで
うまい物食べて
それなりに幸せならば お金なんていりません
それなりに恵まれてるならば 運が悪くたってへこたれません
家族がいる 恋人がいる 友達がいる
住む場所にも困らず 三食飯が食べられる
それだけで それだけはほんとはね幸せなのにね 僕らは届かない物にばかり手を伸ばして 欲張ってばかりいる
だから幸せに気づかず幸せの前を素通りしてる 歩くさん。
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僕らは笑う 僕らは泣く
僕らは怒る 僕らは落ち込む
いろんな当たり前を繰り返しながら
いつも 「それから」何をするか考える
僕らは遊ぶ 僕らは眠る
僕らは息を吸う そして吐き出す
そんな 特別でもないことをしながらも
それがどんなに幸せなのかを知っている
いくつもの悲しみ
それと同じくらいある喜び
この先も ずっと
僕らは生きる たまに死にたくなる
だけど限りなく生きたいと思う
そしてやっと立ち上がり空を見上げ
空の青さに 大切な何かをおそわる
こんなふつうの日々の中に
隠れてる 幸せの名前を僕らは 知ってる
それはね それはね
僕の中 君の中
いつも あるんだよ
その胸の中に。
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出かけようと思ったけれど どうしてだろう
出かけようとするといつも雨
運が悪いね なんて笑ってみたけど
思うより笑えてなかった
かたつむりのように殻にこもって じっと屋根の下で雨が止むのを待っていた
水たまりに映る昨日の僕の涙にさよなら
雨粒ふらり 傘を濡らして
広げた傘の上で 雨粒たちがステップ刻む
なぜかそれがおもしろくて楽しくて
いつまでもずっと聴いていたかった
いつの間にか 雨は降り止んで 雲の切れ間からお日さまが顔を出して
また子供たちは外で元気に遊ぶ
明日の天気 占うように靴を飛ばしたら
裏ばかりが出るよ
たまたまだよってあなたは言うけど
たまたまもこうも続いてしまえば
悲しいじゃないか
夢を見た 虹の橋を渡る僕とあなたは
雨粒たちと一緒にダンスを踊ってた
雨粒ぱらり 心さえ濡らして
見上げた空に 見える青い空と白い雲
悲しみはまるで雨のようだと
誰かが言っていたのを思い出す
どこまで歩こう どこまででも歩こう
この道が途切れるまで 痛みをはらんだこの悲しみは
もうしばらく続くよ 命終わるまで
たまに見せる喜びの表情に 大げさに僕も喜んで見せよう
あなたの喜びは僕の喜び
そして
あなたの悲しみは僕の悲しみ
雨粒ふらり 傘を濡らして
広げた傘の上で 雨粒たちがステップ刻む
なぜかそれがおもしろくて楽しくて
いつまでもずっと聴いていたかった
いつの間にか 雨は降り止んで 雲の切れ間からお日さまが顔を出して
また子供たちは外で元気に遊ぶ
長い雨宿りはもうおしまいさ
出かけよう いつものあの場所へ。