詩人:どるとる | [投票][編集] |
星を渡る風
夜をゆく人を見送って
さよならさえもないままで
朝は静かに訪れる
扉の向こうは
目映くて きっとすべてを覆ってしまう
悲しさや寂しさや
言い知れない
気持ちや 忘れたくない思い出を
僕らはどこまで 抱きしめていられるのか
麦畑 バスケットいっぱいのサンドイッチ
ラジオから流れるカントリーソング
ぬけるような青い空とオレンジジュース
それだけあればいい
牧場の朝は早い
カウボーイ気取りの太っちょは牛たちを起こす
世界はまだ少し
夜の名残を残したままで遠くの空に朝日が昇るまで
夢うつつのまま
牧場娘は 干し草の上に寝転がる
お腹だけは正直に
時間通りに鳴る
ぐぅ ぴぃ どぅ。
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頑張らない 頑張らないでたまにはサボってもいいよ
走りつづけることに疲れたときには
泣き言も弱音も吐いたっていいさ
生き方に 決まりなんか無いのに
いつから誰が決めたのか その形
いいさ いいさ 僕は僕なりに今を生きているから
そんな声を弱いとは言わないんだよ
ため息の数だけ 元気が逃げてゆくけど
ため息をつくたびに どこかラクになれる
何か吹っ切れるんだ
諦めがつく
駄目だって思われてることも
ほらね見方を変えりゃすてきなんだ
すてきなんだ
だから今日も
ふぅとため息ひとつついて また歩き出す 僕なのさ
夜がひとつ明けたら
朝へと歩き出す僕なのさ。
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なにもないこんな夜には たださびしさだけが募ります
どこまでも続いてる果てしない夜空の向こうに光る星たちがざわめく夜には
言い知れぬ切なさに心は世界からどこまでも 遠ざかってく
僕の頑張り 君の頑張り 比べてしまえば
なんてちっぽけ何だろう僕は
ため息で一日が始まり
ため息で一日が終わる
そんなに頑張らなくてもいいよ
肩の力を抜いてたまには休みなさい
そんなやさしい言葉をひたすら探してた
見上げた夜空の彼方に浮かんだ月は
そんな僕の弱ささえ照らしている
ちょっと寄り道をしようかな
もう少し泣きたい気分だ
ああ ねえ僕は星たちから見たら
輝いているのかな
なんてことを思った 僕の夜に住まう心よ 僕から離れないでね
独りにはしないでね
流す涙があまりに貧相で どこか滑稽に見えるから。
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この世界で 誰よりも大好きな人のため
届けたい思いがある
伝えたい気持ちがある
たとえばここに一枚の紙があったら
そこに愛してる人の名前を書き出して
その中で一番の人を選ぶとしたら
きっと僕は選べやしないだろう
だってみんな同じように大好きだから
愛してるっていうごく当たり前な思いを
胸に抱きしめてこれが宝物なんだよって
それこそ当たり前のように言いたいよ
今日もいろんな人の手に支えられ 僕は生きている
この世界で 一番大切なものはなんですか
そう聞かれたら僕は答えられずに困ってしまうよ
歌詞を書くときや詩を書くときと
同じように簡単にはいかないもんです
でも自分にとって大切な人のそばで
その人のぬくもりや優しさにふれて
気づくことで僕は幸せな気持ちになる
愛されてるっておしえてくれるのは
言葉じゃなく仕種じゃなく 形のない見えないそのまなざし
愛なんてきっとそれくらいでちょうどいいんだ
はじめはちっぽけなのに 日を追うごとに確かになってゆく
つないだ手から伝わるぬくもりが
僕に生きる力をくれる
愛してるっていうごく当たり前な思いを
胸に抱きしめてこれが宝物なんだよって
それこそ当たり前のように言いたいよ
今日もいろんな人の手に支えられ 僕は生きている
誇りを持って 愛し愛されながら 僕ら生きている。
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深く目を閉じて 暗闇の中に光を灯す
目の見えない人の光に代わるのは
耳の聴こえない人の音に代わるのは
きっとささやかな景色の中にある
僕らには見えも聴こえもしないものだよ
あなたが闇に迷うときは 僕がその手をとって光へと導くから
あなたが涙に暮れるときには 僕があなたの笑顔になるから
どうか、生きることを嫌いにならないで
いつか長い夜は明けてあなたの胸元へ
あたたかな光が差すから。
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心を使うときは
どんなときですか
頭ばかり使ってる
僕は駄目な人ですか
さあ 今、心は
あなたに問いかける
私を使ってください
今誰かのために
シャラララ 地球の回る音に耳をすまし
すべての生ける者に等しい幸せと恵みを与えたまえ
シャラララ 大地が呼吸する音に耳すまし
すべての悩み迷える者に輝ける明日を 報われますように
走りきった今日が
頑張った今日が
あるなら。
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悲しみってなんだろう
どこにあるんだろう
どんな形ですか
どんな色合いですか
喜びってなんだろう
どこにあるんだろう
どんな手触り?
目に見えるものですか?
僕らは見えないものと共存している
僕らは見えないものに囲まれ生きてる
僕らは見えないものもあると知ってる
僕らは見えないものの大切さを知ってる
その声に耳をすます
そのさえずりに
心を研ぎ澄ます。
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涙が止まらなくて
どうしようもない
時にはね
ただ落ち込むだけ
落ち込んだら
また元気なふりで
笑って見せるのさ
明日まであと
どれくらい
どれくらいで
着くだろう
泣いたり笑ったりするそんな
当たり前な毎日を
僕らはただどこまでも繰り返してるだけ
それだけで いつか死んでしまうんだね
そんなことをふと考えて いつの間にか
涙が一直線に心を伝う
その時僕はひときわ
素直になれるんだ。
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店名のないレストランがあった
店先にはただ「さよなら」と書かれてた
僕はコックにすすめられるまま
席に着くと、メニューの中から
失恋という大皿を頼んだ
さよならの味はどう? 少し塩辛い
そんなこと言ってる場合じゃないのに
さよならの味が口いっぱいに広がる
同席したあなたは他人のふりをするんだ
そして僕らは失恋という大皿を
平らげたら もう会話もなく
割り勘で 別々の明日へ向かうのさ。
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想像は空を飛べる
羽根こそないけれど
イメージするだけで
月へも行ける
ああ クレーターのひとつひとつに
思いを馳せれば ほら 月面を歩く僕の心
目蓋閉じて途端に広がる暗闇の宇宙
「僕はいつでも自由だ」
そう想うだけで心はこの世界の最果てだって飛んでゆける
ああ 星座盤の上に降り積もる想像は
誰かの予想をはるかに超えてゆくんだ
目蓋閉じた時だけに広がる大宇宙
「見えないのに見える不思議」
そんな浪漫を抱えたままの心が見上げた空には大きな月
さあ 今夜も想像の旅に出かけよう。