詩人:どるとる | [投票][編集] |
土手沿いに
歩く夕暮れは
名前も知らぬ
花でも愛でられる
瞳の中に 優しさを描いてる
いつまでも変わらぬオレンジ色の空
もう出ておいで隠れん坊は終わりさ
涙よ 帰る時間だよ
今なら 誰も見てない
さあ 流れてよ
花の言葉は誰が決めたのかな
心に重ねた色に
その形に見えないものに 誰かが浮かべた言葉であるなら
僕の心などどれだけ
ちっぽけなんだろうか
ああ 空のようさ 考えるだけ無駄だ
その大きさに果てしなさに僕の悩みや迷いが 一瞬で霞んでしまう。
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蝉しぐれの雨の中
僕は空っぽのまま
ふと見上げる空の向こう 光を探してた
変わらない街並みの
変わらない風や匂い
少しずつ変わってく時の流れに少しだけ切なさ滲んで
ミンミンと鳴いている
蝉の声はまるで
ほんのひとときだけの儚い命を精いっぱい謳うように
夏の青い空の中でもほらね 少しも色あせることなく あちこちから聞こえます
幻のような 泡沫の夏休み
誰かの影揺れて 鼻緒切れて しゃがみ込む 背中に聞こえる花火の音
目には映らず形のない 夏が今 笑いました。
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愛の形は様々で
いろんな形がある
親が子に向ける愛
子が親に向ける愛
恋人から恋人に向ける愛
妻に旦那さんに向ける愛
その向こうにはきっといろんな物語がある
優しい人なんかに
ならなくてもいい
よく出来た人なんかにならなくていいから
愛されるよりも誰かを愛せる人になってください
愛っていうけどなにが愛だというのかな
なにが愛じゃなくて
なにが愛なんですか
たくさんの人の中にある違った愛に
僕らは今日も守られているのかなあ
すれ違う愛の形は時に身勝手にも見える
恵まれた人なんかにならないほうがいい
真面目になんかならなくてもいいから
思われるよりも
誰かを思いやれる人になってください
愛を知れば知るほどにその影に巣くう
人の邪悪な部分が垣間見えるそれでも
人といたいなら傷つきながら 生きる
更なる愛を知る為
優しい人なんかに
ならなくてもいい
よく出来た人なんかにならなくていいから
愛されるよりも誰かを愛せる人になってください
恵まれた人なんかにならないほうがいい
真面目になんかならなくてもいいから
思われるよりも
誰かを思いやれる人になってください
僕という人よただどこまでもまっすぐな人であれ。
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猫じゃらしが
夕暮の風に
揺られている
もう帰る時間さ
チャイムが鳴った
公園には残された
砂山とシャベル
青いバケツ
「さよなら」が言えなくて 口を噤んだのは
せめてもの抵抗 僕は切なさに焦がれてた
だから ごまかすように口笛吹いたんだ
がまの穂が
並んだ道を
僕は歩いて帰る
どこか切ない気持ち
この胸を覆ったら
涙がほほを伝う
大好きな人もこんな気持ちになるのかな
「また明日」って言葉で苦いさよならを
オブラートのように包んで痛みを和らげる
でもほんとのとこは何も変わらない
得体のしれない 痛みにひとり向き合った
向き合っていた 今も向き合ってる 誰も皆同じさ
「さよなら」が言えなくて 口を噤んだのは
せめてもの抵抗 僕は切なさに焦がれてた
だから ごまかすように口笛吹いたんだ。
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今日と明日をつないでる魔法の糸電話で
明日の僕とお話するのさ もしもし
明日のことをおしえてもらいたいけど
明日の僕は今日の僕におしえてくれるかな
悲しいことも うれしいこともあっただろう
僕にはわかるのさ
慰めてくれよ
僕よ 生きてるって
おしえておくれよ。
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ざわざわと
ざわざわと
夜を揺らしている
ざわざわと
ざわざわと
朝を 待っている
風はやさしく
このほほを撫でて
澄んだ空気は
鼻からぬけていく
何ひとつ
悲しいことなどない
あなたが笑えば
それだけで僕も
笑う こんな景色が
たとえようもないくらい好きなんだ
ゆさゆさと
ゆさゆさと
心をふるわすんだ
ゆさゆさと
ゆさゆさと
魂を揺り起こすよ
何にもない夜だな
すべての闇が
やさしく見える
苦しいことなんてない
あなたがいること
当たり前なことなのに
その当たり前が
たまらなくうれしいんだ
あなたがいてさ
僕がここにいる
話なんかなくても
ただそれだけで
そんないつもの景色がたとえようもないくらい愛しいんだ
だから今日も
僕は君が大好き。
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くすぶったままの
残り火 痛みに酷似した安らぎ
この耳を濡らすのは 音の雨
この瞳を染めるのは 無限の色彩
ああ 言葉は何かを置いてゆく
余韻のように刻まれる 消えない傷跡
それは生きる証。
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夏草 揺れる
まぶしい陽射しの
中に見ていた
逃げ水は幻
きっと何もかも
過ぎ去れば幻だよ
誰かが言うのを僕は聞こえないふりした
回り続ける夏の日々
ただアスファルトに照り返す光
万華鏡映し出したような あの夏に置いてきた忘れ物ひとつ
この胸に空蝉のように残ってる
風鈴 揺れる
窓の外上がる花火
闇の中に咲いた
大輪の花
きっと美しいもの程 記憶からひとつずつ消えて行ってしまう
そんなこと信じない
何かを追いかけていたような 何かに追いかけられていたような
そんな毎日の中に 刻まれた日焼けの痕が残した痛みに似た
二度とは消えないさよならが残ってる
蝉しぐれの雨が鼓膜を濡らす
やがていつの間にか知らず知らず
遠ざかるその音色に
耳をすますことを忘れて僕ら
また何か大切なものをなくした
回り続ける夏の日々
ただアスファルトに照り返す光
万華鏡映し出したような あの夏に置いてきた忘れ物ひとつ
この胸に空蝉のように残ってる。
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やさしく流れる
五時のチャイム
誰かの手を振る
影が見えます
空の遠くまで
橙に染めている
あの夕暮れよ
今日僕が抱いた
邪な心まで
その色で染めてください
取り残されたように
独りぼっち 暮れゆく空を眺めている
寂しくないなんて真っ赤な嘘なんだ
今日も 置き去りにされたように ただ独り 自分の影とにらめっこしてる
悲しくないなんて真っ赤な嘘なんだ。
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ありがとうって言われたら
なんだかうれしくて
言葉に出来ない思いが胸を駆け巡る
愛してるって言われたら
なんだか恥ずかしくて
胸の真ん中がいやに燃えるように熱くなる
命の産声が ほら
聞こえるかい?
夜を渡って風にのって運ばれる明日へ
きらめく光の粒
キラキラ 輝く
生まれたんだね
生きているんだね
そんな当たり前が
今はたまらなく
うれしくて。