詩人:どるとる | [投票][編集] |
ある雨の日 傘を忘れた僕に君は
一緒に帰ろうと傘の中に入れてくれた
優しくされたのなんて初めてだったから
簡単に恋に落ちてしまったよ
一緒に笑ったり一緒に泣いたり
たまには喧嘩もしたよね
そしていつの間にか
お互い同じ屋根の下で
同じ空を見ていたんだ
二人が二人だった時に手に入れたものには
もう出会えない もう取り戻せないけれど
またあの頃のように
手をつないで
どこか遠くへ行こう
今もあの頃の二人は二人だけの物語の中で 主人公とヒロインを続けてる
覚えているかな 覚えているかしら
初めてあなたが私の 僕の手を握った日を
ありふれているようで特別だったすべて
ああ 今では何もかもが遠いよ
テレビに映し出した あの頃の二人は
何をするにも 楽しくて ただ楽しくて
毎日毎日手をつないで自転車で出かけた
二人が二人でいるこの時間が いつか宝物になったんだね
それだけ気づければあとは何もいらない
あの頃、フィルムの中で この世界は二人だけのものだった
回り続けるノイズだらけの古いフィルム 今も好きだよ ずっと好きだよ
恥ずかしながら 言ってみる
君は口づけをして
強く優しく抱きしめた
二人が二人だった時に手に入れたものには
もう出会えない もう取り戻せないけれど
またあの頃のように
手をつないで
どこか遠くへ行こう
今もあの頃の二人は二人だけの物語の中で 主人公とヒロインを続けてる。
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ねえ聞こえますか
僕の声が
ねえ見えていますか
僕の顔が
あなたの耳に聞こえる音や
あなたの瞳に映る景色は
僕が見ているもの聴いているものとは
見事なまでにすれ違う
聞き耳でとらえた音より
目を開いたままなんとなく見てるものより
ずっと大切なものはきっとその向こうにあるんだ
見えないものを見つめたとき
聴こえないものを聴いたとき
人はそこに光り輝くものを見つける
何かが飛び立つ羽ばたきひとつ聞いたら
僕は歌い出すだろう
透き通った鳥のうた。
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あと少しで終わってしまう命に歌う
変えることの出来ない運命に歌う
さよならの花びらが舞い落ちて
看取る人の手のひらで熱く燃えた
この熱が冷めぬうちにあなたが最後に残したあの笑顔を網膜に焼きつけたい
あなたにはもう会えないけれど
あなたのくれたあの笑顔は
永遠より長い一秒の中で生き続けるだろう
だからさよならは言わないよ
あなたは私の中でずっと今も生きているから。
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夕焼け空と帰り道
窓の外に まなざしを投げてみる
道を歩く人の影が長く伸びて まるで背伸びしているよう
ああ 今日もいろんな事がありました
でも疲れ果ててうまく全部は思い出せない
瞳を染めるのは
きれいなあかね色
あなたの帰り道に
そっと寄り添ってる
さよなら さよなら
手を振る 君の姿が
遠ざかってゆく
残した傷跡が少しばかり
開いて そこから涙があふれる
硝子細工の中のようなぼんやりとした 意識をぶら下げてる
ああ 今日もたくさんの人と会いました
どんな人も僕と同じように生きてる
心を染めるのは
優しいあかね色
あなたの涙を
ただ黙ったままで
空の遠くから 見下ろしている 夕闇が近づけばすぐに夜が来る
もう泣いてもいいよ
誰も見てないから
ずっと我慢してたんだね 優しい君は
悲しくないふりして誰にも迷惑かけないようにと振る舞ってたんだね
僕は知ってるよそんな君のこと
瞳を染めるのは
きれいなあかね色
あなたの帰り道に
そっと寄り添ってる
さよなら さよなら
手を振る 君の姿が
遠ざかってゆく
そして僕は遠ざかる君に聞こえるように大きな声で言うのさ
「また明日ね」
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僕は僕をどこまでわかっているかな
僕は僕に素直に向き合えているかな
あらゆる選択に迫られて
あらゆる面倒を押しつけられて
その中で その中で自分というものを探してる
答えはいつも闇の中さ 誰も教えてはくれません
だから間違ってると思っても 傷つくことも覚悟で立ち向かう
立ち向かえ
僕は自分自身が何者なのかわからない
わからないから思ったように生きてみる
わからないまま心のままに生きている
ほんとの自分なんて誰もわからない
わからないからいろんな自分になって
いろんなことをやってみる そして
自分自身が好きになれる自分こそが自分だと知る
僕はいつから僕になったのだろう
誰が僕だと認めてくれるだろう
あらゆる困難に行く手を塞がれ
あらゆる事態に巻き込まれ
その中に その中に あるものと一々向き合ってる
答えはいつも深い霧の中さ
模範解答なんてものはない
だからこそ手当たり次第に手を出してみる たまに見事にすっころぶ
僕は一生自分ってものがわからない
なぜなら自分自身を理解することは
駄目な自分さえも肯定してしまうから
わからないことだらけの人生の途中で
またわからないことが増えました
そしてそのたびに僕は弱い自分に出会う
そんな自分を越えた時、其処に自分自身はいる
僕は自分自身が何者なのかわからない
わからないから思ったように生きてみる
わからないまま心のままに生きている
ほんとの自分なんて誰もわからない
わからないからいろんな自分になって
いろんなことをやってみる そして
自分自身が好きになれる自分こそが自分だと知る
自分自身が否定出来ない程の自分こそが自分だと知る。
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恵まれていることはいいことだけれど
恵まれすぎてることはいいことではない
なぜなら恵まれすぎている僕らはほんとの意味での幸せに気づけないから
欲張った末に得たお金や宝石やいい暮らしを幸せと誤認している僕らには
よっぽどのことがないかぎり幸せには永遠に気づかない
だからこそたまには何が自分にとっての幸せなのかを考えてみる。
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幸せってどんな形していたっけ
幸せってどんな色だったっけ
幸せってどんな感触なんだろう
わからない わからないから
とりあえず手近にある暮らしを
幸せって呼んでみたらなんとなく
しっくりくるね
あたりまえなことありふれてること
それをすべて幸せというなら
まちがいじゃない でまかせじゃない
歩いていこう このからだにそのあざやかな色が染み込むまで
わからない内は迷っていよう 悩んでいよう 何が幸せか探しながら
やがて幸せの中にいることを
誰もが知る日が来るのでしょう
僕は幸せだったと気がついたよ
絵に描いたようなありきたりな
景色の中にもちゃんとあるんだ
ほらねいつの間にかわかるよ
幸せの在処
誰かが 鼻で笑うくだらないすべてを
僕は大げさなくらいに喜んでみせよう
思えば当たり前にしているすべてが
本当は何もかも幸せだったのに 人は気づかず幸せの前を素通りする
ああ 生きていることの幸せ 悲しみ喜べることの幸せ 気づかない人は不幸せ
あたりまえなことありふれてること
それをすべて幸せというなら
まちがいじゃない でまかせじゃない
歩いていこう このからだにそのあざやかな色が染み込むまで
わからない内は迷っていよう 悩んでいよう 何が幸せか探しながら
幸せの形 それは人によって違うけど 誰もが願う幸せなんて似たり寄ったり。
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赤い網膜の奥から
せり上がる リビドー
あなたを 滅茶苦茶のチャにしたい
素敵なサムシング
僕としませんか
恥ずかしがらなくていい童貞さん
笑わないよ 血を拭ってあげるよ処女ちゃん
世界に新しい命が
生まれる ひよこの産声 ぴよぴよぴよ。
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お腹がすくのは
生きてる証拠
腹が立つのは
生きてる証拠
悲しくなるのは
生きてる証拠
風邪をひくのは
生きてる証拠
うれしくなるのは
生きてる証拠
呼吸をするのは
生きてる証拠
当たり前なことも
些細なことも
あなたが生きてるっておしえてる
ああ今日も生きてる。