詩人:どるとる | [投票][編集] |
生まれ変わりたい
ものはあるかと聞かれて
君は無になりたいと言った
僕は あなたに こう言ったよ
生まれ変われるなら僕はまた僕になって
君のそばにいたいと
だから生まれ変われるなら
あなたはまたあなたになればいい
それは僕の勝手な押し付けかい?
そう言うとあなたは笑いながら
優しくうなずいたよ
輪廻不転生のこの世界で 永遠を願う僕らの明日が たとえば
真っ白い朝靄のような無でも そこに少しの幸せがあったなら
僕らはきっともう一度朝を 待つことが出来る。
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なんにもない夜の中に あるいは朝の中に 小さな星の光が またたいている
変わり映えのない営みのどこかに あなたの視界の端っこに
それは あるのです
誰かが戯れに描いた落書きの中に
そっとやさしいタッチで描かれた
半分のりんごと ちっちゃなイモムシ
なんでもない夜にパセリを添えている
香り立つ幸せが
ほら鼻をくすぐる。
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今日もピエロは
舞台の上で笑ってる
だけど舞台が
終われば物陰で
独り泣いているよ
人知れず頑張ってる
ピエロのこと知ってるのは誰もいないよ
笑うことが仕事の
ピエロだって
悲しいことのひとつやふたつあるんだね
夕暮れのサーカス小屋の小さな物陰で
ピエロは顔を ぐしゃぐしゃにしながら
泣いている 泣いている
化粧が落ちた顔にはピエロの泣き顔があった ピエロには不似合いな顔 でもとても素直な顔です
今日もピエロは
家に帰るよ
終電間際の電車に乗って改札出れば
もう真夜中の零時
給料を持って行っても 有り難がられずに 愛想もない
働いて働いて
辛い毎日を過ごしてるのにね ピエロを誰も気遣わない
ピエロに似た僕らの姿 化粧の代わりにその愛想笑いを顔面に塗りたくっている
素顔隠して本音隠して 言いたいことを胸の内にしまっていつもいつも 心に嘘ばかりついています
すっかり 年期のついたしわくちゃの
ネクタイ 見つめて 温い缶コーヒー
ぐっとあおって そろそろ休み時間が終わる 行かなくちゃ
夕暮れのサーカス小屋の小さな物陰で
ピエロは顔を ぐしゃぐしゃにしながら
泣いている 泣いている
化粧が落ちた顔にはピエロの泣き顔があった ピエロには不似合いな顔 でもとても素直な顔です
人間らしい 顔です
僕のいちばん
好きな 顔です。
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閉館間際の古い映画館
独り働く 掃除のおじさん
ちりとりとほうきを持って
散らかった映画館を右から左へ掃除しています
ふと見ると 独り
残ってる 女の子
彼氏にふられたのと
泣きながら話すよ
おじさんはそっと
ハンカチを手渡した
スクリーンに映る
それぞれの物語
そこに暮らす
人々の営みが
ただ延々と続く様を
繰り返し繰り返し
映すような 毎日
まるで出来損ないの映画みたいだ
なんとなく 仕事終わり 煙草をふかしていたら
さっきの女の子がお礼と言って
缶コーヒーを買ってきてくれました
こんな仕事じゃ感謝なんてされないのに
ああ 嬉しかったよ
年甲斐もなく笑った
胸にあったかいもの
生まれた気がした
死に際はわかっても
その後はわからない
エンドロールの向こうの世界
なんとなく観てみたいけど 僕らが観ることを許されてるのは
息をしている間だけの本編だけ
遠ざかる女の子の後ろ姿に そっと
声をかけてみる
「大丈夫さ、君ならいい恋が出来るよ」
スクリーンに映る
それぞれの物語
そこに暮らす
人々の営みが
ただ延々と続く様を
繰り返し繰り返し
映すような 毎日
まるで出来損ないの映画みたいだ
夢もロマンもない血なまぐさい映画。
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公園の明かりに
群がる蛾のように
何かにすがってないと壊れてしまうよ
すぐに
あなたが僕の灯りになってくれるなら
もうこれ以上何も求めない
あなたが僕のそばにいてくれるのなら
僕はきっと幸せになれるはず
涙が雨に似ているのはなぜかって
考えたことがあるかい?僕はあるよ
あなたが僕に教えてくれたこと全部に
意味があるわけじゃない
それでもあなたがくれる言葉は全部
僕を照らしてくれる灯りに見える
優しい灯りさ なんてあったかいんだろう
優しい人が優しい誰かがそばに
いてくれるだけ それだけでも 違うさ
世界が違って見える。
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雨は ただ 何かを濡らすために
アスファルトの上 雨粒たちはダンスをする
タタタン タタタン タタタン 雨粒のダンス
ステップ刻めばほらね 素敵なメロディ
悲しみも喜びもないのだろう
ただ雨は何かを濡らすために降る
雨を見て 何を思うのかは人の勝手な
見方いかんで変わってしまうけれど
雨は 何も言わずあなたを濡らすだろう
傘の上で 雨粒たちがダンスをしてる
そんな日曜日は 少し雨に涙が混ざるよ。
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ほら その瞳の望遠鏡でのぞいてごらん
いろんな夜が いろんな朝が見えるから
当たり前な 景色の中にその向こうに
隠れている 光 そのまぶしさに目を伏せていた
ありきたりの毎日
有り体の世界
鳥の羽ばたきを
その耳で とらえたら
その羽ばたきを
少し違う角度から
見つめてごらん
何かが違って見えてくる
何かが違って聴こえてくる
ほら その心の中描かれてる世界は
いつも君の予想の域を出ないのかな
それでも、わかってるものすべては
まだ見えないままで いまだ不透明なんです
今日と明日 積み木のように積み上げる
繰り返しを繰り返すだけの大げさなおままごと
体力と頭を使うよ
そこだけが違う
何かを手にしては 同じように
ほかの何かを失くすのさ
当たり前に思ってることが いつの日か
当たり前じゃなくなる日が来るさ
くだらないと笑い飛ばす程に それはきっと大切なものに変わる まぶしい光に変わる
ありきたりの毎日
有り体の世界
鳥の羽ばたきを
その耳で とらえたら
その羽ばたきを
少し違う角度から
見つめてごらん
何かが違って見えてくる
何かが違って聴こえてくる
僕ら取り巻くすべてが 愛しく思える。
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すっかり日の暮れた道をバスが行くよ
窓にいろんな帰り道を映しながら行くよ
君は 泣きながら帰るのか それとも笑いながら帰るのか
どんなに悲しい帰り道も お腹がすけば帰りたくなるよ
夕飯は何だろう 考えながら僕は帰るんだ
さよならの向こうで
誰かのおかえりなさいが待っているのさ
だから帰るよいつものママの笑顔まで
夕暮れバスがいつもの停車場で 止まったら駆け足で家まで行こう 温かいお風呂に肩まで浸かろう
パパは残業 遅くまで家族のため働く
1日どうもお疲れ様 早く帰ってきてね
子供たちを起こさないように そっとリビングへ行けば
ママが用意したラップのかかった夕飯
添えられた手紙には「今日もお仕事お疲れ様」って書かれていた
しあわせはいつでもここにあるよ たとえば何気ない場所に
たまにはありがとう言ってみるよ 恥ずかしがらずに
いつも当たり前に思ってることが多分何よりもしあわせなんだって思えたら 心からしあわせになれる
だから今日も
さよならの向こうで
誰かのおかえりなさいが待っているのさ
だから帰るよいつものママの笑顔まで
夕暮れバスがいつもの停車場で 止まったら駆け足で家まで行こう 温かいお風呂に肩まで浸かろう。
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誰かを思うと
強くなれるんだ
誰かに思われると
優しくなれるんだ
それはまるで魔法のようなものです
種も仕掛けもない
不思議な人だけに与えられた力です
誰かを助けたい
誰かの力になりたい
そう思うだけで
誰かの明日の笑顔を作り出せるさ
ラララ ラララ 僕も誰かの力になりたい
ラララ ラララ 例えば君の力になりたい
大したことは何もできないけれど
あなたの傍にいるよ
そしてあなたを笑わせるよ
ひとりじゃできないことも出来るんだ
それはまるで魔法のように 見えている世界を変えるよ。
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あなたの夜に 届けたいんだよ
あなたの夜に 伝えたいんだよ
星のように きらめく言葉や
地球に 生きる すべての命あるものの
生きる音
キラキラと輝きながら ここにいるよって歌ってる
だから僕も少し
その歌声に耳を傾けてみる。