詩人:どるとる | [投票][編集] |
僕は免許がない
車の免許も
バイクの免許も
だけどこれといって
苦労はしていない
三十万近くもかけて免許をとるなんて
ばかばかしい 金の無駄だ
頭もないのにとれるわけもない
免許なし男は言う
身分証ならば保険証がある
車の事故だって免許がなければ起こらない
利点もあるじゃないか
僕は自転車でいい
僕は徒歩でいい
ゆっくりゆっくり
景色や季節を
眺めながら生きて行こう
眺めながら生きて行こう。
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どうして涙は出るのかな
水道の蛇口みたいに自由に
出したり止めたり出来ない
どうして笑顔を浮かべるのかな
笑ったって 得をするわけじゃないのに
なんだか笑うとうれしい気持ちになる
泣くより笑ったほうがいいけれど
うれしくても悲しくても
僕らは泣いているね
不思議だ
泣きながら 笑いながら 育つ 僕らはまだまだ大きくなる
愛しながら 愛されながら 育つ 僕らは頭のいい生き物
だから 人の悲しみに誰より機敏に 気づくことが出来る
人の痛みを自分のことのように 思いやることが出来る
あたたかい涙流せるやさしい人なんだ
あたたかい血潮巡る やさしい人なんだ
だから涙は出るんだよ
誰かの痛みに 誰かの悲しみに気づけるから
誰かの幸せや 誰かの喜びと 同じ気持ちになれるから。
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悲しいときは 悲しいと言ってごらん
少しは気が楽になるからさ
うれしいときはうれしい顔をしなさい
素直なあなたがそこに見えてくるから
あなたの心が笑うとき
あなたの顔はほころぶ
あなたの心が泣くときは
あなたの顔に雨が降る
不思議だね おかしいね
だから歌うのさ
泣きながら 笑いながら 人は生きてゆく
悲しいときもある うれしいときもある
今日はどんな日になるのかな
明日はどんな日になるのかな
心で描いた 風景に会いに行こう
きっと明日は笑ってるさ
今日の涙が 嘘に思うくらいにさ
心が描いた 笑顔の自分に会いに行こう
きっとやさしく出迎えてくれるさ
今日の君と明日の僕が手をつなぐとき
そこに生まれる果てしない未来のレール
ほらね 何も怖がることはない
明日の僕が君にはついているから
ついているから。
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たとえば僕が魚なら
青い海の底まで潜りたいな
たとえば僕が鳥ならば世界の果てまで飛んで行きたいな
だけど僕はただの人間だから
鳥のように飛べないし魚より上手く泳げない
だけど二本の両足で大地を踏みしめ生きる
たとえばそんな毎日が僕ら人間の日々だ
だから今日も歩く
だから明日も歩く
死ぬまで歩くのさ。
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悲しくても腹が減る
うれしくても腹は減る
それは生きているからだろう
雨が降ろうが 空が晴れようが腹は減る
お葬式でも 結婚式でも 空腹になりゃ
いつでも腹が減るんです
あなたが生きる
存在の理由を
あなたに教えるように ぐーっと鳴る腹の音 腹の音
悲しくても腹が減る
うれしくても腹は減る
それは生きているからだろう
雨が降ろうが空が晴れようが腹は減る
いつもの帰り道 今日は何を食べようか
考えながら また腹が減る
あなたが生きる
存在の理由を
あなたに教えるように ぐーっと鳴る腹の音 腹の音
あなたが生きる
世界のあらましを
最初から最後まで辿るように 伸びやかに 鳴る腹の音 腹の音
ああ今日も生きてる
明日もいい日になりますように。
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虹が出た 虹が出た
雨上がりの出来事だった
虹が出た 虹が出た
それは素敵な出来事だった
絶えず繰り返す日常の1コマ
切り刻むのは 己の劣等感 砕け散れ
インモラルの 風が
街を包む 街を包む
僕など モノラル
先駆けは嘘
虹さえモノラル
古き良き田舎の匂い
撒き散らした腐敗臭
さよなら モノラル
時代に連れ去られては
僕はここにはいられないいられない
モノクロの色彩
鮮やかでいて落ち着きはらって
賑やかでいて静か
逆さまの世界
僕ら 嫌われ役さ
所詮、この世は。
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生まれた朝を 割って 飛び出したたまご
殻だけが残った 少しの甘さは罪だよ
はじまりのうた歌う 君の背中近くで
嘘のケーキを 切り分けているのさ
少し 世界が 背伸びした夜に
僕は口を閉じて アンテナを伸ばす
テレビは嘘つき
新聞はごまかしばかり
つまらぬ隠蔽は
破滅を招く
破滅を招く
帰り路は 地獄
鬼が笑う夕暮れ
仏は 説法
人は殺戮の渦中
僕は歌うよ
目の前の血みどろを
僕は歌うよ
自身の死に様を
言葉と声にのせて
はるかな今日へ
いつかの僕へ
未来を届けよう
未来を伝えよう。
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昨夜の出来事 前科のように抱きしめている
君は幸福かい? 神様に応える僕はきっと何も答えることはない
いつかあなたがつくった時のたまご
割れた 時から 間違いは始まっていたから
目の前に生まれた朝を 踏みにじる
きれいな花を見ると傷つけたくなる
幸福それは所謂パラドクス
論じれば忽ち嘘くさくなる 嘘くさくなる
僕はただ黙って幸福に舌鼓
ただそれだけで
すべてが始まり終わる。
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繰り返されてゆく
日々の中に埋もれて
花の一生 辿る
僕らは辿る
昨日の出来事
小さな痛みまで
描き出せるかい
埃かぶった箱庭
忘れてる記憶
呼び覚ます光
僕を照らした
降るように注ぐ陽射し
手を伸ばしてつかんだ明日の空へと
流れてゆく 変わらない記憶がもしも
明日の僕を悲しませようと
僕は この命を守ってく。
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真水のように
不純物のない心は語る
清く生きなさいと
何も出来ないまま
時はただ流れてる
僕は季節の箱船
見送ってさよなら
蛇口をひねり
なんの苦労もなく
きれいな水を
飲み干すあなたがいる
それは当たり前と
思い込むあなたの
愚かさを映し出す
ちょうどいい鏡
たくさんの人の中に
紛れ込みながら
見つめている
誰かの愚かさを
そしてあなたは気づく
今までの自分の愚かさに
淀んでゆく水はありのままの今の心映す鏡と知りなさい。