詩人:どるとる | [投票][編集] |
魂を洗い清めて
旅立ってゆく
人の影が揺れ
全ての罪や過ちを
洗い流すような
雨が街に降る
君はゆくだろう
僕より先へ先へと
さよならも言わないで
言わせないで
送り火消えた
闇の中に
愛を囁こうとした唇にそっと冷たい
指をあてて 流れてしまう時を
静かに 君は笑って見送った
僕は過ぎたあの季節を今思い出しながら
そっと手を振ったよ
そして君が消えたら
さよならを灯した
笑顔という送り火
悲しみを強さに
変えたんだ。
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白が黒をとるため
黒を挟み撃ち
黒は白をとるため
白を挟み撃ち
だから終わらない
戦争は終わらない
だから消えない
いじめは消えない
オセロみたいなことをしているうちは。
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老いた夫婦は互いの顔を見るとため息つきながら
離婚届に判を捺すか捺さないかでもめにもめ
熟年離婚 しようかしまいか 畳の部屋でうなだれていた
ああ ぼくは どうしておまえと結婚したんだろう
ああ ぼくは いつまで尻にしかれているんだろう。
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心が勝手にしゃべりだす
その時涙は何を語るのか
その時笑顔は何を語るのか
僕らは今日も生きる
喧騒の中 人ごみに紛れるように 見失う
君の足音
耳をすまして 見つけるんだ
あしたの天気を占うように ほらね 靴を飛ばしてみるんだよ
悉く 靴は裏が出て
嘘のように雨が降り出す 傘を差そうにも悲しみを受け流す傘はない
せめてあしたが雨でも 少しだけでいいから
ほんの少し 笑えたら って小さな願いを捧げてる
胸の中 抱えてる たくさんの不安や焦りやいら立ちを 隠すこともなく 隠せるわけもなく涙は素直なまでにこのほほを伝う
時の砂時計 絶えず落ち続ける
旅の途中で
僕はまた 立ち止まり
見上げる 空に何度となく輝くあしたを祈れども たどり着いたあしたという今日には 嘘っぱちの笑顔が咲くだけ
自分に嘘つくくらいなら 責められようとも 泣きたいよ
それでも 恥じらうこの心が憎らしい
ああ あしたこそは晴れるかな
無駄かもしれないけどとりあえずは願うんだよ
あした天気になあれ
ああ 行き場のない悲しみは一体誰が 拭ってくれるというの?
さすらう雲が ちぎれてく
あしたの空に 続く道の果てに 太陽は 昇れども希望は 見えず
ただ どんよりとした不安が どこまでも
期待を 遠ざける。
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ふいに花びら
濡らす 一滴
笑顔の影もない
ため息ばかりの本日、雨
優しさに甘えていた
温もりに浸かっていた
何かが間違っていたかな
何かを勘違いしていたかな
言葉が思いを越えられず
散らばるごみ屑の言葉、体たらく
ありがとうだか
愛してるだか
この胸を埋め合わせるものがあれば
少しは晴れる
少しは晴れる。
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当たり前なことなど
何ひとつないんだね
当たり前と思うのは人の勝手なんだね
何が幸せで 何が不幸なのか
ただ こうしてふつうに暮らせるだけで僕らはもう幸せなんだ
これ以上の幸せは要らない
折り重なっている
僕らの暮らし
あなたの幸せも
僕の幸せも
地球が回るように
ずっと当たり前で
ありますように
夜の海が波を呼ぶ
ザアザアと海が鳴く
空の向こう 照らす
灯台の光
夢を見ていました
楽しい夢を あなたの笑顔はお日さまのように僕を照らす 僕を照らす
隣り合っている
それぞれの暮らし
あなたの今日も
僕の今日も
大した違いはない
ただ涙を流すように
当たり前に過ぎる
折り重なっている
僕らの暮らし
あなたの幸せも
僕の幸せも
地球が回るように
ずっと当たり前で
ありますように。
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悲しみの中に喜びが
喜びの中の悲しみが
どちらかを消すことは出来ない
僕らの生きる世界は ノンフィクションさ
痛みさえも惨いほどこの体を突き刺す
血潮を見てごらん赤く流れる
甘やかしては目をそらす 日々は人を腐らせる
夢も浪漫もない現実は ただどこまでも
退屈なだけの一本道 変わり映えしない日々を僕らは生きる
僕らの生きる物語は ノンフィクションさ
目に映るもの 耳に聴こえるものは全て
だから夢みたいに あなたのその手で
目の前にある大切な人を 現実の中で
思いきり愛するんだ。
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その言葉には心はありますか
ただ言葉にすればいい そんなんじゃだめなのさ
コップに水を注ぐように
言葉は意識しなければ 人の心を簡単に傷つけて
心からこぼれ落ちる あふれたぶんの余計な言葉が 人の心を傷つけてしまう
言の葉 色あせてゆく 色づいてもゆく
ひらり ひらり このからだをすり抜けて
心の中に届く音
ありがとうや愛してる 大丈夫ですか
ただいま おかえり すみません いろんな言葉があるんです
きっとうまく使えるはずだ 多くの言葉は知らなくても
簡単な言葉でも 人の心にひびく言葉がある
誰かの心をあらうような きれいな言葉がある
僕らは言葉には不自由しない だけど言葉は発し方を間違えると腐る
その言葉には心はありますか
計算なんかじゃわからない 人の心の教えです よく考えて
言の葉 色あせてゆく 色づいてもゆく
ひらり ひらり このからだをすり抜けて
心の中に届く音
ありがとうや愛してる 大丈夫ですか
ただいま おかえり すみません いろんな言葉があるんです
きっとうまく使えるはずだ 多くの言葉は知らなくても
簡単な言葉でも 人の心にひびく言葉がある
誰かの心をあらうような きれいな言葉がある
誰かの心を濯ぐような ステキな言葉がある。
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将棋盤でふんぞり返る
王将 玉将 守り固めた兵
角と飛車が 睨みをきかせて
桂馬と香車はただ黙って出番を待つ
歩は一歩ずつ一歩ずつ前へ進む
とってとられてはいまた復活
まるで 捨て駒 それでも前進
懐へ飛び込めば金になる
努力の駒さ 僕は歩のようになりたい
そして人生の詰みまで歩は進む
一歩また一歩とマスを埋める
地道な駒さ 僕は歩のように生きたい
焦らず騒がず あわてずに 歩は進む。
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いつか君が見つけた光
柔らかな陽射しのよう この世界を照らしてる
心の通った 言葉だけでお話しよう夜が明けるまで
またひとつ生まれる朝
僕の中で 君の中で 脈打つ命の灯火
ほら燃えている。